調査・レポート・その他

〔2023/8/24〕トライベック、「顧客サポート調査2023」の調査結果からデジタルサポート評価指数ランキングを発表

 トライベック(本社:東京都港区、後藤洋社長)の調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、「顧客サポート調査2023」の調査結果からデジタルサポート評価指数ランキングを発表した。
 顧客サポート調査では、22分野150企業・サービスのデジタルサポート(公式サイト、公式アプリ、LINE公式アカウント)およびコールセンターについて、利用経験者による評価を行っている(調査手法はインターネット上のアンケート調査)。デジタルサポート評価指数は各社のデジタルサポートについて「有用度」「問題解決率」を尋ね、各スコアを偏差値化し、平均することで算出したもの。詳細はhttps://brand.tribeck.jp/research_service/websitevalue/ss/ss2023/。
 1位は資生堂で、便利で役立つ情報の提供と、顧客データ一元化によるシームレスな顧客サポート体験の実現。「製品・サービスの使い方を調べる」目的でのデジタルサポート利用者が6割を超える資生堂。こうしたニーズに対し、資生堂「ワタシプラス」の「美容の情報」ページでは、スキンケアやメイクアップに関する最新トレンド情報やハウツー記事を豊富に掲載し、ユーザーの期待に応えている。また、簡単な質問と顔の写真から肌状態を分析しケア方法を提案してくれる「肌パシャ」や、顔タイプやパーソナルカラーを診断し似合ったメイクアップ方法を教えてくれる「Makeup Finder」など、ユーザーの「キレイ」を支える便利で役立つコンテンツも提供している。
 また、資生堂は2022年9月に新会員サービス「Beauty Key」をスタート。これまで個別の販売チャネルやブランドごとに分かれていた顧客情報をOne IDで一元管理できる環境を整えた。ユーザーのお気に入り情報や肌測定結果、購入履歴などがシームレスに連携されたことで、自分に合った情報が取得しやすくなった点も高評価を得た要因のひとつであると考えられる。
 今回のランキングでは住信SBIネット銀行(NEOBANK)が11位、イオン銀行が14位にランクインするなど、銀行およびモバイル決済サービス分野が大幅に評価を伸ばした。両分野の高評価の要因として考えられるのは、公式アプリの情報の充実度、質の高さだ。
 その他の分野では公式アプリの問題解決率は公式サイトよりも低い傾向が見られたが、銀行やモバイル決済サービス分野では公式アプリも公式サイトと同水準の問題解決率となっている。
 企業によってアプリを通じた情報提供にはばらつきが見られる中、サイト、アプリいずれも顧客との重要なタッチポイントとして捉え、ユーザーの状況やニーズに応じて好ましいチャネルから必要な情報を容易に取得できようにしている点が高く評価されたのではないだろうか。
 なお、今回調査ではチャット機能について利用経験者に意見を尋ねしている。オペレーターが対応する有人チャットについては「電話、フォーム、メールよりも便利」と感じている人が6割を超えた。また、自動応答のチャットボットについても「いつでも利用でき、便利」と感じる人が6割を超え好意的に捉えられている。ただし、チャットボットについては「解決しないときは、他の解決手段(有人チャット、電話番号など)を提示してほしい」という人が7割と高く、異なるチャネルを適切に連携させて問題解決に導くことが重要といえそうだ。

