コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2025/3/11〕コムデザイン、クラウドCTI「CT-e1/SaaS」 WebRTC対応アプリケーションを提供開始
コムデザイン(本社:東京都千代田区、寺尾憲二社長)は、コンタクトセンター向けクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」の新たな機能として、アプリケーションのインストール不要で利用可能なWebRTC技術を活用したコミュニケーター向けWebアプリケーションの提供を開始した。
CT-e1/SaaSは、SIP通信によるIPフォンの利用に加え、既設PBXとの連携が可能な柔軟な利用環境を提供してきた。今回、新たにWebアプリケーション対応を実現し、ユーザーの利便性をさらに向上させ、多様な利用シーンに対応できる選択肢を提供する。
アプリケーションをインストールする手間を省くことで導入のハードルを下げ、より迅速にサービスを利用開始できることが大きなメリット。現代のコンタクトセンターに求められる早期開設を支援する有効な手段として、新たな価値を提供する。
WebRTC(Web Real-Time Communication)は、World Wide Web Consortium(W3C)が提唱するオープン規格で、専用ソフトウェアやプラグインを必要とせず、Webブラウザ間でボイスチャット、ビデオチャット、ファイル共有を可能にするリアルタイムコミュニケーション技術。
本Webアプリケーションは、新規利用ユーザーを対象に段階的に提供を開始する。2024年にリリースした新アプリケーションの発表を皮切りに、CT-e1/SaaSでは継続してユーザビリティに優れたデザインへの改良に取り組んでいる。今回のWebアプリケーションの提供にとどまらず、継続してコンタクトセンターにとって優れたアプリケーション開発を継続していく。
CT-e1/SaaSは、コムデザインが提供するクラウド型CTIサービス。低コスト・専用設備不要といったクラウド型サービスのメリットに加えて、機能の網羅性の高さや、導入企業ごとの柔軟なカスタマイズが可能という特長もあり、累計1,745テナント31,000席以上の企業に採用されている。
CCP(Converged Communications Platform)とは、近年コールセンターで注目が集まっている、カスタマーとコミュニケーターの“会話”そのものをデータとして活用し、業務効率の向上や付加価値の創出を図るコールセンターDXという取り組みに最適なテレフォニープラットフォームコンセプト。 CCPにより、コールセンターDXを目的とした、テキストマイニングや会話解析、会話自動要約などのソリューションを提供するサービスに対して、「音声データ」または「テキストデータ」を柔軟かつ手軽に連携することが可能となる。これにより、コールセンターは高額の初期投資や運用負荷をかけることなく、コールセンターDXに取り組むことができる。
〔2025/3/10〕レトリバ、最高精度の日本語検索向けテキスト埋め込みモデル「AMBER」を公開
レトリバ(本社:東京都豊島区、田口琢也社長)は、日本語検索向けのテキスト埋め込みモデル「RetrievaEmbedding – 01 AMBER (Adaptive Multitask Bilingual Embedding Representation)」を公開したことを発表した。
本モデルは日本語検索用途に最適化されている。これにより、外部データベースの情報を検索して生成AIの出力に反映させる技術であるRAG(Retrieval-Augmented Generation)などにおいて、欲しい情報をより正確に、より速く見つけられるようになる。
日本企業における生成AIの活用は、欧米と比べてまだ発展途上であり、デジタル赤字やIT分野での競争力低下が懸念されている。その中でも特に、情報の正確性や最新性を向上させるRAG(Retrieval-Augmented Generation)は、多くの企業で期待されているが、まだ十分に活用が進んでいない
その要因の1つとして、RAGの重要な要素であるEmbedding技術に関して、日本語のモデルが英語に比べて十分に整備されておらず、多くの企業で検索精度が不十分なEmbeddingモデルを使用している点が挙げられる。その結果、生成される回答の精度が低いという課題が顕在化し、日本企業のAI活用を阻む大きなボトルネックとなっている。
こうした課題を解決するため、レトリバは長年にわたり自然言語処理技術を研究・開発し、磨き上げてきたAI技術をもとに、このたび、最高精度の日本語Embeddingモデルの開発に至った。
AMBERは日本企業における社内検索に適したEmbeddingモデル。以下のような特徴がある。
