週刊CCMニュース
〔2025/7/19〕矢野経済研究所、デジタルマーケティング市場に関する調査結果(2025年)を発表
矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のデジタルマーケティング市場を調査し、市場概況、参入企業の動向や将来展望を明らかにした。ここでは、CRM、MA、CDP市場の市場規模推移・予測について公表する。
2024年の国内のデジタルマーケティング市場規模は、事業者売上高ベースで3,672億4,000万円と推計した。2025年の同市場は前年比114.1%の4,190億2,000万円に成長すると見込む。
市場が拡大した要因には、デジタルマーケティングツールの機能進化と、それに伴うユーザ企業の利用部門・利用者数の拡大が挙げられる。これまでデジタルマーケティングツールは特定の機能に特化したツールが主流であった。現在は、CRMやMA、CDPといったツールの機能が拡張・融合し、顧客接点業務を包括的に支援する多機能型や統合型を志向するツールが増えている。
この多機能化や統合化の流れは、営業部門やマーケティング部門のみならず、カスタマーサポート部門やバックオフィス部門まで利用部門を拡張し、ツール利用者の増加に繋がった。また、AIの活用に取り組むユーザ企業では、自社データを整備する動きが活発化している。顧客データを蓄積・収集するため、デジタルマーケティングツールを導入・活用する機運が高まっており、市場の拡大に貢献している。
近年、デジタルマーケティングツールベンダが行う機能開発は、生成AIを含むAI機能の拡充を主眼としたものが多い。ベンダ各社は、業務効率化や生産性向上、パーソナライズされた顧客体験の提供を目的とした、AI機能を自社製品へ積極的に組み込んでいる。
CRM領域では、生成AIを活用し、商談履歴の要約や見込み顧客の育成、広範な問い合わせへの自動応答といった機能開発が進み、現場の生産性向上に貢献している。
MA領域においては、マーケティング担当者の実務負担を軽減し、施策効果を最大化することに焦点を当てた機能開発が進められている。具体的には、生成AIによるメール件名や本文の自動作成や、キャンペーンコンテンツの自動作成支援、顧客理解を深めるための分析機能などである。
CDP領域では、テキストや画像などの非構造化データおよびリアルタイムデータの処理能力を強化し、より高度なパーソナライズドマーケティングの実践を支援する機能の拡充が図られている。
デジタルマーケティング市場は堅調に拡大していく見込みである。デジタルマーケティングツールは、AI機能と蓄積されたデータを両輪として、単なる業務効率化ツールから企業の競争優位性を確立する基盤へと変化しつつある。
今後は、機能強化の追求はもとより、その高度な技術をいかにユーザ企業が使いこなし、ビジネス成果に結びつけられるかが、市場成長のポイントになる。デジタルマーケティングツールベンダは、優れた製品開発力に加え、ユーザ企業に寄り添い、その成功を支援する付加価値サービスを磨き上げていく必要があると考える。
〔2025/7/18〕みずほFGとソフトバンク、AGI時代を見据えたAI領域における戦略的包括提携契約を締結
みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)とソフトバンクは、来たるAGI(汎用人工知能)時代を見据えた戦略的包括提携契約を2025年7月16日に締結した。本契約に基づいて、みずほFGは、ソフトバンクがOpenAI社と共同開発を進める、個々の企業のシステム・データを統合し企業ごとにカスタマイズされた最先端AI「Cristal intelligence※」を、金融業界で初めて導入する予定。
みずほグループ(以下、みずほ)は、お客さま・社会課題を起点に、最先端AI技術などを最適に活用することで、「最高の顧客体験」「オペレーショナルエクセレンス」の実現を目指す。2030年度までに、2024年度対比で3,000億円程度の効果発現を目指し、以下の取り組みを行う。
・顧客が、24時間365日、最適なサービスを利用できる体験の実現
・AIが膨大な取引データや市場動向等を解析し、法人のお客さまであれば、いつでも、即時に最適な融資や経営アドバイス等を利用可能である体験など
・営業活動の生産性2倍以上向上
・低付加価値業務最大50%削減
・コンタクトセンター関連生産性最大50%向上など