〔2023/8/8〕デロイト トーマツ グループ、「2023 グローバルコンタクトセンターサーベイ」を公開

 デロイト トーマツ グループは、世界各国のコンタクトセンターを対象に、現在の課題への対応指針と、今後数年間のビジネス動向をまとめた「2023 グローバルコンタクトセンターサーベイ」を公開した。調査結果をまとめたレポートは、以下のリンク先を参照。URL https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/operations/articles/crm/global-contact-center-survey.html
 この調査はデロイトが2013年以降隔年で行っており、2019年度より日本企業も対象として調査している。今回は2022年11月から2023年2月にかけて、世界の多様な業界のコンタクトセンター幹部を対象に、急速なAI・予測分析テクノロジーの進歩などコンタクトセンターが直面する様々な変化に対して、将来の方向性に関する考察を得ることを目的としている。
 日本企業の63%は、「顧客体験(CX)向上」をコンタクトセンターにおける重要戦略に据える一方で、投資の重要領域の上位は「セルフサービスの拡大」(38%)や「インフラ刷新」(31%)、「チャネル拡大」(14%)が占めており、傾向として自己解決率向上に寄与する施策が目立つ。翻って、米国を中心とした海外企業では、日本企業の上位2項目で同様の投資傾向は見られるものの、全くの別軸で「オペレータ支援機能の導入」(11%)への投資を拡げており、人材の観点からCXを向上させるというアプローチに取り組んでいる点が特筆される。これはCX高度化を実現するには、顧客ニーズに精通し、ブランドボイスや企業価値との整合性を保ちながら、ニーズに対応できるスキルを持った、経験豊かで満足度の高いオペレータが必要と捉えているから、と考えられる。
 日本企業・海外企業を問わないグローバルの傾向として、企業はマルチチャネル化、とりわけ電話からデジタルチャネルへのシフトを進めており、特に、コロナ禍を経てセルフサービスの導入が拡大した点が特徴的である。前回調査(2021年)時点と比較し、問合せ全体に占める電話チャネルの割合は 日本58%(前回よりマイナス20ポイント)、海外57%(前回よりマイナス5ポイント)と、いずれも60%弱の水準まで低下した。2年後に向けて引き続きデジタルチャネルシフトが意欲的に進められる計画ではあるが、海外では電話チャネル縮小が減速しており、新たな手立てを講じなければ日本でも電話比率が下げ止まるリスクがある。
 国内コンタクトセンターにおけるAI導入済企業の割合は海外44%、日本49%とともに2年前と比較して大きく伸びている。しかし、AIの主要用途であるチャットボット・ボイスボットについて、約半数のコンタクトセンターが十分な効果を発揮できていないと回答。生産性向上に加え、顧客との関係構築や新たな顧客体験提供など、AI活用への期待は高まっているものの、使い方の巧拙が課題になっている。

〔2023/8/4〕ナイスジャパン、企業側、消費者側双方にCX調査を実施

 NICEの日本法人、ナイスジャパン(本社:東京都港区、リビエ・ジオレット社長)は、同社が実施したコンタクトセンターCX調査の結果を発表した。昨年、一昨年の調査に引き続き3度目となる本調査では、ポストコロナの人々の問い合わせ行動、購買行動の変化、AIに関する顧客接点についても問った。その結果、消費者の認識と企業側のギャップが浮き彫りになった。
 コロナによる規制緩和以降で問い合わせの数に関して変化は見られなかった。問合せチャネルの変化については、Webの問い合わせフォーム、チャット、店頭での問い合わせが、増加。IVR、チャットなど電話応対以外を増やしている企業が増えている一方、チャットサポートを辞めた企業も増えている点は、トレンドとして注目。
 消費者の8割が自己解決したいと回答。問い合わせの前に自分で調べる人が94.4%いる中で、すでにChatGPTを使っている人が出始めている。疑問点が解決しなかった場合に「あきらめる/商品・サービスを利用しなくなる」人は約半数で、加えて「他社製品への乗り換え」がおよそ3割と、解決できなかった人の8割前後が離反する可能性がある。
 9割の消費者が「WebサイトのQ&A閲覧」や「Webサイトの問い合わせフォーム」の利用を希望する中、それらを提供している企業は6割にとどまった。
 また、AIチャットボットについて、利用したい・したくないともに増加傾向。AIチャットボットへの期待値と実態との乖離が大きいと考えられる。それを反映してか、Chat GPTに関しては全体で6割の企業が「利用したい」意向で、大企業でその傾向はより顕著で、76%であった。

