CRM関連ベンダー動向
〔2026/3/24〕山口フィナンシャルグループ、Agentforce for Finanical ServicesやData 360を導入し、新CRM基盤を構築
セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce)は、山口フィナンシャルグループ(以下、YMFG)が、中期経営計画におけるデジタル変革(DX)戦略のうち営業領域における変革を実現するための新たなプラットフォームとして、Salesforceの「Agentforce for Financial Services」「Data 360(旧Data Cloud)」「Agentforce Service」を採用したことを発表した。
近年、YMFGを取り巻く環境は、人口減少や事業承継課題の顕在化、デジタル技術の進展などにより、大きな転換期を迎えている。このような環境下において、YMFGでは、従来の商品やチャネル単位の対応にとどまらず、顧客1人ひとりを起点とした継続的な関係性構築が重要であると認識している。同グループでは、こうした課題認識のもと、営業活動やマーケティング、顧客対応の高度化を支える基盤として、新CRM基盤の構築を進めてきた。
YMFGは、全社的なCRM/SFAシステム改革プロジェクトの一環として、金融業界に特化した標準機能を有するAgentforce for Financial Services、マーケティングデータ基盤としてData 360、カスタマーサービスのプラットフォームであるAgentforce Serviceを導入した。これらの製品を活用することで、以下を実現することが可能となる。
・マーケティングデータの有効活用と顧客データの一元化:Data 360によりマ ーケティングデータを有効活用する基盤として整備し、将来的には顧客デー タ基盤へと進化させる予定。
・AIによる高度な支援:蓄積されるデータを活用し、将来的には最適な提案(NBA:Next Best Action)を導き出すことを目指すことで、営業担当者の提案力の底上げと業務の高度化を支援する。
・柔軟な拡張性:ノーコード・ローコードをベースとした迅速な開発により、 変化する市場環境に柔軟に対応できる体制を構築する。
新プラットフォームは、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行を含むグループ全体で活用される。具体的には、Agentforce for Financial Servicesによる取引先情報 の管理に加え、Agentforce Serviceによる顧客対応履歴の集約、そしてData 360に よるデータの高度な連携を行う。さらに、AIエージェント基盤である「Agentforce」を営業現場に展開し、顧客の課題やニーズに応じた価値提供や、タイムリーなインサイトの提供を目指していく。
本プラットフォームの導入により、以下を実現することを目指している。
・最適なソリューションの迅速な提供:顧客情報の一元管理により、銀行とグ ループ各社の連携がスムーズになり、顧客の多様なニーズに対する最適なソ リューションがYMFGの行員へ迅速に提供される。
・営業組織の高度化:蓄積されたナレッジとAIによる提案支援により、すべて の営業担当者がトップパフォーマーのような戦略的な提案活動を行えるよう 支援する。
・業務プロセスの効率化:無駄な業務プロセスの廃止とデジタル化により、営 業担当者が顧客と向き合う時間を最大化する。 YMFGは、今後もデジタルプラットフォームの活用を深化させ、データとデジタル技術を活用した「お客さま起点」の金融サービス提供体制を高度化することを目指している。また、地域内での案件創出に加え、外部パートナーとの協業による持続可能な循環型ビジネスモデルの構築を目指し、地域の収益基盤拡大に貢献していく予定。
〔2026/3/11〕データライズジャパン、Cafe24とMOUを締結
EC特化型CRMマーケティングツール「Datarize(データライズ)」を提供するデータライズジャパン(本社:東京都港区、キム・ソンム社長)は、グローバルで200万以上のブランドが利用するECプラットフォーム「Cafe24(カフェ24)」を展開するCAFE24 JAPAN(本社:東京都港区、李在碩社長)と、「Cafe24 PRO」におけるCRM機能強化および両社のビジネス拡大を目的とした基本合意書(MOU)を締結した。
本提携により、両社は日本EC市場における顧客データ活用およびLTV(顧客生涯価値)最大化を軸としたCRM戦略を強化し、EC事業者の持続的な売上成長を支援していく。
日本のEC市場は拡大を続ける一方で、EC事業者は以下の課題に直面している。
・広告費の高騰による新規顧客獲得コストの上昇
・リピーター育成不足による収益の不安定化
・顧客データ活用不足によるマーケティング効率の低下