1. 最高精度の日本語検索
AMBERは、実務に適したコンパクトなモデルサイズ(パラメータ500M以下)の中で、日本語検索において最高精度を誇るEmbeddingモデル。本モデルは日本語の検索精度を測るテストで、公開されているコンパクトな日本語埋め込みモデルや多言語埋め込みモデルに比べて最も高いスコアを記録した。
2. 英語を含むドキュメント検索性能
多くの日本企業では、社内のドキュメントに日本語と英語が混在しており、情報検索の際に言語の壁が生じることが少なくない。AMBERは、日本語検索において高い精度を実現しつつ、英語の情報も適切に扱うことができるため、業務環境に適したEmbeddingモデルとなる。
今後、日本企業のAI活用において「RAG」の重要性がますます高まる中、より優れたモデルの開発に努めていく。また、AMBERをファインチューニングすることで、業界や企業特有の用語に特化した検索モデルの構築が可能。これを企業とのコラボレーションを通じて実現していきたいと考えている。
〔2025/3/6〕ヘッドウォータース、「GPT-4o Realtime API」を活用したAIエージェント「Agentic Voice RAG」サービス開始
AIソリューション事業を手掛けるヘッドウォータースは、音声対話ソリューションのサービスラインナップに、「GPT-4o Realtime API」を活用したAgentic Voice RAGを追加したことを発表した。
これにより、生成AIとリアルタイムに音声対話するソリューションに企業独自のナレッジを追加するAgentic RAGシステムの構築サービスと、AIエージェントが自律的にタスクを実行するAgentic Workflowを強化する。
ヘッドウォータースでは、以前よりMicrosoft Azureを活用した音声認識や自然言語認識、クラウドコンピューティングとヘッドウォータースの技術力を活かしたAIシステムを企業向けに提供してきた。
また2015年よりコミュニケーションロボットを活用した「音声対話機能」、2018年からはスマートスピーカーによる「音声UI」に取り組み、「音声によるQ&A」、「音声認識×IoT」、「音声UI×システム開発」に関する多くのナレッジとコンポーネントを蓄積している。
加えて、ヘッドウォータースが提供するRAGは90%を超える精度を実現しており、各企業の生成AIを活用したサービスに複数導入されている。
今回、GPT-4o Realtime APIを活用し、生成AIとの音声対話を日常の対話と同じスピードで回答する「リアルタイムスピーチ」にAgentic RAGを統合することで、「生成AIリアルタイム音声対話×企業独自ナレッジを付与した根拠のある応答」のAIエージェントを提供することが可能となった。
これによりヘッドウォータースが提供する音声対話コンタクトセンターソリューション、デジタルヒューマンソリューション、対話型ロボティクスソリューション、車載エッジAIソリューションを進化させ、人との対話のような自然な生成AI体験だけでなく、AIエージェントにタスクを自動実行させるソリューションを実現していく。
ヘッドウォータースは、リアルタイム音声対話AIをあらゆるプラットフォームに適用可能であると考えている。今後は、人と同じ自然な会話速度の利便性とUXを追求し、合わせてXRスマートグラスや未来型UXアプリ、エッジ端末やモバイルデバイス、Microsoft Teams上で稼働するソリューションの展開を行い、一般消費者が当たり前のように生成AIを使うことができる社会の実現に貢献していく。
〔2025/3/5〕大樹生命、Webサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」を導入
プレイドのグループ会社であるRightTouch(本社:東京都港区、野村修平社長・長崎大都社長)が提供するWebサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」(以下、RightSupport)が、大樹生命保険のお客さまサービス統括部に導入されたことを発表した。
大樹生命は、顧客の利便性向上を目指し、Web上の「マイページ」で利用できる保険の手続きの種類を拡充するため新たなマイページのシステム開発を実施した。しかし、当初想定していたマイページへの登録者数や保険手続き件数が伸び悩んでいる状況であった。Webサイトにくる顧客の困りごとへの推測や仮説はあったものの、実際に顧客がどの画面で離脱しているのかなど、ユーザー行動を把握する手段がなく、効果的な改善策を講じることができなかった。
顧客の役に立てるWebサイトにしていくためには、同社で継続的にWebサイト改善ができる環境と顧客の行動を可視化するためのデータ分析ができる環境を構築する必要があり、RightSupportの導入に至った。
