〔2020/3/6〕J.D. パワー、2020年生命保険金請求対応満足度調査結果を発表

 J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、山本浩二社長)は、2020年 生命保険金請求対応満足度調査の結果を発表した。
 本調査で対象となった22社のうち、総合満足度で上位にランクした保険会社は、第1位:プルデンシャル生命 (737ポイント)が6年連続1位で、「顧客対応」「請求手続」「保険金支払」の全ファクターで最高評価。第2位:ソニー生命 (725ポイント)、第3位:メットライフ生命 (718ポイント)。
 生命保険各社ではオンライン請求手続きを導入する動きが広がりつつある。こうした動きは、いわゆるネット保険で始まり、外資系生命保険会社の一部で追随する動きがみられていたが、昨年からは日系大手生命保険会社でも見られている。
 しかし、足許での請求手続を行う主なチャネルの内訳をみると、最も多いのは営業担当者(約5割)、次いでコールセンター(約3割)で、オンライン請求は1割程度に止まっており、前年から特に大きな増加も見られなかった。こうしたことから、請求手続きのオンライン請求の導入は進んでいるものの、顧客の請求手続きに関する行動様式を大きく変えるまでにはまだ至っていないものと思われる。
 ただし、こうした動きを仔細にみると、オンライン手続を行った顧客の中で「ホームページのみですべての保険金請求手続きが完了した」割合は53%と前年比6%の増加となっており、必要な書類の取り寄せなど別途手続きが必要なケースが減ったものと思われる。さらに、請求手続きのオンライン完結型における書類の提出回数は「1回」が85%で、前年比+4%の増加となっており、書類提出もよりスムーズに行われるようになってきていることが確認できる。
 簡易請求手続きの範囲拡大や請求手続きのオンラインでの受付対象の拡大が生命保険各社で進められており、オンライン完結型が増えていることはその成果であるといえるだろう。もっとも、オンラインによる請求を増やしていくためには、オンライン請求対象範囲の拡大やオンライン請求手続きに関するUI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)向上のほか、オンライン請求手続きに関する認知度及び利便性に関する理解度を高める取り組みなどを強化していくことが重要であると思われる。
 複数の請求手続チャネルが各社から提供されているが、営業担当者に対応を依頼した場合に比べ、ホームページやコールセンターで手続きした場合の満足度は低く、引き続き課題が残っている。多様化する顧客ニーズに対応するためにも、ホームページやコールセンターでの請求対応の満足度向上への一層の取り組みが求められる。


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