〔2026/10/22〕SBI証券、RightTouchとの取り組みでカスタマーセンター全体でAIオペレーター活用を推進

 RightTouch(本社:東京都品川区、長崎大都社長、野村修平社長)は、SBI証券のカスタマーセンターにおいて、自律的な改善で精度向上と運用負荷の削減を同時に実現するAIオペレーター「QANT スピーク」が導入されたことを発表した。
 本プロダクトの導入後、AIオペレーターの対応範囲はパソコン操作やアプリ、各種ツールの設定に関する専用窓口であるテクニカルリーズン全体に広がった。年間50万~60万件の問い合わせに対応し、振り分け精度90%超、自己解決率85%を実現している。また、平均通話時間が1件あたり1.6分短縮され、カスタマーセンター全体で月間2,933時間の応対時間削減につながっている(テクニカルリーズンを含む主要ダイヤル全体の月間約11万件のコールに当てはめた推計値)。応対時間の削減はカスタマーセンター全体の業務効率化にとどまらず、顧客がいつでもスムーズに用件を解決できるようになることでCX向上にもつながっている。
 SBI証券では、株式や投資信託をはじめとする幅広い金融商品のオンライン取引サービスを通じて顧客に価値を提供してきた。カスタマーセンターにおいては、電話やWebでの問い合わせ対応など、顧客とのあらゆる接点をマネジメントする役割を担い、顧客、オペレーター、会社の「三方よし」を実現する組織を目指している。
 同社のカスタマーセンターでは、新NISAの開始や証券業界全体のオンライン取引におけるセキュリティ対策強化を背景に、入電件数がここ数年で約2.5倍に達し、ピーク時には約5倍に増加していた。
 専門性の高い証券業務では、採用・育成が問い合わせの増加に追いつかないうえ、研修後に現場へ出始めた時期に応対の難しさや不安を感じ定着しないオペレーターもおり、人員増強だけでは対応しきれない状況が続いていた。
 また、従来の電話ガイダンスは選択肢を増やすほど担当のオペレーターに振り分けやすくなる一方、顧客がガイダンス内で困りごとに合った内容を選択する負担が大きくなる課題を抱えていた。混雑してつながらない窓口を避けて別の窓口へかけ直す顧客も多く、その結果、転送やかけ直しが増えてしまうことで、顧客の不便とオペレーター負荷の両方に影響を及ぼしていた。
 SBI証券はこれまでに、「QANT Web」「QANT コネクト」「QANT VoC」を導入してきたが、今回、最も問い合わせ数の多い、電話経由の顧客応対における自己解決促進とCX向上を目指すべく、顧客の自由発話を元に困りごとを把握して、適切な解決先へ導くことができる術としてAIオペレーター「QANT スピーク」を導入した。
 本人確認の場面では、AIが聞き取った氏名を復唱して確認し、認識に迷った場合には複数の候補を示して確認する。誤認識による本人確認のやり直しを防ぎ、応対の正確性向上にもつながっている。
 従来は、AIが聞き取った内容の確認に別ページを開く必要があり、表示にも時間を要することから、有人オペレーターが用件を聞き直すケースが生じていた。この課題に対し、AIが聞き取った要約情報をGenesys Cloudの着信画面上に着信と同時に表示する仕組みへ改善し、画面遷移を伴わない応対を実現した。
 削減された応対時間は、オペレーターの採用・育成コストに換算しても大きなインパクトにつながっている。困りごとの早期解決につながるため、顧客にとっても素早く目的を達成できるようになり、カスタマーセンター全体の効率化と顧客の体験向上の両方を実現している。
 問い合わせ分類や通話タグの見直し、フローの修正とテストを約1か月間集中的に実施した結果、用件の振り分け精度は90%を超えた。あわせて、一部の問い合わせ内容ではAIのみで応対が完結した自己解決率が85%となり、有人応対が本当に必要な問い合わせへオペレーターの人的リソースを集中できる状態が生まれている。
 RightTouchは、AIオペレーターによる問い合わせ内容の引き継ぎ範囲を拡大し、メインの証券ダイヤルなどへの展開を支援する。これにより、平均通話時間のさらなる短縮に加え、転送率の低減と自己解決率の向上を図る。
 将来的には、CRMとの連携により、顧客の取引履歴や関心、これまでのコミュニケーションに応じて商品知識・提案力に長けたオペレーターへとつなぐマッチングの最適化を進めていく。案内のパーソナライズ化とあわせて、AIオペレーターが単なるコスト削減にとどまらず、顧客の取引を後押しする収益貢献の仕組みへと役割を広げられるよう支援する。
 AIが担う領域の拡大に伴い、人にしかできない対話の価値は一層高まる。RightTouchは、AIオペレーターによる最適な振り分けの仕組み構築に加え、カスタマーセンターの人材育成や評価制度の見直しについても支援し、CX・EX・事業成果を連動して高められる状態づくりに取り組んでいく。


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