〔2023/8/2〕J.D. パワー、初のバックオフィスクラウドに関する顧客満足度調査を実施

 J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、山本浩二社長、略称:J.D. パワー)は、バックオフィスクラウドの顧客満足度に関する4調査(J.D. パワー 2023年電子契約クラウド顧客満足度調査/J.D. パワー 2023年勤怠管理クラウド顧客満足度調査/J.D. パワー 2023年経費精算クラウド顧客満足度調査/J.D. パワー 2023年タレントマネジメントクラウド顧客満足度調査)の結果を発表した。
 新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワークなどの新しい働き方が定着していく中、バックオフィス業務のデジタル化へのニーズや重要性がより増している。このような状況を受け、J.D. パワーでは電子契約システム、勤怠管理システム、経費精算システム、タレントマネジメントシステムの4分野を対象に、バックオフィスクラウドシステムの利用者の満足度測定を目的とした調査を今回初めて実施した。
 バックオフィスクラウドシステム(電子契約、勤怠管理、経費精算、タレントマネジメント)の満足度の測定にあたっては、「操作のしやすさ・わかりやすさ」、「機能の豊富さ/各機能の便利さ」、「画面表示スピード/安定性」、「カスタマーサポート」の4つのファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した。
 バックオフィスクラウドシステムの総合満足度に対する影響度は、「操作のしやすさ・わかりやすさ」が36%と最も大きく、続いて「機能の豊富さ/各機能の便利さ」と「画面表示スピード/安定性」がそれぞれ29%となった。これらのシステム利用は多くのユーザーにとっては日常業務の中での“社内業務”となるものが多く、時間や労力をかけることなく入力や操作が行えるようなユーザーインターフェースの利便性がやはり最も高い要素となっていることが確認された。
 また、「操作のしやすさ・わかりやすさ」は、電子契約、経費精算、タレントマネジメントの各システムにおいてブランド間でのスコア差が他の評価ファクターと比べて最も大きく開いているファクターとなっている。勤怠管理システムにおいても他ファクターと比べてブランド間での差が比較的大きく、多くの事業者にとって改善の余地が大きい領域と言える。
 現在、多くのバックオフィスクラウドシステムにおいてスマートフォン用のモバイルアプリが提供されている。各システムにおけるスマートフォンでの利用率は、高い順に、経費精算が29%、勤怠管理が26%、タレントマネジメントが19%、電子契約が15%となった。経費精算や勤怠管理システムは日常的に使われる頻度が多く、外出先などからスマートフォンで利用するユーザーも多いと考えられる。
 いずれのシステムにおいてもスマートフォンで利用しているユーザーは全体的に満足度が高く、特に「操作のしやすさ・わかりやすさ」の満足度が高い傾向にあった。モバイルアプリは、より視覚的・直感的なデザインでのインターフェースを前提に開発がされていると考えられ、ユーザーから高い評価を得られやすいと推察される。
 しかし、スマートフォンからシステム利用をしているユーザーはいずれのシステムにおいても1~3割といった水準にとどまっている。テレワークを始めとした多様な働き方の普及とともに、スマートフォンでのシステム活用がこの先さらに増加していくことが期待される。
 バックオフィスクラウドシステムにおけるカスタマーサポートの利用チャネルは「サポートページ」(よくある質問、Q&A、ヘルプページなど)がいずれのシステムでも6割前後と最も多い結果となった。
 しかし、サポートページの利用経験があるユーザーのカスタマーサポートに対する満足度は、他のチャネル(コールセンターやチャットサポートなど)を利用したことがあるユーザーと比べて低い傾向にあった。サポートページについては、いずれのシステムにおいても8割前後のユーザーが「画面が見やすかった」や「掲載内容や提供されている情報がわかりやすかった」と回答しているものの、「問い合わせしたい内容と合致する質問文を見つけやすかった」という回答は7割前半にとどまっており、問い合わせ内容に合致するページをすぐに見つけることができなかったケースが多いことがうかがえる。カスタマーセンターの運営効率化に向けてはサポートページのような自己解決型チャネルの利用定着が不可欠となる。サポートページにおいては、問い合わせたい内容に合致するページをより探しやすく、見つけやすくするといった検索性の向上や導線の改善が求められる。 
 【電子契約クラウド顧客満足度調査】(対象6ブランド)
第1位:freeeサイン(747ポイント)
「操作のしやすさ・わかりやすさ」、「機能の豊富さ/各機能の便利さ」、「画面表示スピード/安定
性」、「カスタマーサポート」の全4ファクターで最高評価。
第2位:Acrobat Sign(676ポイント)
第3位:GMOサイン(669ポイント)

