〔2022/10/26〕J.D. パワー、2022年カスタマーセンターサポート満足度調査<EC・通販業界編>の結果を発表
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、山本浩二社長、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2022年カスタマーセンターサポート満足度調査<EC・通販業界編>の結果を発表した。
2021年から実施しているカスタマーセンターサポート満足度調査<金融業界編>に加え、今回初めて<EC・通販業界編>を実施した。「総合ECサイト」、「テレビ通販」、「カタログ通販」の3業態を対象に、「コールセンター」、「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」、「自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)」、「メール問い合わせ/問い合わせフォーム」、「FAQ(よくある質問)ページ)」の満足度について聴取している。
直近で利用したサポート機能を聴取したところ、業態により大きな違いがみられた。コールセンターの利用率はテレビ通販部門では58%、カタログ通販部門では47%と5割前後なのに対し、総合ECサイト部門では25%となり、他2部門の利用率を大きく下回る。一方、オンライン系サポート機能の中では、「FAQ(よくある質問)ページ」は3業態共通して25%前後だった。
年代別にみても、大きな違いがみられた。コールセンター利用率は高年層の51%に対し、若年層では27%となり、年代が低いほど顕著に低下している。
対照的に、FAQを中心にオンライン系サポート機能は、若年層では合計で7割を超えており、オンライン系サポート機能の利用が若年層を中心に普及していると言える。
サポート機能別の満足度は、「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」が716ポイントと最も高く、次いで「コールセンター」が708ポイント、「自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)」が691ポイントとなった。「メール問い合わせ/問い合わせフォーム」(680ポイント)、「FAQ(よくある質問)ページ」(659ポイント)は、全体平均を下回る結果となった。特に「FAQ(よくある質問)ページ」は全体平均より30ポイント下回る低い満足度になっている。
この要因の1つとして、問い合わせしたい質問文の見つけにくさがあると考えられる。FAQ利用者の約3割が、「必要な情報が見つけにくい」、「問い合わせしたい内容と合致する質問文を見つけにくい」と考えていることが確認できた。FAQはオペレーターやAIとの動的なやりとりが発生せず、問い合わせ内容の絞り込みを利用者自らが行うため、知りたい情報にたどり着くための負担が大きい。そのためFAQの満足度向上には、先ずは利用者目線に立った質問文の見直しや、更なる検索精度の向上や導線整備が求められる。
総合満足度ランキングは下記の通り。
<総合ECサイト部門>(対象9ブランド)
第1位:ヨドバシ・ドット・コム(713ポイント)
第2位:ビックカメラ.com(690ポイント)
第3位:PayPayモール*²(685ポイント)
<テレビ通販部門>(対象4ブランド)
第1位:ジャパネットたかた(743ポイント)
第2位:QVCジャパン(724ポイント)
第3位:ショップジャパン(720ポイント)
<カタログ通販部門>(対象7ブランド)
第1位:セシール(724ポイント)
第2位:通販生活(723ポイント)
第3位:ベルーナ(713ポイント)