調査・レポート・その他

〔2025/3/17〕バーチャレクス、毎年実施する「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」2025年版の第五弾結果を公開

 バーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施し、この度2025年版第五弾の結果を取りまとめた。2025年版第五弾の結果:https://www.virtualex.co.jp/news/2025/03/2025CS-research-5.html
  今回の分析テーマは、カスタマーサクセスを自社で取り組んでいる839人を対象に、カスタマーサクセス導入・運用にあたっての課題とカスタマーサクセス運用課題解決のための取り組み。
 カスタマーサクセスを導入・運用する際には、必ずと言ってよいほど発生する運用上の課題がある。そこで今回はカスタマーサクセス取り組み企業がカスタマーサクセスに取り組む企業が どのような悩みや障壁に直面し、どのように克服してきた(あるいは現在克服しようとしている) のかを確認した。
 まず、現在は解決済みではあるものの、導入当初に抱えていた課題や障壁をカスタマーサクセスの効果実感層と未実感層で比較したところ、早期に課題を明確化し対処できた企業ほど成功につながり、逆に課題認識や取り組み不足が成果の差を生んでいる実態が浮かび上がった。
 最初に効果実感層(n=494)のうち、最も多かった課題は「何から手をつけたらいいのか分からない/マニュアルがない」(46.0%)であった。続いて「人材・組織体制が不十分」(28.1%)や「上層部の理解不足」(27.7%)が大きな障壁となっている。導入当初は手探りの状態で始めたものの、これらを解決できたからこそ「効果を感じる」までに至ったと考えられる。
 一方、効果未実感層(n=345)では、「特にない」が46.4%とトップ。続いて「何から手をつけたらいいのか分からない」(32.5%)が挙がった。課題認識が低い企業ほど、実際には問題を抱えていても「特にない」と回答しがちで、たとえば経営層の理解不足や人材不足などの障壁が潜在的にあっても具体策を取らずに導入を進めた結果、十分な成果を得られていない可能性がある。また、ツール導入やKPI設定、顧客セグメント化といった基礎的な運用が不十分なまま属人的に運用してしまうことも、効果を阻む要因になり得る。
 次に、「現在解決すべく取り組んでいる課題」を尋ねると、効果実感層では「特にない」が37.0%と最も多く、すでに初期的課題を克服し、導入・運用の基礎を整えた企業が多いと考えられる。一方で「経営層/上層部の理解が得られない」(25.9%)や「人材・組織体制が不十分」(22.5%)など、より組織的・戦略的な課題が浮上している。これは「何から始めるか」「どのツールを選ぶか」といった初期的な悩みを乗り越えた企業が、次のステップとして経営への説明責任や組織横断での連携、成果指標の設定・評価など、さらに高度な課題に直面していると言える。
 対して効果未実感層では「特にない」(48.1%)が依然として最も多く、課題認識が薄いまま施策を続けている可能性が高いと推察される。その結果、具体的な対策を打たずに停滞しているケースが多いとみられる。また、「人材・組織体制が不十分」(24.6%)や「経営層/上層部の理解が得られない」(22.9%)など、組織面の課題は効果実感層と類似しているにもかかわらず、解決が進んでいないことが成果低迷の一因となっているようだ。さらに、「KPI/KGI設定が難しい」「ツール導入費用がかかる」「顧客のセグメント化が難しい」など基礎的な運用体制の整備段階での課題が多く、施策の軸となる指標設定や顧客データ活用が十分に機能せず、結果として「効果を感じられない」状況が続いていると考えられる。
