週刊CCMニュース
〔2026/3/24〕TMJP、早稲田大学アカデミックソリューションの「留学生受入支援ソリューション」強化を多言語BPOで支援
TMJ(本社:東京都新宿区、丸山英毅社長)の子会社で、フィリピンでコンタクトセンター・バックオフィス(事務処理センター)の構築・運営を行うTMJP BPO Services(本社:フィリピン・マニラ、土屋美奈社長、以下、TMJP)は、早稲田大学アカデミックソリューション(本社:東京都新宿区、神馬豊彦社長、以下、WAS)が提供する「留学生受入支援ソリューション」の業務強化に向け、留学生対応に関わる事務業務を受託し、2026年3月中旬より業務を開始した。
日本の大学が国際化を進めるなか、留学生の受入規模は近年さらに拡大し続けている。さらに、文部科学省が2023年に発表した「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(J-MIRAI)」では、2033年までに留学生受入数を40万人に引き上げる意欲的な目標が掲げられている。
留学生の増加に伴い、その事務業務も増加している。渡日前後の各種手続きや生活情報の整備、書類不備の確認、多言語でのコミュニケーションなど、受入に伴う業務は年々増加、かつ複雑化しており、大学職員の負荷は高まりを見せている。特に春・秋の渡日ピーク期には、問い合わせ量と事務作業が集中し、限られた人員での安定運用が課題となっていた。留学生の増加が続く中、教育・研究支援の質を維持しながら、専門性を要する事務領域をどう効率化するかは、多くの大学が抱える共通テーマとなっている。
こうした状況を踏まえ、長年にわたり留学生受入支援に携わってきたWASでは、さらなる業務負荷の平準化と、受入体制の強化に向けた外部パートナーの活用が有効であると判断し、今回の取り組みに至った。
TMJPは、多言語対応力と大学事務にも応用可能な高品質な運用設計力を評価され、WASより留学生受入支援に関わる一部事務業務の委託パートナーとして選定された。
今回TMJPが担う業務は、WASが長年培ってきた大学特有の事務ノウハウを踏まえながら、留学生対応をより効率的かつ安定的に行うための実行領域を担当するもの。具体的には以下のとおり。
・留学生提出書類などの不備チェック
・留学生からの各種問い合わせ対応(主に英語)
・春季・秋季の留学生増加期を中心とした業務負荷の集中的サポート
・TMJグループのBPO知見を活かした業務最適化の提案
これにより、WASは繁忙期でも安定した支援体制を維持でき、大学教職員は教育・研究活動や学生支援といった本質的な業務により注力できる環境を整えることが可能となる。
TMJPは以下の強みを大きな提供価値とし、今回の選定にあたっても高く評価された。
・マニラ有数のビジネス拠点であるボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)の立地を生かした「優秀な多言語人材」・日本語と英語のいずれでも委託先とのコミュニケーションを柔軟に切り替え可能、日本側担当者との連携や運用調整がスムーズ・TMJグループのBPO知見を活かした業務最適化の提案
・日本企業を母体とする強みを生かした「おもてなし文化を背景とする運営品質」
これらの提供価値を背景に、WASの留学生受入支援ソリューションの強化を多角的にサポートしていく。
TMJPは今後、WASとの連携を通じて、留学生が日本で安心して学びを始められるためのサポート体制強化を支援するとともに、大学事務の業務効率化と国際化推進に貢献していく。
〔2026/3/24〕三井情報、「金融機関カスタマーセンター利用者のAI受容度調査」結果を発表
三井情報(本社:東京都港区、真野雄司社長)は、金融機関のカスタマーセンター(お客様窓口/コールセンター)の利用経験者を対象に、「金融機関カスタマーセンター利用者のAI受容度調査」を実施し、その結果を取りまとめた。2025年12月19日~2026年1月5日の期間で調査し、1781の有効回答を得ている。
日本銀行の調査によると、金融機関では生成AIの活用・試行が広がっており、その効果は一定程度評価されている。一方で、実際に金融機関のサービスを利用する消費者が、生成AIの活用をどのように受け止めているかに関する定量的なデータは限られている。特に、コールセンター/カスタマーセンターに焦点を当てた調査は少ないのが現状。
