〔2010/8/10〕富士キメラ総研、報告書「2010 SaaS関連市場総調査」を発行

 マーケティング&コンサルテーションの富士キメラ総研は、ネットワーク経由のアプリケーション提供サービスSaaS関連の国内市場を調査した。その結果を報告書「2010 SaaS関連市場総調査」にまとめた。
SaaSは、ITリソースをパソコンなどに所有せず、ネットワークを経由しオンデマンドで利用するシステム概念「クラウドコンピューティング」の代表的なサービス形態である。この調査では、「基幹系」「情報活用系」「Web構築ツール」「音声/映像系」「セキュリティ」「業種特化・他」の6カテゴリ・35サービスのSaaS市場を分析し今後を予測すると共に、ユーザーの業種別や従業員数別にSaaS市場を横断的に捉えた。さらに、プラットフォーム提供サービス「PaaS(Platform as a Service)」など基盤サービス市場も調査し、クラウドコンピューティングの現状と今後を網羅的に分析した。
クラウドコンピューティングへの注目が集まっている中で、その中心的存在のSaaSも市場拡大が続いている。また、基盤サービスはPaaSやIaaSの事業展開が本格化してきており、市場は創成期から成長期に移行しつつある。2010年度は景気の先行きに不透明感が残っているものの、SaaS関連市場は好調を維持し前年度比21.2%増の1752億円が見込まれる。IT関連への投資抑制が続く一方で、コスト削減と競争力強化を図る戦略的投資としてSaaS関連は需要を獲得している。また、新規参入も相次いでおり、ユーザーにとってはコスト、品質、機能などさまざまな面から自社に最適なサービスを選択できる環境が整ってきている。2014年度のSaaS関連市場は、2009年度比2.5倍となる3628億円が予測される。特に基盤サービスは、同11倍と急拡大が予測される。ITリソースを所有せず効率的に利用できることから、今後幅広いユーザーに導入が広がると考えられる。
CTIは、顧客満足度向上や顧客サポート充実の重要性が高まっている中、低コストで効率的なコールセンターの構築を可能とする。数席からの構築が可能で、小規模ユーザーにおける新たなコールセンター構築を中心に市場拡大が見込まれる。また、複数のコールセンター拠点の統合や増設を目的にSaaSを導入するケースも増えてきており、大規模ユーザーへの導入増加が期待される。


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