週刊CCMニュース
〔2026/7/8〕TISI、伊予銀行のCRMデータを活用し、生成AIによる営業高度化に向けた実証実験を開始
TISインテックグループのTISIは、伊予銀行と共同で、CRMデータを活用した生成AIによる営業支援の実証実験(以下:PoC)を2026年10月より開始することを発表した。
本取り組みにより、伊予銀行がこれまで蓄積してきた顧客情報・営業情報と生成AIを活用し、顧客提案の品質および業務生産性の向上を目指すとともに、業務特化型AIの実用化に向けた有効性を検証する。
近年、さまざまな業界で生成AIの活用が進んでいる。金融機関においても業務効率化や顧客サービス向上への活用が期待される一方、セキュリティやコンプライアンスへの対応や利用者のリテラシーを意識した利活用浸透などの観点から、実業務への適用には慎重な計画が必要とされている。
伊予銀行では営業プロセス全体の高度化に向けて、行内でAI基盤の構築や営業の標準化に取り組んでいる。通常の営業活動では、営業行員が取引情報や交渉記録をCRMシステムで確認し、要点を理解した上で、提案に必要な資料やヒアリングすべき情報を自ら収集している。しかし、情報整理や提案準備には一定の時間を要するほか、過去の応対履歴の活用が担当者の経験やスキルに依存しやすいといった課題があった。そのため、営業行員が顧客状況を迅速に把握し、より適切な提案を行う仕組みづくりが求められていた。
TISIは、伊予銀行へ金融機関向けソリューション「fcube(エフキューブ)」CRMシステムを提供しており、顧客情報の確認や共有、交渉記録の登録などに利用している。これまで伊予銀行のCRMシステムに蓄積された情報を生成AIで活用できることや、用途に応じて最適化された業務特化型AIが営業実務に適用しやすい点が評価され、本PoCを開始することになった。
本PoCはTISIが伊予銀行向けPoC専用環境の構築と、検証用プロトタイプアプリケーション(以下:検証用アプリ)の開発を行い、伊予銀行は営業活動における検証用アプリの有効性や課題を検証する。生成AIの利用環境には、TISIが提供する「fcube」のサービス環境に準じたセキュリティ対策を施す。閉域ネットワークを介して営業行員が利用する検証端末と接続することで、安全性を確保し、金融機関のセキュリティポリシーに則った環境を構築する。また、検証用アプリで活用するナレッジデータは、CRMシステムなどに蓄積された顧客情報や営業情報を利用する。
・実施期間:2026年10月~2026年11月(予定)
・実施内容:伊予銀行の本部・支店の営業行員は検証用アプリを利用し、顧客提案に必要な案件・交渉内容の要点やネクストアクションの検討材料を収集する。生成AIの出力結果が営業行員の顧客理解を深め、適切な営業アプローチの支援につながるか、その有効性を検証する。
本PoCで得られた知見を基に、伊予銀行の営業現場における実用性を評価し、将来的に現行CRMへの実装や営業支援機能の高度化を検討する。また、本取り組みの成果をfcubeの機能強化や金融機関向けソリューションの高度化に活用していく予定。
〔2026/7/8〕トゥモロー・ネット、さくらインターネットとソリューションパートナー契約を締結
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、さくらインターネットとソリューションパートナー契約を締結した。これにより、トゥモロー・ネットは、初期費用を抑えながら柔軟にAI活用を開始できる環境を提供する。
現在、多くの企業で生成AI導入に向けたPoCや性能検証が進んでいる。一方で、AI活用に必要なGPUサーバーは高額な初期投資が必要となることから、小規模に検証を開始したいというニーズが高まっている。トゥモロー・ネットは、これまで企業向けにオンプレミス環境を中心としたGPUサーバーやAIインフラの設計・構築を支援してきた。しかし、AI活用の初期段階では、実際のワークロードや利用規模を把握するために、柔軟かつ迅速に利用できるクラウド環境を求める企業も増加している。今回こうした背景を受け、さくらインターネットと「さくらのパートナーネットワーク」におけるソリューションパートナー契約を締結した。
本取り組みは、さくらインターネットのパートナーネットワークにおける共創モデルの一環として、パートナー企業との連携によりAI導入支援の価値を高めることを目的としている。さくらインターネットの「さくらのクラウド」およびGPUクラウドサービスの特長である、初期投資を抑えた柔軟な利用形態や国内基盤による高い信頼性を活かし、トゥモロー・ネットのAIインフラ構築ノウハウと組み合わせることで、実運用を見据えたAI基盤の提供を実現する。
トゥモロー・ネットは、これまでオンプレミス環境を中心に培ってきた知見を活かし、企業の要件に応じた最適なAI基盤の設計・構築を支援していく。
