インハウスセンター動向

〔2025/7/14〕ジェネシス、山陰合同銀行がDX戦略の一環として、Genesys Cloudを導入

 ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長、以下、ジェネシス)は、山陰合同銀行が、カスタマーサービス体制の強化とCXの向上を目的に、クラウド型コンタクトセンター・プラットフォーム「Genesys Cloud」を導入したことを発表した。これにより、非対面チャネルの強化、業務の効率化、顧客・従業員の満足度向上を目指した取り組みを本格化している。
 山陰合同銀行は、持続的な成長と地域顧客基盤にある最適なサービス提供を両立すべく、従来の音声基盤から柔軟性の高いクラウド型システムへの変革に着手した。新たな中期経営計画における重要施策として、オムニチャネル戦略の中核にGenesys Cloudを据え、2024年10月より正式に運用を開始している。
 Genesys Cloudの導入により、IVRによる振り分けや生成AIによる応対内容の要約などが実現。これにより、コンタクトセンターでの負荷が大幅に軽減され、約5人分の業務効率化を実現した。創出された人的リソースは、デジタルバンクや地域通貨の提供、アウトバウンドセールスの強化といった新たな施策に充てられている。
 生成AIによる記録業務の自動化や、ダッシュボードによるリアルタイムな稼働状況の把握などにより、従業員の業務負荷も軽減されている。顧客応対のスピードと精度が向上し、顧客体験(CX)の向上とともに、現場スタッフの満足度(EX)も向上している。
 クラウド導入により、同行は持続可能かつ効率的なコンタクトセンター運営を推進できる体制を整え、より迅速かつ文脈に即したサービスを提供し、地域社会のニーズに根ざした高品質な顧客体験の創出を目指している。

〔2025/7/10〕AI Shift、ヘアカラー専門店fufuが「AI Messenger Voicebot」の導入により、電話応対の自動化を実現

 ヘアカラー専門店fufu(フフ)を運営するFast Beauty(本社:東京都港区、高橋賢社長)は、AIエージェントを提供するAI Shift(本社:東京都渋谷区、米山結人社長)が提供するコールセンター向けAIエージェント「AI Messenger Voicebot」を北國銀行およびCCイノベーションの支援の元、7月より一部店舗での運用を開始することを発表した。
 Fast Beautyは、「プロのヘアカラーを、もっと手軽に。」「キレイな髪で、毎日をにこやかに。」をコンセプトに、国内外で140店舗以上のヘアカラー専門店fufuを運営している。累計530万人を超える顧客にプロによる高品質な施術をリーズナブルな価格で提供し続け、多くの顧客の支持を得てきた。
 一方で、全国のfufuには月間約17,000件の電話問い合わせがあり、来店中の顧客への対応を優先していることなどから、店舗で即時に電話対応ができないケースもあった。その結果、電話が繋がらない「あふれ呼」が発生し、既存の顧客の満足度低下や、新規来店機会の逸失といった課題に直面していた。
 こうした状況を受け、同社では自社コールセンターの設立やBPOの活用など複数の選択肢を検討した結果、AIを活用した電話応対の自動化を可能にするAI Messenger Voicebotの導入を決定した。本取り組みでは、コールセンター向けのAIエージェントとして大幅にリニューアルしたAI Messenger Voicebotを活用する。
 同システムの導入により、「お客様をお待たせしない」という体験価値の向上に加え、新規予約・変更・キャンセルといった予約業務の自動化を実現し、電話応対にかかる業務負荷およびコストの大幅な削減にもつながっている。
 店舗スタッフが応対できなかった「あふれ呼」を、AI Messenger Voicebotが自動応答することで顧客を待たせする事なく、漏れなく対応できるようになった。これにより、顧客はシンプルかつストレスなく、スムーズに予約手続きを完了できるようになる。
 予約システムおよび顧客管理システムとAI Messenger Voicebotが自動連携することで、電話口でのリアルタイムな新規予約などの応対を実現した。また、同取り組みで活用するリニューアルされたAI Messenger Voicebotは日程調整や予約の詳細情報など、これまで複数回のやり取りが必要だった電話応対がスムーズかつ効率的に完結できるようになった。
 AI Messenger Voicebotの管理画面上には、過去の会話内容が対話形式で記録される。これにより、店舗スタッフはVoicebotと顧客とのやり取りを一目で確認することができ、スムーズな対応につながる。
 今回の導入は、「お客様をお待たせしない」という体験価値の向上にとどまらず、これまで対応しきれていなかった電話からの新規予約を獲得することで、年間5,000万円以上の機会損失を防ぐ効果も見込まれている。
 7月より一部店舗での運用を開始し、効果検証後に全店舗への展開を予定している。また、予約応対に加え、今後は顧客からの問い合わせ内容に合わせた柔軟な応対など、より高度な機能の追加も検討している。
 同社では、人とAIによる協働の実現を目指し、引き続き各種プロセスの自動化範囲を広げ、人にしか対応できない付加価値の高い業務にスタッフが集中できる環境を構築していく。これにより、さらなる顧客の体験価値向上と業務効率化の両立の実現を目指す。

