〔2011/3/3〕トランスコスモス、中国語分析業務をサポートする「中国語VOC分析デスクサービス」を開始

 トランスコスモスは、中国市場のコールセンターやインターネットに寄せられる顧客の声(Voice Of the Customer、以下VOC)の収集・分析・活用をサポートする「中国語VOC分析デスクサービス」を開始した。日本国内で培ったノウハウを活用し、中国語VOCに含まれる消費者ニーズや広告・キャンペーンの反響、ブランドイメージや風評などのマーケティング情報を、中国語対応SaaS型テキストマイニングツールで「見える化」する。家電や化粧品など、主に日系メーカーの日本本社と現地法人向けに提供し、2011年度、10社への導入を目指す。
ソーシャルメディアやコールセンターなどの顧客接点は、VOCを収集・分析・活用するための傾聴戦略拠点(リスニングプラットフォーム)として再認識されており、コールセンターにおいても単にオペレーションの効率化や省力化を目指すのではなく、消費者のニーズや生活実態を汲み上げ、社内にフィードバックしていくことがミッションとして求められている。ただし、従来のVOC活動は日本国内に限定されており、海外の消費者のVOCを「見える化」したり、日本と海外のトレンドやニーズの違いを比較したりすることはできなかった。特に中国市場では、中国語対応のテキストマイニングツールが実用化されていなかったこともあり、取り組みが遅れていた。
しかし、近年の中国市場は経済成長が著しく、淘宝網(タオバオ)などのECを活用したダイレクトマーケティングや、ブログやチャットを通じたインフルエンスマーケティングが日本以上に重要視されており、そこで集めた中国語のVOCをテキストマイニングしたいというニーズが急激に高まっている。
このような背景の下、トランスコスモスでは2年前より中国人VOCアナリストの育成に着手した。野村総合研究所が提供する「TRUE TELLER テキストマイニング 中国語版」をいち早く導入、分析環境を整備し、家電製品のコールログやブログデータを用いた中国語VOC分析サービスのトライアルを実施してきた。現在は2社に導入している。
大手家電メーカーA社に提供中の具体的な内容は、A社の中国現地コールセンターで収集したVOCを、日本国内に設置したSaaS型テキストマイニングツールにアップロードし、日本在住の中国人アナリストが定期的または特定の目的において一時的に分析。その結果から得られたマーケティングインテリジェンス(ECの出店・運営に伴う消費者のニーズや不満、広告やキャンペーンに対する反響、自社および競合のブランドイメージや風評など)をレポートにまとめ、日本語に翻訳したうえで、日本と中国のマネジメント層に共有・発信している。
中国語VOC分析デスクサービスのメニューは、大きく以下の3つ。
(1)中国人アナリストによるVOC分析デスクの運営
初期費用:150万円から、 月額:100万円/人から(翻訳料別途)
(2)SaaS型テキストマイニンググツールの提供
初期費用:100万円から+運営体制コンサルティング費30万円から(オプション)、月額:30万円/ライセンスから
(3)中国語VOC共有ポータルのシステム導入
初期費用:150万円から+運営体制コンサルティング費60万円から(オプション)、月額70万円/ライセンスから
本サービスは、まずは、トランスコスモスおよび中国現地法人トランスコスモスCCチャイナなどのグループ企業が受託運営しているコールセンターやECフルアウトソーシングサービスの付加価値サービスとして展開し、家電や化粧品など主に日系の生活消費財メーカーを中心に、2011年度10社への導入を目指す。


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