〔2026/7/8〕Helpfeel、AIを活用した完全自律駆動のコールセンター「オートパイロットコールセンター」の実現に向けた新たな取り組みを開始
ナレッジの力でAIの社会実装を加速するHelpfeel(本社:京都府京都市、洛西一周社長)は、AIを活用した完全自律駆動のコールセンター「オートパイロットコールセンター」の実現に向けた新たな取り組みを開始したことを発表した。
これに伴い、Helpfeelはカスタマーサポート領域を含む企業のAI-Ready化を支援するコンサルティング事業を新たに開始した。本事業では、企業がAIを効果的かつ安全に取り入れられるよう、ナレッジ構築を軸に組織体制や業務プロセスの設計、システム連携までを総合的に支援する。
すでにオートパイロットコールセンターの先行事例として、東北電力のAIオペレーターの構築プロジェクトにおいてコンサルティングを開始している。AIによるカスタマーセンターの自律駆動を見据え、複雑な業務フローのデータ構造化を支援している。
近年、海外では自動運転タクシーの実用化が進むなど、AIが判断から実行まで担う「オートパイロット化」が現実のものとなっている。この流れはホワイトカラー業務全般にも広がりつつある。
オートパイロットコールセンターは、この概念をコールセンター業務に適用した次世代型の業務モデル。AIが顧客の用件特定から回答、手続きの完了までをワークフローに沿って自律的に遂行する、新しい顧客対応の形を実現する。
コールセンター業務を一気にAIに置き換えるのではなく、AIの習熟度に応じた6段階(Level 0~5)のロードマップに沿って、段階的にAIの自動化率を引き上げていく。
まず、AIが自律的に判断・応答するための基盤となるナレッジデータを整備する。そのうえで、顧客の自己解決支援、オペレーター業務の効率化、AIオペレーターによる一部対応、定型業務の自動化へと、AIの活用範囲を順次拡張していく。最終的には、コールセンターをAIが完全自律駆動する状態を確立し、人はAIをマネジメントしながら顧客体験の改善や高度な判断に集中できる体制の構築を目指す。
東北電力では、2025年3月に自己解決AI「Helpfeel」を導入した。導入から1カか月で月間16万PVに達するなど、顧客の自己解決が定着した結果、入電量は約20%減少し、カスタマーセンターの応答率も大幅に改善した。
こうした成果を受け、東北電力では単なる問い合わせ削減にとどまらず、AIを前提として次世代のカスタマーサポート体制の構築を推進している。従来業務をそのままAIに置き換えるのではなく、AIと人の強みを活かしながら業務プロセスそのものを再設計する取り組みを進めている。
現在は、前述のロードマップにおけるLevel 1「人とAIが利用するナレッジ基盤の構築」を達成し、現在はLevel 2「人を支援するAIの活用」のフェーズへと進んでいる。Helpfeelはこうした業務変革とAI活用基盤の構築を支援しており、本取り組みはオートパイロットコールセンターの実現に向けた先行事例となる。
〔2026/7/7〕ロジカル・アーツ、生成AIを活用したAIコンタクトセンター「HARMONY Ver1.10」をリリース
ロジカル・アーツ(本社:大阪府大阪市、城垣光宏社長)は、2026年7月1日に、AIコンタクトセンター「HARMONY Ver1.10」をリリースした。
HARMONYは、Amazon Connectをベースに、顧客管理や通話履歴管理、プレディクティブコール、シートマップ、パフォーマンス分析などのコンタクトセンター運営機能と、文字起こし、通話要約、会話議事録生成などの生成AI機能を統合したAIコンタクトセンターシステム。
今回のVer1.10では、SVによるオペレーター支援機能の強化、顧客感情の可視化、通話分析・コールセンター分析機能の追加、RPA連携による入力業務の自動化など、多数のアップデートを実施した。これにより、コールセンターにおける応対品質向上と業務効率化をさらに支援する。
近年、コールセンター業界では慢性的な人手不足や離職率の高さに加え、カスタマーハラスメントへの対応、応対品質の均一化、後処理業務の増加など、さまざまな課題を抱えている。ロジカル・アーツでは、生成AIを活用することでオペレーターとスーパーバイザー双方の負担軽減を実現し、より持続可能なコンタクトセンター運営を支援するため、本アップデートを開発した。
〔2026/7/6〕トラムシステムの電話回線サービス「TramLine」、クラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と連携開始
