〔2014/6/10〕J.D. パワー アジア・パシフィック、2014年コールセンター満足度調査結果を発表
J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、鈴木郁社長、略称:J.D. パワー)は、2014年コールセンター満足度調査の結果を発表した。
同調査は、直近1年以内に企業のコールセンターに問い合わせをした一般消費者を対象に、企業のコールセンターに対する満足度を聴取するとともに、各種活動実態を調べたもの。2012年から毎年実施しており、今回で3回目の実施。今年は、2014年4月にインターネット調査を実施し、12,001人から回答を得た。
調査対象となった業界は、パソコン関連メーカー、家電・電気製品メーカー、インターネットサービスプロバイダー、銀行、証券会社、生命保険会社、損害保険会社、消費者金融、クレジットカード会社、携帯電話事業者、自動車メーカー。加えて、参考業界として通信販売会社。
満足度の測定にあたっては、コールセンター利用時に経験する領域(=ファクター)を予め設定し、各ファクターに関連する詳細項目への評価を基に1,000点満点で算出している。各ファクターが総合満足度に与える影響度は、「担当者/オペレーター」(70%)、「自動音声案内」(30%)であった(カッコ内は影響度)。
同調査では、コールセンターを利用した企業の商品・サービスを今後も利用したいと思うか、またその企業を知人・友人や家族に勧めようと思うかを聞いており、コールセンターへの満足度と企業へのロイヤルティの関係、推奨意向との関係を分析している。その結果、ロイヤルティに関しては、コールセンターへの満足度が1,000点満点中800点以上と特に高い層の59%が、非常にそう思うと回答し、一方で満足度の低下に伴い、その割合は低下し、満足度が500点未満と特に低い層においては、7%であった。同様に、推奨意向に関しても、コールセンターへの満足度が1,000点満点中800点以上と特に高い層の27%が、非常にそう思うと回答し、満足度が500点未満と特に低い層においては、3%と顕著な低下を見せた。このようにコールセンターへの満足度が高い人はその企業の商品・サービスへのロイヤルティも高いという傾向は過去2回実施と同じ状況であったが、今年は推奨意向に関しても、同様の傾向が見られることがわかった。この結果から、コールセンターは高い顧客満足度を保つことによって、その企業の商品やサービスの継続利用促進、ならびに満足度の高い顧客を介した新規顧客獲得に寄与し、企業そのものの利益に貢献する機能があることが窺える。
調査では、コールセンター利用前後で対象企業が提供する他のチャネル(FAX、郵送、ホームページ掲載情報、インターネット経由のサポート、メール、SNSの企業公式アカウント、窓口・支店、その他)を利用したかどうかを聴取しているが、今回、コールセンター利用前に他のチャネルを利用した人の割合は、昨年実施の調査から7.4ポイント増えて24%となった。他チャネルの中でもホームページ掲載情報、インターネット経由のサポートの利用増加が見られ、コールセンターに連絡してくる時点では既に、ある程度の情報を把握している、あるいはインターネット経由で手続きをしようと試みたが完了しなかったなど、コールセンターでは他チャネルで得られなかった情報が得られることや、他チャネルで解決できなかったことが解決できるといった、コールセンターへの期待値が高い顧客が増加していると推測される。コールセンターを利用する理由としては全体の半数以上が「直接話せば確実に用件を済ませられるから」、また4割近くが「迅速に解決できるから」と回答しており、コールセンター利用前に企業ホームページ等を利用する顧客が増加していることも併せて考えると、コールセンターにおいては顧客の要望や求める情報を的確に捉え、かつ、迅速に対応することのできる質の高いサービスが期待されていることがわかる。
今回評価対象となった業界の中で最も総合満足度が高かったのは調査開始から3年連続で損害保険会社であったが、今回、証券会社が昨年の6位から順位を大きく上げ2位にランクインし、「担当者/オペレーター」「自動音声案内」というファクター別満足度で見ると、「自動音声案内」では総合満足度1位の損害保険会社を5ポイント上回り証券会社が1位となった。また、銀行が昨年5位から4位に順位を上げたことにより、総合満足度評価対象9業界の上位4位を損害保険会社、証券会社、生命保険会社、銀行の金融4業界が独占する結果ととった。