CRM関連ベンダー動向

〔2025/3/31〕フュージョン、新サービス「Salesforce Marketing Cloud Engagement運用支援サービス」をリリース

 フュージョンは、マーケティングオートメーション(MA)ツールであるSalesforce Marketing Cloud Engagementの運用を長期的に伴走型で支援する「Salesforce Marketing Cloud Engagement運用支援サービス」をリリースした。
 マーケティングオートメーション(MA)は、CRMのデータベースから対象者を抽出し、その顧客の購買やWebサイト訪問などのアクションをトリガーに、1人ひとりに配信するメッセージを変えることで、施策の効果を最大化することができる。
 シンプルな施策であれば、MAツールの中で設定を完結させることもできるが、対象者の条件にこだわるとCRMのデータベースからの抽出にSQLが必要だったり、効果的なシナリオを設計するためにマーケティングの知識が必要だったりと、必要なスキルは多岐に渡る。
 そして、簡易なメール配信ツールからMAツールに切り替えた多くの企業が、自社内でそのスキルを補いきれず、MAの機能を十分に有効活用できていないという課題を抱えている。
 中でも、Salesforce Marketing Cloud Engagementは、シナリオ設定の自由度が高い一方、外資系ならでは言葉遣いや画面の操作感に、導入初期から躓いてしまうマーケティング担当者が少なくない。
 Salesforce Marketing Cloud Engagement運用支援サービスは、そのようなマーケティング担当者の悩みに寄り添い、MA運用のパートナーとして、自社内に足りないスキルを補完しながらシナリオの設計から実行までを伴走型で支援するサービス。
 サービススコープとしては、Salesforce Marketing Cloud Engagementツール内での設定~実装作業をサービス範囲とし、まずは運用引継ぎプロジェクトとして、運用環境の確認から引継ぎ要件の整理、シナリオ修正・追加の設定実装を行う。その後はPDCAフェーズとして、振り返り会の実施と必要に応じて新規シナリオの設計~実装を担う。
 Salesforce Marketing Cloud Engagementの初期導入が完了した段階から、その環境を引き継いで運用するサービスで、既存の運用会社様からの引継ぎも可能。

〔2025/2/26〕インテック、金融機関向け「CRMサービス」をバージョンアップし質の高い商談と速やかな提案を実現

 インテック(本社:富山県富山市、疋田秀三社長)は、金融機関向けソリューション「fcube(エフキューブ)」の「CRMサービス」をバージョンアップしたことを発表した。
 CRMサービスは、地域金融機関における顧客情報管理・営業活動を支援するサービス。今回、顧客変化の見える化や営業活動におけるアシスタント通知機能などを拡充したことで、顧客のニーズに合った質の高い商談や速やかな提案を実現する。営業活動の高度化や営業行員の早期戦力化に活用できることが期待され、百五銀行への採用が決定している。
 CRMサービスのバージョンアップの概要は、以下のとおり。
1.時系列データの蓄積で顧客変化を見える化
 顧客との関係性や状況の変化を一目で把握できるように画面レイアウトを一新。個人顧客の資産状況やライフイベント、法人顧客の業況からニーズを発掘し、ビジネスの課題解決に向けた提案を支援。
2.アシスタント通知機能で顧客変化の気づきを提供
 顧客の状況や変化にいち早く気づくためのアシスタント通知機能を強化。提案に必要な関連資料や類似案件の抽出も行い、個人スキルに依存しない提案準備で営業プロセスの定型化を行うことにより、組織的な生産性・提案品質向上を実現。
3.標準APIで外部サービスや社内システムと柔軟に接続
 標準APIの実装で、CRMサービスとfcube各種機能(グループ会社連携、音声認識、地図サービス連携、生成AIなど)や外部サービス、社内システムと柔軟な接続を実現。
4.ノーコードで画面レイアウトのセルフカスタマイズが可能に
 システム改修不要で金融機関自身が画面レイアウトや顧客情報の項目変更が可能。
 百五銀行では、資産運用やローンなどの専門部門が増えたことで営業店組織が拡大している。組織の変化に伴う働き方改革に対応するため、業務システムの抜本的な見直しによる業務フロー全体の最適化を目指している。なかでも法人顧客向けの渉外業務を担当する行員の早期戦力化が課題となっていることから、システム刷新により業務の仕組み化や効率化を実現しようとしている。
 インテックは百五銀行の現行CRMシステムの初期構築から携わっており、20年以上にわたり培ってきた操作性やノウハウなどを活用できる点や、これまでのデータベースの再構築が不要な点などが評価され、採用に至った。

