〔2012/7/12〕J.D.パワー、2012年日本投資サービス顧客満足度調査結果を発表

 J.D.パワー アジア・パシフィックは、2012年日本投資サービス顧客満足度調査の結果を発表した。当調査は、民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの投資サービスを利用している個人を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を調べたもので、全国の18歳以上の男女を対象にしている。初年度となる今回の調査は、2012年5月にインターネット調査にて実施し、1万6234人から回答を得た。満足度の測定にあたっては、「商品・サービス」「口座情報」「手数料・金利」「店舗施設」「問題解決」「顧客対応(担当者・オンライン・コールセンター)」の6つのファクター(要素)を設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した(1000ポイント満点)。当調査では、サービス形態をもとに「対面銀行」「対面証券」「新形態銀行」「ネット証券」の4部門に分け、集計した。なお、信託銀行についても参考データとして聴取している。
 対面銀行部門では、三井住友銀行が顧客満足度第1位となった。同行は「商品・サービス」、「口座情報」、「オンライン」の評価が高い。特に、他行に比べて顧客がインターネットサービスを利用している割合が高く、その利便性への高評価が特徴的である。第2位の埼玉りそな銀行は「店舗施設」の評価が高い。
 対面証券部門では、野村證券が顧客満足度第1位となった。同社は「担当者」(営業職員)の評価が特に高く、担当者の接遇・知識・対応力が強みとなっている。また、情報提供やアフターフォローなど、サービス面の評価も高い。第2位の大和証券は「手数料・金利」、「コールセンター」の評価が高い。
 新形態銀行部門では、住信SBIネット銀行が顧客満足度第1位となった。同行は「手数料・金利」に対する圧倒的な高評価に加え、「オンライン」、「口座情報」の評価も高い。第2位のソニー銀行は、全般的に高評価だが、特に「コールセンター」への評価が高い。
 ネット証券部門では、SBI証券が顧客満足度第1位となった。同社は「手数料・金利」、「問題解決」でトップ評価を得ている。第2位のマネックス証券は、「商品・サービス」、「口座情報」、「オンライン」の評価が高い。当部門では各社の強み・弱みが領域ごとに大きく異なっており、厳しい競争環境下で、少しでもサービスでの差別化を図ろうとしている様子が伺える。
 銀行・証券会社の投資サービスに対する顧客満足度は業界全体として低く、特に対面銀行、対面証券部門の業界平均点(共に518ポイント)は、過去1年に当社が実施した様々な業界満足度調査の中で最低点である。例えば、生命保険業界では満足している人が全体の約6割を占めるが、対面銀行、対面証券部門では3割と約半数である。


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