また、規制・ガイドラインの整備が進む中、利用者の声を踏まえた「責任あるAI活用」や「人間中心の設計」が、金融機関の持続的な信頼確保において重要性を増している。
こうした背景を踏まえ、本調査は、金融機関におけるAI活用検討の基礎情報を提供することを目的に実施した。
■調査結果(抜粋)
1.顧客接点におけるAIの受容範囲
・口座残高・利用明細照会」「各種手続き方法案内」などの定型的な問い合わせにおいては、「AIだけで対応してよい」と回答した割合が他の問い合わせ内容よりも多く、AIへの受容度が高い結果となった。
・一方で、「不正利用の疑いがあるなどの緊急性の高い相談」「ログインできない、エラー発生等のトラブル対応」「ローン・投資・保険などの商品内容説明」では、「最初から人に対応してほしい」「まずAI対応でよいが、必要に応じて人に代わってほしい」という回答が大きな割合を占めており、高リスク/相談要素の強い領域では有人対応が強く期待されていることが分かった。
2.AI応対への不安と、安心のための条件
・AI応対への不安要因
AI応対に対して不安に感じる点としては、「自分の状況を十分に理解してもらえないのではないか」、「トラブル時に責任の所在があいまいになりそう」、「誤った案内をされるのではないか」、「個人情報や会話内容がどのように使われるか分からない」などが上位に挙がった。
・「AI応対でも使いたい」と思える条件
逆に、「AI応対でも利用してよいと思える条件」としては、「いつでも人のオペレーターに切り替えられる」、「AIか人か、自分で選べる」、「AIが対応できる範囲があらかじめ分かりやすく示されている」、「会話内容の記録・データ利用目的が事前に説明されている」といった項目が多く選ばれ、“コントロール権(選択・切替)”と“透明性”がAI受容のカギであることが示された。
3.バックエンド業務へのAI活用に対する評価
・カスタマーセンターでの会話をAIが分析し、「応対品質の向上」、「オペレーター教育」、「商品・サービスの改善」に役立てることについては、いずれも7割前後が肯定的な回答をしており、会話データを「サービス改善のための資産」として活用することには高い受容性があることが分かった。
・オペレーター支援AIについても、利用者の多くは「正確で迅速な回答が期待できる」「新人でも一定レベルの応対ができそう」といったポジティブな印象を持っており、“AIが人を置き換える”のではなく“AIが人を支える”文脈であれば、利用者にとってもメリットとして認識されやすいと考えられる。
〔2026/3/24〕山口フィナンシャルグループ、Agentforce for Finanical ServicesやData 360を導入し、新CRM基盤を構築
セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce)は、山口フィナンシャルグループ(以下、YMFG)が、中期経営計画におけるデジタル変革(DX)戦略のうち営業領域における変革を実現するための新たなプラットフォームとして、Salesforceの「Agentforce for Financial Services」「Data 360(旧Data Cloud)」「Agentforce Service」を採用したことを発表した。
近年、YMFGを取り巻く環境は、人口減少や事業承継課題の顕在化、デジタル技術の進展などにより、大きな転換期を迎えている。このような環境下において、YMFGでは、従来の商品やチャネル単位の対応にとどまらず、顧客1人ひとりを起点とした継続的な関係性構築が重要であると認識している。同グループでは、こうした課題認識のもと、営業活動やマーケティング、顧客対応の高度化を支える基盤として、新CRM基盤の構築を進めてきた。
YMFGは、全社的なCRM/SFAシステム改革プロジェクトの一環として、金融業界に特化した標準機能を有するAgentforce for Financial Services、マーケティングデータ基盤としてData 360、カスタマーサービスのプラットフォームであるAgentforce Serviceを導入した。これらの製品を活用することで、以下を実現することが可能となる。
・マーケティングデータの有効活用と顧客データの一元化:Data 360によりマ ーケティングデータを有効活用する基盤として整備し、将来的には顧客デー タ基盤へと進化させる予定。
