〔2023/12/20〕電通デジタル、「リテールDX調査(2023年版)」の結果を発表

 電通デジタル(本社:東京都港区、瀧本恒社長)は、リテール業界において加速的に進行しているDXへの支援に向け、生活者の実態について調査すべく「リテールDX調査(2023年版)」を実施した。本調査では、多くの手続きでオンラインなど人を介さない手段を今後利用したいと考えている一方、臨機応変な対応が求められる手続きについては無人を求める割合が低い傾向が見えてきた。
 詳細レポートは、https://pages2.dentsudigital.co.jp/report/dl/20231214_Retail-DX_Research_2023/からダウンロードできる。
 同レポートは、東京都、名古屋市、大阪市に住む18~69歳の男女を対象に9月12日~9月14日、「銀行」「生命保険」「通信」の3つの業種を対象に、それぞれ代表的な5つの手続きで、「店舗や担当者による有人の手続き」もしくは「デジタル接点などの無人の手続き」のどちらを求めるのか、またそれを選好する理由について調査した結果に基づく。
 新型コロナウイルス感染症の流行などを契機に、企業のもつさまざまな顧客接点のデジタル化が急速に進み、さらにAIチャットボットやビデオ通話などのデジタルツールの浸透も追い風となり、行政・民間問わずさまざまな手続きをオンラインで行うことができるようになった。その一方で、これまでのような店舗や担当者による対応を縮小・終了しデジタル化してしまうことで、時に生活者にとっては「使いづらい」「不親切」といったマイナスな印象を与えてしまう懸念がある。企業としては、一方的にデジタル化を進めるだけではなく、その顧客接点が持つ役割や状況に応じて、生活者にとって最適な方法を提供することが必要。
 こうした中、電通デジタルでは生活者にとって身近で、さまざまな手続きが発生する機会の多い「銀行」「生命保険」「通信」の3つの業種を対象に、それぞれ代表的な5つの手続きで、「店舗や担当者による有人の手続き」もしくは「デジタル接点などの無人の手続き」のどちらを求めるのか、またそれを選好する理由について定量調査で明らかにした。
 調査対象の計15種類の手続きのうち14種類において、それぞれ半数以上が今後手続きを行う際には「オンライン手続きなどの人や店舗を介さない手段を利用したい」と回答したことから、多くの生活者は「デジタル接点などの無人の手段」を求めていることがわかった。
 その理由として、どの手段でも「効率的だから」「自分のペースで出来るから」「有人対応だと時間がかかるから」が上位を占めた。
 また、過去にオンラインなどの無人手続きを利用したことがある方と利用したことが無い方では、今後の手続きにおける無人手続きの利用意向に34.3ptの差が生まれており、過去の利用経験が、今後の手続きの利用意向にも影響あたえ、過去にオンライン手続きなど無人手続きを利用した方は、今後も継続して無人手続きを利用する意向が強いことがわかった。
 手続きの種類別の結果では、業界にかかわらず、住所変更などの目的や方法が明確でシンプルな手続きは無人を求める割合が高く、契約の相談やトラブル時の対応などの臨機応変な対応が求められる手続きは、無人を求める割合が低いといった共通点があったことから、有人と無人の手続きのどちらを求めるかは手続きの複雑性が影響していると考えられる。
 手続きの方法別の結果では、近年増加しているAIチャットボットやビデオ通話などの手続き手段の利用経験率は低く、一般の利用者にはまだ定着していないことが伺える。
 近年の企業のCRM活動の潮流として、店舗やコールセンターなどの顧客接点のデジタル化が推進されているが、あらゆる顧客接点や手続きを画一的にデジタル化、無人化するのではなく、手続きの性質や利用者の状態に応じて、最適な手段やユーザーエクスペリエンス(UX)を提供することが重要。


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