インハウスセンター動向

〔2025/11/26〕JR西日本、モビルスのチャットボット・有人チャットを導入

 モビルスは、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が、インバウンド向けに提供する忘れ物およびQRコード予約のWEST QRの2つのサービスの問い合わせ対応に、モビルスの有人チャット「MOBI AGENT」、チャットボット「MOBI BOT」を導入したことを発表した。
 これにより、JR西日本は大阪万博などのインバウンド需要の増加に対応し、多言語対応のチャットシステムを実現した。利用者は、忘れ物やWEST QRに関する問い合わせを英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語の3言語で行うことができる。
 同システムは2025年2月から本格運用を開始し、導入から2カ月で、チャットボットおよび有人チャットを活用することで、忘れ物問い合わせで従来の電話対応と比較して、1件あたりの問い合わせへの対応時間を約24%削減した。また、利用者からは、母国語でスムーズに問題を解決できたとの高い評価を得ている。

〔2025/11/25〕ビーウィズ、ペットメディカルサポートがセンター内製化を契機に「Omnia LINK」を導入

 ビーウィズは、ペット保険の「PS保険」を提供するペットメディカルサポート(本社:東京都港区)において、同社が提供するクラウドPBX・コールセンターシステム「Omnia LINK」が導入されたことを発表した。
 ペットメディカルサポートは、ペット保険の「PS保険」を提供する少額短期保険事業者。2022年より「お客様と直接コミュニケーションが取れる接点であるコールセンターをより大切にしたい」、そして「コールセンターを“安心と信頼の窓口”として強化したい」という想いから、それまで大部分を外部委託していたコールセンター運営について、内製化する取り組みを開始。その過程で、顧客に満足いただけるサービスを提供するために、コールセンターシステムの導入を決断した。
 コールセンターシステムを導入するにあたりペットメディカルサポートがまず重視したのが、顧客からの問い合わせ内容を適切にオペレーターへと振り分ける「IVR(自動音声応答システム)」機能。問い合わせの種別によって複数ある電話番号への入電を、ひとつのシステムに集約し、顧客のIVR選択内容に応じて適切なオペレーターへ振り分けられることが必須条件であった。また、自社だけでなく外部委託先でも同じシステムを導入し、ペットメディカルサポートが自ら、コールセンターの運営状況を可視化できることも重要なポイントであった。このような要件を満たし、コストメリットも大きいと判断され選ばれたのが「Omnia LINK」だ。
 2023年4月よりOmnia LINKの利用を開始されたペットメディカルサポートでは、当初の計画通り複数の電話番号の入電をOmnia LINKに集約し、IVRの選択内容に応じて適切なオペレーターへと割り振ることが可能になった。また、自社と外部委託先で同じOmnia LINKを利用することで、ペットメディカルサポートによる統合した運用も実現した。
 センターの管理効率も向上している。Omnia LINKが搭載するシートマップ(座席表)機能により、管理者はオペレーターの後処理時間などの状況が手に取るように把握できる。また、通話内容のリアルタイムテキスト化(STT)も追加で導入したことで、複数のオペレーターを同時にテキストでモニタリング可能になった。内製化当初は応答率で苦戦する場面もあったものの、Omnia LINKの機能活用が進むことで、現在の応答率は96%という高水準に達している。
 ペットメディカルサポートでは現在、STTを活用したVoC(Voice of Customer、顧客の声)の分析を行い、FAQの改善に役立てる取り組みも開始されるなど、顧客に寄り添った対応の強化と更なるサービス向上の追求を続けている。

〔2025/11/19〕IVRy、対話型音声AI SaaS「アイブリー」のJCB加盟店向けコールセンターでの導入を基本合意

 IVRy(本社:東京都港区、奥西亮賀社長)は、ジェーシービー (以下、JCB)が、対話型音声AI SaaS「アイブリー」の精度検証を終了し、JCB加盟店向けコールセンターでの導入を2026年1月から開始することを基本合意したことを発表した。
 対話型AIによる自動応答を実現し、金融業界で求められる高度なセキュリティ基準に対応した機能開発も行うことで、顧客体験価値の向上とオペレーターの業務効率化を両立する。
 “FinTech”と呼ばれる金融分野のイノベーションが活発化し、世界の決済環境が急速に変化している近年、JCBは顧客の多様なニーズに柔軟に対応し「総合決済サービス企業」として最先端のテクノロジーを活用し、さまざまな取り組みを行っている。1人ひとりに寄り添う「おもてなし」の精神を大切にしながら、多様化する顧客のニーズに迅速かつ的確に応えるサポート体制を構築するため、この度、柔軟な設定が可能で、高度なAI対話技術を持つ「アイブリー」の導入を決定した。
 同社とJCBは、今回の導入に先立ち、JCB社内にて加盟店からの問い合わせ応対を想定したアイブリーのAI対話の精度検証を実施した。JCB社員にアイブリーのAIと実際に会話して、「発話の聞き取りやすさ」「応答のタイミングや間」など、自然でスムーズな対話品質であることを確認し、肯定的な評価が極めて高い割合になった。
 クレジットカード情報などを取り扱う上で、JCBが定める安全・安心に決済サービスを提供するための高いセキュリティレギュレーションへの準拠は不可欠。同社は、この高度な要件を満たすための機能開発を行い、JCBが安全な環境で常に最新のAI技術を活用できる体制を構築する。今後も同社はJCBと緊密に連携し、セキュリティの維持・向上と、サービス品質向上のための機能開発を継続的に行っていく。

