インハウスセンター動向
〔2026/6/26〕SBI生命、コールセンターにおける後処理業務を完全自動化するシステムを内製開発し、本格導入
SBI生命保険(本社:東京都港区、篠原秀典社長)は、AIトランスフォーメーション(AX)の中核施策として、コールセンターにおける後処理業務(ACW)を完全自動化するシステムを内製開発し、2026年6月25日より本格導入した。
本取組みにより、従来1通話あたり平均約3.5分を要していた後処理業務を原則不要(ゼロ化)とし、年間約5,000時間の業務削減を見込む。同社はこれを単なる効率化に留めず、人とAIとの役割を再定義し、保険業務全体の生産性を根本から見直す「AIネイティブなオペレーションモデル」への変革の実現と位置付けている。
同システムは、米国Anthropic社が提供する大規模言語モデル「Claude Sonnet 4.6(Amazon Bedrock上)」を活用し、通話内容の解析・要約・記録作成・入力処理までを一気通貫で自動化する。
また、システム基盤には、世界で最も包括的で、幅広く採用されているクラウドサービスであるAmazon Web Services (AWS) を採用し、高い拡張性とセキュリティを実現している。
本取組みは、単なる業務削減にとどまらず、以下の変革をもたらる。
・オペレーターの役割を「入力作業」から「高付加価値な顧客対応」へシフト
・応対品質の標準化と高度化の同時実現
・コールセンター運営のスケーラビリティ向上
・人材活用の最適化と働き方改革の推進
同社は同システムを起点として、コールセンターにおけるAI活用をさらに拡張するとともに、保険業務全体へのAX展開を進めていく。今後も、AIドリブンによる業務変革を通じて、顧客体験のさらなる向上と企業競争力の強化を両立していく。
〔2026/6/25〕wevnal、ロカボワークスが「BOTCHAN AICALL」で応答率96%以上を継続維持し、オペレーター席数の半減に成功
wevnal(本社:東京都渋谷区、磯山博文社長)は、ロカボワークス(本社:福岡県福岡市、岩崎亮社長)に提供する電話AIエージェント「BOTCHAN AICALL」の導入において、応答率96%以上の継続維持とオペレーター席数の約半減に成功したことを発表した。
本取り組みでは、Web広告起点の新規獲得に伴うインバウンドコール量の増減課題をAIが解決した。また、KPIを「解約抑止」から「顧客体験(CX)の優先」へと転換し、ヒアリングした顧客の声(VoC)をCRM施策へ活用するデータドリブンな体制を構築した事例として発表。
ロカボワークスは、男性向け機能性表示食品などを展開し、Web広告を主要な集客チャネルとする定期購入型の通販ビジネスを運営している。 同社では、Web広告の出稿状況によって新規獲得数やインバウンドのコール量が大きく変動するため、コールセンターのオペレーター席数の管理が慢性的な課題となっていた。席数の調整には一般的に1カ月前後のリードタイムが必要であり、予測が外れると「席余りによるコスト増大」または「席不足による応答率低下」という双方向のリスクを抱えていた。 応答率の低下は消費者センターへの相談増加など経営リスクに直結するため、AIによって一次受付を確実に担保し、応答率をほぼ100%に近づけることで、構造的なリスクを抑制することを目的にBOTCHAN AICALLの導入に至った。
現在はインバウンド対応を中心に活用しているが、今後は蓄積されたVoCデータを分析し、解約の予防やマーケティングクリエイティブの改善へとつなげるCRMループの構築を目指している。 また、ヒアリングデータをもとに「商品がなくなる時期を予測したアウトバウンドコール」や、後払い決済未完了者へのアプローチなど、継続率改善に向けた自動化施策も視野に入れている。
〔2026/6/25〕プラスアルファ・コンサルティング、富士電機がコールセンターの応対品質向上を目指し、「AIトークトレ」を導入
プラスアルファ・コンサルティングは、実際の顧客応対に近いリアルなペルソナを生成AIで再現し、実践的な応対練習を可能にする対話力向上支援サービス「AIトークトレ」を富士電機に導入したことを発表した。
富士電機は、業務用インバーターや鉄道のドア開閉駆動部など、産業・社会インフラを支える幅広い機器の製造や、関連するソリューションを提供している。同社のコールセンターでは、顧客からの問い合わせ対応において、対象機器に関する専門的な知識に加え、状況を正確に把握しトラブルの原因を特定するための高度なヒアリング力がオペレーターに求められている。
そのため、専門性の高い問い合わせに対応するトレーニング環境の構築と、オペレーターの対応力強化が課題となっていた。