・AIによる高度な支援:蓄積されるデータを活用し、将来的には最適な提案(NBA:Next Best Action)を導き出すことを目指すことで、営業担当者の提案力の底上げと業務の高度化を支援する。
・柔軟な拡張性:ノーコード・ローコードをベースとした迅速な開発により、 変化する市場環境に柔軟に対応できる体制を構築する。
新プラットフォームは、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行を含むグループ全体で活用される。具体的には、Agentforce for Financial Servicesによる取引先情報 の管理に加え、Agentforce Serviceによる顧客対応履歴の集約、そしてData 360に よるデータの高度な連携を行う。さらに、AIエージェント基盤である「Agentforce」を営業現場に展開し、顧客の課題やニーズに応じた価値提供や、タイムリーなインサイトの提供を目指していく。
本プラットフォームの導入により、以下を実現することを目指している。
・最適なソリューションの迅速な提供:顧客情報の一元管理により、銀行とグ ループ各社の連携がスムーズになり、顧客の多様なニーズに対する最適なソ リューションがYMFGの行員へ迅速に提供される。
・営業組織の高度化:蓄積されたナレッジとAIによる提案支援により、すべて の営業担当者がトップパフォーマーのような戦略的な提案活動を行えるよう 支援する。
・業務プロセスの効率化:無駄な業務プロセスの廃止とデジタル化により、営 業担当者が顧客と向き合う時間を最大化する。 YMFGは、今後もデジタルプラットフォームの活用を深化させ、データとデジタル技術を活用した「お客さま起点」の金融サービス提供体制を高度化することを目指している。また、地域内での案件創出に加え、外部パートナーとの協業による持続可能な循環型ビジネスモデルの構築を目指し、地域の収益基盤拡大に貢献していく予定。
〔2026/3/24〕パーソルビジネスプロセスデザイン、長崎県佐世保市に自治体特化型BPOサービスを導入
パーソルビジネスプロセスデザイン(本社:東京都港区、市村和幸社長)は、長崎県佐世保市に「自治体特化型BPOサービス」を導入した。同サービスの導入により、ふるさと納税に関わる事務作業やコールセンター業務の効率化を実現し、市役所職員が本来注力すべき佐世保市の魅力発信や、ファン獲得につながる「攻め」のプロモーション業務に取り組める環境を構築した。
佐世保市ではBPO導入前、ふるさと納税に関わるすべての事務作業を職員が手作業で対応していた。しかし、想定を上回る寄付件数の増加により、事務作業・電話対応が急増し、書類発行の遅延トラブルも多発、特に年末年始は事務作業が通常よりもさらに増加し、職員総出で対応しても、残業時間が膨大となる状況であった。こうした中、職員が事務作業に追われるのではなく、佐世保市の魅力発信やファン獲得につながるプロモーション業務に集中できる環境の構築が急務となり、BPO導入を検討、同社の自治体に特化したBPOサービスの導入に至った。
パーソルビジネスプロセスデザインは、佐世保市のふるさと納税に関わる大半の事務作業(証明書発行や特例申請書、ワンストップ特例の処理など)と納税者からの返礼品や書類に関する問い合わせに対応するコールセンター業務、返礼品事業者との調整業務などを担当した。
1.業務フローの整備とマニュアル作成:
明確なマニュアルが存在しなかった業務に対応し、計7工程、21作業のフローを整え、マニュアルを作成した。これにより、対応者が変更となった場合でも、滞りなく正確に業務を遂行できる環境を構築した。
【整備した7工程】
申込書登録、感謝券登録、収納登録、受領証明書発行、受領証明書封緘~発送処理、ワンストップ特例申請受理、WEBサイトからの寄附者情報取込
2.市職員の業務負荷軽減:
1の業務フローの整備をはじめ、事務作業の効率化を図ることで、体制を維持したまま市職員3名分の業務を追加で対応した。WEBサイトからの寄付申し込み取込作業(14サイト分)を、同社が担うことで、市職員の事務処理工数の削減に貢献した。
3.制度改正への対応:
