〔2013/11/27〕IDC Japan、国内BPO/ビジネスコンサルティングサービス市場予測を発表

 IDC Japan(本社:東京都千代田区、竹内正人社長)は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)およびビジネスコンサルティングから構成される「国内ビジネスサービス市場」予測を発表した。これによると2013年の同市場規模は前年比4.2%増の8903億円になり、3年連続のプラス成長になる見込み。
 国内BPOサービス市場は、人事、カスタマーケア(コンタクトセンター)、財務/経理、調達/購買の4分野で構成。同市場の前年比成長率は、国内景気低迷の影響を受け2009年には1%未満へと大幅に鈍化した。しかし、成長はその後徐々に回復し、2013年は前年比3.7%増の6056億円と、初めて6000億円を超える見込み。コールセンターにおける顧客対応業務や経理業務における記帳代行型サービスなど、成熟化が進行している市場分野の影響を受け、未だ2008年以前の水準は回復してはいないが、人事BPOにおける中堅企業や官公庁などの顧客基盤の拡大や、財務/経理BPOにおける大企業向けの大型アウトソーシングの拡大、調達/購買BPOの高い成長率などが市場をけん引している。同市場は今後も堅実な成長を続けて行くとIDCではみており、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)3.4%で成長し、2017年には6886億円に達すると予測している。
 国内ビジネスコンサルティング市場の2013年の支出額は前年比5.1%増の2847億円と、3年連続のプラス成長になる見込み。企業業績の緩やかな回復に伴い、新規事業開発に関する案件が徐々に回復している他、企業の海外進出支援や、スマートシティなどのエネルギー効率化や社会インフラ最適化といった「社会的課題」解決に向けた案件の支援、ビッグデータ/アナリティクスの活用、経営統合やグループ統合案件といった幅広い需要が発生している事を主な要因として、同市場は2012年~2017年のCAGR4.7%で拡大し、2017年には3414億円に達するとIDCでは予測している。
 両者を合わせた国内ビジネスサービス市場の支出額は2012年~2017年のCAGR3.8%で拡大し、2017年には1兆300億円になるとIDCは予測している。「国内ビジネスサービス市場は、堅調な拡大局面へと移行しつつある。ただし、単純な作業委託型のサービスでは低成長化が進む市場セグメントも存在している。ビジネスサービス事業者は、常に変化する市場環境を捉えつつ、国内や複数のオフショア拠点を組み合わせた『ベストショア』型のBPOサービスや、成果報酬など結果に基づく報酬体系を活用するなど、より付加価値の高いサービスが提供可能な領域を発見し、注力していくことが必要になる」とIDC Japan ITサービス マーケットアナリストの植村卓弥氏は述べている。


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