こうした課題を解決するため、蓄積された問い合わせデータを活用し、現場に即したシナリオに基づく実践的なトレーニングを実現できるAIトークトレの導入を決定した。
富士電機では、AIトークトレを活用し、顧客からの主要な問い合わせや優秀なオペレーターの対応履歴などの実データをもとに、効果的なヒアリング手法や原因特定が難しいケースのシナリオを生成する。これらをもとにAIが、顧客の利用シーンや症状の伝え方などを再現することで、自社製品を実際に使用するユーザーのようなリアルな対話を実現する。これにより、オペレーターは心理的負担を感じることなく、実践的な訓練を通じて、専門知識の定着と問題解決力の向上を図ることが可能となる。
また、評価の属人化や育成工数の負担を軽減するとともに、組織全体における応対品質の標準化を実現する。これにより、顧客のトラブルを迅速かつ的確に解決する体制の構築を目指す。
〔2026/6/23〕RightTouch、「QANT スピーク」で東北電力の電話受付のAI化を支援
RightTouch(本社:東京都品川区、野村修平社長、長崎大都社長)は、AIオペレーター「QANT スピーク」を、東北電力に提供した。
QANT スピークの導入により、東北電力のカスタマーセンターに寄せられる定型的な各種申込の生成AIによる自動受付を目指し、顧客体験(CX)の向上と同社の業務効率化を支援する。
現在、固定メニュー型のIVRでは、顧客の発話意図を十分に深掘りできず、最適なチャネルへの誘導や提案ができないことから、手戻りや待機時間の増加、オペレーターへの負荷といった課題が、あらゆる業界において顕在化している。
特にインフラ業界では、電気・ガス・水道といったライフラインに関わる契約変更や各種手続きの問い合わせが中心となるため、顧客本人の確認を必要とするケースが大半を占める。氏名・住所・契約番号などの個人情報を電話上でヒアリングする件数が必然的に多く、従来のIVRでは対応しきれない場面が多く発生している。
東北電力は、低圧の電力契約において、東北6県と新潟を中心に600万口以上の顧客基盤を持つインフラ企業。同社のカスタマーセンターには、電気契約の開始・終了・アンペア変更・申込書受付といった手続きに加え、多種多様な問い合わせがあり、その年間合計入電量は約170万件にものぼる。
特に3~4月の引越しシーズンや冬季には問い合わせが急増し、電話がつながりにくい時間帯が発生するなど、顧客の利便性に影響を与える場面も生じていた。定型的な手続きであっても有人対応が前提となる構造が、入電量と顧客の待機時間の増加につながっており、顧客体験のさらなる向上が求められていた。
インフラ企業として多くのお客さまの個人情報を取り扱う同社にとって、厳格な情報セキュリティポリシーへの準拠は、新たなテクノロジー導入においても重要な要件。RightTouchは、音声認識から生成AIによる意図理解・応答生成まで、すべての処理工程を国内リージョン内で完結する環境を提供することで、同社のセキュリティ要件をクリアし、今回のローンチに至った。
RightTouchのQANT スピークは、音声認識・生成AI処理・応答生成のすべてを東北電力の高いセキュリティ要件に準拠する設計となっており、同社のセキュリティの担保と電話受付のAI化の両立を支援する。
1. QANT スピークの実装:自由発話の高精度な音声認識とLLMを活用することで、電気契約に関する専門用語や複雑な要件を含む問い合わせに対しても、発話者の意図を精度高く特定する。第1弾として「申込書受付」に関する問い合わせへの対応からスタートし、今後は対象となる問い合わせの種類を順次拡大していく。
2. 音声完結とチャネル連携による自己解決促進:口座振替やクレジットカード払いの申込書郵送の手続きを生成AIが対話形式で情報受付から手続き完了までを支援する。
3. セキュリティ要件への対応:インフラ企業として多くのお客さまの個人情報を取り扱う同社の厳格なセキュリティ要件に対応するため、RightTouchは音声認識から生成AIによる意図理解・応答生成まで、すべての処理工程を国内リージョン内で完結する環境を提供する。
4. VoCを用いたノーコードなAIオペレーター運用・改善:ノーコードの運用画面と応対ログを用いた自動テスト機能により、ボトルネックの検知からフロー改善まで継続できる体制を構築する。これにより、現場担当者がデータドリブンかつスピーディに持続的な品質改善サイクルを回すことが可能になる。
RightTouchは、東北電力のカスタマーセンターが推進する生成AI活用領域の段階的な拡大と、顧客体験向上および業務変革の取り組みを継続的に支援していく。
インフラ業界に求められる厳格なセキュリティ要件に対応しつつ、業務効率・顧客満足・従業員満足の三位一体での最大化を図る。さらにQANT Webなどの関連プロダクトと連携し、問い合わせを起点とした継続的な顧客体験最適化サイクルの構築を推進する。