【勤怠管理クラウド顧客満足度調査】(対象18ブランド)
第1位:マネーフォワード クラウド勤怠(720ポイント)
「操作のしやすさ・わかりやすさ」、「機能の豊富さ/各機能の便利さ」、「画面表示スピード/安定
性」の3ファクターで最高評価。
第2位:freee人事労務/freee勤怠管理Plus(702ポイント)
第3位:楽楽勤怠(701ポイント)

【経費精算クラウド顧客満足度調査】(対象7ブランド)
第1位:ジョブカン経費精算(700ポイント)
「操作のしやすさ・わかりやすさ」、「機能の豊富さ/各機能の便利さ」、「画面表示スピード/安定
性」、「カスタマーサポート」の全4ファクターで最高評価。
第2位: freee経費精算、経費BANK(同点、686ポイント)

【タレントマネジメントクラウド顧客満足度調査】(対象4ブランド)
第1位:SmartHR(652ポイント)
「操作のしやすさ・わかりやすさ」、「機能の豊富さ/各機能の便利さ」、「画面表示スピード/安定
性」の3ファクターで最高評価。
第2位:HRBrain(611ポイント)
第3位:カオナビ(597ポイント)

〔2023/7/26〕バーチャレクス、「RevOps」に関する調査第3弾の結果を発表

 バーチャレクス・コンサルティングは、「RevOps」に関する実態調査第3弾の結果を公開した。本調査は今までの2023年版第1弾「認知&取り組み状況 編」、第2弾「成果 編」に続く、第3弾「運用 編」となる。
 Revはレベニュー(収益)、「Ops」はオペレーションのことで、RevOps(レブオプス)とは、マーケティングコミュニケーション・営業・カスタマーサクセスの部門単位での非効率な業務運営を解消し、生産性や組織全体での成長を高め、顧客にシームレスで一貫性のある良質な体験(CX)を提供することで、売上増加を加速させる方法論を指す。
 第2弾「成果 編」と同様、9,798人の対象者のうち、次の属性に当てはまる1,000人に対して深掘り調査を行った。
 「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断の取り組みについて、
 [属性1]既に社内に取組んでいる部署、または担当者がいる(n=400)
 [属性2]今は取り組んでいる部署、または担当者はいないが、計画している、もしくは必要性を感じている(n=400)
 [属性3]取り組んでいる部署、または担当者はおらず、今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない(n=200) 顧客の購買行動に関する情報の取り扱い」については、回答割合がもっとも高いかつ、その項目数がいちばん多い属性は「既に社内に取組んでいる部署、または担当者がいる」(=[属性1])であり、ほとんどの項目でほかの属性より高い状況となった。
 第2弾調査結果の中で「部門横断の取り組みを行っている企業は相対的に売上を伸ばしている傾向がある」ということがわかったが、その売上につながるKPIとして、顧客の行動や購買に関するデータを取得し日々の業務の改善などに活用している企業が多いのではないかと見受けられる。
 プロセス別管理指標(KGI/KPIなど)設定については、どのプロセスにおいても[属性1]の「設定している」と回答した割合がほかの属性に比べてもっとも高い状況となった。加えて[属性1]は、どのプロセスでも「設定している」と回答した割合がほかの属性に比べて10ポイント以上高い状況となっている。
 部門横断の取り組みを行っている企業ほど各プロセスにおける管理指標を設定し、分析及び評価をしながらプロセスごとに改善している状況が見受けられ、こちらも第2弾調査結果の中の売上上昇傾向を裏づけるひとつの要因ではないかと推察できる。
 プロセス間データ連携・活用状況については、どのプロセス間においても[属性1]の「連携しており、データに基づいた評価・改善も実施している」と回答した割合がもっとも高い状況となった。加えて[属性1]は、どのプロセスにおいても「連携しており、データに基づいた評価・改善も実施している」と回答した割合がほかの属性に比べて10ポイント以上高い状況となっている。
 部門横断の取り組みを行っている企業ほどプロセス間でのデータを相互に連携し、かつそのデータに基づいた分析及び評価をしながら、プロセス別だけでなくプロセス間の活動を可視化し改善につなげている状況が見受けられた。
 一方で、各部門が自身の業務や成果だけを注視するのではなく、顧客を起点とした一貫性のある業務プロセスと、それがあるべき形で運用されていることをデータで確認していくことが部門横断での取組効果を最大化していく際に非常に重要になるが、システムは連携されていてもデータに基づいた評価・改善までは行えていない企業やまだ連携できていない企業も多くあり、取り組みの余地は大きいのではないかと考えられる。
 システム導入状況については「導入無し」「不明」を除くと、回答割合がもっとも高いかつ、その項目数がいちばん多い属性は[属性1]であり、「MA」「SFA」「CS」「CRM」「CDP」においてもっとも高い状況となっている。
 前述にて、顧客関連情報の取り扱いやプロセス間におけるデータ活用で[属性1]の回答割合がもっとも高いことを考えると、顧客属性や行動などの情報を収集し活用するためには、関連するシステム導入は必要不可欠と考えている企業が多く、また実際にシステムを運用している状況であると見受けられる。
 CRO(Chief Revenue Officer)設置および計画状況については「設置している=はい」と「計画している」の回答割合がいずれも低い結果となった。日本企業におけるCROの設置についてはまだあまり重要視されていない状況であると見受けられる。
 第2弾「成果 編」の結果にもあったように、直近5年間の売上が「上昇推移」であると回答した割合がもっとも高い属性は「既に社内に取組んでいる部署、または担当者がいる」(=[属性1])であった。
 [属性1]はほかの属性に比べて、目標となる管理指標(KGI/KPIなど)を設定している割合が多く、またその設定したKGIやKPI達成状況を把握するためにさまざまな顧客関連情報(サイトへの訪問数や顧客の購買行動に関する情報)を取得している割合も高いことがわかった。