RightSupportの導入により、自分たちで顧客の行動を定量/定性で分析でき、改善インパクトのあるつまずきを簡単に把握できる上、Webサポート施策まで一気通貫で行えるようになった。
マイページにアクセスする顧客の困りごとを解消するため、関連する情報をサポートアクション機能を通じて表示する施策を実施している。
パスワードの再発行手続きの際に、発行に必要な情報をお客様に先回りして伝えたところ、再発行手続き後のログイン完了率が施策配信前後で約10%増加した。
マイページに入る画面内にログイン(既存登録者)と新規の会員登録があり、顧客が混同して誤った選択をしてしまう課題に対し、コーチマークを用いたナビゲーション施策を行い、無駄な手戻りを削減する効果にもつながっている。
また上記以外にも、同社では社内の議論が「データありき」に変化し、データを見ながら客観的に効果を追求する姿勢が生まれている。
顧客の行動データを分析し仮説を立て、施策を実行して結果を見ながら次の仮説を組み立てる。このPDCAサイクルが回ることで、離脱したページや課題となる箇所から、課題の抽出・施策の発案ができるようになってきている。
今後、同社は、マイページから対象範囲を拡大し、FAQなどのマイページとともに利用されるページも新たにデータ分析できるようにしていく。さらに、継続して顧客の行動を可視化・分析することで、顧客にとってお困りの部分や分かりづらい部分を改善していきたいと考えている。また、Webだけでなく、電話サポートの改善も進めていく。
〔2025/3/5〕コラボス、電話事業者認証機構(ETOC)より「優良電話事業者」認証を取得
コラボスは、2025年2月1日付けで、電話サービスを提供する電気通信事業者の評価認証を行う電話事業者認証機構(以下、ETOC)より、優良電話事業者の認証を取得したことを発表した。
電話事業者認証機構は、2024年10月に5つの日本の電気通信事業者団体によって、通信業界が連携して不適正な回線の取引や特殊詐欺などの犯罪利用を防ぐことを目的として設立された非営利の組織であり、電話番号を用いる電気通信事業者の認証や、各種周知啓発活動等を通じた電話市場の健全化を図っている。
昨今、社会全体のデジタル化の促進やテレワークの増大などによる電話の利用ニーズが急速に高まり、高度に技術革新・普及が進んでいる一方、これらの先端技術が特殊詐欺等の犯罪で悪用されているケースが増加している。このような状況を解決するべく、ETOCでは、サービス品質、セキュリティ対策、犯罪利用防止対策等の善良な通信事業者としての新たな基準を設定し、この基準を満たす日本国内の電話番号を取引する電話通信事業者に対して認証マークを付与する認証を開始した。
コラボスは、電話サービス利用者や取引先事業者に対して、自社サービスの安心・安全性及び企業価値を明確に伝えるため、「ETOC認証」を取得した。今後、認証取得登録した電気通信事業者として、引き続きクライアント企業に安心してコラボスのサービスを利用してもらえるように努めていく。
〔2025/3/3〕バーチャレクス、毎年実施する「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」2025年版の第一弾結果を公開
バーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は、「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施し、2025年版の調査結果第一弾をまとめた。本調査は2019年から毎年実施しており、今回で7回目となる。
詳細:https://www.virtualex.co.jp/news/2025/03/2025CS-research-1.html
カスタマーサクセスは、企業が持続的に成長し、顧客との関係を深化させるために不可欠な戦略として注目されている。特にSaaS企業を中心に広まりつつあるこの概念は、近年ではBtoB・BtoCを問わず多くの業界で取り入れられるようになった。しかし、日本におけるカスタマーサクセスの「本当の浸透度」とはどのようなものなのか。 また、「カスタマーサクセスを導入している企業」と「まだ取り組んでいない企業」では、何が異なり、どのような課題があるのか。本調査は業種・企業規模を問わず、幅広い企業に勤務する人を対象に実施し、そのデータをもとに日本市場全体におけるカスタマーサクセスの認知/理解度・導入状況・課題・成果等を多角的に分析している。カスタマーサクセスに取り組んでいる企業だけでなく、まだ取り組んでいない企業の意識や課題にも着目し、「カスタマーサクセス導入率」だけでなく、「成果と業績への影響」「未導入企業の課題や導入障壁」 までを総合的に分析する。