トラムシステム(本社:愛知県名古屋市、梶田幸宏社長)は、コムデザイン(本社:東京都千代田区、藤森量之社長)が提供するクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と、同社電話回線サービス「TramLine」との連携を開始したことを発表した。
本連携により、TramLineはクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と組み合わせて利用できるようになった。トラムシステムはコンタクトセンター市場における提供領域を拡大し、より幅広い顧客ニーズに対応していく。
近年、コンタクトセンター市場ではクラウドサービスの活用が拡大しており、企業には自社の業務に適したコミュニケーション基盤を柔軟に構築できることが求められている。
トラムシステムはこれまで、電話回線サービス「TramLine」をはじめ、クラウドPBXやクラウドコンタクトセンターなどの音声コミュニケーションソリューションを提供してきた。
今回の連携は、同社にとってコンタクトセンター向けソリューション強化をさらに加速させるもの。低コスト・専用設備不要でありながら高い機能性と柔軟性を備えたクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と連携することで、提供できるソリューションの選択肢をさらに拡充し、新たな市場への展開に向けた取り組みを推進していく。
〔2026/7/6〕フライル、カウネットがお客様価値向上のためFlyleを活用し、月間1万件・全通話の応対品質評価・育成をAIで実現
コンタクトセンター・CXのAI変革パートナー「Flyle」を提供するフライル(本社:東京都港区、財部優一社長)は、カウネット(本社:東京都港区、宮澤典友社長)における、Flyleの活用事例とその成果を発表した。
カウネットでは従来、電話・メールフォーム・お問い合わせアンケートなどの年間32万件超のVOCを手作業で分類・分析していた。分類の属人化や優先度の高いVOCへの集中により、細かなお客様の声が改善に活かされにくい状況にあった。加えて、コンタクトセンターの応対品質モニタリングはオペレーター1人あたり月1~2通話のサンプリングにとどまり、評価のバラつきや育成にも課題があった。
そこでFlyleを導入し、年間32万件のVOCの生成AIによる自動分類・可視化と、月間約1万件の全通話AI解析・スコアリングを実現。問い合わせ急増時には即日分析・翌日FAQ改善を実施し、電話問い合わせを4分の1に削減するなどの成果を上げている。
「テクノロジーとクリエイティビティで、すべての働く人に価値ある体験を生み出す。」をミッションに掲げ、コクヨグループのEコマース事業の中核を担うカウネット。CX改善においては、顧客の信頼を失う課題を「プロミスブレイク」と定義し、日々改善に取り組んでいる。また、欠品率・遅延率・応答率などの「CX経営指標」を策定し、売上・利益と同等の重要指標として管理している。
2024年12月にコンタクトセンターへ音声テキスト化ツールを導入し、声を漏らさず収集する基盤は整えていたものの、年間32万件超のVOC全量を手作業で分析することは現実的に困難で、優先度の高いVOCを中心とした改善施策に留まっていた。また、複数のオペレーターで電話の問い合わせを手分けして確認することによる分類の属人化や、応対品質評価のサンプリングの限界から、生成AIによる自動分類・可視化が可能なFlyleの導入に至った。
Flyleの活用により、カウネットでは以下の3つのCX改革を実現した。
・埋もれていたプロミスブレイクを可視化し、全社横断共有を実現
年間32万件超のVOCをAIで網羅的・客観的に自動分類・可視化する基盤を構築した。「WEBサイトの商品ページ上でクリアホルダーの角の丸さの判別ができない」といったこれまで埋もれていた細かい声まで拾えるようになった。他部門への改善優先度の伝達も、Flyleのダッシュボードによる視覚的なレポートにより納得感が高まり、改善施策の連携がスムーズになった。以前は特定事象の調査に1週間がかりとなるケースが、「昨日起こったことが今日可視化できる」スピード感へと変わり、当日中の経営陣報告も可能になっている。
・問い合わせ急増時の即日分析・翌日FAQ改善で電話問い合わせを4分の1に削減
新規顧客急増で1日に電話200件・メールフォーム100件の問い合わせが集中した際、Flyleで即座にデータを分析し「どの画面のどこでエラーが発生しているか」をピンポイントで特定した。翌日にFAQとWeb導線を改善した結果、200件以上あった電話が翌日には50件ほどに減少した。改善効果と顧客行動の変化もダッシュボードで定量的に可視化し、次のアクションへ継続的につなげる体制が整っている。
・月間1万件の全通話AI解析で全件応対品質評価・育成体制を構築