こうした環境下において、既存顧客との関係構築を強化するCRM施策の重要性は一層高まっている。Datarizeは、顧客行動データをもとにオーディエンス(セグメント)生成からメッセージ配信、効果分析までを統合的に管理できるAI自動化CRMツールとして、日本市場におけるEC事業者の売上最大化を支援してきた。
Cafe24が提供するハイエンドEC運用支援サービス「Cafe24 PRO」との連携のもと、AI自動化CRM「Datarize」を活用し新規顧客の獲得とLTV向上を両立する持続的なCRMモデルの確立を目指す。
Datarizeの以下の主要機能を基盤に、EC事業者のCRM施策を強化していく。
・顧客行動データを活用したオーディエンス自動生成
・オーディエンスを活用したLINE・メルマガ・ポップアップなどのマルチチャネル施策
・AIによるキャンペーン最適化と分析
・LTV向上を目的としたリピート促進設計
今回のMOU締結を契機に、両社は国内EC市場におけるCRM活用のさらなる高度化を推進していく。今後は、両社の強みを生かした情報発信やセミナー開催などを通じ、AIを活用したCRMの実践的活用を広げ、EC事業者の持続的な成長を支援していく。
〔2026/2/19〕電通総研、地域金融機関向けCRM/SFAシステム「D-NEXUS(ディーネクサス)」を提供開始
電通総研は、地域金融機関向けCRM/SFAシステム「D-NEXUS(ディーネクサス)」の提供を開始した。同製品は、電通総研の融資統合ソリューション「BANK・R(バンク・アール)」の営業支援モジュールと顧客情報管理モジュールをベースに、UIとシステムアーキテクチャを抜本的に刷新し、より高い操作性と拡張性を実現した新たなソリューション。
近年、地域社会では人口減少や地域経済の縮小、事業承継といった課題が深刻化しており、地域金融機関には、単なる資金供給にとどまらず、地域企業の成長支援や経済活性化を担う存在として、より高度な顧客対応が求められている。このような状況の下、電通総研は融資統合ソリューション「BANK・R」をはじめとする各種ソリューションの提供を通じ、地域金融機関の業務改革を支援してきた。今回、さらなる地域金融機関の競争力強化と地域経済の活性化を支援するため、地域金融機関向けCRM/SFAシステム「D-NEXUS」を開発した。
今般の開発に際し、約2年間にわたり、日本国内50以上の地域金融機関に対面インタビューを実施し、営業現場が求める顧客理解の深化や情報活用の在り方について多くの意見を収集した。その結果、地域金融機関に共通する営業現場の課題は次のように「業務課題」と「システム課題」に分けられることがわかった。
1.業務課題
・営業担当者が日々の業務に追われ、十分な顧客接点を確保できない
・見込み顧客リストの成約率が低く効率的なアプローチにつながらない
・若手職員の育成が進まず、営業ノウハウの継承が困難
2.システム課題
・交渉履歴における担当者ごとの入力精度や詳細度に差がある
・複数システムへの同一情報の重複入力が発生
・成約に至らなかった案件の情報が十分に蓄積されず、分析に生かせない
こうした課題を踏まえ、顧客情報をより立体的に把握し、銀行資産としてのデータ蓄積を強化することで、顧客エンゲージメントの向上を目指して誕生したのが、D-NEXUS。
D-NEXUSは、既存の融資関連システムとシームレスに連携することが可能で、案件獲得から融資実行までのプロセスを一気通貫で支援する。複数システムを跨ぐことなく業務を完結できるため、案件管理から稟議作成に至るまでの業務効率化を実現し、担当者の負荷軽減と迅速な顧客対応に貢献する。また、生成AIを活用しシステム連携によって統合・蓄積されたさまざまな情報を横断的に分析することで、複合的な分析や示唆の提供を可能にする。成約済み商談に関する顧客データや交渉履歴、過去の融資情報などを生成AIが分析し、営業担当者の負担を軽減しながら、融資稟議作成を支援する。将来的には電通総研が独自開発した企業向けChatGPTソリューション「Know Narrator(ノウ ナレーター)」との連携により、各銀行固有の業務プロセスや判断基準に即した、より実践的な生成AI活用を実現する。
D-NEXUSは、職員が直感的に入力できるUI/UXを備えたプラットフォームであり、入力ルールを細かく設定できるため、職員間での入力のばらつきを防ぎ、データ品質を一貫して担保する。これにより、営業活動に必要な情報の精度と検索性が向上し、業務効率化を実現する。営業担当者は事務作業に追われることなく顧客との対話に時間を充てることができるようになり、結果として本質的な顧客理解の深化につながる。また、法人と個人の情報を統合管理できる「法個一体」システムにより、従来のように法人・個人で別々のシステムを参照する煩雑さを解消し、異なる顧客情報を一画面で把握できることが大きな強みとなる。
