〔2022/5/24〕IDC Japan、国内AIシステム市場予測を発表

 IDC Japan(本社:東京都千代田区、竹内正人社長)は、国内AIシステム市場予測を発表した。
 2021年の国内AIシステム市場は、市場規模(エンドユーザー支出額ベース)が2,771億9,000万円、前年比成長率は26.3%になった。2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって低調となったAIプロジェクトが再開し進展を見せた。また、新たなライフスタイルの勃興にデジタル商機を見出す企業によって、AI を活用した多様な実験型プロジェクトが繰り返し実施された。COVID-19 感染拡大前から企業変革に熱心に取り組む企業のDX活動を通じた実証実験の評価によって、AI システムが本番運用を開始するケースも順調に増加した。同時に多くの市場プレイヤーによってAI 関連製品やサービスの開発投資や企業買収が盛んに行われた。
 これらの背景によって2021 年のAI システム市場は同市場の54.0%を占めるソフトウェア市場が、前年比で28.5%増加したことが成長の要因となった。加えてAIシステム市場の29.3%を占めるサービス市場が、ビジネス変革支援、ITコンサルティング、アプリケーションの開発や運用支援のニーズが高まり、同36.0%増と高い成長を示した。ハードウェア市場は2020年の急速な成長の反動減が2021年に生じ成長率は落ち込んだものの、それでもなお同7.1%増と緩やかな成長を示す結果となっている。
 2022年の国内AIシステム市場における市場規模(エンドユーザー支出額ベース)は前年比29.0%増の3,576億3,400万円と予測する。同市場は経済成長スピードの鈍化が続く国内において、デジタルに変革と企業価値の創造を見出そうとする意欲的な企業がリードし、AI による従業員の能力拡張や事業計画の予測と意思決定が強化される。そして、AI 活用の学習と経験を重ねた企業がより高度な目的のためにAIプラットフォームを活用するケースや、AIの導入スピードを優先する企業がSaaS型のAIアプリケーションを採用するケースが今後も増加する。また、これらの企業へのソフトウェアやクラウドコンピューティングサービスの導入支援、企業のAI 人材の内製化支援や上流の経営変革を目的としたコンサルティングサービスなどを中心に積極的な投資が行われると予測する。2023 年のAIシステム市場は25.9%増と前年に比べると成長スピードは鈍化するものの、引き続き成長を続ける。このことによって2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は24.0%で推移し、2026年には8,120億9,900万円になるとIDCでは予測している。


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