〔2023/7/25〕バーチャレクス、カスタマ―サクセス実態調査、2023年版第四弾結果を発表

 バーチャレクス・コンサルティングは、先だって実施したカスタマーサクセスに関する実態調査について、この度第四弾の結果を取りまとめた。
 第三弾調査結果ハイライトは、以下のとおり。

・対象:全国の20歳から65歳の有職者29,237人の中で、カスタマーサクセスに取り組んでいると答えた500人、およびカスタマーサクセスに取り組んでいないと答えた500人

・「カスタマーサクセスに取り組んでいる人」の6割強は、直近一年間の新規顧客数および新規売上が増加したと回答、「カスタマーサクセスに取り組んでない人」ではいずれも約2割にとどまる

・「カスタマーサクセスに取り組んでいる人」の5割強は、取り組み前後で売上高および利益率が向上したと回答

・「カスタマーサクセスに取り組んでいて効果を感じている人(276人)」の多くが直近一年で新たな取り組みを開始した/強化したうえで、ほとんどの人がその施策効果を感じている
 
・効果を感じている人の80%強がヘルススコア管理ツールを活用、効果を感じられていない人の半数強はテクノロジーツール未使用

 第四弾調査結果概要は、以下のとおり。

 カスタマーサクセスの取り組みが社内で行われていると回答した500人のうち「効果を感じている」と答えた人と、「効果を感じていない/どちらとも言えない」と答えた人のカスタマ―サクセス運用における違いを比較。
 カスタマーサクセスの効果を感じている層、感じていない/どちらとも言えない層それぞれに、カスタマーサクセスの運用について尋ねてみたところ、効果を感じている層の43.5%が「タッチモデルを構築している」と回答した。これは昨年の38.1%から5.4ポイントアップしている。しかし効果を感じていない/どちらとも言えない層では昨年よりは増加したもの、1割にも満たない7.1%にとどまる結果となった。
 次に「サクセスロードマップに応じた運用プロセス・ルールは定めていますか?」と尋ねたところ、昨年とほぼ同様に効果を感じている層の約半数、47.8%がフェーズを分けた運用をしているとのことであった。加えて33.3%の人はフェーズ分けの試験運用を始めているとのこと。対して効果を感じていない/どちらとも言えない層では、フェーズ分け運用をしている人が昨年より0.8ポイントアップの7%で、こちらも一割に満たない結果となった。
 さらにそのフェーズ分け運用を行っている人に対し、どのようなクライテリアでサクセスロードマップをフェーズ分けしているかを聞いたところ、いずれの層も一番多かったのは「ヘルススコア(複合)とその閾値を定めている」で、効果を感じている層においては224人中47.3%、効果を感じていない/どちらとも言えない層においては47人中の51.1%であった。「ヘルススコア(単体)とその閾値を定めている」のは、効果を感じている層で42.4%、効果を感じていない/どちらとも言えない層では21.3%という結果になった。
 次に、成果指標として定めているKPIについて尋ねてみると、効果を感じている人の54.7%が「継続率/数/額」を挙げており、これは昨年よりも2.5ポイントの上昇、次いで「解約率/数/額」は昨年より1.4ポイント減少の39.1%、「アップセル率/数/額」は34.8%と昨年より2.4ポイント上昇、という結果となった。昨年と比べ多少の増減はあるものの、効果を感じている人たちは特にこれらの指標を重視していることがわかる。これに対して効果を感じていない/どちらとも言えない人では、昨年同様半数以上の人が成果指標として定めているKPIは特にないという結果になった。一番回答が多い指標だった「解約率/数/額」を見ても、設定しているのは4分の1だけのようだ。
 次にカスタマーサクセス取り組み前後で各指標がどのように変化をしたかを聞いてみたところ、カスタマーサクセスの効果を感じている層と、感じていない/どちらとも言えない層では引き続き大きな差が浮き彫りとなった。効果を感じている層で「売上高が向上したと感じる」と回答した人は77.2%と一番多く、同じく一番多かった昨年よりも2.6ポイント増となっている。そのほかの指標についても半数以上~7割の人が向上したと感じており、カスタマーサクセスの効果ははっきりと出ている様子が伺える。対して感じていない/どちらとも言えない層においてはいずれの指標においても向上したと感じている人は3割に満たず、また各指標を「把握していない」と答えた人が、効果を感じている人と比べても随分多いことがわかる。