D-NEXUSでは、銀行内部で蓄積される成約事例や成功ノウハウをすぐに参照できるよう必要な情報に最短でたどり着けるシンプルな画面設計を採用している。例えば、成約事例は案件種別・業種・課題・提案内容などでワンクリック検索が可能で、案件概要から成功要因までを一画面にまとめて確認できる構成としている。これにより、銀行内部の暗黙知を形式知化し、営業の型を創出することで経験の浅い担当者でも成功パターンを容易に把握でき、再現性のある営業活動を実現する。また、アポイントに伴う各種タスクは、タスク管理画面からそのままスケジュール登録まで完結できる導線を設計しており、多忙な営業担当者でも入力の手戻りがなく、抜け漏れを防止する。
電通総研は、今後融資領域のみならず顧客接点領域にも注力していくことで、地域金融機関における顧客課題を解決するコンサルティング営業の育成に伴走し、D-NEXUSを通じた顧客理解の深化を支援する。
〔2026/1/21〕フューチャーショップ、EC事業者向けCRM・メールマーケティング基盤「future Scenario Cast」を2026年4月に提供開始
SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップ(本社:大阪府大阪市北区、星野裕子社長)は、EC事業者のメールマーケティング・CRM/MA活用をより始めやすく、運用しやすくする新サービス 「future Scenario Cast」 を、2026年4月より「futureshop」「futureshop omni-channel」利用者向けに提供を開始することを発表した。
同サービスはイー・エージェンシー(本社:東京都千代田区、甲斐真樹社長)の技術協力のもと開発され、 同社のCRM/MAツール「DATA CAST for futureshop」を基盤に、futureshopの標準CRM・メールマガジン機能として統合・内蔵するOEMサービス。
従来のfutureshop標準のメールマガジン機能では対応が難しかった、HTMLメールエディタ、ステップ配信、行動起点のシナリオ配信などが利用しやすくなり、EC事業者の継続的な顧客育成をより効果的に実現できるようになる。
〔2025/12/10〕大鵬薬品、Veevaの次世代CRM「Veeva Vault CRM」を導入
Veeva Japan(本社:東京都渋谷区、千葉弘崇ゼネラルマネージャー、以下、Veeva )は、大鵬薬品工業(本社:東京都千代田区、小林将之社長、以下、大鵬薬品)が、Veeva の次世代CRM「Veeva Vault CRM」を採用したことを発表した。大鵬薬品は、ライフサイエンス業界向けの次世代CRMを採用することで、最新の技術革新を活用し、顧客のニーズに基づいた最適な情報提供とコミュニケーションを実現する。これにより、医療関係者とのエンゲージメントをさらに効果的に高めていく予定。
昨今、医療関係者による情報収集のデジタル化が急速に進む中、大鵬薬品では「TAIHO オムニチャネルビジョン 2027」を策定し、医療関係者の視点に立った情報提供活動を、オムニチャネル戦略に基づいて推進している。このビジョンの実現に向け、最適なプラットフVault CRMは、15年以上にわたるライフサイエンス業界での知見と経験を基に設計された次世代のCRMで、VeevaのDevelopment CloudやQuality Cloud、Veeva PromoMatsといった製品群と同じVault Platform 内に構築されている。業界特有の多様な業務要件を深く理解した機能群を備え、各国で変化するビジネスニーズやコンプライアンス要件にも柔軟に対応している。2024年から一般提供を始めたVault CRMは、現在すでに世界で100社以上に活用されている。
Vault CRMは、営業・マーケティング・メディカルの各チームをシームレスにつなぎ、顧客中心のモデルを推進し、より効果的なコマーシャル活動を実現する「Vault CRM Suite」の一部。さらに、Veeva AI の Pre-call Agent、Content Agent、Free Text Agent、Voice Agent により、現場での生産性を飛躍的に高めることができる。
〔2025/11/12〕リストインターナショナルリアルティ、Zoho CRM Plus 導入で月1,000件以上の問い合わせ対応を自動化
ゾーホージャパン(本社:神奈川県横浜市、マニカンダン・タンガラジ社長)は、リストインターナショナルリアルティ(本社:神奈川県横浜市、北見尚之社長)が、富裕層向け不動産事業の顧客対応体制を強化するため、「Zoho CRM Plus」を導入したことを発表した。同社は、MAツール「SATORI」およびチャットツール「Slack」との連携により、問い合わせ対応を自動化し、営業プロセスの標準化と顧客対応品質の均一化を実現した。
リストインターナショナルリアルティは、世界80以上の国と地域に展開する高級不動産ブランド「Sotheby’s International Realty」の日本法人として、国内外の富裕層顧客を対象に高額物件の売買を仲介している。