従来の通話録音数%サンプリングから、月間約1万件の全通話をAIで自動解析・スコアリングする「全件品質管理」体制へ進化している。言葉遣い・課題解決スピード・お客様の感情変化を多角的に解析し、「共感表明」「丁寧さ」「傾聴姿勢」といった定性的スキルも客観的にスコアリングしている。新人の模擬応対へのAI即時フィードバックにも活用し、全体の応対品質向上と個別育成の精度向上を同時に実現している。
〔2026/7/2〕RevComm、新サービス「MiiTel Synapse Agent(ミーテル シナプス エージェント)(β版)」を発表
RevComm(本社:東京都千代田区、会田武史社長)は、定型的な問い合わせをAIが自然な対話で解決し、AIがシームレスに人との取次も行う新サービス「MiiTel Synapse Agent(ミーテル シナプス エージェント)(β版)」をリリースした。
同サービスにより、定型的な受電対応をAIが担うことで、オペレーターは複雑な相談や高度な判断を要する「人にしかできない応対」に集中できる。これにより、慢性的な人材不足への対応、教育・研修工数の削減、応対品質および顧客満足度の向上を支援する。
RevCommは2018年10月に電話解析AI「MiiTel Phone」提供開始以降、コールセンター解析AI「MiiTel Call Center」、Web会議解析AI「MiiTel Meetings」、対面会話解析AI「MiiTel RecPod」を開発・提供し、企業の生産性向上に貢献してきた。さらに近年の生成AIの急速な発展に呼応し、2026年には生成AIソリューション「MiiTel Synapse」の提供を開始することで、コミュニケーションが発生するすべての場所における会話をビッグデータ化し、業務改善や経営判断に活用するプラットフォームとしてサービスを拡張してきた。
MiiTel Synapse Agent(β版)は、受電業務において定型的な問い合わせに自然で柔軟に応対するAIエージェント。営業時間、手続き方法、注文状況、予約状況、配送状況、在庫確認、予約受付、よくある質問など、一定のルールやナレッジに基づいて回答できる問い合わせをAIが担うことで、担当者の負荷を軽減する。一方で、複雑な相談、個別判断が必要な案件、契約内容の変更やアップグレード提案など、顧客感情へのきめ細かな対応が求められる場面では、人へスムーズに連携することが可能。
MiiTelは電話基盤を備えているため、AIエージェントが応対した内容を踏まえ、必要に応じて担当者やオペレーターへシームレスに取次を行うことができる。AIだけで完結させるのではなく、AIが対応すべき問い合わせと、人が対応すべき問い合わせを適切に切り分けることで、顧客体験を損なうことなく、業務効率化と応対品質の向上を両立する。
さらに、音声解析AI「MiiTel」のプラットフォームとあわせて利用することで、AIエージェントが応対した会話と、人が対応した会話を同一のプラットフォーム上で管理できる。これにより、問い合わせ内容の傾向分析、FAQやシナリオの改善、応対品質の標準化、担当者教育まで一気通貫で行うことができる。
特に今後のAI活用において重要になるのは、各企業が自社の顧客接点で生まれる会話データを、いかに早く、継続的に蓄積・活用できるかだ。MiiTel上に自社固有の会話データを蓄積することで、業界、商材、地域、業務フロー、顧客接点の特性に応じて、AIエージェントの話し方や回答内容を個社ごとにチューニングしていくことが可能になる。
つまり、MiiTel Synapse Agent(β版)は、単なる自動応答ツールではない。AIによる応対、人への取次、応対内容の解析、FAQやシナリオの改善、AIエージェントのチューニングまでを1つの循環として回すことで、企業ごとの顧客対応力を継続的に高めていく音声AIプラットフォーム。
自社の会話データを蓄積し始めることは、将来的なAI活用力そのものを高めることにつながる。顧客接点の会話をデータ化し、改善に活かす企業と、そうでない企業との間には、今後ますます大きな差が生まれていくと考えている。
MiiTel Synapse Agent(β版)で利用可能な音声AIエージェントには、主に以下の2つの方式がある。
1.シナリオ型
分岐やFAQをあらかじめ設計し、想定された問い合わせに対して安定した応対を行う方式。回答内容を厳密に管理したい業務や、手続き案内、注文状況確認、本人確認後の定型対応などに適している。
2.対話型
ドキュメント、FAQ、サポートページなどを参照しながら、問い合わせ内容に応じて柔軟に回答を生成する方式。問い合わせ内容が多岐にわたる業務や、自然な対話体験を重視する場面に適している。
単一の方式に限定するのではなく、業務内容や問い合わせの特性に応じて使い分けることで、より実運用に即したAI応対を実現する。