〔2024/3/19〕セールスフォース・ジャパン、富士通がSalesforceのカスタマーサービス向け生成AIの採用を決定

 セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce)は、富士通が、Salesforceのカスタマーサービス向け生成AI「Einstein for Service」の採用を決定したと発表した。富士通はEinstein for Serviceを活用することで、コンタクトセンターの効率化と高度化を図り顧客体験のさらなる向上を目指す。
 この度、富士通が検証したEinstein for Serviceの機能は以下のとおり。Salesforceは、これらの機能を米国で先行提供しており、2023年12月に日本国内でも一般提供を開始した。
 サービス返信(Service Replies):顧客からのチャットでの問い合わせに関する返信内容の推奨案をデータやナレッジベースに基づきAIが自動生成する。
 会話サマリー(Conversation Summaries):カスタマーサービスにおけるオペレーターと顧客の会話内容の要約をAIが生成する。
 富士通は社会課題解決を起点として、クロスインダストリーで企業のビジネス成長とサステナビリティ・トランスフォーメーションの実現を目指すデジタルサービスを提供している。同社のグローバルビジネスアプリケーション事業本部では、顧客窓口の1つであるSalesforceサポートデスクにて顧客体験のさらなる向上を目指す。その取り組みの一環として、2023年8月よりEinstein for Serviceが先行リリースされていた北米インスタンスで環境を準備し、富士通およびFujitsu North Americaにて、SalesforceのEinstein for Serviceについて、日本の同サポートデスクでの運用を想定した機能検証を行ってきた。
 検証の結果、サービス返信(Service Replies)によりサポートデスクのオペレーターの平均処理時間(AHT)は89%削減。また会話サマリー(Conversation Summaries)により平均後処理時間(ACW)は86%の削減効果が得られた。
 これを踏まえ、富士通は更に日本語環境での実検証に取り組みを推進していく。2023年12月にSalesforce Service Cloudの生成AI機能が国内で一般提供開始された後、即座に採用を決定し、日本語環境での検証を開始、英語での検証結果に近い導入効果を目指している。本格運用は2024年度前半を計画している。
 同社では、コンタクトセンターでの生成AI活用に向けた運用のポイントを整理した。過去の質問や回答をナレッジとして残し、それらを顧客からの問い合わせ返信内容の推奨案として生成する際にグラウンディングとして活用すること。チャット対応するオペレーターが一問一答に誘導し、AIが正しい回答を生成しやすくすること。また、会話内容の要約生成に関しては、内容が正しいかどうかを人の目で必ずチェックし修正・加筆することなど。これらの作業の継続により、生成AIの作成する回答やサマリーの精度向上が見込まれる。


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