〔2012/7/30〕野村総合研究所、部門横断組織「NRIビッグデータ・ラボ」を始動
野村総合研究所(NRI)は、ビッグデータの実証実験を行う部門横断組織「NRIビッグデータ・ラボ」を本格的に始動させたと発表した。
NRIビッグデータ・ラボは、顧客と共同で具体的なビジネス仮説を設定し、ビッグデータを有効活用するための実証実験を行う組織。NRIでは、これまでに大規模データの分析や処理、またBI事業を手がけてきたが、その経験から、ビッグデータビジネスを成功させるためには、収集・分析したデータを検証評価するプロセスが重要と考え、この組織を立ち上げたという。
経営や業務改革を専門とするコンサルタントをはじめ、データアナリスト、システムエンジニアといった各部門のスペシャリストを、部門を横断して組織化。これによって、仮説構築から実証的にビジネスの可能性を検証するまでのプロセスを運営し、顧客企業の業務革新を目指す。
ビッグデータ分析については、経営や業務改革に通じたコンサルタントが持つ専門知識・ノウハウを生かすほか、同社が持つ仮説立案力とデータ分析フレームワークを生かす考え。また、その結果を活用した業務革新に向け、戦略立案からデータ分析、業務設計、技術支援、業務・システムの構築・運用までのトータルなサービスを、同ラボを中心として提供する。 さらに、NRIのデータアナリストが活用中のビッグデータ分析ツールを標準装備したクラウド環境を用意する。これを活用することで、大容量で高速な実証実験をプロトタイプとして実現し、実証実験の段階で繰り返し仮説を検証。費用を最小限に抑えつつ最大限の効果を発揮することを目指す。さらに、ツールに精通したNRIのコンサルタントやデータアナリストが分析業務を支援するという。
このほか、顧客がすでに保有するデータに、ソーシャルメディアなど社外から得られる膨大なデータを加味した分析を実施し、その結果に基づいたシステムを提供するとのこと。NRIではその例として、「オンラインビジネスと実店舗のオフラインビジネスが相互に連携した販促・キャンペーン」など、マーケティング施策を効果的に実現するシステムを挙げた。また、コールセンターなど複雑にマルチチャネル化された業務システムに蓄積された膨大なデータを集・
活用した高度な統合分析や、その分析結果に基づき、商品やサービスのレコメンデーションを最適なタイミングで最適チャネルから生成させるシステムも実現できるとしている。 なおNRIは、データ分析を活用した業務改革に精通したコンサルタント、BIやビッグデータ分析に携わるデータアナリストと、BIが得意なシステムエンジニアを加えた約60名で「NRIビッグデータ・ラボ」のコアチームを組織し、各部門のデータ分析に携わるアナリストと連携し組織横断的な活動を展開する計画。今後はさらにこれを拡充し、3年間で350名超の体制にする予定。