〔2025/11/12〕リストインターナショナルリアルティ、Zoho CRM Plus 導入で​月1,000件以上の問い合わせ対応を自動化

 ゾーホージャパン(本社:神奈川県横浜市、マニカンダン・タンガラジ社長)は、リストインターナショナルリアルティ(本社:神奈川県横浜市、北見尚之社長)が、富裕層向け不動産事業の顧客対応体制を強化するため、「Zoho CRM Plus」を導入したことを発表した。同社は、MAツール「SATORI」およびチャットツール「Slack」との連携により、問い合わせ対応を自動化し、営業プロセスの標準化と顧客対応品質の均一化を実現した。
 リストインターナショナルリアルティは、世界80以上の国と地域に展開する高級不動産ブランド「Sotheby’s International Realty」の日本法人として、国内外の富裕層顧客を対象に高額物件の売買を仲介している。
 同社には、月1,000件を超える多様な問い合わせが寄せられるが、営業担当者ごとに管理方法が異なり、顧客情報の分散や更新遅延が課題となっていた。特に、富裕層顧客は個人名義に加えて資産管理会社や代理人など複数名義で取引を行うケースが多く、組織全体で顧客の全体像を把握することが難しい状況であった。
 Excelベースの運用では、どの顧客に誰がいつどのような対応をしているのかを追いきれず、対応の抜け漏れや連携の齟齬が発生。担当者不在時のフォローも属人的となり、顧客体験の一貫性を保つことが困難であった。こうした課題を解消し、組織全体で顧客データを共有・活用できる体制を構築するために、Zoho CRM Plus の導入を決定した。
 Zoho CRM Plus 導入の狙いと効果
・問い合わせ対応の自動化とスピード向上
 Zoho CRM Plus を中核に、SATORIおよびSlackと連携。Web問い合わせが入ると自動的に担当者へ通知・割り当てが行われ、初期対応の迅速化と漏れ防止を実現した。
・情報の一元化と属人化からの脱却
 個人・法人・代理人など複数の名義を一元化し、案件・契約・履歴情報を統合的に閲覧可能に。引き継ぎや部門間連携もスムーズになり、顧客対応の再現性が高まった。
・案件・進捗の一元管理とリアルタイム共有
 Zoho CRM Plus 上で案件ステータスをリアルタイムに共有。問い合わせから契約、フォローアップまでのフローを明文化することで、営業品質の均一化を実現した。
・マーケティング連携によるリード最適化
 SATORIで収集した行動データをCRMに連動させ、MAと営業を統合。リード獲得から育成・商談化まで一貫した顧客体験を提供できる体制を構築した。
 同社は今後、Zoho CRM Plusを基盤に、AIによる案件予測や顧客データ分析の高度化を進める予定。ゾーホージャパンは、リストインターナショナルリアルティの取り組みを、複雑な顧客関係を扱う業界におけるCRM運用の先進事例として支援していく。

〔2025/11/11〕NTTマーケティングアクトProCX、ブラザー販売との「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」成果進捗を報告

