インハウスセンター動向
〔2025/6/3〕ARIとMILIZE、マネックス証券のクラウド型次世代AIコンタクトセンターの構築を受託
ARアドバンストテクノロジ(以下、ARI)と、AIとフィンテックのMILIZE(本社:東京都港区、田中徹社長E)は、マネックス証券の次世代AIコンタクトセンターの構築を受託したことを発表した。
マネックス証券のコンタクトセンターでは、「お客様の声を直接聞ける唯一の部署」として、顧客満足度の向上を目指している。会社の窓口として、問い合わせに電話やメールで応対するだけでなく、チャットボットやFAQサイトなどのツールも駆使し、より柔軟にお客様の課題を解決する手伝いをしている。さらには企業の窓口として得たお客様の声を、全社へ展開する重要な役割も担っている。
この度、より良いカスタマーエクスペリエンスと高度なコンタクトセンター運営を実現するため、生成AIの活用、チャネル統合、CRM連携など最新技術を導入した次世代コンタクトセンターシステムの開発を決定した。フィンテック・AIのプロジェクト実績が豊富なMILIZEとクラウド技術・Amazon Connectの構築経験が豊富なARIがパートナーとして選定された。
本取り組みでは、ファーストステップとして、100席以上のオペレーターが利用するコンタクトセンターシステムのクラウド化にむけて、クラウド型コールセンターシステムの設計・開発・構築を開始した。
コンタクトセンターシステムはアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)が提供するクラウド型コンタクトセンターシステム「Amazon Connect」を採用している。また、コンタクトセンターの運用における分析・可視化においては、ARIが提供する「Mieta(ミエタ)」を使用し、リアルタイムレポート・ヒストリカルレポートを作成し、全体の指標の管理・可視化を行う予定。
システムのクラウド基盤への移行により、システム管理の効率化と柔軟なスケーリングを実現する。これにより、システムの拡張やオペレーター席数の柔軟な変更にも迅速に対応でき、ビジネスの成長を加速する。
さらに今後は、クラウドコンタクトセンターに最新のAI・生成AIを活用することで、顧客との接点を最適化し、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの実現を目指す。
次ステップでは、AIと生成AIを活用し、業務の効率化と生産性向上を目指す。具体的には、以下のような活用が見込まれ、コンタクトセンターの役割の強化とカスタマーエクスペリエンスのさらなる向上を目指す。
⚫︎従来選択式IVR(選択式音声応答)の進化
・AIによる自動応答や、適切な振り分けを実現
・通話内容の文字起こし
・通話後のアクションを含む要約機能で後続業務を効率化
⚫︎リアルタイム解析と迅速な応答支援
・通話中のお客様からの問い合わせをリアルタイムに解析
・生成AIが適切かつ自然な回答案を作成
⚫︎対応者のスキルに依存しない解決策の提供
・オペレータのスキルに依存せず迅速な解決策を提示
・お客様へスムーズな対応を実現
〔2025/6/2〕スタジアム、タカギがコールセンターの通話品質管理・応対評価をAIで自動化するサービス「Dr.Tel」を採用
スタジアム(本社:東京都港区、石野悟史社長)は、タカギ(本社:福岡県北九州市、髙城いづみ社長)に、AIを活用した通話品質管理・応対評価サービス「Dr.Tel」を導入したことを発表した。Dr.Telの導入により、タカギはコールセンターの品質管理業務の大幅な効率化と、応対品質の更なる向上を目指す。
タカギは受付件数の増加に伴い、コールセンターの人員が増加し、それに伴い応対品質管理として行っている音声確認にかかる工数も増えている状況であった。そのため、効率化を図るための自動化による工数削減を検討していた。
Dr.Telは、生成AIや感情解析などの最先端技術を活用し、通話内容と非言語領域の両面から評価できるため、タカギの従来の評価項目を網羅することが可能になった。AIによるフィードバックは人力よりも評価基準のブレがなく、正確にオペレーターの状況を可視化することができる。加えて、ランダムピックアップにより評価することでコスト面もコントロールしやすく、タカギのニーズに合致した。
