〔2010/5/18〕野村総研、ソーシャルメディアの進展・CRMに及ぼすインパクトを予測した「ITロードマップ」を発表

 野村総合研究所は、2015年度までのソーシャルメディアの進展と、それが企業のCRMに及ぼすインパクトを予測した「ITロードマップ」をとりまとめた。
140文字の“つぶやき”を無数の人々が生活者が交換する「Twitter(ツイッター)」は、2009年末から日本でも急激に利用者数が拡大しつつある。Twitterは、人々が日々の出来事やニュースに対する感想などを気軽に世界に発信することを可能にした。人々のつぶやきは、“ フォロー関係”と呼ばれるユーザ同士のネットワークの中で共有・転送されることにより急速に広がり、Webサイトにユーザーが集まるSNSとは異なる形で、“人々の関心のネットワーク”が生まれている。
また、世界最大のSNSである「Facebook(フェイスブック)」は、外部のWebページであっても同サービスの利用者が関心を持ったページを他の利用者に薦められる機能「Like」を提供し始めるなど、インターネット上の人々の関心そのものを集めて共有する方向性を打ち出している。こうした新しいソーシャルメディアの登場によって、インターネット利用者が情報を発信・発見し、さらに口コミとして広めるなど、情報伝達の経路や情報を入手した人々の行動パターンに変化が生じ始めている。これは、従来のWebページを起点とするインターネット利用者とは異なる新しい流れであり、それに伴って、企業もこれらのソーシャルメディアに対応したマーケティングや営業、顧客サポートのあり方を模索し始めている。新しいソーシャルメディアは、企業にとっては新たな顧客接点の1つとなり、さらには、マーケティングから営業、顧客サポートという企業の顧客関係管理(CRM)のあり方である「ソーシャルCRM」に変革を迫る可能性を秘めている。
企業のコンタクトセンターは、電話でのコミュニケーションに始まり、電子メール、ライブチャットなど、顧客からの問い合わせに対応する統合的なコンタクトセンターとして発展してきた。今後は、消費者が企業に向けて問い合わせや苦情を伝える際に、ソーシャルメディアを利用する機会が増えることが想定される。そのため、企業としても、このようなソーシャルメディアを介した消費者からのコンタクトに組織的に対応することが求められるようになると考えられる。先進的なコンタクトセンターを持つ企業から、徐々にソーシャルメディアを介した消費者の問い合わせや苦情への対応が始まると予測されるという。


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