2023年度制度改正により、ふるさと納税の経費は寄付額の50%を上限とするルールが厳格化され、委託費用を固定金額から寄付額に応じた変動型へ変更する必要が生じた。それに伴い、繁閑に合わせた体制の調整が求められたが、同社は佐世保市にアウトソーシングセンターを構えている強みを活かし、コールセンター業務の従事経験がある人材を繁忙期に限定してアサインし、業務の質を担保しながら制度改正への対応を実現した。
4.サービス改善提案を実施:
【導入・改善活動に向けた採用に繋がった提案】
・季節返礼品の特設サイトキャンペーンの実施
・1万円以下の返礼品の導入
・送付封筒のデザイン変更
・感謝券廃止とポイント管理の導入
・トイレットペーパー等、生活用品返礼品の導入検討
5.返礼品の在庫状況や配送状況の見える化を実現:
返礼品の発送状況や在庫有無は、WEBサイト/カタログで寄付者の流入経路が異なるため把握が困難であっが、書面で通知される情報をツールに取り込み、データ化を推進した。これにより、寄付者の流入がどの窓口であっても問い合わせ時の即時確認・回答が可能な環境を整備した。その結果、返礼品総数2,196件(記載時点)のうち、欠品が生じた返礼品の見える化を実現している。
パーソルビジネスプロセスデザインはコールセンター業務と事務処理業務をどちらも対応できるBPO企業として、これまで多くの自治体業務を支援してきた。ふるさと納税業務においては、自治体の課題を的確に捉え、業務効率化と対応品質の向上を実現することで納税者満足度の向上を図っていく。ふるさと納税額の拡大を通じて、その自治体の住民の方も潤うという循環型モデルを目指し、これからも自治体の課題に寄り添い、地域・地方活性化に貢献していく。
〔2026/3/24〕アルティウスリンク、「お客様窓口におけるイライラ実態調査」を公表
アルティウスリンク(本社:東京都渋谷区、那谷雅敏社長)は、「お客様窓口におけるイライラ実態調査」を2026年3月24日に公表した。
本調査では、全国3,000人を対象に、カスタマーサポート利用時における不満・ストレスの経験実態や、その後の行動や感情の変化、企業対応への評価を分析した。消費者がどのような場面で不満を感じやすく、それがどのように感情や行動へ影響しているのかを明らかにしている。
調査結果のポイント
・カスタマーサポート利用者の8割が不満を経験、6割超が解約・乗り換えなどの離反行動へ
・不満は「オペレーター応対」ではなく「問合せ前〜接続前」に集中
・イライラには「自己解決挫折型」と「窓口不在憤慨型」などの傾向差あり、評価回復のしやすさにも差
カスタマーサポート利用時に不満・ストレスを感じた経験がある人は、80.6%にのぼった。そのうち、73.7%は不満を複数回経験しており、不満が一度きりではなく、繰り返し生じている傾向がうかがえる。また、不満を感じた際の行動では、「利用停止」「乗り換え」「利用縮小」などの離反行動が66.2%を占め、継続利用は32.8%にとどまっている。サポート体験が、顧客の継続利用や離脱へ直結している実態が明らかになった。
不満を感じる場面として多かったのは、オペレーターの応対そのものではなく、問合せ前~サポート接続前の体験であった。「電話番号が見つからない」「FAQやチャットボットで解決方法が見つからない」など、問合せ導線や自己解決環境への不満が、イライラの主因となっていることが明らかになった。
一方で、不満や意見を伝えた際の企業対応において、「真摯な謝罪」「丁寧な説明」「代替案の提示」といった対応が行われた場合、6割以上が「印象が好意的に変わる」と回答した。不満が生じても、誠実で継続的な対応が信頼回復の分岐点となることが示されている。
カスタマーサポート利用時の不満は一様ではなく、問合せ前の体験を起点とした不満の生まれ方には、属性や行動特性による傾向差があった。その中でも、若年層に多い「自己解決を試みたものの解決できずに不満が高まる『自己解決挫折型』」と、高齢層に多い「問合せ先が見つからないこと自体に強い不満を感じる『窓口隠し憤慨型』といった対照的なケースが確認され、不満の生じ方や、その後の評価回復のしやすさに違いが見られた。
こうした結果から、企業には応対品質の改善にとどまらず、顧客の属性や行動特性の違いを踏まえ、問合せ前の導線や自己解決環境を含めた体験全体を設計する視点が求められていると言えるだろう。