〔2026/6/18〕三井ダイレクト損保、ボイスエージェント「KARAKURI voice agent」が2026年4月から本格稼働
カラクリ(本社:東京都中央区、小田志門社長)は、三井ダイレクト損害保険(以下、三井ダイレクト損保)のお客さまセンター部に、ボイスエージェント「KARAKURI voice agent」を提供し、2026年4月から本格稼働したことを発表した。
三井ダイレクト損保では、同ソリューション導入によりマイページへのログインに関する問い合わせを24時間365日対応できる体制を整え、顧客体験の向上とコンタクトセンターの業務効率化を同時に実現している。稼働後、AIへの苦情は0件(2026年5月時点)を記録しており、幅広い層のお客さまへの受け入れと、デジタルデバイドの解消につながっていることが確認されている。
契約件数100万件を突破した三井ダイレクト損保では、顧客との月間総接点数が約8万~9万件にのぼり、そのうち約65%(月5万~6万件)を電話チャネルが占めている。同社が電話応対の体制強化を急いだ背景には、セキュリティ強化に伴う問い合わせの急増があった。
2024年7月のウェブサイトリニューアルによるパスワード要件変更をした際、ログインに関する問い合わせが2~3倍に急増。さらに、2026年9月に予定されている二段階認証(2FA)の本格導入により、さらなる入電数の増加が見込まれていた。当時のログイン関連の問い合わせは月約5,000件に達し、1件あたりの平均応対時間は10分に及んでいた。
また、応対現場ではお客さま層の特性に応じた丁寧なサポートも求められていた。ログインに関する問い合わせの対象となる顧客は平均年齢が61歳、最頻値が72歳。スマートフォンの操作に不慣れな顧客にとって、電話は最も安心できる確実な相談手段であるため、案内が丁寧になるほど1通話あたりの応対時間が長くなる傾向にあった。
同社は、今後の入電数増加への備えと、すべての顧客へのデジタルシフト支援という2つの重要課題を解決するため、カラクリのボイスエージェントの導入を決定した。電話チャネルの混雑を緩和しつつ、チャットボットやSMSなどノンボイス対応を含めたハイブリット化をすることで、誰もが快適に利用できる新たな応対インフラの構築を進めている。
KARAKURI voice agentは、三井ダイレクト損保のマイページへのログインに関する電話問い合わせに対し、24時間365日のサポートチャネルとして稼働している。AIが顧客の状況をヒアリングしながら必要な設定方法や操作手順をステップごとに案内する。
保険業界では、AIが誤った契約情報や手続き手順を案内することが顧客トラブルや規制リスクに直結する。回答精度の担保に寄与しているのが、カラクリのRAG(検索拡張生成)アーキテクチャ。三井ダイレクト損保がKARAKURI chatbotの運用を通じて長年整備してきたデータをナレッジソースとして参照し、回答を生成する。回答範囲が確認済みの社内情報に限定されるため、誤情報を音声で案内するハルシネーションリスクを構造的に低く抑えられている。
カラクリのボイスエージェントが採用するspeech to speech方式は、テキスト変換を介さずに音声で直接入出力を処理する。従来のシナリオ型ボイスボットは対応範囲が限定的で、自然な会話や途中発話への対応に課題があった。同ソリューションは顧客の発話を文脈ごと把握し、途中で「ちょっと待って」と言えば待機し、話が脱線しても会話の流れを自然に戻すリカバリー能力を持つことで、「人間らしい」対話品質を担保している。
2026年4月の本番稼働から約2カ月(2026年5月現在)の実績として、営業時間外(18時以降)における問い合わせの解決率は52.7%に達している。これまで「ただいま営業時間外です」とお伝えするしかなかった夜間・休日のログイン問い合わせに、初めて自己解決の機会を提供できるようになった。
全時間帯の自動解決率は目標(60~70%)に向けて改善過程にあるものの、稼働以降の顧客からの苦情は0件を維持している。60~70代の顧客層においても拒否反応は少なく、AIとの会話を最後まで完了するユーザーが継続して確認されている。2026年5月からはAIへの動線をさらに拡大しており、今後の指標改善が見込まれる。
〔2026/6/18〕RevComm、電話解析AI「MiiTel Phone」、AIビジネスアシスタント「MiiTel Synapse Copilot」が、日本生命に導入
RevComm(本社:東京都千代田区、会田武史社長)は、同社が提供する電話解析AI「MiiTel Phone」とAIビジネスアシスタント「MiiTel Synapse Copilot」が、日本生命保険相互会社に導入された。インサイドセールス部門における生産性向上・活動解析の高度化に向けて活用される。
