コンタクトセンター関連ベンダー動向

〔2026/9/3〕資生堂、社内問い合わせ対応にPKSHA Technologyの「PKSHA AIヘルプデスク」を拡張導入

 PKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)およびNEC VALWAY(本社:東京都港区、馬場昭文社長)は、資生堂において、社内問い合わせ対応を高度化するAIエージェント「PKSHA AIヘルプデスク」の利用範囲を拡張し、運用を開始したことを発表した。
 PKSHAは「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、自然言語処理技術などの独自技術を基盤にしたAIおよびAIエージェントの研究開発と、そのソフトウエアの社会実装を通じて価値を提供していく。
 資生堂では、従業員の円滑な業務遂行を支えるサポート体制の高度化を推進している。従来の電話中心の運用では、受付時間外には問い合わせができないといった従業員体験(EX)における制約や、問い合わせのピーク時間を過ぎるとリソースに余剰が生じるといった人員配置の最適化が課題となっていた。また、社内問い合わせへの対応は組織運営において不可欠な業務である一方、オペレーターの確保や育成が年々困難になっている。こうした中、将来にわたって安定したサービス品質を継続していくためには、長期的にはAIやテキストコミュニケーションへの移行が不可欠であると判断した。
 こうした背景から、同社デジタルプラットフォーム部では、AIを活用したデジタル窓口への段階的な移行を決定した。具体的には、PKSHA AIヘルプデスクを導入後、初期は社内からの問い合わせに対し、オペレーターによる「有人チャット」で対応を行うことで、従業員がテキストでの問い合わせに慣れる期間を設けた。その後、ナレッジが溜まった段階でAIによる自動回答へ切り替えるステップを踏むことで、従業員の心理的ハードルを抑制したスムーズなデジタルシフトを実現している。
 本運用では、FAQや社内規定などのドキュメントから回答を生成するAIが一次回答を行い、解決に至らない場合は有人オペレーターへ連携する体制を構築している。実際に、窓口の受付時間外である夜間や早朝の時間帯においても月間100件以上の問い合わせが発生していたが、それらに対してもAIが即時対応することで、始業直後の入電集中の緩和に寄与している。
 またこれにより従業員からは、「人に聞くほどではないが少し確認したい内容について、有人窓口よりもAIの方が気軽に質問できる」といった肯定的な評価を得ている。
 なお、本導入にあたり、NEC VALWAYがコンタクトセンター運営ノウハウとDX支援の知見を活かし、運用設計および定着化を支援した。
 今後はAIヘルプデスクの継続的な最適化を通じて、さらなる自動対応範囲の拡大を目指す。AIの活用によって創出されたリソースを、より付加価値の高い専門業務などへと充当することで、グループ全体のサポート品質を引き上げ、従業員体験(EX)の最大化に貢献していく。PKSHAは、資生堂との連携をさらに深め、顧客のデジタル戦略推進をサポートしていく。

〔2026/9/1〕CAC identity、AI応対品質評価「mimity」、個人情報マスキングなど大規模センター向けセキュリティ機能を提供開始

 CAC identity(本社:東京都中央区、中西英介社長)は、コンタクトセンター向けAI応対品質評価サービス「mimity(ミミティ)」において、通話データに含まれる個人情報を自動でマスキングする機能(オプション)を、2026年8月26日より提供を開始した。
 マスキングは文字起こしテキストと音声の両方に対応する。テキストは値を削除して種別を示すラベルに置き換え、音声は該当する区間のみを無音化する。本機能はmimityに組み込む形で提供するため、別の前処理ツールを実行してから改めてアップロードするといった手順は必要ない。
 あわせて、管轄するチームのデータのみを扱える権限設定を追加した。個人情報の加工とアクセス範囲の限定を組み合わせることで、高いセキュリティ要件が求められるコンタクトセンターでも、社内の基準に沿った運用がしやすくなる。
 コンタクトセンターの応対品質評価は、SVが1件ずつ通話を聴いて評価する運用が主流であり、全通話のうち評価できているのは一部にとどまる。この課題に対して、AIによる自動評価は一部門での試行から、センター全体での運用へと広がりつつある。
 mimityは、感情解析AI「Empath」と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、通話の内容と声の印象の両面から応対品質を評価する。
 一方で、通話録音には顧客の氏名・電話番号・住所・契約番号などが含まれる。とりわけ金融・通信など個人情報を多く扱う業種では、このデータをどう扱うかを社内の基準に沿って説明できることが、導入検討を先へ進めるための要件となっていた。
 評価の内容そのものは評価しながら、データの取り扱いの確認で検討が止まってしまう。今回の機能追加は、この状態を解消するもの。