同社には、月1,000件を超える多様な問い合わせが寄せられるが、営業担当者ごとに管理方法が異なり、顧客情報の分散や更新遅延が課題となっていた。特に、富裕層顧客は個人名義に加えて資産管理会社や代理人など複数名義で取引を行うケースが多く、組織全体で顧客の全体像を把握することが難しい状況であった。
Excelベースの運用では、どの顧客に誰がいつどのような対応をしているのかを追いきれず、対応の抜け漏れや連携の齟齬が発生。担当者不在時のフォローも属人的となり、顧客体験の一貫性を保つことが困難であった。こうした課題を解消し、組織全体で顧客データを共有・活用できる体制を構築するために、Zoho CRM Plus の導入を決定した。
Zoho CRM Plus 導入の狙いと効果
・問い合わせ対応の自動化とスピード向上
Zoho CRM Plus を中核に、SATORIおよびSlackと連携。Web問い合わせが入ると自動的に担当者へ通知・割り当てが行われ、初期対応の迅速化と漏れ防止を実現した。
・情報の一元化と属人化からの脱却
個人・法人・代理人など複数の名義を一元化し、案件・契約・履歴情報を統合的に閲覧可能に。引き継ぎや部門間連携もスムーズになり、顧客対応の再現性が高まった。
・案件・進捗の一元管理とリアルタイム共有
Zoho CRM Plus 上で案件ステータスをリアルタイムに共有。問い合わせから契約、フォローアップまでのフローを明文化することで、営業品質の均一化を実現した。
・マーケティング連携によるリード最適化
SATORIで収集した行動データをCRMに連動させ、MAと営業を統合。リード獲得から育成・商談化まで一貫した顧客体験を提供できる体制を構築した。
同社は今後、Zoho CRM Plusを基盤に、AIによる案件予測や顧客データ分析の高度化を進める予定。ゾーホージャパンは、リストインターナショナルリアルティの取り組みを、複雑な顧客関係を扱う業界におけるCRM運用の先進事例として支援していく。
〔2025/10/29〕バリュエンスジャパン、Zoho CRM 導入で「機会損失4割→1割」に改善
ゾーホージャパン(本社:神奈川県横浜市、マニカンダン・タンガラジ社長)は、バリュエンスジャパン(本社:東京都港区、冨田光俊社長)が、スポーツ・エンターテインメント領域で展開するリユース・ブランディング事業「HATTRICK(ハットトリック)」において、案件管理と進捗可視化の基盤としてZoho CRM を導入したことを発表した。導入により、案件の更新や管理の精度が大幅に向上し、機会損失率を従来の約4割から1割へ削減。リアルタイムでの情報共有により、チーム全体の生産性向上に大きく寄与した。
バリュエンスジャパンは、ブランド品や骨董品、美術品といったラグジュアリー商材に加え、スポーツ関連商材などのリユース事業をグローバルに展開している。中でも「HATTRICK」事業は、プロスポーツ選手やチームが使用したユニフォーム・用具を再活用し、ファンや地域に還元するユニークな取り組みとして注目を集めている。
事業拡大に伴い、同時並行で進行する案件数が急増する中、従来のExcelによる管理では更新漏れや情報のタイムラグが発生。営業・企画間での共有が追いつかず、案件全体の3〜4割が適切なフォローができないまま失注するなど、機会損失が顕在化していた。 こうした課題を解決するために、Zoho CRM の導入を決定した。
Zoho CRM 導入の狙いと効果
・案件・進捗の一元管理とリアルタイム共有
「計画中/見通しあり/中止/リスケ/クロージング」などのステータスをかんばんビューで統合管理。
件数や金額の見込みを一目で把握でき、営業・企画チーム間で進捗をリアルタイムに共有。
・タスク自動生成による抜け漏れ防止と行動の具体化
案件の終了日から逆算して「企画提案」「合意」「実施準備」などのタスクを自動生成。担当者ごとに「何を・いつまでに・どの順序で行うか」が明確になり、行動計画の精度が向上。
・データドリブンな意思決定による業務精度の向上
売上や進捗をダッシュボードでリアルタイムに把握し、隔週・週次の会議でKPIギャップを分析。データに基づく迅速な判断と行動修正が可能になり、提案精度とスピードの双方が向上。
Zoho CRM のアナリティクス機能により、チームごとの売上や進捗をダッシュボードで可視化。定例ミーティングではリアルタイムの数値に基づく議論と意思決定が行えるようになった。 業務全体の透明性が高まったことで、現場・マネジメント間の連携が強化され、チームとしての一体感も向上している。
今後は、AIを活用したデータ分析により、さらなる精度向上を図っていく予定。CRM、MA、BIを横断的に連携させ、客単価やLTV(顧客生涯価値)の最大化につなげていく。最終的には、AIが自動で分析・提案を行い、人とAIが協働しながらビジネスを加速させる——そんな仕組みの実現を目指している。