☆〔2022/5/19〕トランスコスモス、日本直販事業をギグワークス子会社の悠遊生活に譲渡

 トランスコスモスは、同社が運営する総合通信販売の日本直販事業を会社分割し、新会社・日本直販(本社:大阪府大阪市北区、遠藤俊社長)の全株式を、ギグワークスの子会社となる悠遊生活に譲渡することを発表した。新設分割の効力発生日と株式譲渡予定日は7月1日を予定。
 トランスコスモスの日本直販事業については、商品開発・マーケティング・データ分析・コールセンター・物流の分野で同社の組織力を活かし、商品提供の効率化に一定の成果を果たしてきた。事業構成見直しの一環で分割し、中心業務へと経営資源を集中させる。
 ギグワークスは、ITに精通した登録ギガワーカーによるオンデマンドエコノミー事業やシステムソリューション事業などを手がけている。2月には、見るだけでなく話すことができる「体験型オンライン店舗」の提供を開始するなど、よりリアル店舗に近い環境を提供する新たなECサイトの可能性も模索。通販事業各社との連携を深めている。
 トランスコスモスの譲渡先となる悠遊生活は7月1日付でギグワークスの子会社となる予定で、これに合わせ、ギグワークスは悠遊生活を通じて日本直販を傘下に収める。悠遊生活は、自社ブランドのショッピングカタログ「悠遊生活」を中心とした通信販売を展開。最近はEC利用者も増えている。
 現在は「日本直販事業部」としてトランスコスモスが運営する日本直販は、草分けといえるテレビショッピングを通じ、一大ブームとなった「高枝切りばさみ」や「スーパーはぼき」などのヒット商品を販売してきた老舗の通販ブランドだ。
 2000年代に入り、海外通販業者の参入やネット通販の普及に伴う競争激化と対応の遅れで、運営会社が12年に経営破綻。トランスコスモスによる新会社で「日本直販」事業を継承した。2013年には新会社の社名を日本直販に変更し、通販ブランドと社名を統一。業績の回復などから、2015年に吸収合併した経緯がある。
 ギグワークスは日本直販について、創業から40年以上経ったいまも、通販業界の先駆者としての存在感を示し続けているとした上、一連の株式取得後は、カタログや広告宣伝、仕入れの共通化などによるコスト削減施策を進めるとともに、500万人を超える両社の顧客に向け、得意とするギグワーカーを活用したサービスを提供していきたい考えを示している。


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