〔2026/9/1〕TOTOがユーザー調査の高速化を目的に、プロダクトフォースの「ユニーリサーチ」を導入

 ダイレクトリサーチプラットフォーム「ユニーリサーチ」を運営するプロダクトフォース(本社:東京都港区、浜岡宏樹社長)は、TOTOが、国内住宅リモデル市場におけるTOTOのマーケットイン活動の強化を目的に「ユニーリサーチ」を導入したことを発表した。導入により、TOTOではアンケートとユーザーインタビューを組み合わせた「定量×定性」のリサーチを実施。2~3日で数百人規模の声を収集し、生活者の本音にもとづくマーケティング戦略の精緻化に活用している。
 TOTOは、「ウォシュレット」をはじめ、トイレ、バスルーム、キッチン、洗面化粧台などの水まわり住宅設備機器を国内外に展開している。1993年には既存住宅のリフォーム需要に着目し、「リモデル宣言」を発表。2018年からは、はじめての方でも安心してリフォームを進められるよう、顧客が知りたい情報を「みえる」「わかる」状態にする「あんしんリモデル」を掲げ、公式サイトやショールーム、コールセンターなど各接点での価値提供に取り組んできた。
 今回ユニーリサーチを導入した販売統括本部 リモデル営業企画グループでは、各部門の調査結果を取りまとめる「基盤を固める」の業務に加え、生活者の声を戦略や製品企画へ反映する「攻めのリサーチ」への転換を進めていた。
 一方で、これまでのお客様理解は、ショールーム来館者への対面インタビューやコールセンターに寄せられる声が中心であった。そのため、管掌部門との調整に時間を要するほか、調査協力者の属性に偏りがあり、TOTOとまだ関わりを持っていない方の声を捉えにくいという課題があった。こうした背景から、より迅速かつ幅広く生活者の声を収集し、マーケティング戦略の精度向上につなげるため、ユニーリサーチの導入に至った。
 従来、社内会議で施策の妥当性を検証する際など、営業支社を通じて現場の情報を集約し、定量的に整理するプロセスが必要であった。ユニーリサーチ導入後は、2~3日で数百人規模の声を収集できるようになり、翌週の会議にもファクトを反映しやすくなっている。
 施策検討の初期段階から定量的なエビデンスを取り入れることで、社内の合意形成や意思決定のスピード向上につながっている。
 TOTOでは、従来「住宅リフォームをした方」と大きく捉えていた対象者を、ユニーリサーチのスクリーニング調査を通じて、住まいの地域、年代、検討状況などの切り口で分類。特定の属性に偏らず、幅広い生活者の声を収集できるようになった。
 調査会社に委託する場合、調査企画から結果納品までに約3~4カ月を要するケースもあるが、ユニーリサーチの活用により、スピードが求められるテーマでは短期間で調査を実施し、必要に応じて深掘りする運用が可能になっている。
 TOTOでは、まずアンケートで市場構造や全体傾向を把握し、その後、深掘りしたいセグメントに対してユーザーインタビューを行う「定量×定性」のリサーチを実践している。
 インタビューでは、「ショールームで複数メーカーの商品を見たが、違いがよくわからなかった」「リフォーム検討の最初はワクワクしていたが、比較するうちに疲れてしまった」といった声が得られた。
 こうした声から、リフォームにおいて住宅設備機器は単独で選ばれるものというより、顧客が理想とする空間を実現するための一要素であることが見えてきた。また、元請けや販売店など、生活者の意思決定に関わるステークホルダーの影響も把握でき、より解像度の高いマーケティング戦略の策定につながっている。
 TOTOのリモデル営業企画グループでは、TOTOのマーケットイン活動のプラットフォームとしての機能をさらに強化していく方針。
 今後もユニーリサーチを活用し、企画・推進メンバー全員が提供価値の解像度を揃え、明確なカスタマージャーニーにもとづいた戦略を素早くPDCAサイクルに乗せていくことを目指す。

