コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2026/1/14〕バーチャレクス、Amazon Connect拡張アプリケーション「Connectrek」をAgent Workspace上で利用可能に
バーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は、Amazon Connectの拡張アプリケーション「Connectrek、以下、コネクトレック」を、Amazon Connect Agent Workspace(以下、Agent Workspace)上でシームレスに利用できるようになったことを発表した。
コンタクトセンターの現場では、顧客対応、顧客情報の参照、社内連携などの業務を複数のアプリケーションを使い分けながら行うケースが多く、オペレーターの操作負荷や対応品質の維持・向上が課題となっている。コネクトレックをAgent Workspace上で利用することで、業務に必要な機能を1つの画面に集約し、オペレーターが顧客対応に集中できる業務環境を実現する。
なお、バーチャレクスでは2025年9月より「Amazon Transcribe Live Call Analytics、以下、LCA」を基盤とした通話音声のリアルタイム解析・可視化ソリューションの提供を開始している。同ソリューションについても、Agent Workspace上で利用できる。
〔2026/1/14〕KDDI 、約 9000 席のコンタクトセンターに Genesys Cloud を採用
ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長、以下、ジェネシス)は、 KDDIがエクスペリエンス・オーケストレーション・プラットフォームとして、Genesys Cloudを採用したことを発表した。
今回の導入は、 KDDI が提供する個人・法人の顧客からの問い合わせ窓口を対象とし、合計で約9000 席のコンタクトセンターを順次クラウドへ移行する大規模な変革プロジェクトとなる。
KDDIは、長年利用してきたオンプレミス型のコンタクトセンター基盤からGenesys Cloudへ移行を進めており、全国のコンタクトセンター環境を刷新する。これにより、ハードウェア保守・更改作業の削減、対応効率の向上、新機能の展開スピードを加速させることが可能になる。また、将来的なAI活用や高度化を見据えた柔軟な基盤の構築につながり、KDDIのカスタマーエクスペリエンス(CX)変革をさらに促進する。
従来のオンプレミス環境では、以下のような課題が生じていた。
・老朽化に伴う機器交換対応の負荷
・既存システムを理解する専門エンジニアの確保の難しさ
・追加開発・保守にかかる作業負荷
・新たなテクノロジー活用にリソースを割きにくい環境
KDDI は、 AIを活用したコミュニケーター支援、応対品質向上、高度な分析基盤の構築など、 CX の進化を重点領域に掲げている。これらを実現するため、クラウド化が不可欠であると判断し、Genesys Cloud の採用に至った。
Genesys Cloud 採用の主な理由
・大規模コンタクトセンターでも柔軟に対応できる機能性と実績
国内最大級となる約 9000席のコンタクトセンター移行において、柔軟な設計・設定が可能であること、また大規模導入の実績を持つ点が評価された。
・リージョン構成(東京・大阪)による冗長化への対応
Genesys Cloud のマルチリージョン構成(東京・大阪)の利用により、 BCP の観点でも高い可用性を実現できる。
・APIを活用した拡張性と内製化支援
KDDIではAI活用を含むシステム内製化にも注力しており、Genesys Cloudの豊富なAPIやエコシステムは独自開発や将来的な拡張を可能にする。
・電話番号移行を含む移行制約の少なさ
既存回線を利用するKDDIの環境において、移行時の制約が少なく柔軟な移行が可能である点も採用理由となった。
KDDIでは、Genesys Cloud導入後、以下のAI活用を段階的に検討している。
・Genesys Agent Copilot の検証・導入
難易度の高い専門用語の応対など、履歴作成に負荷が高い業務に対し、応対ログの要約・自動生成や回答支援を行い、コミュニケーター支援の高度化を図る。
・Genesys Cloud Copilotなどの活用によるマネジメント支援
応対内容の要約やリアルタイムモニタリングの負荷軽減を図り、管理業務をサポートする。
・顧客向けAIの導入検討
自動応答の高度化により、業務効率や顧客満足度の向上を目指す。
・AI分析によるコンタクトセンター運営の最適化
応対履歴などのデータをAIで分析し、コンタクトセンター運営の高度化につなげる。
