〔2012/5/31〕IDC Japan、2012年の国内ビジネスサービス市場予測を発表
IDC Japan(本社:東京都千代田区、竹内正人社長)は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)およびビジネスコンサルティングから構成される国内ビジネスサービス市場予測を発表した。これによると2012年の同市場規模は前年比5.4%増の8661億円になり、成長率は2011年よりも上昇する見込み。
今回の調査の対象となったBPOサービスは、人事、カスタマーケア(コールセンター)、財務/経理、調達/購買の4分野におけるBPOサービスで、4分野を合わせた2012年の市場規模は前年比5.0%増の5917億円となる見込み。2011年に続いて2年連続のプラス成長となる背景には、リーマンショック後の景気低迷期を経て、企業が競争力強化に取り組み始めており、業務のアウトソーシングを進めてコアビジネスへ経営資源をシフトする傾向が強まっていることがある。特にコスト削減効果が把握しやすい調達/購買BPOサービスでは高い成長率で市場が拡大した人事BPOサービス分野でも、福利厚生業務のアウトソーシングで高い成長率となるとIDCではみている。
国内ビジネスコンサルティング市場では、新たな成長戦略を策定/実行しようとする企業が増えており、2012年の市場成長率は2011年よりも上昇することが見込まれる(前年比成長率6.1%、市場規模2744億円)。特に海外市場への進出に関わる経営課題や業務改革/組織改革などで、専門家のコンサルティングに対する需要が拡大するとIDCではみている。また国内企業におけるM&Aや事業再編が加速していることも、外部コンサルティングに対する需要を拡大させる要因となっている。BPOとビジネスコンサルティングをあわせた国内ビジネスサービス市場は、2011年~2016年に年間平均成長率4.5%で推移し、2016年の同市場は1兆258億円と、1兆円を超える規模になるとIDCは予測している。しかし給与業務BPOサービスやカスタマーケア(コールセンター)BPOサービスなどの、一部の市場セグメントでは価格競争も激化している。「サービス事業者は、サービスメニューの拡充に努めるとともに、ITやオフショアアウト拠点を活用し、効率的なサービス提供の体制を整備することが重要である」とIDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は分析している。