本調査ではこの他にも、年代別のカスタマーサポート利用場面別の不満(問合せ前・電話・問合せフォームやチャット)、カスタマーサポートにおいて感情的になった経験と、その際の企業からの対応の満足度などの調査結果についても公開している。
〔2026/3/23〕モビルス、第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」結果を発表
モビルスは、CX(顧客体験)向上を支援するテクノロジーの調査・普及を行う「CX-Branding Tech. Lab」の取り組みとして、企業のお客さま窓口に問い合わせをしたことがある、全国の男女765人を対象に第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」を実施した。調査結果の詳細:https://mobilus.co.jp/lab/research/customer-support-report/
調査の結果、問い合わせをした際に回答を得られるまでの許容時間について、約4割が「5分未満」と回答した。年代別では、10~30代で短時間での解決を望む傾向が見られた一方、40代以上では「なるべく人が対応してくれること」を最も重視するなど、世代によって窓口に求める価値が異なることが分かった。
また、お客さま窓口の対応が商品やサービスの購入・利用に影響したことがあると回答した人は66.8%にのぼり、約7割が窓口対応を購買判断に反映している実態も明らかになった。不満の最多項目は「つながらない・待たされる」であり、待機時間や解決までのストレスが顧客体験(CX)に大きく影響していることが示されている。
デジタル窓口の利用が世代を超えて浸透する一方で、「人による対応」を求める声も根強く存在している。こうした背景から、迅速な対応と人ならではの判断・共感を両立するAIと人のハイブリッドなCXの仕組み構築の重要性が、高まっていると考えられる。
労働人口の減少が進む中、お客さま窓口では採用難によるオペレーターの人材不足が深刻な課題となっており、業務の効率化や負担軽減が急がれている。商品・サービスに関する問い合わせに対応する窓口の現場では、時に過度な要求や厳しい言葉を受けるケースもあり、オペレーターの精神的負担の増大や離職を招く要因となっている。企業には、利用者の利便性を高めて満足度を向上させる取り組みと、現場オペレーターの負担を軽減させる取り組みの両立が求められている。
このような背景から、モビルスでは、お客さま窓口における利用実態や要望を明らかにすることで、窓口への不満といったカスタマーハラスメント(カスハラ)につながる要因や未然に防ぐための解決策を探り、利用者と企業の双方がより良いコミュニケーションや関係性を築くためのあり方を考えることを目的に調査を実施した。
本調査は2019年に開始し、今回で6回目となる。過去の調査結果との比較を通じ、お客さま窓口利用に関する最新の推移と傾向を分析している。
問い合わせをした際、求めている回答がその場で得られるまで最大どのくらい待てるか聞いたところ、「3分以上~5分未満」が最多(32.8%)であった。「3分未満」(8.8%)と合わせると4割(41.6%)が「5分未満」と回答している。
年代別では、20代(40.7%)・30代(41.7%)で「3分以上~5分未満」との回答が多く、短時間での回答を望む傾向が見られた。
お客さま窓口に問い合わせをした際に不満に思ったことを聞いたところ、全体では、「つながらない・待たされる」(36.6%)が最多で、「問い合わせ方法・問い合わせ先がわかりにくい」(30.5%)、「解決に時間がかかる」(30.5%)が続いた。
全体で最多だった「担当者につながらない・待たされる」は、40代(41.3%)、50代(45.9%)、60代(54.5%)、70代(41.4%)と年代が上がるに連れ高い傾向が見られた。
一方、10~30代では「解決に時間がかかる」が最多となり(10代33.0%、20代25.7%、30代31.5%)、若い世代ほど“早く解決すること”を強く求めていることが分かった。
商品やサービスについて確認したい点やわからないことがあるときの行動を聞いたところ、96.2%がお客さま窓口に問い合わせをする前に、Webサイトや付属の説明書、SNSなど何らかの方法で自己解決を試みていることが分かった。
