〔2022/1/13〕矢野経済研究所、音声認識市場に関する調査結果を発表

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内の音声認識市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を発表した。
 2020年度の音声認識市場は114億円、2021年度の同市場は131億円(前年度比14.9%増、いずれも事業者売上高ベース)になると予測する。分野別では最も比率が高いコールセンター/コンタクトセンター分野が好調である。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非対面の顧客接点であるコールセンターの重要性が高まり投資が増加傾向である。コールセンターのオペレーターの在宅勤務への対応、デジタル技術を使った応対の高度化、人手不足の緩和といったニーズを背景として、音声認識を使った新ソリューションの導入が活性化している。
 音声認識技術の用途として、インサイドセールス・電話営業の会話記録と分析が注目され、新たなソリューションの提供が進んでいる。会話を自動的にテキスト化し、SFAやCRMへの入力業務を省力化することに加え、データ分析によってセールスパーソン及び営業組織の会話内容や傾向を分析し、営業力強化や営業スキル育成を支援する。
 コロナ禍で在宅勤務が増え、マネージャが部下の電話を隣で聞いて指導するといった場面が減ったこと、Web会議の利用により録音環境が向上し記録を取りやすくなったことの両面から関心が高まっている。
 音声認識市場は、2022年度以降も好調を維持する見通しである。2020年度から2025年度までのCAGRが16.4%で成長し2025年度には244億円に達すると予測する。
 ビジネス全般でオンライン化が進展し、音声データの利用場面が増えていること、世界的なAI技術の進化によりいっそうの精度向上や用途拡大が見込めることなどが追い風になる。日本国内では、少子高齢化と労働力不足が深刻な課題であり、音声入力による省力化や働き方改革のニーズは高まり、DXを支援する技術の1つとして活用が進む見通しである。


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