Dr.Telは、通話の録音データをもとに、個社の評価基準通りにAIが自動でスコアリングとフィードバックを行うクラウドサービス。現在のオペレーションと品質基準を変更せずに品質管理・応対評価の工数を大幅に削減することが可能。応対品質管理における自動化システムの業界標準になることを目指し、日々機能のアップデートを行っている。
〔2025/5/30〕Gigi、Agentforceを導入し24時間365日の顧客対応を実現
セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce)は、Gigi(ジジ)(本社:東京都港区、今井了介社長)が、24時間365日、高品質な顧客対応を実現することを目的に、Salesforceの自律型AIエージェント「Agentforce」を採用し、その結果、コールセンターにおける人手による対応業務を70%削減することに成功したことを発表した。
Gigiは、「誰かにごちそうする」喜びをオンラインで叶える多彩なサービスを展開している。個人間のギフトとして利用できる「ごちめし」、企業が社員に食事をプレゼントできる「びずめし」、子ども食堂を支援する「こどもごちめし」など、“食”と“社会貢献”を掛け合わせたユニークなビジネスモデルを推進している。コロナ禍では、飲食店のチケット(食券)を事前購入し、感染状況が落ち着いた後に来店することで飲食店を応援する「さきめし」プロジェクトが注目された。これを契機に同社のプラットフォームは急速に認知を拡げ、参加店舗は200店舗から7,000店舗へと拡大した。
それに伴い問い合わせ件数も急増し、外部のコンタクトセンターに依存した従来の体制では、スタッフの負担増加やコスト上昇といった課題が顕在化していた。問い合わせ内容の多くが同様の質問であったことや、「夜間にサービスを利用したくて問い合わせをしても電話がつながらない」という声が多く寄せられていたことから、顧客に対して質の高いサービスを24時間365日提供するために、デジタル労働力のプラットフォームであるAgentforceの導入を決定した。
Gigiでは、Agentforceの採用と共に、シームレスなデータの統合と活用のため、SalesforceのData Cloudも導入した。これにより、顧客の購入履歴なども理解した上でユーザーの多様な質問に対して自然言語で回答可能なAIエージェントを構築した。このたびのAgentforceとData Cloudの導入により、同社は以下の成果を得ている。
運用時の負担軽減:従来の生成AIチャットボットでは、AIの回答精度を高めるためにフロー設計や緻密なチューニングが必要になり、小規模チームにとって大きな重荷となっていた。しかしSalesforceのAgentforceは、FAQナレッジを整えるだけで自然言語による応対が可能になり、プロンプト設計やルールづくりに人的リソースを割かずに済むようになった。
業務効率の大幅な向上:電話やメールの初動対応をAIエージェントに置き換えることで、コンタクトセンター業務の大部分を削減するとともに、24時間365日のサポートを実現している。結果として、7人月から2人月へ大きく稼働量を削減し、5人分の業務をAIエージェントに置き換えることに成功した。さらに今後、業務量が増えても2人月で対応できる目算が立ち、運用コストの抑制とサポート品質向上の両立を見込んでいる。
迅速な問い合わせ対応の実現:サービスを利用するための領収書メールを紛失してしまった利用者にも、AIエージェントがData Cloudと連携してメールアドレスを検索し、即時に再発行を案内する仕組みを整えた。これにより「明日まで待てない」という切迫した問い合わせにもスピーディに対応できるようになり、電話応対の負荷が大幅に軽減されたことで、コンタクトセンター担当者の精神的負担も緩和されている。
今後は、自治体をはじめとする多様なサービス展開が加速するなかで、AIエージェントの多言語対応機能が大きな強みとして活かされていく。異なる言語環境下でもスムーズな対話が可能となることで、より多くのユーザーに寄り添ったサービス提供を実現する。また、マーケティングや営業領域へのAI活用も視野に入れることで、資料送付や日程調整といった定型業務の自動化を進め、少人数でも高い生産性を発揮できる体制の構築に取り組む予定。