最多は「スマホやパソコンでインターネット検索(GoogleやSafariなど)」(44.4%)で、次いで「企業やサービスの公式サポートサイト(よくある質問(FAQ)含む)」(18.6%)「付属の説明書」(15.3%)「 SNS(XやInstagram、YouTube等)」(10.5%)であった。7割以上(73.5%)が、インターネット検索や公式サイト、SNSで調べている。
お客さま窓口への問い合わせをする際に最もよく使う手段を聞いたところ、「電話」(27.1%)が最多となったものの、「問い合わせフォーム」(23.9%)、「メール」(20.8%)、「LINEや専用アプリのチャット(13.1%)」「XやInstagramなどのDM(5.2%)」を合わせると、6割以上(63.0%)の方が電話以外のノンボイスを利用していることが分かった。
チャットで問い合わせをしたことがあるか聞いたところ、全体では約7割(69.8%)が「ある」と回答した。前回調査(71.7%)と同水準で推移しており、チャットによる問い合わせは一般化していることがうかがえる。
年代別では、20代が8割超(84.1%)と最も高く、30代(75.0%)、40代(74.3%)、50代(77.5%)も7割を超えていた。また、60代も6割強(63.4%)、70代以上も約5割(49.1%)とシニア層にも浸透している。
チャットで問い合わせをしたことがある534名に、「チャットでの問い合わせは便利だと思いますか?」と聞いたところ、70.0%が「はい」と回答した。一方で前回調査と比較すると7%減少しており、利便性は評価されているものの、回答精度や運用面での改善余地が考えられる。
電話で問い合わせをした際にボイスボットで対応されたことがあるか聞いたところ、全体では6割弱(57.1%)に経験があることが分かった。年代別では、20代が7割以上(75.2%)と最も多く、30代(71.3%) も7割を超えていた。また、60代(50.0%)、70代以上(46.4%)でも約5割が経験しており、電話窓口へのAI導入も進んでいる様子が見られる。
問い合わせをする際に企業に求めることを聞くと、「なるべく人が対応してくれること」(23.3%)が最多であった。次いで「問い合わせを開始してから待ち時間が発生しないこと」(15.8%)、「Webサイトに情報が載っていること」(14.8%)となり、この上位3つで回答の5割以上を占めている。
年代別に見ると、世代ごとの違いが表れた。10代では「問い合わせ開始後に待ち時間が発生しないこと」(19.0%)が最多となり、30代では「時間帯を問わず問い合わせできること」(18.5%)が最多となっている。20代では「なるべく人が対応してくれること」「電話など音声で問い合わせできること」「時間帯を問わず問い合わせできること」が同率(15.0%)で並び、若い世代では待ち時間の少なさや時間の柔軟性を重視する傾向が見られた。
40代以上では「なるべく人が対応してくれること」が最多となり、特に60代(33.9%)、70代(34.8%)では約3人に1人が人による対応を望んでいる。70代では「電話など音声で問い合わせできること」(24.1%)も高く、音声によるコミュニケーションへのニーズが他世代より顕著であった。
また、10~40代ではチャットやボイスボットの利用希望も一定程度見られた一方、50代以上では相対的に低く、世代によって希望する問い合わせ手段に違いがあることが示された。
約7割(66.8%)が、お客さま窓口の対応によって、その企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあることが分かった。影響したことがあると回答した人のうち、「対応に不満があり、その企業の商品やサービスの購入・利用をやめた」が最多で約5割(45.6%)であった。「対応に満足し、その企業の商品やサービスの購入・利用を継続している」と回答した人は約4割強(42.3%)であった。お客さま窓口の対応によって企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあると回答した人は、前回調査(59.0%)から7.8%増加しており、窓口対応が購買行動に直結する重要な顧客接点であることが示された。
日常の家族や友人とのやりとりで最もよく使うコミュニケーション手段を聞いたところ、「チャット」が44.2%で最多となり、2024年の34.8%から9.4%増加した。「アプリ通話(LINEやzoomなど)」(21.2%)と合わせると6割以上を占め、デジタルツールが生活のインフラとして定着している様子がうかがえる。