 次に、これまで挙がったカスタマーサクセスの導入・運用上の課題について、実際にどのような対策を取ったのか、どんな取り組みを行ったかを確認した。
 まず「過去に取り組んだことがあるもの」を見ると、効果実感層では「外部専門家に依頼/相談」が46.0%と際立って高く、さらに「日本語・外国語の書籍やオンライン記事の情報収集」「セミナーや勉強会への参加」「オンラインコミュニティへの参加」など、複数のチャネルを活用して知見を得ようとする姿勢が特徴的。加えて「人材育成プログラムの作成」や「評価基準/制度の見直し」など、組織内部での施策も積極的に進められている様子がうかがえる。
 一方、効果未実感層では「特になし」(51.0%)が過半数に達しており、「外部専門家への依頼」(21.2%)や「セミナー・勉強会への参加」(14.2%)といった具体的行動の比率が低い点が目立つ。つまり、効果実感層が外部リソースや学習機会を積極的に活用し、組織内での制度改革やコミュニケーション強化にも取り組んだ結果、課題解決につなげているのに対し、未実感層はこうした行動が十分に取られないまま施策を進め、カスタマーサクセスの効果を得にくい構造に陥っていると言える。word 続いて、「現在取り組んでいること」を見ると、効果実感層では「日本語の書籍やオンラインの記事を読んで情報を収集」(35.8%)や「セミナーや勉強会に参加」(23.7%)、「外国語の書籍やオンラインの記事を読んで情報を収集」(23.5%)など、外部情報を積極的に吸収する割合が高くなっている。過去に外部専門家への依頼やイベント参加などで課題を明確化した企業が、現在も継続的な学習・人材育成を進めている状況がうかがえる。すでに一定の成功を収めている企業の中には「特になし(これ以上必要なものはない)」と回答するところもある一方、海外事例や外国語情報を取り入れるなど、さらなる高度化を図る動きも活発だ。
 一方、効果未実感層では「特になし」(48.7%)が約半数を占め、他の具体的な取り組みのも軒並み2割以下にとどまっている。つまり、成果を実感している企業ほど複数の学習・交流手段を併用し、課題解決に向けて主体的に行動しているのに対し、未実感層はカスタマーサクセスへの危機感や課題意識が希薄で、情報収集や専門家の活用、人材育成などの施策を行わないまま進めている可能性が高いと考えられる。その結果、十分な効果を得られないまま悪循環に陥っている構図が浮き彫りになっている。
 これらの結果から、早期に課題を認識し、的確に可視化することが企業のカスタマーサクセス施策成功の鍵であるということが言える。導入当初に抱えた課題を迅速かつ戦略的に解決し、経営層および現場を巻き込みながら改善策を実施している企業は、その後「効果を感じる」成果につながっている。具体的には、情報収集、外部専門家の活用、さらには人材育成プログラムの整備など、多角的なアプローチが統合された対策が、施策の成果向上に大きく寄与していると考えられる。
 一方で、課題認識が低かったり、対策が後手に回ったりする企業では、必要な改善策が十分に実施されず、結果としてカスタマーサクセス施策の効果が得られていない状況が浮かび上がっている。こうした企業は、課題解決への取り組みが単一の方法に偏るか、そもそも行動に移さない傾向があるため、施策全体のパフォーマンスやカスタマーサクセスの組織内定着度合いに大きな差が生じていると考えられる。総じて、課題の早期認識と、多角的かつ積極的な対策実施が、持続的なカスタマーサクセス成果の実現に直結することが今回の結果から明らかとなった。

