〔2012/2/9〕ITR、国内のCRM市場調査を発表、CRM市場、2ケタ成長続く

 アイ・ティ・アール(本社:東京都新宿区、内山悟社長、以下:ITR)は、国内のCRM(顧客関係管理)、ECサイト構築管理、FAQ作成管理を対象に国内50ベンダーの製品を網羅した調査を行い、市場規模および動向分析をまとめた「ITR Market View:CRM市場2012」を発行した。本日、CRM市場の適用分野のひとつであるSaaS型SFA/SFE分野の市場推移と2011年度(予測値)のベンダーシェアを発表する。
国内CRM市場全体は、2010年度の実績(出荷金額ベース)で前年比11.2%増、2011年度は同14.4%増の伸びを予測している。このうち、営業活動を支援する製品で、顧客情報管理、案件管理、コンタクト履歴管理、営業活動管理、業績管理、販売チャネル管理などの機能をもつSFA/SFE分野は、パッケージ製品は低調ながら、SaaS型の同分野は2010年度、2011年度ともに前年度比20%近くの拡大を見せ、2011年度は23億8000万円に達すると予測している。
SaaS型SFA/SFE分野の市場は、依然としてセールスフォース・ドットコムが4割を超える高いシェアを維持しており、2010年度も2011年度も同社の売上げ増大が市場の伸びに大きく貢献している。2011年度(予測値)は、各ベンダーともに前年度よりも売上げを伸ばす見込みで、ベンダーシェアでは、セールスフォース・ドットコムが43.7%のシェアを獲得、続いて2位にNIコンサルティング、3位にソフトブレーンがつくと見ている。
ITRのシニア・アナリストの甲元宏明氏は、「適用分野別に見ると、これまでコスト・パフォーマンスで注目度が高い、メールを中心としたマーケティング・システムが順調に市場を拡大してきましたが、近年はそれらの活動のPDCAを管理する気運が高まっています。今後は、SFA/SFE、コンタクトセンター、マーケティング、フィールドサービスといった顧客関係のシステムを連携させ、より効率的な営業活動支援を推進する企業が増えると予想され、統合的なソリューションをパブリック・クラウド(SaaS)によって実現したベンダーが本市場を勝ち抜く可能性が高いと考えます」とコメントしている。


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