〔2020/6/9〕バーチャレクス・コンサルティング、2020年カスタマーサクセスに関する実態調査結果第二弾を発表

 バーチャレクス・コンサルティングは、先だってアイティクラウド(本社:東京都港区、黒野源太社長)と共同で実施したカスタマーサクセスに関する実態調査について、前回の第一弾に引き続き第二弾の結果を発表した。
 前回の調査対象である21,526人の中で、「自身が担当している/社内に取り組んでいる部署、または担当者がおり、自身もかかわっている」と答えた500人に対し、カスタマーサクセスに関する取り組みについての調査を行った。
 勤務先のカスタマーサクセス取り組みにあたっての体制について尋ねると、昨年より増加して半数以上の人が「(回答者自身含め)カスタマーサクセス専業の担当者がいる」と回答し、逆に専任ではなく他の職務と兼任している人の割合が微減している。
 カスタマーサクセスを「取り組みむにあたっての障壁であったが今は解決している」ことは何かを尋ねたところ、「何から手をつけたらいいのかわからない」が36.4%と昨年より大幅に増加していることがわかった。
 どう始めたらよいかわからなかった人たちが、少しずつやるべきことを見出して運用を軌道に乗せていくことができたのではないかと推測される。
 次に、「取り組みを進めていくにあたっての障壁となっている」ものとしては、「人材・組織体制が不十分」、「経営層/上層部の理解が得られない」が一番多く、組織内の体制に関する課題解決のために取り組んでいる状態の人が多いということがわかった。また。「やっていることが正解なのかわからない」(6.8%)、「社内現場の理解が得られない」(6.8%)など、担当者の孤独が垣間見える結果となった。
 進め方や取り組み内容そのものの方法がわからず悩んでいる人が多かった昨年と比較して、今年はそれらの項目が大幅に減少している中で、人材・組織や社内理解についての課題を抱えている人の割合が一番多いことがわかった。
 カスタマーサクセスの取り組みをすでに進めている人にとって、実務の面においては個人の取り組み次第で理解を含めることは可能であっても、社内の人材問題や組織編成、上層部や他部署など社内からの理解を得ることが大きな壁であり、課題となっていることが浮き彫りとなったと言える。個人・業務としてのプラクティカルなカスタマーサクセス(=小さなカスタマーサクセス)は進んでいるが、組織全体で大きく取り組む会社の方針としてのカスタマーサクセス(=大きなカスタマーサクセス)までの道のりはまだ遠いのかもしれない。
 さらに、同対象者が「悩みや課題を解決するために取り組んだこと/現在も取り組んでいること」については、3割の人が「外部専門家に依頼/相談している」と答えた。
 自身だけ/社内だけで取り組みを進めていくことが難しくなり、専門家のサポートを求めている人が増えつつあることが推察される。書籍やネットの記事などを参考にしたり、セミナーに参加したりしている人も一定いる中で、イベントやコミュニティへの参加、他企業担当者との情報交換や他社の事例を参考にする、といった人が昨年より減少しているのは、カスタマーサクセスの取り組みが進んでいる人にとって、実務内容についてというより自社組織についての課題を抱えている人が多いということであれば、なかなかそれらの手法では解決できない、ということの表れなのかもしれない。同時に「特にない」と答えた人が昨年より大幅に減っているので、課題解決に向けて既に動いている担当者も増えていることが考えられる。


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