〔2025/6/25〕Voice Agent基盤のRecho、エクレクトとパートナーシップ締結

 Voice AI Agentを簡単に構築できる基盤「Recho Voice AI Platform」を開発するRecho(本社:東京都中央区、邱実社長)は、CXソリューションカンパニーであるエクレクト(本社:東京都世田谷区、辻本真大社長)と業務提携を締結した。
 デジタルチャネルが多様化した現在でも、企業の顧客接点において電話は不可欠な役割を担っている。チャットやメール、アプリでは対応しきれない複雑な問い合わせ、緊急性の高い相談、感情的な配慮が必要な場面では、音声による対話が最も効果的なコミュニケーション手段として選ばれ続けている。
 実際、国内のコンタクトセンター関連市場は1.5兆円を超える規模を維持。しかし、この市場は運営コストの70-80%を人件費が占める労働集約的な構造となっている。労働人口の減少により人材確保は年々困難になり、採用難は深刻化。一方で、顧客はより迅速で質の高い対応を求めるようになっている。
 この構造的な課題に対し、生成AI技術の進化により「Voice AI Agent」という新たなソリューションに期待が集まっている。人手不足の解消と顧客体験の向上という、これまでトレードオフの関係にあった2つの課題を同時に解決し、24時間365日、人間のオペレーターと同等の対応品質を維持しながら、通話後の要約作成やCRMへの自動入力といった後処理業務まで自律的に完遂。オペレーターはより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになる。
 人間のオペレーターが行ってきた状況判断、適切な情報収集、システム連携、柔軟な対応といった高度な業務を、Agentが自律的に遂行。すでにさまざまな業界で、架電・受電双方の実業務での活用が始まっている。
 Voice AI Agentへの期待が高まる一方で、実際の導入には依然として高い壁が存在する。
技術的な壁:業界特有の対話パターンの実装日本語の複雑な表現や「間」の再現や、実業務レベルの音声品質の実現システム・業務統合の壁:既存システム(CRM、CTI、PBX等)との複雑な連携セキュリティ要件を満たす安定運用や現場への導入・定着化プロセス
 多くの企業にとって、これらの技術的課題を自社だけで解決することは困難であり、Voice AI Agentの実用化を阻む大きな壁となっている。
 RechoのVoice AIとエクレクトのシステム統合力の組み合わせにより、これらの課題を解決し、Voice AI Agentへの期待を現実のものとする。
 RechoのVoice AI Platform上で、各企業の業務フローや対話スタイルに合わせたカスタマイズを実施。企業固有の対話品質を維持したまま、音声による業務自動化を実現する。
 エクレクトの豊富な統合経験により、Zendeskをはじめとする既存のカスタマーサポートシステムとの連携を確実に実装。業務の継続性を保ちながら、段階的な自動化を推進する。
 技術導入だけでなく、現場での活用方法の設計、効果測定、継続的な改善まで、両社が連携してサポート。Voice AI Agentを「使ってみたい技術」から「実際に使える技術」へと進化させる。
 両社は、現在進行中の複数のプロジェクトを通じて、Voice AI AgentにとどまらずCX領域のソリューションの幅を広げている。
 エクレクトの持つ750社超の顧客基盤と業界知見を活かし、Voice AI Agentの対応範囲を段階的に拡大。将来的には、システム基盤、AI Agent、そして人によるオペレーションを最適に組み合わせた統合的なCXソリューションの提供を目指す。
 Voice AI Agentの普及に伴い、オペレーターの役割も進化していくと考えている。定型的な業務をAI Agentが担うことで、人はAI Agentの監視・評価、対話品質の向上支援、複雑な案件への対応など、より高度で創造的な業務にシフトしていくだろう。企業のニーズに応じて、これらを最適な形で組み合わせることで、効率性と顧客満足度を両立させた次世代のカスタマーサービスの実現を支援していく。
 また、Rechoは本提携を皮切りに、Voice AI技術の社会実装を加速させるパートナーエコシステムの構築を推進。エクレクトとの成功事例を基に、パートナーエコシステムを拡大し、より多くの企業にVoice AI Agentの価値を届けていく。


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