 前述の「タッチモデル構築」と「フェーズ分け運用」は、カスタマーサクセスの取り組みにあたって「サイエンス」の部分を担う重要な要素となる。タッチモデルを採用している層におけるカスタマーサクセスツール利用割合は高く、また「カスタマーサクセスの効果を感じている」人が大半を占めている。反対に、タッチモデルを採用していない層におけるカスタマーサクセスツール利用状況を見ると、約半数がツールを利用していないことに加え、タッチモデルを採用している層と比べても、効果を感じている人の割合が少ないことがわかる。
 次は「サクセスロードマップに応じたフェーズ分け運用(導入/活用・定着/更新/関係深化等)」を行っている層、行っていない層別で、カスタマーサクセスツールの利用状況と効果体感については、それぞれのツール導入率に対して、フェーズ分け運用を行っている方の層が「カスタマーサクセスの効果を感じている」割合が非常に高いことがわかる。また、フェーズ分け運用を行っていない層の7割強は、カスタマーツールを利用していない。これらのことから、ツールの活用においても、ただ導入するだけではなく、その活用に伴うルール作り、つまり「サイエンス」が非常に重要であることがわかる。
 同様にタッチモデル採用有無、フェーズ分け運用有無で、業況に関する指標に差があるかを見ると、直近一年の売上高、利益率、新規契約数、継続率、アップセル率すべての指標において、タッチモデルを採用している層がの多くが「向上した/増加した」と回答している。反対にタッチモデルを採用していない層では、各指標に「変化なし」と答えている割合も高く、その人たちがカスタマーサクセスに取り組んでいるものの、指標に変化が見られないがゆえ「効果があるともないともどちらとも言えない」と感じていることが推察される。
 「サクセスロードマップに応じたフェーズ分け運用」を行っている層においても、各指標において直近一年で「向上した/増加した」と回答している人が圧倒的に多く、また効果を体感している人が多いことがわかる。フェーズ分け運用を行っていない層においては、こちらも「変化なし」の割合が高くなっているとともに、効果についても「どちらとも言えない」と感じている人が多い結果となっている。
 カスタマーサクセスの取り組みを行っているすべての人に対して、効果に繋がったと思われる取り組みについて聞いたところ、一番多かったのは「正しい顧客への販売」で34.2%、次いで「顧客の離脱防止策の実施」、「カスタマーヘルスの把握・管理」がいずれも26.4%であった。
 さらに「カスタマーサクセスの効果を感じている」層に対して、成果が出た要因は何かと聞いたところ、半数以上が「カスタマーサクセスの概念がメンバーや社内に浸透したこと」を挙げる結果となった。次いで「ソフトウェアを導入し、有効活用できたこと」、「会社がカスタマーサクセスへの予算を確保/拡大したこと」、「カスタマーサクセスの取り組みを継続したこと」が続いており、全社レベルの取り組みと、継続的な金銭的・時間的投資、また「テクノロジーの活用」が、効果創出につながったと感じている人が多いことがわかった。今回のこれらの結果は、いわゆるカスタマーサポートの施策を行うことだけが成果につながったというわけではなく、カスタマーサクセスの原則を社員が共通認識として理解したうえで仕組み化・指標化をはかったこと、まさに「アート」と「サイエンス」の掛け算がうまく機能したからこそというのがよくわかるということが言える。
 2016年に米国で発表された「カスタマーサクセスの10原則(https://customer-uccess.virtualex.co.jp/principle.html)」は、現在アップデートされ「新・カスタマーサクセスの10原則(https://customer-success.virtualex.co.jp/principle.html#newprinciple)」とされているが、日本国内ではカスタマーサクセスに取り組んではいるものの、「基本のき」ができていない企業がまだまだ多い中、その基本原則を押さえていくことで少しずつ結果が出てきている、という状況が実態なのかもしれない。