〔2025/7/9〕トゥモロー・ネット、AIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」を活用した自治体DXの推進

 トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、AIを用いたDXを推進する板橋区に対し、AIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」を活用した業務支援をすることを発表した。
 近年、行政サービスにもDXの推進が求められる中、多くの自治体で従来型の業務運営や情報提供に課題が見られる。板橋区では、区民サービスの向上や業務効率化につなげていくため「DX推進計画」を策定し、積極的にDX化に取り組んでいる。この度、トゥモロー・ネットは、対話型AI「CAT.AI CX-Bot」と生成AIを活用したAIエージェント「CAT.AI GEN-Bot」の2つを活用し、自治体業務におけるAI導入を進める。
 10月から本格運用を予定している戸籍住民課の対話型AIによる電話対応には、ボイスボットとチャットボットを同時に使用できる「CAT.AI CX-Bot」が採用された。トゥモロー・ネットは今回、戸籍住民課への多様で複雑な問い合わせに対して、CX-Botによって全面対応することを目指し、10月の運用開始に向けて開発を進める。CX-Botは、1度の電話で音声通話、チャットでのテキスト表示が可能で、ボイスボットだけでは聞き取りにくい案内も、スマートフォンの画面で簡単に確認でき、複雑な説明を文字で視認できるため、聞き逃しや認識違いを防ぐ。問い合わせ対応の自動化により、24時間365日の受付体制が実現し利便性が高まるほか、現在平均1日200件を超える電話問い合わせを対応している職員が窓口対応に専念できる環境が整うことで、区民サービスの質の向上も見込まれる。
 2025年8月からは、広聴広報課の管理する区公式ホームページにおいて、生成AIを活用したAIエージェント「CAT.AI GEN-Bot」による実証実験を開始する。これは、生成AIの実用性や課題を公式ホームページ上で検証し、もって自治体業務の効率化を図ることをめざしており、その第一歩となる今回の実証実験では、板橋区役所のごみ・リサイクルの案内チャットボットにGEN-Botを導入する。区民からの問い合わせに対して、区のホームページに掲載された情報をもとに適切な回答を生成することで、必要な情報をわかりやすく提示する。これにより、従来手間を要していた情報検索がスムーズになり、区民に向けた利便性の高いサービスの実現に貢献する。
 今回の取り組みは、自治体におけるAI導入の先進的な試みの1つであり、行政現場において、AIを活用したサービス革新を進める先駆けとなるもの。トゥモロー・ネットは、公共分野においても、誰もが使いやすいサービスの実現を支援していく。

