〔2026/4/28〕RightTouch、AIオペレーターを中核としたAIコンタクトセンター構想を発表
RightTouch(本社:東京都品川区、野村修平社長、長崎大都社長)は、AIオペレーターを中核とした「AIコンタクトセンター」構想を発表した。同時に、その頭脳となるナレッジ統合基盤(QANT ナレッジハブ)の新プロダクトの提供を開始した。
本構想が目指すのは、「問い合わせを自動化する」ことではなく、「運用するほど問い合わせ解決の精度が上がり続ける仕組みを作る」こと。
AIを前提に顧客接点全体を再設計することで、これまでコンタクトセンターに蓄積されてきた応対データやナレッジデータを横断的に活用し、AIによる自動応答(AIオペレーター)と有人応対が有機的に連動しながら顧客体験(CX)を継続的に改善・高度化していく。
近年、コンタクトセンターを取り巻く環境は大きく変化している。デジタル化の進展により顧客との接点は多様化し、問い合わせ件数は年々増加するなかで、顧客体験(CX)は企業の競争優位を左右する重要な経営テーマとなった。高精度で迅速な対応への期待が高まる一方、現場では以下のような構造的な課題が顕在化している。
課題➀人手を前提にした運営モデルの限界
コンタクトセンターは長年、「人員を増やすことで対応量を確保する」労働集約型のモデルで運営されてきた。しかし、採用難・離職率の高止まり・人件費の上昇により、必要な人員の確保自体が難しくなっている。
その一方で、デジタルチャネルの普及やサービスの複雑化を背景に問い合わせ件数は増加を続けており、需要と供給のギャップは拡大する一方だ。
こうした状況において、「人を増やして対応する」という従来のアプローチは、採算面でもオペレーション面でも限界を迎えている。人手に依存しない運営モデルへの転換が求められている。
課題➁自己解決施策の頭打ち
人手不足への対応として、多くの企業がFAQの整備やWeb導線の改善、チャットボット・ボイスボットの導入といった自己解決施策を進めてきた。しかし、これらの取り組みは一定水準まで進むと効果が鈍化し、「導入はしたが成果が伸びない」「現場の負荷が下がらない」といった状況が続いている。
その要因は、ツールが個別最適に運用され、VoC(顧客の声)やWeb行動や属性、過去の応対などの顧客データと連携していないことにある。運用負荷が高いまま、改善に必要なデータが活用されず、継続的に精度を高める仕組みが組み込まれていないのが実情。
課題➂企業ナレッジ運用の分断
さらに深刻なのが企業のナレッジデータ運用の分断。多くの企業では、「FAQ向け」「オペレーター向け」「AI向け」のようにナレッジが分散管理されている。その結果、更新負荷の増大や情報の不整合が発生し、一貫した顧客対応が難しくなっている。
また、顧客接点(Web・チャット・電話)、ナレッジ、応対ログの分断は改善サイクルの停滞を生み、顧客対応全体を進化させることができない。こうした背景から、コンタクトセンターの運営そのものを再設計する必要性が高まっている。
こうした課題に対し、RightTouchが取り組むのは、コンタクトセンターの運営モデルそのものの再設計である。AIオペレーターが一次応対から解決までを担い、ナレッジ統合基盤が応対ログやVoCを学習・統合することで、運用するほど精度が向上していく自己進化型の運営モデルを実現する。これは、従来のような部分最適なAI導入では到達できなかった「継続的に進化する顧客対応」を可能にする点が最大の特徴だ。
応対の自動化による単なる効率化にとどまらず、AIと人が協働することで、応対品質の向上と顧客ごとの最適化を実現する。AIが定型的な対応を担い、人は複雑な課題や感情的な支援といった高付加価値領域に集中することで、顧客の状況や文脈に応じたより精度の高い対応が可能になる。
将来的には、エージェント同士が連携する「エージェント to エージェント」の世界を見据え、企業全体のデータ活用の最適化を目指す。
➀実運用するほど良くなる「強いAIオペレーター」
単なる一問一答の自動応答ツールではなく、顧客の文脈を踏まえ、安定して顧客を自己解決へ導くAIオペレーターを提供する。
一次応対から解決までをAIが担い、定型の問い合わせはAIで完結。対応しきれない複雑なケースのみをシームレスに有人応対へエスカレーションすることで、「AI中心+人の補助(Lv.3)」のハイブリッド運用を実現する。
音声(電話)・テキスト(Web)双方で幅広い問い合わせに対応できる応対品質を備え、実運用(応対)するほどその結果を元にAIが賢くなる自己進化型の設計である。
➁人とAIの「ナレッジ統合基盤」による自己進化
AIコンタクトセンターの中核となる「頭脳」として、ナレッジ統合基盤(QANT ナレッジハブ)を提供する。これまで「FAQ向け」「オペレーター向け」「AI向け」と分断されていたナレッジを一元統合し、どの顧客接点でも人とAIが同じ知識を利用できる状態を構築する。
さらに、現場オペレーターの応対履歴や暗黙知をAIの学習に自動的に取り込むことで、プロンプトの手動調整に依存せず、運用するほどAIが賢くなる自己進化サイクルを実現する。
➂Webから電話まで顧客接点全体を押さえた「面」のサポート
電話単体の最適化にとどまらず、Web上の行動データ(どこでつまずいたか)や事前ヒアリング情報をAIや有人オペレーターに引き継ぎ、顧客接点全体をつないで、電話〜Web間をはじめとした体験の分断を解消する。
これにより、電話でもWebでも、ゼロから用件を聞き直す無駄を省き、顧客の状況や文脈を踏まえたパーソナライズされた対応が可能になり、顧客対応全体が継続的に進化していく。
対応領域の拡大と業界別展開の加速とともに、中期的には AIオペレーターによる一次応対比率のさらなる引き上げを目指す。
問い合わせを適切に減らす設計へと転換し、運用するほど精度が向上するAIによって顧客体験は継続的に進化していく。さらに、AIと人が連動することで有人応対の品質も高まり、コンタクトセンター全体の価値が引き上げられる。その結果、コンタクトセンターは「コストセンター」から「プロフィットセンター」へと進化し、企業の価値創出を担う中枢へと変わっていく。
こうした運用の進化の延長線上には、エージェント to エージェントの 世界がある。顧客側のAIエージェントと企業側のAIエージェントが 直接対話し、人が介在せずに課題が解決される時代が到来する。 本構想および一連のリリースは、その未来を見据えた第一歩。