〔2024/3/18〕ソフトバンク、日本マイクロソフトとの共同開発により、生成AIでコールセンター業務の自動化を加速

 ソフトバンクは、生成AIを活用してコールセンター業務の自動化をさらに加速することを目指し、新たに日本マイクロソフトと共同開発を開始する。2024年7月以降、ソフトバンクの自社のコールセンターに順次導入し、既存業務の自動化を拡大していく。生成AIの活用により、顧客の待ち時間の短縮と対応の均質化を図り、顧客満足度の向上を目指す。
 ソフトバンクは、2023年2月に生成AIの業務利用を開始するなど、事業や社内業務への先端テクノロジーの導入を積極的に推進している。コールセンターでも、すでに生成AIの活用を試験的に開始しており、顧客の利便性向上に取り組んできた。こうした中、定型業務が比較的多く、顧客対応などでさまざまな情報を参照するコールセンター業務においては、生成AIによるさらなる自動化の余地があると判断し、日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」を活用し、生成AIを最大限に活用した最先端のコールセンターの構築を目指すことになった。生成AIを活用することで、顧客の待ち時間を短縮し、より均質な顧客対応の実現を図る。
 ソフトバンクのコールセンターでは、各種サービスのさまざまな問い合わせに対応しており、1万以上の業務が存在する。このうち問い合わせ内容に対する案内や契約内容の照会、契約変更手続きなどの業務を中心に、生成AIを活用していく。具体的には、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)が顧客の問い合わせ内容を判断して案内を行ったり、データソースから情報を収集したりして、最適な回答を行う。
 顧客からの問い合わせに対して、LLMがインテント(検索意図)分類し、決められた順序と固定化されたスクリプトで対応する従来のフロー追従型ではなく、顧客との会話内容に応じて、LLMが必要な機能やデータソースを参照するLLM自律思考型のシステムを開発することで、柔軟かつ高精度な顧客対応を目指す。
 さらに、対応精度の高度化に向けて、ソフトバンクが提供するさまざまなサービス内容やオペレーターの対応パターンなどの大量の情報を基にプロンプティングを行う他、Azure AI Searchを活用してRAGでの連携を行い、社内で保有するデータベースを参照し、顧客への最適な回答をスピーディーに導き出す。
 ソフトバンクは今後、効果検証の結果を踏まえ、ソリューション化および法人顧客向けの提供も検討していく。


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