〔2026/8/31〕CTC、カスタマーサポートにおけるAI導入の有効性を診断するサービス「CTC-AINAVI」を開始

 伊藤忠テクノソリューションズ(本社:東京都港区、新宮達史社長、略称:CTC)は、カスタマーサポート業務におけるAIオペレータの導入・活用を支援するアセスメントサービス「CTC-AINAVI(シーティーシー・アイナビ)」の提供を開始した。企業が保有する問い合わせ対応データを分析し、AI活用に適した業務の特定や投資対効果の試算などを行い、導入計画の策定を支援する。価格は100万円からで、コンタクトセンターによる顧客接点が多い金融、通信、小売、ITサービスなどの業種向けに展開し、3年間で100件の受注を目指す。
 企業のカスタマーサポート部門では、問い合わせチャネルの多様化や対応内容の複雑化、慢性的な人材不足を背景に、対応品質の維持・向上と業務効率化の両立が求められている。AIオペレータなどの活用に期待が高まる一方で、現状の業務課題を十分に把握できていない、どの領域からAIを導入すべきか判断できない、投資対効果を見極めにくいといった理由から、導入検討が進まないケースもある。
 CTC-AINAVIは、企業が保有する問い合わせ対応(VoC:Voice of Customer)や応対履歴などのデータを分析し、優先的に自動化すべき業務を可視化すると共に、AIオペレータの導入効果を診断するサービス。
 問い合せ内容や件数、対応時間などを分析し、AIオペレータによる対応や有人での対応など、業務特性に応じた最適な対応方法を整理する。これにより、自動化による効果が見込める業務や優先的に取り組むべき業務を明確にし、投資対効果の試算や段階的な導入計画の作成を支援する。特定の製品導入を前提としないため、業務課題や顧客接点の現状を踏まえ、AIオペレータを用いたFAQの拡充やナレッジ整備など、最適な施策を検討できる点も特徴。
 CTCは長年にわたり、製造、流通、金融をはじめ多くの業界でコンタクトセンターシステムの構築・運用を支援してきた。本サービスでは、これまでに培った業務知識と、生成AIソリューションの活用に関する技術知見を組み合わせ、問い合わせデータの分析からAI導入計画の策定、製品選定、構築、導入までを伴走支援する。

〔2026/8/27〕NR、電話AIエージェント「BOTCHAN AICALL」導入で顧客接客から後処理までの自動対応完了率80%超えを実現

 「BOTCHAN」シリーズを展開するwevnal(本社:東京都渋谷区、磯山博文社長)は、NR(本社:東京都中央区、豊澤裕子社長)に提供する電話AIエージェント「BOTCHAN AICALL」の導入により、コールセンターの人員体制を増強することなく応答率90%台を維持し、顧客接客から後処理までの自動対応完了率80%超えを達成したことを発表した。
 20代から90代まで幅広い年齢層に医薬品・スキンケア・雑貨を届けるNRは、以前より「BOTCHAN Keeper (解約防止チャットボット)」と「BOTCHAN AI(オンライン接客の自動化チャットボット)」の連携によって解約導線を最適化し、クレーム件数を約40%削減した実績がある。
 その後、高齢層向け商材の新規獲得が伸びたことで、コールセンターは新たな課題に直面していた。チャットボットで十分対応できていた層とは別に、電話に流れるお客様が想定より多くなり、欠勤やインフルエンザの流行、台風といった要因でコールセンターの人員が減ると対応が難しくなる場面が発生。特に週明けの月曜日の午前は問い合わせが集中する傾向が強く、既存人員だけでの対応に限界を感じていた。
・コールセンターの体制を増強せず、応答率90%台を維持:入電数が拡大する中でも、人員増強に頼らずに応答率を安定させることに成功。
・顧客接客から後処理までの自動対応完了率80%超え:受電対応だけでなく、後処理までを含めて一気通貫でAIが完結。
・コールセンター現場との連携による柔軟な比重調整:AICALLの対応比重は自動で固定されるものではなく、現場が日々の呼量や人員状況を見ながら判断し調整する運用を確立。平日と土日祝日明けとで比重を変えるなど、時間帯・曜日ごとにきめ細かく対応。
・自然災害時にも電話受付を継続:欠勤や災害等でコールセンターの人員が突発的に減ってしまう場面でもAICALLの比重を引き上げることで、電話受付を完全に止めることなくお客様の対応を継続。
 wevnalは「AIに全部任せる、人にしか任せない」という二項対立ではなく、企業ごとの事情に合わせた人とAIの配分を見つけていくことを目指している。NRとの取り組みも、その1つの到達点と位置付けており、今後も解約抑止のトークをAICALLで検証・磨き上げ、オペレーターへの展開に活かすなど、人と人との接客に近い体験の実現に向けて伴走していく。