今回は全国の20歳から65歳までの有職者64,138人を対象に行った調査データをもとに、国内カスタマーサクセス市場全体の概況と現在地を確認していく。まず、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?」と尋ねたところ、「聞いたことがある」人は全体の21.9%、「聞いたことがない」と回答した人は78.1%という結果となった。
また「聞いた事がある」人の中で、カスタマーサクセスとは何かを理解している人の割合は全体の2.8%(昨年から+0.3ポイント増)にとどまるという結果となった。
2019年からの推移を見ると、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがある」という人の割合は徐々に増加しているものの、まだまだその言葉自体が知られていないことが浮き彫りとなる結果となった。また「カスタマーサクセスの意味を理解している」人の割合についてもかなり少ないというのが実態のようだ。
役職別でカスタマーサクセスに対する認知および理解を見てみると、企業のトップを務める人たちの78.6%が「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがない」という結果となった。
トップ層においてカスタマーサクセスを理解していると答えた人はわずか4.6%、理解度が一番高かったのは執行役員・本部長・事業部長層で12.3%であった。カスタマーサクセスの導入・運用は現場と経営の両面からの理解と推進が必要だが、まだトップ層の認知や現場スタッフへの浸透が十分とはいえない状況のようだ。事業戦略に組み込みたい中間管理職層が中心となり、経営層へのプレゼンやスタッフへの浸透を図るケースが増えていくかもしれない。
次に実際の取り組み状況では、カスタマーサクセスという言葉を認知している12,111人に対して、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいるか」と尋ねたところ、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と答えた人は49.5%と昨年より0.3ポイント減、取り組みの予定がある人については7.7%と昨年より1.2ポイント増となる結果となった。15.2%の人は「取り組む予定もない、かつ必要性を感じていない」と回答している。
さらにサブスクリプション型商材取り扱い有無別で見てみると、カスタマーサクセスに取り組んでいるサブスク商材取り扱い企業は76.4%、さらには「今後取り組む予定」である人が9.6%、「必要性を感じている」と回答した人は7.0%と、サブスクビジネスにおけるカスタマーサクセスの重要性が強調される結果となった。
一方サブスク商材を扱っていない企業においては、カスタマーサクセスの取り組みを行っていると答えたのは34.8%で、「必要性を感じない」「わからない」層が相対的に多いことがわかる。顧客との継続契約が前提でないビジネスでは、解約率や継続率といった指標が経営課題として顕在化しにくく、カスタマーサクセスを導入する動機がやや薄くなりがちと推察される。しかし、今後取り組む予定、必要性を感じている層を含めると、カスタマーサクセスの重要性を認識している人が半数以上いるということは、製品販売やサービス提供形態が“非サブスク”であっても、リピート購入や顧客満足度向上、アップセル/クロスセルなどを重視する企業にとってカスタマーサクセス的な取り組みが重要、と考えられていることを示唆するのではないだろうか。
カスタマーサクセスを社内で取り組んでいると答えた人に対して、直近3年間でその取り組みが進んだかどうかを聞き、結果を2023年から2025年までの経年で示した。2025年は非常に進んだと答えた人が13.9%、まあ進んだと答えた人が32.0%、どちらかと言えば進んだという人が39.0%と、全体で84.9%の人がこの3年でカスタマーサクセスの取り組みが進んだとしているが昨年よりは微減。2023年から2024年にかけて大きく進捗が見られていたのは、DX推進やサブスクビジネス拡大など、カスタマーサクセスを導入する外部環境の後押しがあったのかもしれない。それと比べると2024年から2025年にかけては緩やかな動きであるものの、2024年の急伸が一時的なブームではなく、ある程度定着していることがうかがえる。2025年のデータでは約4割が「どちらかといえば進んだ」と回答しており、企業の多くが「大きな成功体験」までは得られていないものの、着実に前進していると言えるのではないだろうか。今後は、この層がどのように“まあ進んだ”や“非常に進んだ”レベルに上がっていけるかが、カスタマーサクセス全体の成熟度を左右することになるだろう。