〔2025/3/12〕日本コンタクトセンター協会、コールセンターのカスハラ対策の事業者向けガイドラインを公開

 一般社団法人日本コンタクトセンター協会は、「コンタクトセンター/コールセンターにおけるカスタマーハラスメント対策ガイドライン」をホームページに公開した。カスハラ対策ガイドラインURL:https://ccaj.or.jp/telemarketing/cushara_guideline.html
 本ガイドラインは協会員50社と従業員約2,500名に行ったアンケート調査に基づき、コールセンターにおけるカスタマーハラスメントを類型化。企業・従業員のお困りごとや要望をもとにカスタマーハラスメントの判定基準やコールセンターに特化した対処法などを示している。
 事業者向けガイドラインとして、コールセンターにおけるカスタマーハラスメントに対する基本方針の策定や判断基準の明確化、対応手順・マニュアル作成などに活用できる。
 ガイドラインのポイントは、以下のとおり。
・基本方針にコールセンターの役割を明記し、過剰なカスハラ判定を防ぐことを意図する一方、従業員保護のためカスハラに徹底した姿勢で臨むことを示す。
・コールセンターのカスハラを12に類型化し、具体的な行為例を記載。
・類型別のカスハラ判定ラインを明記。長時間拘束は1時間以上、リピートは3回以上、暴言・怒声の具体的な言動などを例示。
・コールセンター特有の具体的な対処法を未然防止(録音通知・着信拒否)、オペレーションルール(切電、ビジネスネーム)、技術的対処(アラート機能)に分類して例示。
・組織・事業者がとるべき対応を10のステップで紹介。
 近年、顧客などからの過大な要求や不当・悪質なクレームなどに基づく、いわゆるカスタマーハラスメントが深刻化しており、2022年2月に厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成・公開してから、カスタマーハラスメントに対する社会的な注目が高まっている。
 こうした動きに対応し、カスタマーハラスメントへの対策方針や規定を独自に定め周知・公開する企業もあらわれ、地方自治体ではカスタマーハラスメント防止条例の制定、厚生労働省では労働施策総合推進法の改正を通じた企業への対策義務化などの動きも出てきた。
 同協会は2024年10月1日に日本コールセンター協会から日本コンタクトセンター協会へと名称を変更するにあたり「今後のコンタクトセンターのあるべき姿」として4つの指針を掲げ、そのひとつに「多様な人材が心身ともに健康的に活躍できる環境の整備」を定めた。
 これを受け、「人権尊重と労働者保護」「正当クレームとカスタマーハラスメントの判別による顧客対応水準の明示」「仕事に対するネガティブイメージの払拭」を目的に、コールセンターにおけるカスタマーハラスメント対策に着手した。
 有識者や先行する業界団体と情報交換を行い、コールセンターにおけるカスタマーハラスメントの実態把握のため、2024年7月に会員企業50社ならびに従業員2,493名にアンケート調査を実施し、その結果を公開した。そして、そのアンケート調査を基に、「コンタクトセンター/コールセンターにおけるカスタマーハラスメント対策ガイドライン」を作成した。コールセンターにおけるカスタマーハラスメントに関するアンケート調査結果:https://ccaj.or.jp/newsrelease/20241112.pdf
 コールセンター/コンタクトセンターの役割は、電話やメール、チャット、ホームページなどを通じて、企業・団体にコンタクトしてきた方に寄り添い、一人ひとりに最適なサービスを提供することにある。
 そのために、常に利用者や顧客などに満足いただけるようなサービスを提供することを心掛けなければならないことはもちろんだが、その実現には、顧客などと企業・団体が互いに尊重し合える関係性を築いていくことが重要。
 顧客などから寄せられるご意見などは製品・サービスの改善に活用な情報源として真摯に向き合わなければならない。一方で、カスタマーハラスメントと言われる行為には、従業員の心身の健康や就業環境を害するのみならず、人権侵害や人格否定といった人としての尊厳を冒すものまで見られる。
 本ガイドラインは、コンタクトセンターに従事される方の保護を目的にカスタマーハラスメントに対して徹底した姿勢で臨むことを表している。

〔2025/3/6〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2025年【ファッションレンタル業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2025年【ファッションレンタル業界】の調査結果を発表した。

ファッションレンタル業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記7社)
・三つ星:ストライプインターナショナル(MECHAKARI)、大丸松坂屋百貨店(AnotherADdress)、brista(Brista)、ミスコンシャス(おしゃれコンシャス)
・二つ星:エアークローゼット(airCloset)、グラングレス(Rcawaii)、ラクサス・テクノロジーズ(Laxus)
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

ファッションレンタル業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記7社)
・三つ星:該当なし
・二つ星:エアークローゼット(airCloset)、グラングレス(Rcawaii)、ストライプインターナショナル(MECHAKARI)、大丸松坂屋百貨店(AnotherADdress)、brista(Brista)、ミスコンシャス(おしゃれコンシャス)、ラクサス・テクノロジーズ(Laxus)
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