〔2025/7/9〕RightTouch、パナソニックが「RightVoC by KARTE」の実証実験開始

 RightTouch(本社:東京都港区、野村修平社長/長崎大都社長)がパナソニック、 エレクトリックワークスのCX企画部門とRightVoC by KARTE(β版)の実証実験を開始した。
 生成AIを用いて顧客の声に基づく事業活動を実現するプロダクトであるRightVoCがコンタクトセンターに集まるすべてのVoCデータの加工・分析・活用プロセスを自動化することで、コンタクトセンターを起点としたVoC活用が実現する。
 電設資材・住宅機器メーカーを取り巻く業界では、ハウスメーカー、工務店などのBtoB領域やホームセンターなどのBtoC領域も含めて多様な顧客層が存在する。さらに問い合わせ内容においても技術仕様や設置方法、納期確認、代替品の提案など多岐にわたるため、蓄積される問い合わせデータ量も膨大となっている。
 パナソニックのコンタクトセンターには年間約60万件の問い合わせが寄せられており、コンタクトセンターの運営改善や体制の効率化を図ることが急務となっている。
 VoCを活用することは、顧客のニーズや期待、不満を的確に把握し、先回りしたサポート体制の構築や対応業務の効率化を実現するうえで欠かせない。さらに、商品やサービスの改善、マーケティング戦略への活用、ひいては顧客ロイヤルティの向上にもつながる重要な取り組みだ。
 同社では、これまでテキストマイニングツールを用いたVoC分析を行い、問い合わせ傾向の把握やカスタマーサポート運営の最適化を図ってきた。しかし、従来のツールでは、主にキーワード抽出や分類といった定型的な処理にとどまり、問い合わせの背景にある本質的な課題や顧客心理まで深く捉えることが難しいという課題があった。また、分析結果を他部門と共有するなかで、データの信頼性や件数の傾向把握、問い合わせ理由や背景に関する理解に課題があるという声が上がり、部門横断での活用にも限界が見えていた。
 VoCを単なるデータとして収集・可視化するだけではなく、実効性のある示唆を導き出し、具体的なアクションへとつなげる仕組みがこれまで以上に求められている。
 こうした背景を踏まえ、同社は生成AIを用いて高度なVoC分析と活用を可能にするRightVoCを導入した。顧客の声をこれまで以上に深く捉え、迅速かつ的確にサービス改善につなげる体制を構築している。
 パナソニックでは、RightVoCにより問い合わせデータから顧客の問い合わせ理由やニーズを高精度に把握できるようになることで、顧客理解を深め、業務プロセスの最適化によるコンタクトセンターの価値最大化を実現する。RightVoCについての具体的な期待値は、以下の3点に集約される。
1. 顧客対応の通話音声データをAIが自動テキスト化し、構造化データとして分析可能に
 これまでオペレーターが手入力した情報をもとに行っていたVoC分析から、通話音声データを自動でテキスト化し、分析可能な構造化データへ変換できるようになる。これにより、CRMへの手入力作業の工数を削減できるだけでなく、複雑な会話内容も構造化された情報として扱えるため、顕在的なニーズはもちろん、潜在的なニーズやインサイトの抽出・分析も可能になる。
2. AIによる自動分類で、問い合わせ理由や顧客の要望を高精度に抽出
 膨大な問い合わせ一つひとつをRightVoC上でAIが課題抽出し、問い合わせ理由、困りごと、要望などを自動分類することができる。結果、分類作業における大幅な工数削減が期待される。また、担当者の主観ではなく客観的に文章や段落単位での意味理解にもとづく分類がされることで、均一的かつ主観による揺らぎがない高い精度で仕分けることが可能になる。
3. リアルタイムなVoC分析でCS部内での高速PDCAを実現
 約5,000件のVoCを1時間以内に処理できるようになるため、ほぼリアルタイムでのデータ反映が実現する。日々舞い込む顧客の問い合わせについて正確な分類がされた状態で、瞬時にさまざまな角度で分析することができる。結果、コンタクトセンターの運営改善や体制の効率化に向けたPDCAを迅速に回すことが可能になる。

〔2025/7/8〕小林製薬、自社通販サイトおよびコールセンターを通じた製品の販売終了

 小林製薬は、2025年7月8日開催の取締役会において、同社が運営する通販サイトおよびコールセンターを通じた製品の販売事業を2025年12月(予定)をもって終了し、同事業で取り扱っていた製品については、他社のECサイトや小売店などを活用して販売する体制へ移行することを決議したことを発表した。
 同社では、構造改革の一環として事業ポートフォリオの見直しを進めてきた。そのなかで通販事業は、事業環境の変化や販売状況を踏まえ撤退を決めた。
 小林製薬の通販事業の2022年12月期の売上高は84億3900万円、営業利益は4億2000万円だったが、2024年12月期には売上高45億500万円、営業利益2億9200万円と業績を落としていた。
 ECサイトの新規会員登録は7月中旬で終了。定期購入の新規申込は7月中旬まで、定期購入は10月発送分で終了する。ECサイトと電話での注文の終了日は12月8日。ECサイト閉鎖日は12月22日。また、ポイント付与は10月出荷分までとし、ポイント利用は12月22日で終了する。
 ただ、小林製薬は通販取扱製品の販売そのものを全面的に中止するものではない。一部製品は、他社のECサイトなどを通じて販売を継続する予定。通販事業と小売店などの両方で販売している製品は、小売店での販売に集約していく予定としている。
 販売を継続する製品や購入方法の詳細は、今後公式通販サイトであらためて案内する。既存顧客への対応については、公式通販サイトでの案内、ダイレクトメールやメールマガジンを通じて案内する。