 NTTマーケティングアクトProCX(本社:大阪府大阪市都島区、長徳慎二郎社長)とビジョナリーエンジン(本社:東京都港区、小栗伸社長)は、ブラザー販売の中期コンタクトセンター戦略の策定および実行支援パートナーとして、ブラザー販売の中期コンタクトセンター戦略と同社が掲げる「次世代型コンタクトセンター構想」を掛け合わせたプロジェクトを2024年5月より始動し、生成AI導入によるコンタクトセンター業務の改革に取り組んできた。このたび、本プロジェクトにおいて一定の進捗と成果が得られたので、その内容を報告する。
 なお、本内容は2025年9月25日に同社が公表した「次世代型コンタクトセンターへの革新に向けた生成AI活用支援ソリューション」における「ProCX2つの生成AI活用BPOソリューション」を実践し、「生成AI活用9つのユースケース」を順次具現化している具体的事例となる。
 ブラザー販売は “At your side.”の精神のもと、きめ細かいマーケティング活動とカスタマーサポートで、顧客の声を製品やサービスに反映し、ブラザーグループの国内マーケティングを担っている。一方で、将来的な労働人口減少に伴う人件費の高騰や人材確保の難度上昇、更には顧客のデジタルシフトやテクノロジーの進化を見据え、ブラザーグループの中期戦略に貢献する持続可能なコンタクトセンター像(中期コンタクトセンター戦略)を策定・実行する必要があった。
 そこで従来からのビジネスパートナーであり、生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンター構想」を掲げ、実践している同社は、2024年5月より、その戦略策定と実行支援を伴走した。 本プロジェクトは、ブラザー販売と同社が協働し、「Phase1:戦略・計画策定」、「Phase2:実行支援(PoC検証)」、「Phase3:導入定着支援」とフェーズごとに段階的に進めており、現在も「Phase4:更なる拡張」を進行中。
 なおPhase1の実施にあたっては、同社パートナーの1社であり、”最先端のテクノロジーとデザインでクライアントの未来を描く”ビジョナリーエンジンと協働し、ブラザー販売の中期コンタクトセンター戦略の策定を行った。
 各フェーズの実施内容は以下のとおり。
Phase1:中期コンタクトセンター戦略の策定とその実行計画設計
① 生成AIを中心とした技術動向理解(ビジョナリーエンジン主導)
② 市場環境の変化を踏まえた「あるべきコンタクセンター像」の策定
③ コンタクトセンターアセスメントに基づく課題抽出
④ ①②に基づく変革テーマの選定
⑤ 変革テーマに対する生成AI活用領域(ユースケース)の特定
⑥ 生成AI導入活用時の投資対効果の検証
⑦ 生成AI導入に向けたロードマップの策定
⑧ ①~⑦をまとめた中期計画の策定および経営判断支援

Phase2:実行支援(生成AI導入に向けたPoC検証)
① ユースケースに基づく生成AIベンダーと協働したプロトタイプの作成・試験
 ・高度ナレッジ検索AI(ユースケース2)による応対時間短縮とCX・EX向上
 ・応対結果の自動要約AI(ユースケース4)による後処理時間短縮
② 生成AI応答精度の向上支援
③ 実データを用いた各生成AIユースケースの効果検証
④ 生成AI利用現場の声の収集に基づく更なるPDCAサイクルマネジメントの実践
⑤ 上記、定量・定性評価を踏まえた生成AI本格導入に向けた経営判断支援

Phase3:実行支援(生成AI導入支援、および、その展開・定着支援)
① 生成AIの構築・導入・定着化に向けたプロジェクト管理
② コンタクトセンター導入に向けた新たな業務ルール策定と研修育成
③ 先行拠点における本番環境導入支援と利用体制の構築
④ 導入後の定着化支援と継続的な精度向上
⑤ 利用シーンや活用拠点拡大に向けた方針策定

Phase4:更なる拡張支援(現在進行中)
① AI導入効果の最大化に向けた全拠点導入・展開支援
② ナレッジ検索機能の更なる拡張(対象領域の更なる拡大)
③ 他業務領域(自動応対、VOC分析、FAQ自動生成、応対品質評価、など)への更なる生成AI活用方針の策定
 ブラザー販売は、本プロジェクトで策定した中期計画に基づいたアクションを確実に実行し、生成AIに対する正しい理解と活用を深めるとともに、次世代型コンタクトセンター構想の実現に向けて着実に変革を実行している。
 特に、早期実装した「応対結果の自動要約AI」の導入により、応対完了後の後処理時間は、生成AI導入前の約270秒から180秒に大幅に短縮するなどコンタクトセンターのオペレーターの生産性を向上させるとともに、オペレーターの業務負担を軽減することで、より顧客との応対に注力できる環境の構築を進めている。
 ブラザー販売は、これまでのPhase1~3を通じて、生成AIを活用したコンタクトセンターの高度化に対して「構想策定→検証→導入・展開」という工程を確実に実践されてきた。[HT1] [YI2] ブラザー販売と同社は今後も、Phase4以降の活動を通して、コンタクトセンターの更なる効率化と高度化を両立する「次世代型コンタクトセンター構想」の実現に向けて協働していく。
 また、同社は、本プロジェクトで得られた技術や知見を活用し、単なる業務効率化やコスト削減に寄与するAI活用だけではなく、AIが顧客接点を量的質的に維持・拡充・サポートしながらも、重要な顧客接点においてはオペレーターが「人ならではの価値」を提供する「テクノロジー×人」の“ハイブリッドCX”を推進することで、良質な顧客体験(CX)を提供することはもちろんのこと、「お客さまの声」という重要な経営資源を企業全体に還元し、商品・サービス改善、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの向上の実現に資する、生成AIを基盤としたコンタクトセンター改革の推進に貢献していく。