〔2025/5/28〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI」と両備システムズの粗大ごみ収集受付システム「Eco伝」が連携
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、AIを活用した自動化システム「CAT.AI CX-Bot(キャットエーアイ シーエックス・ボット 以下、CX-Bot)」と両備システムズ(本社:岡山県岡山市北区、松田敏之社長)の粗大ごみ収集受付システム「Eco伝」を連携させ、利用者の更なる顧客体験の向上を目指すことを発表した。これにより、各自治体が実施する粗大ごみ収集の受付業務の迅速で的確な対応を支援する。
Eco伝は、住民が排出する粗大ごみの品目、日時、収集場所の申込みを受付、収集を行うドライバーなどに、適切なルートで当日の収集の指示を行うことができるシステム。その中で、電話やチャットボットのみでの受付では十分に行き届かない、顧客体験の改善が課題となっていた。スムーズな顧客体験を目的に、以前よりボイスボット導入による対応を検討したものの、ボイスボットだけでは粗大ごみの種別の特定や住所の聞き取りが難しく実現まで至っていなかった。そこで、ボイスボットとチャットボットが同時利用できるCX-Botとの連携が検討された。
Eco伝とCX-Botを連携させることで、1度の電話で音声通話、チャットでのテキスト入力や画面でのごみの種別の選択、位置情報の認識による集荷場所の特定ができるようになり、スムーズな受付が可能になる。CX-Botが搭載している「CXマルチモードAI」では、ボイスボットやチャットボットなど複数の機能を1つのプラットフォームで同時利用できるため、言葉で説明が難しい場合でも、選択ボタンやマップなど視覚からも理解できる機能を利用して情報を簡単に伝えることが可能。
〔2025/5/27〕アークランズとSCSKが協働し、顧客起点のビジネス強化に向け、EC システム基盤を再構築
SCSKは、ホームセンター「ムサシ」、「ビバホーム」を運営するアークランズと協働し、EC サイト「ビバホーム公式オンラインショップ」のシステム基盤を再構築した。本取り組みはアークランズの顧客起点のビジネス強化に向けた第一歩であり、今後も顧客体験のさらなる向上に向けて、両社で協働して取り組んでいく。
近年のホームセンター業界はオーバーストア状態により市場規模が横ばいで推移しており、新規出店による売上拡大戦略が見直され、OMO/オムニチャネル施策の推進を通じた顧客接点強化の取り組みや、M&Aによる業界再編が行われている。こうした中、吸収合併を経てアークランズが誕生したが、合併前に各社で運営していたWebサイトや EC サイトなどのIT資産や会員情報を統合できておらず、合併によるシナジー効果を十分に発揮できていなかった。そこでアークランズは、顧客1人ひとりの顧客体験を最適化するため、CX サービス「altcircle」を通じたEC事業者のCX向上・OMO対応への豊富な実績と大規模ECプロジェクトの推進体制を持ち、システム導入に留まらず今後のビジネス変革・ビジネス拡大に向けた伴走支援が可能なSCSKをパートナーとして選定し、今回の協働に至った。
今回のEC基盤再構築により、「ECサイトでの取扱い状況の表示」「ECサイトで注文した商品の店舗受け取りサービス」など、店舗とECを連動させたOMO/オムニチャネル施策を推進していくための基盤が整った。また、SCSKのデジタルマーケティング伴走サービスを活用し、顧客データを基点としたデジタルマーケティングを推進する体制作りも進めている。今後、店舗とECを連動させたさまざまなサービスを順次リリースしていく。
以前は商品検索サイトとECサイトが独立して存在し、商品マスタの機能も分散していたため、メンテナンス工数の増加や精度の低下が課題となっていた。今回のEC基盤再構築では、この2つのサイトを新ECサイト「ビバホーム公式オンラインショップ」に統合することで、集客効率とメンテナンス性の双方の向上を実現した。これにより、商品検索から購入までの導線がスムーズになった。
