〔2024/9/26〕NTTテクノクロス、コールセンターAIプロダクトに生成AIを活用したカスハラ検知機能を年明けに製品化

 NTTテクノクロス(本社:東京都港区、岡敦子社長)は、コールセンターAIプロダクト「ForeSight Voice Mining」(以下、FSVM)に、生成AIを活用したカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)を早期に検知する新機能(特許出願中)について、年明けに製品化を予定していることを発表した。
 FSVMは、音声認識技術や感情分析技術、言語解析技術を活用したコールセンターAIプロダクト。NTTが研究開発した音声認識技術を元に、通話内容のテキスト化や要約を行っている。また、通話内容に応じたマニュアルの自動表示、通話のモニタリング機能などにより、コールセンターや自治体などにおける電話応対業務の応対力向上を支援し、CX(顧客体験)向上を実現する。導入実績:5万6000席(2024年8月末時点)。
 昨今、カスハラは社会問題となっており、カスタマーサポート業務に従事する従業員の心理的負担が深刻化している。カスハラは精神的疲弊による業務効率の低下や従業員の離職といったリスクにもつながることから、早期に検知し適切に対応することが求められている。
 これまでのFSVMでは、事前に登録したキーワード(単語)を検知し管理者へ共有するなどのオペレーターの応対支援に使われていたが、単語だけではなく人格や尊厳を侵害する言動などが含まれるカスハラ検知の活用としては、難しい状況であった。今回、会話に直接的な表現が含まれていない場合でも生成AIがカスハラを検知し、管理者にアラートを通知する新機能の開発を進めている。本機能の活用により、オペレーターの心理的負担を軽減し、カスハラ対策に役立てることができる。
 具体的には、厚生労働省から提示されているマニュアルを参考に、生成AIがキーワードだけでは捉えきれなかった過剰な要求や不当な言いがかりも、会話の流れよりカスハラを検知し判定する。また、自社のカスハラ対策方針に合わせて基準を設けることも可能。
 そして、FSVMがカスハラを検知すると管理者へ通知され、オペレータへの対応方法のアドバイスや管理者自身がオペレータと応対を代わるなど、応対支援を図ることができる。
 今後NTTテクノクロスは、AIを活用することで、人間の判断では難しいカスハラの予知・予測にも取り組んでいくとしている。


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