〔2023/7/20〕企業情報化協会、2023年度 カスタマーサポート表彰制度 受賞企業決定

 公益社団法人企業情報化協会は、2023年度カスタマーサポート表彰制度(Best Customer Support of the Year2023)において、12社の受賞を発表した。
 本表彰制度は、カスタマーサポート表彰制度審査委員会(委員長:小野譲司 青山学院大学 経営学部マーケティング学科 教授)による厳正な審議のもと、わが国における顧客戦略の充実とそれに伴うカスタマーサポートの推進・発展に寄与したと認めうる企業・機関・団体・事業所・部門などを表彰するもの。
 2023年度 カスタマーサポート表彰制度 受賞企業は、以下の通り。

優秀賞:
 明治安田生命保険
 東日本電信電話/キューアンドエー

特別賞:
 (リスキリング)DHLジャパン

 (価値創造)富士通コミュニケーションサービス

 (DX・業務改革)NTT東日本サービス

 (カスタマーサクセス推進)サイボウズ

 (リテンション推進)WOWOWコミュニケーションズ

 (応対支援向上)スカパー・カスタマーリレーションズ

 (公教育支援推進)ベネッセコーポレーション

奨励賞:
 エヌ・ティ・ティレゾナント(現:NTTドコモ)

 biima

 エムオーテックス

 受賞企業決定に伴い、2023年9月14日(木)・15日(金)に開催される同協会主催「2023年度 第26回 カスタマーサポートシンポジウム (会場:東京プリンスホテル/オンラインライブ配信併催)」(https://jiit.or.jp/lp/cc/cs_symposium/)にて受賞各社による記念講演、ならびに表彰式典を行う。


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