〔2016/5/16〕富士通研究所、AIを活用した業務指向の対話技術を開発

 富士通研究所は、主に窓口対応業務に向け、簡単な設定をするだけで、AI技術により、ユーザーの要望を正しく理解し、必要な情報を自然に聞き出しながら自律的に対話する技術を開発した。
 従来、コンピュータに対話させる場合はどのようなことを言われたらどのように対応するといった対話のためのシナリオを用意し、それにもとづいて業務システムを動かすことが一般的であった。今回、日本語固有の難しさである表現の多様性や曖昧性などの問題に対して、入力文の単語間の意味の関係を構造的に抽出する技術を新規に開発し、利用者の発話を高い精度で理解し、スムーズな対話を実現することが可能になったという。さらに、Linked Open Data(以下、LOD)などの外部データベースから取得した情報を適宜織り交ぜながら、対話履歴から自然な対話を行うための回答の選択方法を自動的に学習する知識型対話生成技術を用いることで、自律的に対話する技術を開発した。
 同技術により、情報サービスの提供者は、サービスに応じて想定される複雑な対話シナリオを事前に用意することなく、自然な対話的ユーザーインターフェースによって推奨する商品やサービスプランが提示可能なシステムを短期間で導入できるようになる。
 なお同技術について、東京海上日動火災保険が、一部の顧客対応業務において技術検証を行い、自然な対話の中で正しい応対ができることを実証しているという。
 また同技術は、富士通のAI技術「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」を活用している。


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