〔2025/11/7〕ライフネット生命、AI自動音声応答システムのボイスボットを導入

 ライフネット生命保険は、顧客の利便性向上のため、コンタクトセンターで対話型AIとAI自動音声応答システムのボイスボット(以下、AIボイスボット)を導入し、AIとの自然な対話による応対品質の向上と控除証明書再発行の24時間受付を実現したことを発表した。
 同社のコンタクトセンターでは、人とAIが協働する次世代コンタクトセンターを目指している。AI活用により、応対品質の向上や、24時間対応などによる顧客体験の向上を実現し、同時に同社オペレーターの負担減を図る。
 今回、そのプロジェクトの第1弾として、対話型AIとAIボイスボットを導入し、回線コールフローに組み込むことで、応対品質の向上や控除証明書再発行の24時間受付を実現した。
 これまで、同社のコンタクトセンターでは、電話自動応答システム(以下、IVR)を活用した応対を行ってきた。IVRでは、問い合わせの際に、質問ごとに顧客の画面操作が必要になり、オペレーターが応対するまでの待ち時間が長くなることが課題であった。
 今回の問い合わせフローの見直しにより、AIとの自然な対話から、同社のオペレーターまたはAIボイスボットによる控除証明書再発行受付に接続されるようになり、これまでに比べて短時間で、よりスムーズな流れで手続きができるようになった。
 また、本プロジェクトでは、AIボイスボット処理フロー(控除証明書再発行)の開発も実施し、24時間いつでも控除証明書の再発行ができるようになった。本対応により、顧客の都合に合わせて、簡単に手続きが可能となる。
 ライフネット生命は、2024年5月に発表した中期計画において、成長戦略としての重点領域の1つに「Tech & Services」を掲げている。オンライン生保のリーディングカンパニーとして、AIやマイナンバーの活用をはじめ、さまざまなITサービスを活用して、最新の保険サービスを提供し、顧客の更なる利便性向上を目指す。

〔2025/11/4〕イーリアルティ、プライムスタイルのAI活用型コンタクトセンター基盤「SemantiQ」で協業

 不動産の売買、仲介、賃貸及び管理、不動産に関するコンサルティンを行うグイーリアルティ(本社:東京都港区、菅原貴弘社長)は、プライムスタイル(本社:東京都新宿区、奥田聡社長)が提供するAI活用型コンタクトセンター基盤「SemantiQ(セマンティック)」を活用した協業を開始した。
 本協業の第1弾として、イーリアルティにSemantiQを導入し、不動産プロパティマネジメント業務の効率化と顧客満足度向上を目指す取り組みを行う。
 本取り組みにより、不動産オーナーや入居者からの問い合わせ対応において、AIを活用したデータ分析とVOCデータの活用により、迅速かつ精度の高い応対を実現し、業務効率化と顧客満足度の向上を同時に目指す。
 不動産プロパティマネジメント業務では、以下のような課題が顕在化している。
・多様化する問い合わせ対応:オーナー様・入居者様からの問い合わせ内容の複雑化
・業務効率化の必要性:限られた人的リソースで、効率的、且つ質の高いサービスの提供
・情報管理の煩雑さ:最新の物件情報、入居者情報の取得・更新、迅速な情報検索
・応対品質の標準化:担当者ごとの問い合わせに対する回答のブレ 
 AI音声認識技術を活用し、通話内容を自動的にテキスト化。テキスト化することで、データを自動的に分類・整理。過去の対応履歴との照合・分析を効率化し、質問に対する回答を検出。
 VOCの体系的な分析を行い、データドリブンな業務プロセスの改善を推進。データから傾向やパターンを読み取り、潜在的な課題を早期に発見して対応。予防保全型の物件管理を推進。
 定型的な問い合わせや一次対応はAIに、専門性の高いケースや複雑な判断が必要なケースは人に振り分ける。AIと人の強みを組み合わせたハイブリッド運用により、リソースの活用を最適化。
 将来的には、自己解決支援機能として、AIを活用して入居者・オーナー向けのFAQを自動生成することで、情報量の増加、情報取得の利便性を高め、自己解決域の拡大を目指す。


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