具体的な取り組みとして、みずほは、法人の顧客を中心に、24時間365日、AIが膨大な取引データや市場動向などを解析し、即時に最適な融資や経営アドバイスなどを利用できるサービスと、心情面の寄り添いを必要としている時や重要な判断が必要な時は、顧客の希望に応じて金融のプロフェッショナルである担当者に相談できる体制を構築して、新しいユーザー体験の実現を目指す。みずほとソフトバンクは、みずほが独自に保有するデータやナレッジと、ソフトバンクの最新のAIやデジタル技術、業務プロセス改革に関するノウハウを活用することで、業務の標準化・高度化・自動化の加速による課題解決を推進する。
また、みずほは、最先端AI技術等を最適に活用した「最高の顧客体験」「オペレーショナルエクセレンス」の実現を支える人材に対しては、採用、育成、評価、異動プロセスに対するAI活用により、AIを使いこなす力、創造性、共感力といった、人ならではの付加価値提供力を高めていくことを目指す。
さらに、みずほとソフトバンクは、ソフトバンクの子会社であるSB Intuitionsが開発を進める日本語特化型の大規模言語モデル(LLM)「Sarashina」を基盤に、金融に特化したLLMの研究開発を開始する。
みずほとソフトバンクは、AGI時代に向けて、金融業界における「Cristal intelligence」などの最先端AI技術の活用を加速し、金融業界へ幅広く展開することでユーザー体験の変革と抜本的な生産性の向上とともに、顧客および社会への一層の貢献を目指していく。
〔2025/7/18〕トランスコスモス、韓国で生成AIによるVOCインサイト導出ソリューション「trans-AI Analytics」を開発
トランスコスモスは韓国において、生成AIによるVOCインサイト導出ソリューション「trans-AI Analytics」を開発した。
trans-AI Analyticsは、顧客との会話データを分析してサービス改善のためのインサイトを導き出し、これをクライアント企業の要望にあわせた報告書として提供する。最新LLM(大規模言語モデル)技術を活用して顧客の会話の文脈を精密に把握し、テーマ別に定義された基準に基づいて綿密な分析を行う。これにより顧客の意図と感情をより正確に理解することができ、従来のキーワード中心の分析より高い精度をもつVOCレポートを生成する。
分析する対象は「顧客の感情および満足度の分析」、「サービスおよび商品別の分析」、「イシューおよびサービス障害の自動把握」、「コンタクトセンターへの入電トレンド分析」などで、人が直接判断することが難しいさまざまな顧客の反応を簡単に分析することが可能。
また、これらの機能をもとにCSAT(Customer Satisfaction Score、顧客満足度)の詳細な分析とレポート作成が可能で、これによりサービス改善が必要なポイントを明確に導き出すことができる。また、リアルタイム分析と相談通知機能を通じて、イシュー発生時に即座に対応することで、イシューの報告漏れや顧客クレームを事前に防止することにつながる。精巧なフィードバックを提供することで、顧客体験と運営品質の全体的なレベルもさらに向上する。
トランスコスモスでは今後もさまざまなデータを深く分析することで顧客インサイトを導き出し、さらに進化したサービス戦略の立案を支援していく。
トランスコスモスは韓国国内において約10,000人の従業員で、ITソリューションの開発、EC(Eコマース)、デジタルマーケティング、FS(フィールドサービス)、生涯教育機関の運営・教育コンサルティング、コンタクトセンターの構築・運営、ダイレクトメール(郵便発送)サービス、オムニチャネルシステム(モバイル、Eメール、郵便)の構築・サービス提供など企業ビジネスの業務領域に最適化されたBPOサービスを、350社を超えるクライアント企業に提供している。クライアント企業のさまざまな業界・業種にあわせたサービスを提供し、クライアント企業のコスト最適化や売上拡大・生産性・CS向上に貢献している。
〔2025/7/17〕電通総研、自治体向けCRMシステム「minnect cBase」を開発、今秋提供
電通総研は、自治体向けのCRMシステム「minnect cBase(ミネクト シーベース)」の開発に着手し、2025年秋に提供を開始することを発表した。
今般開発するCRMシステムは、庁内で縦割りとなっている基幹システムから必要な情報を連携することで、一元的にデータを管理し、住民の個別ニーズに応じた行政サービスを提供できるようになるもので、住民の利便性向上と自治体職員の業務効率化を実現する。
近年、地方自治体における行政サービスのデジタル化が急速に進んでいる。特に、住民の生活状況に応じた福祉サービスの提供や子育て支援の情報配信など、住民1人ひとりに寄り添った行政サービスの提供が求められる中、従来の業務単位や申請単位での情報管理では限界が生じている。
