〔2025/6/25〕ジェネシス、Genesys Cloud AI Studioを発表
ジェネシスは、エージェンティックAIによる顧客エンゲージメントへの移行に向けて、企業が責任を持って進めるための基盤となる「Genesys Cloud AI Studio」を発表した。 Genesys Cloud AI Studioは、AIをより迅速に構築・管理・スケールするための集中型イノベーション・ハブとして設計されており、パーソナライズされたスマートな体験を実現するための直感的かつエージェンティックAIに対応したツールを備えている。ガイドラインや制御機能を組み込むことで、安全性と透明性を確保したAI活用を支援する。
このAI Studioにおいて最初にリリースされた「Genesys Cloud AI Guides」は、企業が複雑で広範な顧客ジャーニー全体にわたり、高度な自律性を持って対応できるバーチャル・エージェントを迅速に設計・導入・管理できるよう支援する機能。
現在一般的なバーチャルエージェントの多くは、技術リソースを用いて開発された固定的な対話フローに従って動作するため、複雑な現実の会話には対応しきれず、処理が破綻してしまうケースも少なくない。それに対し、エージェンティックAIは、より高い自律性を備えた対応が可能となり、状況に応じて動的に判断・行動することで、より優れたカスタマーエクスペリエンスの提供を実現する。しかしその一方で、エージェントが企業全体のブランド価値や顧客ロイヤルティに影響を与える可能性があるため、AIの行動に対する高度なガバナンスがこれまで以上に重要になる。
ジェネシスが新たに提供する「AI Guides」は、企業が将来のAI活用を自信を持って導入できるよう支援する。ノーコードの直感的なUIを通じて、企業が設定したガイドライン(ガードレール)のもとで、複雑かつ複数ステップにわたる顧客対応を安全かつ柔軟に実行可能なよりインテリジェントなバーチャルエージェントをスピーディに構築・展開できるようになる。AI Guidesの活用によって、従来のトランザクション中心の顧客対応を超えて、社内のワークフローの起動、AIと人間の協働、より重要な対応場面での「ブランドの代弁者」としての役割なども担えるようになる。
AI Guidesは、大規模言語モデル(LLM)をベースとしたエージェントの動作を明確に制御し、出力の一貫性とビジネス目標との整合性を確保しながら、ハルシネーションを最小限に抑えるガバナンス型フレームワークとして、企業による半自律的な顧客体験の拡大を支援する。
AI Guidesの主な特徴は、以下の通り。
・自然言語で簡単に設計・編集が可能:コード不要で、自然な言葉や既存のドキュメントを活用して、バーチャルエージェントを誰でも簡単に構築・改修できる。
・一度の構築で複数チャネルへ展開:一度設計した体験を、Genesys Cloud Virtual AgentやCopilotなどの複数のソリューションに横展開でき、体験の一貫性を維持しながら工数を削減する。
・エンタープライズレベルの連携性:フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィス間のシステムとシームレスに連携し、業務遂行、ワークフロー自動化、ビジネス成果の向上に貢献する。
・安全性を確保するガードレール機能を標準搭載:精度、トーン、ポリシー遵守などに対応する設定可能かつ検証可能なセーフティコントロールを備え、責任あるエージェンティックAI活用を支援する。
AI Guidesは、継続的なA/Bテストや改善に対応できる柔軟性を備えたモデル非依存型アーキテクチャを採用している。これにより、最新の言語モデルが登場しても、最適なモデルを選定・進化させることで、常に最高の成果を導き出すことが可能になる。
この高い汎用性は、Genesys Cloudプラットフォームによって支えられており、独自モデルはもちろん、オープンソースモデルやAmazon Bedrock経由の先進的なモデルとの統合もシームレスに実現する。これにより企業は、自社の目標やポリシーに合致する形でAIを柔軟に導入・運用でき、パフォーマンス、安全性、ガバナンスを損なうことなく、継続的なイノベーションを推進することができる。
AI Guidesは、Genesys Cloudプラットフォームにおける会話型、生成型、予測型AIにエージェンティックAIの中核機能を新たに追加し、自律的な顧客対応の実現に向けた基盤を提供する。
Genesys Cloud AIの根幹には、「Genesys Event Data Platform」が存在する。このプラットフォームは、あらゆるインタラクションから得られる未加工データを、「意図」「成果」「行動」などの構造化されたシグナルへと変換し、顧客プロファイルを強化する。これにより、よりスマートなオーケストレーションの実現、モデル学習の加速、AIの各種機能におけるパフォーマンス向上を支援し、Genesys Cloud AI StudioやAI Guidesの高度な活用を可能にする。
ジェネシスは今回の「Genesys Cloud AI Studio」と「AI Guides」の発表を通じて、企業がエクスペリエンス・オーケストレーションのレベル4(ビジネスで定義されたガードレールに基づいて、半自律的 かつスケーラブルに顧客対応を行う段階)へと進化するために必要な重要機能を提供する。今後追加予定の「Genesys Cloud Custom Conversation Summaries」も、企業ごとのブランドトーン、フォーマット標準、コンプライアンス要件に即したインタラクション要約の生成を可能にし、さらなる統制強化を支援する。