〔2010/12/2〕IDC Japan、2010年の国内IT市場規模は12兆3373億円の前年比成長率0.6％と予測

　IDC Japanは、国内産業分野別IT市場における2010年上半期の分析と2010年～2014年の市場規模予測について発表した。これによると、日本経済は徐々に明るさが増しており、それに伴いIT支出は緩やかな回復基調を示している。2010年の国内IT市場規模は12兆3373億円、前年比成長率0.6％とプラス成長を予測。また2009年～2014年の年間平均成長率（CAGR: Compound Annual Growth Rate）は0.5％、2014年の市場規模を12兆5619億円と予測している。
2010年は、景気回復に伴いIT支出がプラス成長に転じる産業が多く見られる。医療（2010年 前年比成長率：2.8％、市場規模4619億円）、情報サービス（同：2.4％、7229億円）、公共／公益（同：1.6％、2468億円）などが挙げられる。一方、証券／その他金融（同：マイナス2.2％、2633億円）、建設／土木（同：マイナス1.1％、1562億円）、一般サービス／その他（同：マイナス1.0％、5515億円）などの産業においては、業績回復の遅れにより、IT支出の前年比成長率はマイナスとなっている。官公庁（同：マイナス2.5％、7046億円）は事業仕分けや公共事業の見直しに伴うIT政策見直しなどの要因によってマイナス成長になるとしている。
2011年は、経済環境の改善に伴って多くの産業分野でIT支出のプラス成長が持続すると予測。同年の国内IT市場は、前年比成長率0.5％、市場規模12兆3951億円と予測している。特に通信／メディア（2011年 前年比成長率：3.5％、市場規模1兆8226億円）では、通信事業者によるLTE（Long Time Evolution）など次世代携帯規格のインフラ構築によって高い成長率を予測している。