これらに対応するためには、個人を中心に据えた多角的かつ横断的に情報を管理する仕組みが必要だが、一方で個人情報の管理には高いセキュリティや目的外利用に対する制約の考慮が不可欠となっている。また、デジタル化に向けた国や自治体の高頻度での制度変更に合わせ、システムの迅速な導入・アップデートや新しいサービスの追加対応も求められている。
このような背景を受け、電通総研は、これまで民間企業へのCRMシステム導入や地方自治体向けサービス提供で培った知見を活用し、自治体向けCRMシステムの開発に着手した。
minnect cBaseは、住民の個別ニーズに応じた行政サービスと住民情報の安心・安全な管理を両立させた自治体向けのCRMシステム。基幹システムや紙・表計算ソフトで管理されている住民情報や問い合わせ・相談履歴を一元管理し、住民にパーソナライズ化された行政サービスの提供を実現する。
〔2025/7/17〕トランスコスモスとAI inside、非定型帳票に対応可能なAI-OCRソリューションを提供開始
トランスコスモスとAI inside(本社:東京都渋谷区、渡久地択社長)は、トランスコスモスが提供する最新のテクノロジーと専門的な業務知見を融合したDigital BPOと、AI inside が提供する最先端のAI技術を組み合わせ、非定型帳票のデータ処理の効率化に向けたソリューションの提供を開始した。
各種バックオフィス業務のDX化が進む昨今だが、帳票処理における自動化・効率化は、帳票の内容や形式が多種多様なため、定型の処理ができずDX化を阻む大きな障壁となっていた。そこでトランスコスモスとAI insideは、トランスコスモスが持つ業務に特化した専門的な知見と、AI insideが持つ最先端のAI技術を組み合わせ、多様な非定型帳票を効率的に処理する2つのソリューションの提供を開始する。
1.トランスコスモス独自のアノテーションにより、帳票専用にモデル学習するソリューション
AI insideの「AnyData」を活用し、AIが帳票ごとに個別学習することで、定型・非定型・手書き・複雑なレイアウトなど、多様な帳票に対応可能。トランスコスモスのアノテーションを加えることで、データの精度をあげていく。
2.全文OCRにより帳票内のすべての文字情報を読み取り、生成AIで項目情報を抽出するソリューション
日本語ドキュメント処理に特化したSLM「PolySphere」によって必要な項目を高精度に抽出・データ化する。これにより、従来は人手に依存していた複雑な帳票処理を自動化し、業務の精度と効率を飛躍的に向上させる。より高い品質で提供するために、トランスコスモスの補正ツールを活用し最適化をはかる。
帳票の特性や難易度に合わせて、2つのソリューションを使い分け、非定型書類のデータ化を進める。このデータ化とあわせ、既存プロセスの見直しや効率化を行い、業務プロセス全体の最適化を実現する。また、AI inside Cubeによるオンプレミス運用により外部サーバに依存せず、高度なセキュリティ環境を確保し、機密情報を扱う業務でも安全かつ効率的なデータ処理を実現する。
非定型帳票とは、手書き伝票、契約書、診療記録、発注書、作業報告書など、手書き文字、表形式、複数ページにわたる文書など、多様なフォーマットで提供される文書。今回のソリューションの提供により、医療、金融、製造、流通、小売、公共機関など、幅広い業界の業務に適用が可能。
トランスコスモスとAI inside は、今後もさらなる連携をはかりお互いの知見を融合した新たなサービスの開発を進め、クライアント企業の事業変革を支援する。
〔2025/7/17〕トゥモロー・ネット、企業向けマルチAIエージェント導入を加速するアプライアンス製品「Qeek AI Orchestrator」を発表
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、「CAT.AI マルチAIエージェント」の提供開始、および「CAT.AI マルチAIエージェント」搭載のアプライアンス製品「Qeek AI Orchestrator」を9月4日から提供を開始することを発表した。同製品は、企業内に保有する情報資産を安全に活用しながら、AIによる業務効率化を推進するための、次世代生成AIシステム。1台から導入でき、中小企業から大企業まで、アプライアンスを追加するだけで柔軟かつセキュアにサーバーを拡張することができる。導入に必要な工程を大幅に簡素化し、短期間でAI環境を構築することでできるため、トゥモロー・ネットの提供するCAT.AI マルチAIエージェントの利用をスムーズに開始することができる。