日本生命は、事業活動を通じて「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会」の実現を目指している。生命保険を中心にアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育などのさまざまな安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループを、目指す企業像として掲げている。
MiiTel PhoneとMiiTel Synapse Copilotは、インサイドセールス部門において、資料請求をいただいた顧客との電話でのコミュニケーションの場面で活用している。1人ひとりの夢や希望、不安に向き合い、それぞれのライフプランに合った最適な提案やサポートを実現するために、顧客とのコミュニケーションを記録するとともに、生成AIを活用し、顧客の声のビッグデータを解析し、サービス向上や新サービス開発に役立てる。
RevCommは、電話解析AI「MiiTel Phone」やAIビジネスアシスタント「MiiTel Synapse Copilot」の提供を通じて、顧客に提供するサービス品質の向上と、コミュニケーションの最適化に寄与していく。
〔2026/6/18〕PKSHA Technology、京急電鉄にコンタクトセンターに「PKSHA Speech Insight」を導入
PKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)は、京浜急行電鉄(以下、京急電鉄)に、オペレーターによる顧客応対の品質と効率を高めるAI SaaS「PKSHA Speech Insight」を導入した。
AIが通話内容を項目ごとに自動整理する「属性要約」機能を活用し、属人化していた顧客応対記録の質を均一化する。入力業務の自動化により通話・事務時間を短縮し、「電話のつながりやすさ」の向上とオペレーターの負担軽減を両立することで、質の高い顧客体験と働きやすい環境を実現する。
PKSHAは「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、自然言語処理をはじめとする独自技術を活かしたAIの研究開発と社会実装に取り組んでいる。今回の取り組みでは、京急電鉄が長年培ってきた顧客応対のノウハウをAIによって形式知化し、組織全体の応答品質を向上させることで、コンタクトセンターを「問い合わせ対応の場」から「信頼を生む拠点」へと進化させることを目指す。
京急電鉄のコンタクトセンターでは、列車運行から商業施設、株式関連など多岐にわたる問い合わせに対応している。問い合わせ領域が広範なため、話題ごとに統一的な記載ルールを整備・維持することが難しく、結果として、蓄積されたデータを横断的に分析してサービス改善に活かすことが困難であった。
顧客が求めているのは問い合わせに対する答えそのものではなく、問題が解決される体験。しかし、情報やナレッジが存在していても、適切な文脈・タイミングで届かなければ問題解決には至らない。京急電鉄では、PKSHA Speech Insightによる顧客応対記録の自動・均一化を起点に、顧客の声を確実に蓄積・分析してサービスに反映する仕組みの構築を目指す。
今回導入したPKSHA Speech Insightは、顧客とオペレーターの会話をリアルタイムで書き起こし、通話終了後にAIが自動で要約を行う。
本導入の核となるのが「属性要約」機能。この機能は、通話内容から「問い合わせ内容」「回答内容」など、あらかじめ設定した管理項目ごとに情報を自動抽出・整理する。オペレーターの経験やスキルに依存することなく、均一な粒度・構造で応対記録が生成されるため、記録品質の平準化とACWの削減を実現し、CRMへの転記作業も大幅に効率化する。
メモ作業から解放されたオペレーターは顧客との対話に集中でき、応対品質の向上にもつながる。SVはモニタリング機能で通話状況をリアルタイムに把握できる。エスカレーションワード(対応上注意が必要なキーワード)検知のアラートにより、適切なタイミングでオペレーターをフォローすることもできる。
京急電鉄では今後、均一な粒度で蓄積された応対データを基盤として、ナレッジの最適化やFAQ環境の整備を段階的に進め、オペレーターの応対品質向上と教育期間の短縮を目指す。さらに、自動ラベル分類によるコールリーズン集計やVOC分析の高度化に着手し、顧客の声をサービス改善に直結させる仕組みの確立に取り組んでいく。
PKSHAは、本取り組みを通じて、問い合わせの1つひとつを解決体験として届け、顧客と企業の間の信頼関係の構築を支援する。