〔2025/2/19〕ソフトブレーン、エンタープライズ/中堅企業に向けた新CRMを提供開始

 ソフトブレーン(本社:東京都中央区、豊田浩文社長)は、2024年9月に中小企業向けに先行販売したクラウド型新CRM「esm(eセールスマネージャー)」を、エンタープライズ/中堅企業向けに機能強化し、2025年2月19日より提供を開始した。
 esmは、見込み顧客〜提案中顧客〜既存顧客へとまたがる、あらゆる顧客接点情報/やり取りをシームレスに共有/管理することが可能。その結果、蓄積された顧客データに基づき、適切なタイミングで効果的な施策を展開することで顧客とのリレーションをより強固なものとする。
 esmの開発に際して、これまで得られた顧客要望/市場ニーズを調査・研究し、直感的な操作と洗練されたデザインによって、UX(ユーザーエクスペリエンス)を大幅に向上させた。またAIを活用し、esmへの入力支援やサジェスト機能などを搭載した。これにより担当者の事務作業を大幅に削減する。
 変化の激しいビジネス環境に対応するため、esmはコンポーザブルアーキテクチャを採用している。これにより、ユーザー自身が業種・業態に合わせて必要な機能を選定/組み合わせることが可能となった。その結果、システムの再開発が不要となり、コストと時間を大きく削減することが可能。
 中小企業向けに機能を絞りリリースしたesmは、続いてエンタープライズ/中堅企業向けに開発を進めてきた。エンタープライズ/中堅企業向けのesmのポイントは「拡張性」と「安全性」。
 「拡張性」の特長により、ユーザー企業は顧客接点部門だけでなく、間接部門を含めたそれぞれの業務で利用できるアプリを柔軟かつスピーディーに構築することができる。加えて「安全性」が確保されたセキュアな環境下で全社各部門の業務データや他システムのデータを連携/統合し、分析に活用できる。その結果、さまざまな顧客接点情報に基づくスピーディーな戦略立案・推進、意思決定をセキュアな環境・運用下で実現する。
 1ユーザーあたりの価格は、顧客・名刺管理、スケジュール・タスク管理などに機能を限定した「Starter」プラン(5~30名)が月額1500円、顧客管理・営業管理に必要な基本機能をすべて利用できる「Basic」プラン(5~30名)が月額3500円。
 顧客管理・営業管理機能に加え、セキュリティ面を強化、他システムとの連携機能を搭載した「Enterprise」プランが1万1000円。なお、Enterpriseプランは31名以上での利用となる。

〔2025/2/12〕トランスコスモス、イルグルムが提供する「CAPiCO」の認定パートナー制度において認定パートナー企業に選出

 トランスコスモスは、イルグルム(本社:大阪府大阪市北区、岩田進社長)が2025年2月に開始した「CAPiCO」認定パートナー制度において、認定パートナー企業に選出された。
 イルグルムが提供する「CAPiCO」とは、各広告媒体の正確なコンバージョン計測と広告配信における機械学習の最適化をサポートするコンバージョンAPIツールで、グーグル、ヤフー、LINE、Meta、TikTokの広告主要5媒体に対応している。
 「CAPiCO」独自の仕組みである「ITP対応プログラム」を設定することで、Cookie規制の影響を受けずにコンバージョン計測が可能となるほか、欠損したコンバージョンデータの補完や、機械学習量減少による広告パフォーマンス低下の抑制により、媒体の自動最適化運用を促進することができる。
 トランスコスモスは、2023年8月の提供開始当初から「CAPiCO」の導入を推進し、クライアント企業のビジネス成長、マーケティングの運用・成果改善の一助として活用してきた。
 この度開始された「CAPiCO」の認定パートナー制度は、「CAPiCO」の導入を推進する広告代理店を対象にパートナーとして認定する制度で、トランスコスモスは、これまでの導入推進実績が認められ、「CAPiCO」認定パートナー企業に選出された。なおトランスコスモスは、数ある広告代理店の中から4社のみが認定されたうちの1社となる。