加えてKDDIは、今回のプロジェクトで得られるコンタクトセンター運用のアセットやナレッジを、自社内の高度化に留めず社外にも提供し、外販ビジネスとして発展させていく方針を掲げている。
〔2026/1/13〕USEN WORK WELL、USEN&U-NEXT GROUP社員約6000名の実証から生まれた法人向けAIソリューションを本格提供開始
USEN&U-NEXT GROUPのUSEN WORK WELL(本社:東京都品川区、住谷猛社長)は、中小企業の社内利用に特化した法人向けAIソリューションの本格提供を開始した。AIソリューションでは、ChatGPTやGemini、Claudeなどの主要LLM(大規模言語モデル)を活用した生成AIチャット「U-Buddy Chat」や、企業ごとの業務特性に合わせたAIソリューションの受託開発、生成AI活用の定着を支援する実践的な研修プログラムなど多彩なサービスを展開する。同社のグループ社員約6000名の実証を経て開発しており、現場視点に基づくサービスにより企業の人手不足解消とDX推進を実現する。
人手不足の深刻化や業務の高度化を背景に、中小企業においても生成AIの業務活用への関心は高まっている。一方で、情報漏えいリスクや導入・運用コストの負担、現場業務に即した活用方法がわからないといった課題や、IT専任人材の不足によるセキュリティ構築の難しさが、生成AI活用の大きな障壁となっており、導入に踏み切れない企業も少なくない。
同社は、2023年11月よりグループ社員を対象に、社内生成AI「Buddy」を展開し、実業務での活用実証を継続的に実施してきた。2025年8月時点では、社員約6000名のうち80%が業務でBuddyを活用しており、月間の業務削減時間は、全体で約8,770時間、1人あたり約2時間の削減効果となった。
こうした社内実証を通じて蓄積した運用ノウハウや成果をもとに、中小企業の人手不足解消やDX推進を実現すべく、AIソリューションの本格提供に至った。
サービスラインアップ
1. 生成AIチャット「U-Buddy Chat」
ChatGPTやGemini、Claudeなどの主要LLMを単一のUI上で使い分けることが可能。1ユーザーあたり、月額500円から導入可能な価格設定により、高機能な生成AIを低価格で利用できる。また、企画立案、企業情報検索、FAQ作成、営業ロールプレイングなど、業務や業種に応じた特化型ツール「U-Buddyエージェント」をオプションとして提供し、今後もラインアップの拡充を進めていく。
なお、サービス開始を記念し、「U-Buddy Chat」の契約企業を対象に、「U-Buddyエージェント」を約1カ月間無料で利用できるキャンペーンを実施する。
2. AIカスタム開発サービス
社内文書やFAQデータを活用した検索エージェント、営業活動を自動化する提案生成AI、コールセンター支援AIなど、企業ごとの業務フローやシステム環境に合わせたAIソリューションの開発が可能。PoC設計から社内定着まで一貫して同社が伴走し、業務効率化とDX推進を実現する。
3. 生成AI研修サービス
同社グループの活用実証に基づき、生成AIを現場に定着させるための実践的な研修プログラムを提供する。各職種・部門の具体的な活用事例をもとに、基礎知識からプロンプトエンジニアリングまでを講義とワークショップ形式で支援し、組織全体での活用定着と推進を実現する。
〔2026/1/13〕ベルシステム24とRevComm、企業の営業活動における会話データ活用スキーム構築の戦略的協業を開始
ベルシステム24とRevComm(本社:東京都千代田区、会田武史社長)は、営業活動における顧客との会話データの活用スキーム構築に向けた戦略的協業を開始した。
両社はこれまで、RevCommが提供する音声解析AI「MiiTel」と、ベルシステム24のBPOノウハウや専門人材を融合し、インサイドセールス領域での協業を進めてきた。
今回、対象領域をフィールド営業や店舗販売などの対面領域に拡げ、電話、Web会議などを含んだ複数チャネルでの営業活動全般のデータ活用を目指す。従来、ブラックボックス化していた対面での会話データを可視化し、属人化の解消に加え、ベテラン営業担当者の成功パターンを基にしたトークスクリプト開発、営業・販売戦略立案に加えマーケティング活用などに繋げていく。本協業によって両社は、3年後に20億円の売上創出を目指す。
企業における営業活動では対面営業や個別対応も多く、会話や活動状況がブラックボックス化しやすいため、営業担当者の経験やスキルに依存するケースが多くある。さらに、顧客ニーズに合わせた営業チャネルの多様化により、データの一元管理も難しくなっており組織全体でのナレッジの共有や営業品質向上が課題となっている。こうした課題を解決するためには、活動の可視化および各チャネルの分断化された情報を統合し、1つのデータとして分析・活用できる仕組みが不可欠だ。