トゥモロー・ネットは、複数の異なる専門的なAIエージェントが連携して情報収集・判断・実行を分担することでタスクの並行処理を可能とする「CAT.AI マルチAIエージェント」の提供を開始した。こうした、AIエージェントを活用するには、大量のデータの参照が不可欠であり、それを支えるサーバーの高い拡張性が求められる。
今回発表するQeek AI Orchestratorでは、アプライアンスを追加するだけで簡単にサーバーを導入・拡張可能で、中小企業からエンタープライズレベルまで柔軟に対応できる。一般的に、AI基盤を構築する際には、要件定義からハードウェア構築、AI環境構築、運用設計など複雑な工程が必要で、導入まで最低でも数カ月を要する。インフラ管理とAIサービス管理を統合した同製品では、起動初期設定、検索フォルダの指定、Webへのアクセス設定だけで、CAT.AI マルチAIエージェントの導入が可能となる。
また、AIエージェントの普及に伴って、よりパーソナルなデータ活用が進んでおり、クラウドへのデータ保存に対して不安を抱える企業が少なくない。特に、顧客対応データを多く保有する企業では、オンプレミスでのAI導入ニーズが高まっている。Qeek AI Orchestratorは、クラウド環境、およびオンプレミス環境のどちらにも対応している。スタータープランでは、クラウドを介してGPUを利用することでより手軽に、スモールプランおよびスケールプランでは、オンプレミス環境にGPUリソースを配置するため、社外秘のデータや人事情報などの機密情報も安心して活用できる。
・スターター: クラウド上の大規模言語モデル (LLM) を活用することで、初期コストを抑えて迅速に導入可能。まずはスモールスタートでAI活用を始めたい企業に最適なモデル。
・スタンダード: GPU搭載アプライアンスにより、社内データの活用と保護を両立。高セキュリティかつ安定したAI処理環境を構築したい企業に適したモデル。
・スケール: 高性能GPUサーバーによる柔軟なスケールアウト構成で、大量データ処理や高度なAIワークロードにも対応。全社規模での本格展開に最適なモデル。
Qeek AI Orchestratorは、2025年9月4日より提供を開始する。価格は、初期費用200万円から、月額 15万円から。
〔2025/7/17〕アドバンスト・メディア、「AmiVoice Communication Suite」カスハラ対策支援の新パッケージを提供開始
アドバンスト・メディアは、コンタクトセンタ―向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite」の、カスタマー・ハラスメント(カスハラ)対策を支援する新パッケージの提供を開始した。
近年、コンタクトセンターをはじめとする顧客対応の現場では、不当な要求や暴言、威圧的な言動など、いわゆるカスハラが深刻な社会課題となっている。2022年2月に厚生労働省が発行した「カスハラ対策企業マニュアル」や、2025年4月に東京都などが施行した「カスタマー・ハラスメント防止条例」など、政府・自治体も積極的にカスハラ対策を推進している。
一方で、2024年11月に日本コンタクトセンター協会が発表した調査によると、「カスハラ基準の明確化」「カスハラの対応方針・マニュアルの策定」に「対応済み」と回答した企業は約3割にとどまり、現場での対策は十分に進んでいない実情が明らかになっている。
そのような中、アドバンスト・メディアでは、AI音声認識AmiVoiceと生成AIを活用し、電話応対業務におけるカスハラ対策に特化したAmiVoice Communication Suiteの新パッケージを開発した。
本パッケージは、通話中の不適切な発言の検知、オペレーターの心理的サポート、管理者による判断の支援、さらに通話終了後の事後分析を行うなど、電話応対中から通話終了後の後処理までを包括的にサポートすることができるため、カスハラの検知・対応・改善・予防のサイクルを確立する。
具体的には、AmiVoice Communication Suiteの主要機能に対し、カスハラ対策として実際のユーザーが活用している有効な設定情報や、500社以上の導入実績から得られたノウハウを数多く反映している。さらに、生成AIを活用した通話内容の事後分析機能など、多様なカスハラ対策ニーズに柔軟に対応できる構成となっている。
AmiVoice Communication SuiteおよびAOI LLM for AmiVoice Communication Suiteの既存ユーザーおよび新規ユーザーを対象に、カスハラ対策支援の新パッケージを2025年9月30日まで、無償で提供する。