従来のシステムは商品登録や受注処理、在庫情報の更新時などに複数のシステムを操作する必要があり、オペレーションが複雑になっていた。今回のEC基盤再構築では、各種管理機能を刷新し、さらに一部の機能をサプライヤーに提供することで商品情報登録や在庫情報登録などのバックオフィス業務の効率化を実現した。これにより、これまで以上に豊富なラインナップの商品をECで買い物できるようになった。
これまではそれぞれで管理していた自社EC・外部モール(楽天、Yahoo、Amazon)の在庫情報を一元管理することで、過受注および売り逃しを防止できるようになった。ECでの欠品リスクが低下し、顧客には常に最新の在庫状況のもとで安心して買い物ができるようになった。
今回のECシステム基盤再構築は、顧客を基点としたビジネスへの変革に向けたプロジェクトの第一ステップであり、アークランズでは今後、会員基盤やスマホアプリの刷新などを進め、顧客が「分かりやすくて便利」と感じて頂けるよう、引き続き OMO/オムニチャネル施策の推進に協働で取り組んでいく。
〔2025/5/27〕エーアイスクエア、スマートモバイルコミュニケーションズにて生成要約サービス「QuickSummary2.0」を本番導入
エーアイスクエア(本社:東京都港区、堀友彦社長)は、スマートモバイルコミュニケーションズ(本社:東京都新宿区、鳥越洋輔社長)が、生成要約サービス「QuickSummary2.0」を正式に導入したことを発表した。
スマートモバイルコミュニケーションズでは、同社が提供するMVNOサービス、モバイルWiFiルーターのカスタマーサポートセンターの改善に取り組んでいた。特に、喫緊の課題であった応対終了後の後処理時間の短縮について、QuickSummary2.0の導入によって大幅に改善した。
QuickSummary2.0の新機能である「音声ファイルのアップロード機能」を活用することで、PBXやCTIと連携せずに音声認識、要約機能を提供している。
問い合わせの内容に応じた要約パターンを複数設定し、問い合わせ分類に応じた要約結果を出力している。また、応対終了後から時間をかけることなく、短時間で文字起こしと要約を完了している。
OpenAIの「Whisper」をコンタクトセンター向けにカスタマイズした、音声認識サービス「AI2ASR」も同時に提供し、精度の高い文字起こしを実現している。
〔2025/5/21〕アドバンスト・メディア、「AmiVoice Communication Suite」が、兵庫県姫路市 子育て支援室および福祉部門で本稼働開始
アドバンスト・メディアは、同社が提供する、AI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite」が、電話での児童相談の記録業務効率化などを目的に、兵庫県姫路市 子育て支援室および福祉部門にて、2025年3月より本稼働を開始した。システム導入は、NECネッツエスアイ(本社:東京都港区、大野道生社長)が行った。
行政機関への相談は電話が多く、職員は相談内容の記録作成に多くの時間を費やしている。本来業務である相談内容の解決に向けた支援検討の時間の圧迫や、時間外労働の増加につながるため、姫路市においても喫緊の課題となっていた。
また通話終了後、通話中に書いたメモをもとに記録を作成することが多く、迅速な情報共有や担当者以外の職員が相談状況を把握しにくいという課題も抱えていた。
そこで姫路市では、2024年1月~2月、通話内容を自動でテキスト化(文字起こし)し記録作業の負荷を軽減するべく、「AmiVoice Communication Suite」を活用した実証実験を実施。「記録作成に要する残業時間」が月平均16時間から月平均5.5時間まで短縮され、記録の質も向上した。また「年休取得率」についても、実証前の月平均0.7日から月平均1.6日になり0.9日の改善が見られた。
これらの効果に加え、セキュアな利用環境の実現などが評価され、利用対象となる業務を子育て支援室(児童相談)と福祉部門(DV相談、福祉相談、いじめ相談など)に拡大し、2025年3月に本稼働を開始した。