ベルシステム24は、幅広い業界のDX支援の実績を持ち、コンサルティングからソリューション導入、業務運用、データの分析や利活用まで包括的に支援している。
RevCommは、会話のコミュニケーションが発生するすべての場所における会話のビッグデータ化に向けて、音声解析AI「MiiTel」の提供により、電話・Web会議・対面での会話をデータ化・集約することでビジネスコミュニケーションの効率化を図り、企業の生産性を向上させ、音声データの資産化に貢献していく。
このたび、両社のノウハウやソリューションを組み合わせることで、営業活動における会話データの可視化や情報の一元管理を行い、営業領域での課題解決と企業の事業成長を支援するデータ活用に向け本協業に至った。
RevCommが提供する音声解析AI「MiiTel」シリーズは、電話やWeb会議、対面訪問、店舗販売といった営業におけるあらゆる顧客接点の会話をデータ化し、データ集約による一元管理や分析が可能になる。
本協業では、MiiTelシリーズを基盤に、ベルシステム24が持つ業務コンサルティングやデータ利活用のスキルを組み合わせることで、データに基づいた営業活動における顧客の全体像を把握できる環境を構築し、営業のデータ活用を支援する共同サービスを提供予定。リアル・オンラインの垣根を超えて営業活動で発生したコミュニケーションデータを一気通貫で利活用できる点が特徴で、これにより、営業現場の生産性向上、売上拡大、顧客満足度向上に直結する改善策を提供するとともに、経営判断に活用できるデータドリブンな仕組みを実現する。
〔2026/1/7〕VideoTouch、コンタクトセンター向け「AIモニタリング」を正式リリース
コンタクトセンター特化の教育AIプラットフォームを提供するVideoTouch(本社:東京都渋谷区、上坂優太社長)は、新サービスとして、オペレーター対応を自動解析・評価する「AIモニタリング」の提供を開始した。
同サービスは、β版運用において、かんぽ生命保険と共同でサービスを磨き上げてきた。国際基準と現場実践(品質管理・人材育成)の両観点に精通した業界専門家の監修のもと、評価アルゴリズムを開発した。
また、2025年4月に資本業務提携を締結したPKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)との技術提携により、同社のアルゴリズムを用いた音声感情分析・文脈理解を実現している。
なお、サービス開始を記念して、先着5社限定で初期費用(専任チームによる評価基準のチューニング費用含む)を無償とするキャンペーンを、2026年3月末日まで実施する。初期費用無料キャンペーンお問い合わせURL:https://videotouch.jp/contact
〔2026/1/6〕みずほ証券、「MOBI BOT AI Vector Search」を導入
モビルスは、新機能のベクトル検索1型チャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」の提供を開始した。本機能は、ベクトル検索による高精度な検索で、顧客の曖昧な表現や類似語にも対応し、正確かつ網羅的に回答を提示する。併せて、みずほ証券が、MOBI BOT AI Vector Searchを導入したことを発表した。みずほ証券のWebサイトでは、2025年12月26日より、本機能を活用したチャットボットでの問い合わせを開始している。
これにより、従来の機械学習型のチャットボットの単語検索と比べてよくある質問(FAQ)の検索精度が向上した。顧客が入力した単語がFAQの単語と一致しなくても候補回答の提示が可能になる。この導入により、みずほ証券では顧客の自己解決率の向上を実現し、利便性と満足度を高めながら、コンタクトセンター業務の効率化を目指す。
みずほ証券ではコンタクトセンターの業務の効率化、顧客と従業員それぞれの利便性や満足度、顧客体験(CX)の向上をめざしている。「ヒト×デジタルでそれぞれの特徴・強みを組み合わせ、運営課題の解消と付加価値の創出(潜在価値の顕在化)を実現」を目標に掲げ、受電・架電業務での電話運用に加えて、非音声のノンボイスチャネル(メール、有人チャット、ボイスボット、チャットボット)も運用し、月間15万件ほどの問い合わせ対応を行っている。中でも、チャットボットについて、24時間365日の自動応答が可能なサポート体制を構築し、利便性を高めるソリューションとして活用している。
一方で、従来の機械学習型チャットボットはキーワード一致を前提としていたため、表現の違いで最適な回答提示が難しい場合があった。その際はオペレーターがフォローして品質を維持してきたが、精度・網羅性向上に向けた同義語・表記ゆれ対応などのデータ整備により、運用面で一定の負荷も伴っていた。その結果、顧客の問い合わせの手間が増えるだけでなく、コンタクトセンターでの業務負荷や応対コストの増加につながっており、顧客とコンタクトセンターの双方の負担を軽減する新たな取り組みが必要となった。