〔2025/2/8〕博報堂、生成AIで顧客の声(VoC)を可視化・分析する「DATA GEAR Voice Analysis」を提供開始

 博報堂(本社:東京都港区、水島正幸社長)は、生成AIを活用して顧客の声(VoC)を可視化・分析するコンサルティングサービス「DATA GEAR Voice Analysis」の提供を開始した。
 近年、SNSやレビューサイト、カスタマーサポートなど、多くのチャネルから膨大な顧客データが生まれており、これを適切に活用することが企業にとって重要な競争力の源泉となっている。しかし、データの量が増える一方で、企業がその中から価値あるインサイトを抽出し、迅速かつ的確に活用できていないという課題がある。また、顧客も企業に対してより高い期待を抱くようになっており、特にネガティブな体験への即時対応や、潜在的なニーズを予測したプロアクティブなアプローチが求められている。
 DATA GEAR Voice Analysisは、企業が保有するアンケート、チャットログ、カスタマーサポートの記録、口コミデータなどの多様な「生活者の声データ」を分析し、企業の成長を加速させるインサイトを発見・提供する。
 博報堂が長年積み重ねてきた生活者発想と生成AIを用いた高度なデータ分析機能を活用し、膨大なデータから生活者の潜在的なニーズや不満を短期間で発見することが可能。
 特に、各業界や企業特有のマーケティングロジックを生成AIに組み込み、個別企業に適した「ならではのインサイト」を提供する点が特徴。これにより、従来の分析手法では見落とされがちな課題や施策の方向性を明確化し、ビジネス強化を支援する。
 さらに、本サービスではクライアント企業が自社で生成AIを活用した生活者の声データを分析・活用できる体制構築の支援も行う。これにより、企業は継続的に「生活者の声データ」を活用し、データドリブンなマーケティングや顧客体験の向上を実現できる。
 DATA GEAR Voice Analysisは、企業ごとのニーズに合わせた柔軟なコンサルティングを提供し、クイックな分析から継続的なモニタリング、分析要件定義の策定まで、あらゆる段階で企業のデータ活用精度を向上させる。さらに、顧客のニーズや不満の深層を探り出し、新規市場開拓の機会を創出するための深い洞察を提供し、ターゲットセグメントの精緻な理解と最適化にも貢献する。これにより、企業のマーケティング成果の向上が期待される。

〔2025/2/4〕キュリネス、中華圏の富裕層観光客をターゲットとしたエンゲージメントCRM「IVIP」サービスを提供開始

 キュリネス(本社:東京都港区、花東江社長)は、中華圏の富裕層観光客向けのエンゲージメントに特化した中華圏インバウンド富裕層向け会員サービス「IVIP(アイビップ)」の提供を開始する。
 コロナ禍以降、急速に活気が戻ったインバウンド市場において、中華圏観光客の平均消費額は大きく増加している。この背景には中華圏旅行者層の変化があると考えられる。購買力の高い、いわゆる“富裕層”と呼ばれる層が多く来日しており、国内でも特に注目されるカテゴリとなる。しかし、中華圏富裕層は海外に在住しているため、会員の登録や日本から配信するメールやPUSH通知による片方向のコミュニケーションでは継続的な取引が困難であった。本サービスは、中国人スマホユーザーの97%が利用しているWechatをユーザーインターフェースにすることで、ターゲットとするVIP顧客との効果的な接点を確立させる。
 中華圏インバウンドを受入れる百貨店などに対して、中華圏富裕層顧客のCRM基盤を構築し、情報発信はもちろん来店頻度・取引額などを可視化できる。
 具体的には、来店したVIP顧客にIVIP-Commiにユーザー登録をしてもらうことで、性別・年齢層・消費額・嗜好性などの情報が収集できる。百貨店は収集した情報にタグ付けし、該当顧客に一斉配信したり、個々の顧客とチャットコミュニケーションが可能となる。商談履歴を含めた一連の情報は、IVIP-CommiでCRMデータとして保管され、百貨店の貴重な財産となる。
 本サービスは、日立ソリューションズ・クリエイト(本社:東京都品川区、南章一社長)が開発する「CRM(会員・ポイント管理)基盤」の提供を受け、中華圏インバウンド市場に強みを持つキュリネスとコラボレーションする形でサービスを展開する。
 提供時期は2025年3月を予定。2025年度中にはクーポン配信やポイント管理などCRM機能を搭載した「IVIP-Card」を追加する。また、VIP顧客のニーズは百貨店のみに限らず、今後は宿泊施設やレジャー施設などにも販路を拡大していく。

〔2025/2/4〕ソーシャルPLUS、「ソーシャルPLUS」がGMOメイクショップ「GMOクラウドEC」と標準連携開始

 ソーシャルPLUS(本社:東京都港区、佐藤亮介社長)は、同社が提供するLINE公式アカウントの拡張ツール「ソーシャルPLUS」が、GMOインターネットグループのGMOメイクショップ(本社:東京都渋谷区、向畑憲良社長)が提供するオーダーメイド型ECプラットフォーム「GMOクラウドEC」と標準連携を開始した。
 これまでもGMOクラウドECで構築したECサイトにソーシャルPLUSを導入することは可能であったが、サイトごとに有償の追加開発が必要であった。しかし両社への相談の増加を踏まえ、この度標準連携を開始した。今回の標準連携により、GMOクラウドECを利用中の方は追加開発なしでソーシャルPLUSを導入可能になり、LINE公式アカウントを活用したCRM施策をより手軽かつ高度に実現しやすくなった。
 ヘッドレスコマースのGMOクラウドECと、LINEログインを主軸としたLINEの活用支援を強みとするソーシャルPLUSが連携することで、EC事業者の持つ会員データとLINE公式アカウントのデータを連携し、データ起点でパーソナライズしたマーケティングを導入に掛かる開発コストを削減しつつ実現することを目指していく。


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