一方で、「電話による通話」(13.1%)も一定数存在し、「アプリ通話」(21.2%)と合わせると34.3%が音声によるコミュニケーションを最もよく使う手段として挙げており、音声ニーズも引き続き根強いことが分かった。
本調査では、窓口対応が購買行動に直結する重要な接点であることが改めて示された。66.8%が窓口対応によって購入・利用に影響した経験があると回答しており、その影響は小さくない。
不満の最多は「つながらない・待たされる」で、4割が「5分未満」の回答を希望するなど、顧客の許容時間は短縮傾向にある。さらに96.2%が問い合わせ前に自己解決を試みていることから、窓口到達時にはすでに解決を急ぐ心理状態にある可能性も考えられる。
一方で、チャットやボイスボットの利用が広がる中でも、「人による対応」を求める声は根強く存在している。こうした状況を踏まえると、問い合わせ内容を理解し自律的に処理を行う「AIエージェント」の活用と、人ならではの判断や共感を組み合わせる“AIと人のハイブリッド設計”が、顧客満足と従業員保護の両立に向けた重要な方向性と言えるだろう。
〔2026/3/23〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI マルチAIエージェント for Voice」を北海道ガスがコールセンターのガス開閉栓受付業務に採用
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、北海道ガスが、コールセンターにおけるガス開閉栓受付の対応力強化と、デジタル技術を活用した業務プロセスの最適化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI マルチAIエージェント for Voice」を2026年2月に導入したことを発表した。これにより、ボットによる手続き完了率の向上を図り、利用者がストレスなく利用できる受付体制を実現する。
北海道ガスでは、引越シーズンである2月から4月にかけてガスの開閉栓に関する入電が急増する。繁忙期と閑散期の業務量に大きな差があることから、繁忙期の人材確保や安定したサービス品質の維持が課題となっていた。同社はこれまでもボイスボットの活用を進めてきたが、音声のみの対応では住所の聴取において誤認識が発生しやすく、受付完了後にオペレーターが確認のための架電やデータ修正を行う「後処理(平均5分/件)」が多数発生していた。
また、架電から手続き完了までに時間を要していたことで、利用者の負担が大きく途中離脱が発生しやすい状況にあったほか、発話とプッシュボタンの操作が混在し使いづらいという課題もあった。
こうした状況を受け、オペレーターの業務負担削減、および顧客体験の向上のため、ボイスボットの刷新を決定しました。
CAT.AI マルチAIエージェント for Voiceの以下の点が評価され、今回の導入に至った。
・PBXとのSIP接続で電話番号情報を連携: 同社の導入するPBXとSIP接続を行うことで、内線通話が可能になり、通話料のコスト削減に繋がる。また、PBXからCAT.AI、さらにオペレーターへの転送時に電話番号情報が引き継がれるため、再度ユーザーに電話番号を聞き取る必要がなく、スムーズな応対を実現する。
・マルチモード対応による確実な情報取得: ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)が同時に使える「マルチモードAI」で、住所や氏名の漢字入力情報をチャットで視覚的に補完する。これにより、正確に取得・照合できるとともに、利用途中での離脱を防ぎ、手続きのボット完了率を高める。
これらの機能により、従来は有人対応が必要とされていた工程をボットで自動化し、オペレーターの対応時間を削減するとともに、コールセンターの運用コスト最適化を実現する。また、安定した受付対応を可能にすることで、利用者がスムーズに手続きできる環境を構築する。
今後は、今回のガス開閉栓受付でのCAT.AI マルチAIエージェント for Voice導入の実績をもとに、さらなる業務効率化とサービス品質の向上を目指して、電気契約の受付など対象業務の拡大を検討する予定。