また、金融機関のコンタクトセンターでは、複雑な金融商品の説明や厳格な法規制への対応が求められ、オペレーターには高度な金融知識と高い応対品質が常に求められる。加えて、採用難や離職率の高さ、人材育成の負担などが業務効率の低下につながり、顧客とオペレーター双方の満足度を下げる要因となる。こうした課題を解決するため、金融機関ではAIなどの最新技術を活用して業務を効率化し、従業員の満足度、顧客の利便性や満足度(CS)、CXを向上させる取り組みが求められている。
生成AIが回答を作成・提示するチャットボットが登場し、チャットボットが「分からない」と回答する問題は解消されるようになった。一方で、生成AIは必ず回答を生成する特性上、誤った回答(ハルシネーション)が発生するため、企業としては対策が必要。生成AIを活用したシステム活用を検討する一方で、みずほ証券では、金融機関として、正確な情報を顧客へ提示するため、より確実な回答を提示できるシステムの構築を求めていた。
こうした背景から、モビルスとみずほ証券ではMOBI BOT AI Vector Searchの導入に向けて、2025年6月から1カ月にわたりβ版でのテスト運用を実施した。その結果、高い検索精度でFAQから正確に回答を提示でき、コンタクトセンターの業務効率化も実現できることが確認できたため、ベクトル検索型チャットボットへの正式導入に至った。
〔2025/12/23〕RevComm、「MiiTel MCP Server(β版)」の提供を発表
音声解析AI「MiiTel」、生成AIを活用したプラットフォーム「MiiTel Synapse」を提供するRevComm(本社:東京都千代田区、会田武史社長)は、各種アプリケーションやデータソースと生成AIエージェントを安全に接続するための基盤「MiiTel MCP Server(β版)」の提供を発表した。
本取り組みは、近年業界的に注目が高まっているモデル・コンテキスト・プロトコル(Model Context Protocol、以下、MCP)を活用し、音声・テキスト・業務データを横断して連携することで、「判断だけでなく実行まで行うAIエージェント」の提供を実現し、クライアント企業のビジネス成果を最大化することを目的としている。
近年、生成AIを活用したエージェント技術が台頭し、MCPは「さまざまなアプリケーション・データソースとLLMを安全に接続するための共通プロトコル」として、国内外のテックカンパニーで採用が進んでいる。国内でも、ビジネス現場における実利用フェーズに向け、先進的な企業が取り組みを始めている。
同社は、「アプリケーションレイヤー × データレイヤー × オペレーション支援」の三位一体によりクライアント企業のビジネス成果の最大化を実現することを目指し「MiiTel」や「MiiTel Synapse」を提供している。電話・Web会議・対面など、あらゆる会話データを「MiiTel」で収集し一元管理できるようにすると同時に、「MiiTel Synapse」活用がVOC(Voice of Customer)解析・人材育成・セルフコーチング・営業戦略立案に効果を発揮できるよう、支援を進めている。
企業のビジネス成果を最大化するためには、社内外のデータやアプリケーションとAIエージェントを「安全かつ柔軟に接続する」ことが不可欠であり、その中核としてMCPを位置づけている。
同社は、「データ収集(Data collection) → 分析(Insight mining) → 価値創出(Value creation) → 新たなデータ創出(Enhanced data)」からなる「DIVEサイクル」を高速に回すことが、AI時代の競争優位を決定づけると捉えている。MiiTel MCP Server
は、このDIVEサイクルを以下の観点から加速させる。
・あらゆるデータとアルゴリズムのシームレスな連携
MiiTelに蓄積された会話データと、CRMやSFA、社内ツール、外部SaaSなどをMCP経由で接続し、最適なAIモデルをリアルタイムに選択・適用。
・セキュアなデータ共有基盤
社内外のデータを安全に接続する共有基盤を整備し、業界・業務ごとに最適化されたAIエージェントの開発・運用を可能に。
・マイクロサービスアーキテクチャによる俊敏な開発
必要な機能だけを組み合わせられるマイクロサービス構成により、PoCから本番導入までのリードタイムを短縮。
MiiTel MCP Server活用により、MiiTel Synapseは「会話の可視化プラットフォーム」から、「あらゆる業務データをつなぎ、継続的にビジネス価値を生み出すAIエージェント基盤」へと進化していく。
同社では、2026年第1四半期:テスト版/β版提供開始(社内および一部パートナー企業向け)。MCPプロジェクトのロードマップ・技術情報についても順次公開予定。