〔2013/3/15〕トッパン・フォームズ、三井物産からジェイエスキューブの全株取得し完全子会社

　情報管理ソリューションのトッパン・フォームズは、三井物産が保有するジェイエスキューブの発行済全株式を取得し、ジェイエスキューブを完全子会社とする株式譲渡契約を締結した。株式譲渡日は４月１日の予定。
　トッパン・フォームズは、申込書などビジネスフォーム（BF）の印刷と、企業から預かった個人データをBFに印刷して通知物にするデータ・プリント・サービス（DPS）を中核とするアウトソーシングビジネスを行っている。高度なセキュリティ体制に裏打ちされた技術力とノウハウには、高い評価を得ており、BF、DPSにおいて長年に渡りトップシェアを堅持している。
　ここ数年、求められるアウトソーシング領域が拡大し、印刷・データプリント加工・発送に加えてエンドユーザーから送付された申込書などの書類受付から、記載内容のチェック、デジタル化などを含む一連の業務を一括して行うビジネスプロセスアウトソーシング（BPO）の依頼が増加している。BPOはBF、DPSとの親和性が高く、同社ではいち早くBPOに注力し、成果を上げてきた。特に金融機関などのこれまで一連の業務を内部処理してきた業界で、BPOのニーズが増加する傾向にある。また今後の需要増が期待できる大口案件にも対応できるよう、東京都日野市にBPOの新拠点となる日野センター（仮称、10月竣工予定）を建設するなど、競争力強化に取り組んでいる。今回のジェイエスキューブの子会社化はそうした流れの一環。
　ジェイエスキューブは、紙文書の電子化など、スキャニング・エントリーといった入力分野で業界屈指の技術とノウハウを保有している。業界最大となる約200名の文書情報管理士を中心とした「ドキュメントアウトソーシング事業」、顧客にとっての最適な事務効率を提供する「機器ソリューション事業」、顧客内のコールセンターや入力センターなどへの「スタッフサービス事業」を行っている。
　トッパン・フォームズが目指すBPOは、通知物を通して企業とエンドユーザーを双方向で結び付ける循環型入出力業務を一括で請け負う受託ビジネス。情報の出力分野で強みを持つ同社と、入力分野で強みを持つジェイエスキューブが融合することで、日本最大級の入出力業務受託能力を有することになる。
　これにより、今後発生する金融機関や官公庁・自治体などの業界特化型大規模BPO、重要な情報資源を社外に持ち出すことなく得意先内で作業を行うBPOオンサイトなどを取込み、５年後に350億円の拡販を目指す。