近年AI技術が急速に進化し、企業のあらゆる業務領域に大きな影響を与えている。特に、顧客対応やデータ分析を担うカスタマーサクセスの現場では、AIの導入によって業務効率の向上や顧客満足度の強化が期待され、競争力向上の鍵となっている。こうした背景を受け、「AIとカスタマーサクセスの関係性」を探るため、カスタマーサクセス/カスタマーサポートなどの「顧客対応領域」におけるAIの活用状況についての調査を行った。
カスタマーサクセスを導入している企業、未導入企業それぞれに「顧客対応領域」においてAIをどの程度活用しているのかを聞いたところ、カスタマーサクセス導入企業では約8割がAIを何らかの形で導入・活用しており、そのうち約3割は「大部分でAIを活用」と、未導入企業の7.7%を大きく上回る。これは、顧客との長期的な関係構築を重視するカスタマーサクセス導入企業ほど、高度なデータ分析や自動化ツールへの投資を積極的に行っていると推察される。また、カスタマーサクセス導入企業のうち「AI活用・導入予定なし」と答えた人はわずか4.7%にすぎない一方で、カスタマーサクセス未導入企業では19.2%と約4倍に上り、温度差が目立つ結果となった。カスタマーサクセスを重視する企業ほどAIの必要性を感じやすく、早期導入を検討・実行していると言えそうだ。
カスタマーサクセスでは顧客の継続利用や解約防止が収益に直結するため、AIを活用したデータ分析や自動化による効率化が導入の大きな動機となると考えられる。その結果、“大部分の業務をAI化”といった高度活用に踏み込む企業が増加しやすいのだろう。一方で、カスタマーサクセスをまだ導入していない企業でも、AI導入に前向きな層が一定数いる。これらの企業が部分的・試験的にAIを導入して効果を実感すれば、カスタマーサクセスの考え方にも興味を持つ可能性がある。逆に、カスタマーサクセス未導入かつAIにも消極的な層は、今後の市場競争で後れを取るリスクがあるかもしれない。AI導入は単なる業務効率化にとどまらず、顧客データに基づく個別最適化のサポートやプロアクティブな提案を可能にするため、カスタマーサクセス戦略と強い相乗効果を生み出す。今後は、カスタマーサクセスとAI導入の両輪が企業競争力を左右する重要な要因となると考えられる。
今回の分析の結果、世の中全体におけるカスタマーサクセスの認知や理解は、調査を開始した2019年からほぼ横ばいであり、依然として十分に浸透していないことが明らかとなった。その一方で、カスタマーサクセスを導入している企業では、顧客対応の自動化やデータ分析といった先進的なAI活用が積極的に進められており、特にサブスクリプション型商材を取り扱う企業では、顧客との継続的な関係構築が重視されるため、AI導入の取り組みが一層加速している様子がうかがえる。さらに、経営層においても、カスタマーサクセスに対する認知や理解が不十分であることが確認され、これが企業全体の戦略的な取り組みの浸透に影響を与えている可能性がある。こうした状況は、カスタマーサクセスとAIの融合が企業の成長戦略や顧客維持において極めて重要な要素であることを示唆しており、今後は社会全体の認識向上とともに、経営層の理解促進が求められると考えられる。
なお、今回の調査で得られたデータは膨大であるため、本調査の分析結果は複数回にわたって公開していく。各回では、カスタマーサクセスの導入状況や成果、成功要因、今後の展望などをテーマごとに掘り下げ、日本企業におけるカスタマーサクセスの実態と動向を詳しく分析する。
〔2025/3/3〕米国RevSpring社、医療機関の電話対応を自動化するAI音声アシスタント「Let’s Talk」を発表
米国RevSpring社は、医療業界向けのエンゲージメントおよび決済ソリューションを提供するリーディングカンパニーとして、AI搭載の仮想音声エージェント「Let’s Talk」を発表した。この新ツールは、患者からの問い合わせを24時間365日対応可能な自動音声システムで処理し、よくある質問への回答や適切な部門への振り分けを行うことで、医療スタッフの業務負担を軽減する。
医療機関のコンタクトセンターは、多くの定型的な問い合わせに対応する必要があり、長い待ち時間や患者の不満の原因となっている。さらに、多くの施設では電話対応が営業時間内に限定されており、迅速な対応が難しい状況にある。
Let’s Talkは、以下の機能を提供することで、患者と医療機関の負担を軽減する。
• 24時間対応:患者が必要なときにいつでも情報を取得可能
• 問い合わせの自動応答:診療予約の確認、請求情報、処方箋の補充など、一般的な質問への対応を自動化
• 適切な部門への転送:必要に応じて、人間のオペレーターへ接続
• 多言語対応:会話型AIにより、複数言語でのサポートが可能