〔2026/8/25〕日鉄ソリューションズ、CX・コンタクトセンター高度化支援サービス「NSRelato」を提供開始

 日鉄ソリューションズ(本社:東京都港区、玉置和彦社長、以下、NSSOL)は、企業のCX向上およびコンタクトセンターの高度化を総合的に支援するサービス「NSRelato(エヌエスリレト)」の提供を開始した。NSRelatoは、AIを活用した応対・チケット管理を中核に、顧客接点情報と顧客・製品・契約などの事業データを統合するサービス。
 問い合わせ対応の効率化と品質向上を実現するとともに、顧客の声を事業改善や顧客価値向上につなげる。製造業をはじめとする幅広い業界で基幹システム、CRM、データ活用基盤の構築を支えてきたNSSOLが、長年培った知見を活かし、コンタクトセンター業務と基幹業務を一気通貫でつなぐ。
 顧客接点の多様化や人材不足を背景に、コンタクトセンターでは応対の品質・生産性の向上に加え、VoC(Voice of Customer)やAIを活用した業務高度化が一層求められている。こうした高度化を実現するには、現場業務に適したシステムの導入だけでなく、応対情報と顧客・製品・契約などの事業情報を統合し、顧客接点で得られる情報をサービス品質向上や事業改善に活用できる環境が不可欠。また、導入後も業務に合わせた運用・改善を継続し、システム活用を現場に定着させることが重要となる。

〔2026/8/25〕ソフツー、督促・調査・溢れ呼対応を自動化して、少人数運用を実現する「BlueBean AI」を提供開始

 ソフツー(本社:東京都中央区、鍾勝雄社長)は、労働力不足や教育コストの高騰、離職率の高さに悩むコールセンターおよび電話窓口業務に向けて、コールセンターに特化したAIサービス「BlueBean AI」を、2026年7月31日より提供を開始することを発表した。
 AIが受発信から通話後の処理までを自動化することで、ストレスの多い反復業務を削減し、オペレーター・スーパーバイザー・マネージャーが、人にしかできないコア業務に集中できる環境を創出する。
 日本の労働力人口は減少傾向にあり、2040年には約900万人分の労働力が消失すると推計されている。少子化の影響もあり、もはや採用だけで人材を補うことは困難な時代を迎えた。
 特に人が主体のコールセンターの現場では、慢性的な採用難に加えて、短期間での離職という人材面での課題を抱えている。労働力不足の中で少数運用を強いられる現場では、スタッフ1人あたりの負担が増加し、さらなる離職を招くという負のスパイラルが起きている。
 同社はこの労働力不足という社会課題に対して、クラウド型CTIコールセンターシステムBlueBeanなどを通じて電話業務インフラを支え、多くの意見・要望をいただく中で、AIが代替できる業務を代行し、人が快適に長く電話業務で働ける環境を構築するパートナーとして「BlueBean AI」を開発した。
 これまで、弊社が提供するクラウド型CTIコールセンターシステムBlueBeanの一機能としてAI自動応答を提供してきたが、より多くの企業の電話業務における課題を専門的かつ柔軟に解決するため、この度、AI機能を独立させた新サービスとして提供開始する運びとなった。
 BlueBean AIは、電話の受発信から通話後の事務処理までを自動化するAIサービス。専門的なプログラミング知識がなくても、AIが電話応対する一連の流れをノーコードで構築できる。指示文(プロンプト)による電話応対の制御のほか、カレンダー登録やチャット共有といった通話の後処理までを一貫して対応する。このように、自社の業務フローに合わせたあらゆる電話業務をAIにて代行することができる。


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