〔2009/7/7〕IDC Japan、国内CRM市場予測を発表、2008年の国内CRM市場、前年比5%増の507億4900万円

 IDC Japanは、国内CRMアプリケーション市場の2008年の実績と2009~2013年の予測を発表した。これによると、国内CRMアプリケーション市場規模は、507億4900万円で、前年比成長率5.0%のプラス成長であった。CRMアプリケーションは経済不況下においても成長を続ける数少ないパッケージだが、2007年の前年比成長率と比較すると、2008年の成長率は10.1ポイントの減少となった。
2009年~2013年のCRMアプリケーション市場は年平均成長率4.3%で成長し、2013年には625億7000万円に達するとIDCでは分析している。一方、経済不況による成長率の低迷は免れないとみており、前年比成長率の底は2009年(前年比成長率3.2%と予測)で、2010年の後半には再び健全な成長路線に戻ると予測している。
CRMアプリケーション市場が比較的早い段階から成長路線に復調すると予測する根拠として、経済不況下だからこそ、企業は厳しい競争環境で「既存顧客のリピート率の向上、新規顧客の獲得」といった「売上に直結するITの投資」としてCRMアプリケーションの選定が進むとみている。
IDCが実施したCRMアプリケーションを導入している企業に対する調査結果からは、「顧客情報管理やデータベースの構築」といった面での導入効果については評価されているものの、「売上の拡大、コスト削減」に直結する「既存顧客のリピート率の向上、新規顧客の獲得」といった導入効果については評価されていないことが判明した。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティグループマネージャーの赤城知子氏は、「不況下では、新規顧客の獲得よりも既存顧客の離反を防ぎ、リピート率や購入率を上げることの方が多くの業種で有効である。このことに気づいた企業は、過去の情報を管理する既存のCRMアプリケーション機能では満足せず、顧客1人ひとりの購買予測、離反顧客の予測分析といったパーソナライゼーション機能を強く求めるようになる。CRMアナリティクスアプリケーションの需要が拡大する一方で、企業のビジネス理解、情報分析スキル、CRM導入スキルの3つを総合的に兼ね備えた能力がソリューションプロバイダーに求められている」とコメントしている。
今回の発表の詳細は、同社が発行したレポート「国内CRM市場2008年の分析と2009年~2013年の予測」に掲載されている。


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