〔2024/8/27〕野村総合研究所、コンタクトセンターのためのデジタルプラットフォーム「CC@Home」に生成AIを実装

 野村総合研究所(以下、NRI)は、顧客や社内からの問い合わせ窓口であるコンタクトセンターのためのデジタルプラットフォーム「CC@Home」に、生成AIを組み込んだ新機能を、2024年9月から提供を開始することを発表した。
 多くの企業のコンタクトセンターでは、問い合わせに対応するオペレーターの人員不足という課題を背景に、AIの活用が進んでいる。今回NRIは、CC@Homeの中核ソリューションの1つである「TRAINA(トレイナ)シリーズ」に対して、同シリーズで用いているNRI独自の自然言語処理(NLP)エンジンに生成AIを組み込んだ。これにより、VOC(Voice of Customer:お客様の声)の分析結果に対する考察の生成、過去の応対で蓄積された情報や知識(ナレッジ)を活用した回答例の生成、通話音声の要約におけるより自然で分かりやすい文章の作成を実現する。導入企業は、コンタクトセンター業務の高度化に向けて、応対品質と生産性のさらなる向上が可能となる。
 TRAINAが提供する機能別の強化ポイントは、以下の通り。
(1)VOCの分析機能における考察の生成
 コンタクトセンターに寄せられた顧客の声を分析する「TRAINA テキストマイニング」において、生成AIによる分析結果に対する考察が表示されるようになった。従来は、分析結果を元に人間が考察を行う必要があったが、生成AIによる考察を利用することで、その手間が軽減される。これにより、通話内容のモニタリングや分析業務の効率化を支援する。
(2)ナレッジの検索・表示機能における既存ナレッジを活用した回答例の生成
 通話中のオペレーターに対して、顧客からの問い合わせに関連するナレッジを検索・表示する「TRAINA FAQナレッジ」において、適切なFAQが存在しない場合でも回答例を表示できるようになった。NRIの独自エンジンによる迅速なナレッジ検索に加えて、生成AIが既存のナレッジを元に回答例を生成する。これにより、オペレーターによるスムーズな応対を支援する。
(3)通話要約のテキスト化・要約機能における可読性の向上
 顧客とのやり取りを記録するために、通話内容を自動でテキスト化・要約する「TRAINA VOICEダイジェスト」において、生成AIを用いてより自然で分かりやすい要約文を表示できるようになった。生成AIが通話内容の要約を行い、NRIの独自エンジンが誤情報生成(ハルシネーション)を抑制する工夫など、要約の品質向上のための処理を行う。これにより、オペレーターによる通話内容の記録業務を支援する。
 CC@Homeでは、今回のTRAINAシリーズの強化にとどまらず、今後も生成AIを活用した新機能を順次提供していく予定。


PAGE TOP