〔2025/7/7〕トゥモロー・ネットとコンシェルジュ24が連携し、賃貸入居者の水回りのトラブルに関する問い合わせ対応を「CAT.AI」で自動化

 トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)とコンシェルジュ24(本社:神奈川県横浜市、中谷公三郎社長)は、水回りのトラブルに関する入居者からの問い合わせ対応を、AIを活用した自動化システム「CAT.AI CX-Bot(以下、CX-Bot)」で自動化し、コールセンター業務の効率化および顧客サービスの向上に取り組むことを発表した。
 コンシェルジュ24は、賃貸入居者向けに水回り、カギ、ガラス、電気、ガス、給湯器、エアコン、建具など住まいに関するトラブルが発生した際に、24時間365日の緊急駆けつけサービスを提供している。近年、ユーザーのニーズが多様化しており、コンタクトセンターではよりスピード感のある対応と、正確に状況を判断することが求められている。一方で、オペレーターは顧客満足度の低下を防ぐため、サポート範囲外の問い合わせにも対応しており、対応業務の負荷が増大していた。こうした背景から、AIによる自動化で業務負担の効率化と顧客満足度のさらなる向上を両立させる体制の整備が急務となっていた。
 トラブル対応では、故障部分や状態の確認を行う必要があり、オペレーターによる音声のやり取りだけでは、ユーザーが正確に情報を伝えることが難しく、多くの時間を必要としていた。CX-Botが搭載している「CXマルチモードAI」では、ボイスボットに加え、チャットボットやカメラ・ムービー機能など複数の機能を1つのプラットフォームで同時利用できるため、言葉で説明が難しい時でも、写真や動画を利用して状況を容易に伝えることが可能。利用者のニーズへの対応範囲の広さが高い評価を受け、同社の緊急駆けつけサービスの約40~50%を占めている水回りのトラブル対応でCX-Botの導入が決まった。
 問い合わせ内容と訪問日程の候補日をCX-Botでヒアリングすることで、緊急性の有無やユーザーへの対処方法の提示を、適切かつスピーディーに判断できるようになった。トラブルの発生場所はイラストから選択できるよ
うにし、ユーザーが直観的に操作できるデザインにこだわった。また、水漏れの状況伝達には、カメラ・ムービー機能を使用して画像や動画を送付できるようにすることで、より詳細な状況連携が可能になり、対処判断の短縮につなげている。そして、課題であったサポートの範囲外の問い合わせに対しては、テキストチャットで対処方法を表示し、ユーザー自身で対応が行えるようアドバイスを表示できるようになった。
 今後は水回りに加えて、電気やガス、エアコンなどのトラブルにもAIによる自動化対応を順次拡大していくことで、さらなる業務効率化と顧客満足度向上に取り組んでいく。

〔2025/7/4〕北陸銀行、HelpfeelのAI-FAQを導入しWeb接客を強化

 Helpfeel(本社:京都府京都市、洛西一周社長)は、北陸銀行がAI-FAQシステム「Helpfeel」を導入し、約800件あったFAQ記事を4分の1に圧縮しながら、電話経由での問い合わせ放棄率を15%から2.5%へと大幅に改善するなど、コールセンターの負荷軽減を実現したことを発表した。
 北陸銀行は、顧客満足度向上を目的として、ホームページ上にFAQやチャットボット機能を設置し、コールセンターに問い合わせせずとも回答を得ることができる環境を整えていたが、検索機能がなかったために顧客が必要な情報が見つけられず、コールセンターへの電話問い合わせが集中していた。この結果、コールセンターの放棄率は最大15%に達していた。
 また、従来のFAQでは、同じ内容であっても異なる表現で記事を作り分ける必要があったため、内容が重複するFAQが多数存在しており、その数は約800件にのぼっていた。この重複により検索精度は低下し、顧客が欲しい回答にたどり着きにくいだけでなく、FAQの管理にかかる運用負荷も大きな課題となっていた。
 Helpfeelを導入したことで、AIによる意図予測検索がキーワードの揺れを吸収し、FAQ記事数は従来の4分の1にあたる約200件まで削減された。この結果、検索精度が向上し、欲しい回答にたどり着ける顧客が増え、コールセンターの人員増加の要因もあるが、電話問い合わせが減ったことから放棄率は15%から2.5%へと大幅に低下した。着信件数も減少傾向にあり、コールセンターの負荷が軽減され、オペレーターの対応品質の向上にもつながっている。
 さらに、FAQの検索ログデータを活用し、他部門と連携しながらスピーディーにFAQ記事を改善する体制を構築。顧客の情報ニーズに合わせ、常に進化し続けるFAQ運用を実現している。
 北陸銀行は今後、FAQを単なるサポートツールではなく、Web上の「非対面店舗」として活用していく。実店舗の10倍以上の来訪があるWebサイト上で、FAQを起点に顧客が回遊し、興味関心に応じた情報に触れることで、資産運用やローンなどのサービスに自然につながる「提案型チャネル」としての役割を担うことを目指している。
 例えば、検索ニーズに対応した「NISA」に関連する記事の拡充や、FAQ内でのキャンペーン案内など、顧客の関心を広げる情報提供を強化する。FAQは顧客の気づきを促し、顧客との関係深化やコンバージョン(CV)につながる「Web接客の場」へと進化していく。


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