〔2024/7/1〕みずほ銀行、PKSHAのコンタクトセンター向け統合ソリューション「PKSHA AI Suite for Contact Center」を全面導入
PKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)と、グループ会社であるPKSHA Communication(本社:東京都文京区、佐藤哲也社長)は、みずほ銀行の次世代コンタクトセンターシステム構築の大規模開発を支援し、2024年8月よりそのサービス運用が開始することを発表した。
デジタル技術の進化と労働人口の減少により、企業のデジタル化が加速している。銀行ではATMや店舗の利用が減少し、今後10年で店舗の対面接点は半減、リモート接点は3倍に増加すると予測されている。そのため、リモートでの顧客接点があらゆる業態で重要視されている。みずほ銀行は、より良い顧客体験と高度なコンタクトセンター運営を実現するため、生成AIの活用、チャネル統合、CRM連携など最新技術を導入した次世代コンタクトセンターシステムの開発を決定した。
PKSHAは、コミュニケーション領域におけるAI活用において過去12年以上の実績を持つことから、次世代コンタクトセンターの中核を担うAI実装に関連する全体設計及び開発を行った。開発には、「AI Suite for Contact Center」という大規模コンタクトセンター開発における統合ソリューションを用い、個別課題をAIで解決するソリューション事業と、プロダクトを展開するAI SaaS事業それぞれのノウハウ、そして多数のコンタクトセンターへの導入実績をもとに同行における史上最大規模のコンタクトセンター改革の支援を行った。
次世代コンタクトセンターシステムの構築において、PKSHAはAIに関連する全体設計および開発を支援した。具体的には、オペレーター支援、顧客の問合せ自己解決の支援、コンタクトセンターのデジタル化と戦略的な運営支援、という3つの領域を対象としている。
これらを通じて、顧客1人ひとりに合わせたきめ細やかなサポートを可能にし、要望に迅速かつ正確に応えることで、付加価値を高めることを目指す。
今回の開発の重要ポイントは、AIがオペレーターと協働し、リモートで業界最高水準の応対を提供すること。店舗同様のサービス品質を実現できるよう、短時間で顧客のニーズを引き出し、迅速に情報を提供するための仕組を整えた。具体的には、リアルタイムでマニュアルや資料をサジェストする「マニュアル/資料サジェスト」、音声認識技術で対話の要点を表示し、CRM登録を支援する「対話の要点把握/アフターコールワーク効率化」、そして応対品質を分析し向上させる「応対品質評価」の3つの要素。これにより迅速かつ正確なサポートを提供し、付加価値の向上を目指す。
顧客の利用習慣の変化や若年層の増加に伴い、24時間対応のオンライン窓口の需要が増加している。これに対し、Webや電話の問合せチャネルで、24時間対応可能な「PKSHA Chatbot」、「PKSHA Voicebot」、「PKSHA FAQ」などのAI搭載プロダクトを組み合わせ、設置している。これにより、顧客は24時間いつでも自分に合ったチャネルで問合せができ、自動窓口で解決できない場合でもスムーズにオペレーター(電話・有人チャット)に繋がり、早期の問題解決と利便性向上を実現する。
デジタル化と労働人口減少が進む中、コンタクトセンターはATMや店舗に代わる新たな顧客接点となり、サービス品質やオペレーターの能力開発が重要視されている。今回、業務のデジタル化を通じて、業務品質の標準化やオペレーター育成を支援する仕組みを構築した。AIによる感情分析や手上げ機能でスーパーバイザーがリアルタイムで対話状況を把握・サポートし、応対品質の分析・管理が可能。また、データ化された応対内容を精緻に分析・改善し、次回以降のサービス向上に活用できる。
社会インフラである銀行システムは、正確性だけでなく高度なセキュリティへの適応も求められる。PKSHAは過去12年のAIの社会実装を通じ、堅牢なセキュリティに対応するシステム構築の実績を積み重ねてきた。今回の次世代コンタクトセンターシステムの支援においては、セキュリティ面においてさらなる充実化を図りつつ、PKSHAが展開する「AI Suite for Contact Center」を全面的に適用する形で、多岐にわたる技術の社会実装を実現した。
2024年8月のリリース後も、みずほ銀行とPKSHAが一体となり、更なる改善を重ねながら、先端AI技術を用いて持続的にコンタクトセンターの高度化を行っていく。