 Webサポートは、三つ星4社、二つ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。ファッションレンタル業界は2024年全業界平均と比べて複数の選択肢は高いが、その他の項目は低い評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、必要な情報が目につきやすく整理されているので探しやすい。自己解決につながるツールや機能も充実しており、多様な条件から商品を絞り込めたり、診断コンテンツも豊富であったりと楽しみながら検索ができる。万が一のときの対応情報も詳しく提供しているので安心して利用できる。一方低評価のところは、検討段階であってもコンテンツやチャットの利用に会員登録が必要で利用しづらく解決に至らないことがある。
 問合せ対応は、二つ星7社、三つ星、一つ星、星なしは該当がなかった。ファッションレンタル業界は2024年全業界平均と比べて、サービス体制、平均応答速度、放棄率は高いが、その他の項目はすべて低い評価となっている。
 クオリティで高評価のところは、礼儀正しく丁寧で適度にフレンドリでもあり、前向きな姿勢が表れている。詳しく分かりやすい文章で、Webのリンクも適宜活用するなど、メールの特長を活かした対応で顧客は理解しやすい。一方低評価のところは、チャネル問わず質問に回答するまでで、顧客ニーズに関心を示せていない。問合せの背景を掘り下げることはなく、要望に応えられない場合でも代替案の提供が乏しいなど、関係構築にはつながらない傾向がある。
 パフォーマンスで高評価のところは、メールの返信が早く電話もつながりやすい。どのチャネルでも速やかに回答が得られ円滑に対応が進む。状況をよく理解し的確で個別のアドバイスも提供するなど、顧客の満足度を高めサービスの利用促進につなげている。一方低評価のところは、一問一答の対応で不安解消には至らない傾向がある。またチャネルがメールのみであったり、チャットがリアルタイムではなかったりと、利用しづらく解決に時間がかかることがある。

〔2025/3/4〕ビーウィズ、調査レポート「コールセンターのAI活用に関する意識調査」を公開

 ビーウィズは、AI活用を進めるコールセンターに勤務するスーパーバイザー(SV)、マネージャー103名を対象に、コールセンターのAI活用に関する意識調査を実施した。詳細:https://www.bewith.net/service/omnialink/wp_2/form/
 AI導入による改善効果を期待するKPIでは、「応対品質」と「応対生産性」の向上が上位となった。また、AI導入で想定以上・想定通りに改善できた成功要因は、ベンダーが経験豊富で提案がよかったこととの回答が60%を超え、導入時の研修を充実させたこと、既存業務フローを一から見直したことの2つも39.4%となり、経験豊富なベンダー選びと事前準備が必要ということが再確認できた。
 98%がさらにAI活用を推進したいと考え、「ボイスボット」「カスハラ対策」「チャットボット」など多様なAI製品・サービスの導入を検討中で、AI活用が一般化しつつある状況が明らかになった。一方で現場ニーズに即した個々の製品・サービスの導入が進むことで、全体最適化が次の課題であることが推察される。

〔2025/3/3〕バーチャレクス、毎年実施する「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」2025年版の第一弾結果を公開

 バーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は、「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施し、2025年版の調査結果第一弾をまとめた。本調査は2019年から毎年実施しており、今回で7回目となる。
詳細:https://www.virtualex.co.jp/news/2025/03/2025CS-research-1.html
 カスタマーサクセスは、企業が持続的に成長し、顧客との関係を深化させるために不可欠な戦略として注目されている。特にSaaS企業を中心に広まりつつあるこの概念は、近年ではBtoB・BtoCを問わず多くの業界で取り入れられるようになった。しかし、日本におけるカスタマーサクセスの「本当の浸透度」とはどのようなものなのか。 また、「カスタマーサクセスを導入している企業」と「まだ取り組んでいない企業」では、何が異なり、どのような課題があるのか。本調査は業種・企業規模を問わず、幅広い企業に勤務する人を対象に実施し、そのデータをもとに日本市場全体におけるカスタマーサクセスの認知/理解度・導入状況・課題・成果等を多角的に分析している。カスタマーサクセスに取り組んでいる企業だけでなく、まだ取り組んでいない企業の意識や課題にも着目し、「カスタマーサクセス導入率」だけでなく、「成果と業績への影響」「未導入企業の課題や導入障壁」 までを総合的に分析する。
 今回は全国の20歳から65歳までの有職者64,138人を対象に行った調査データをもとに、国内カスタマーサクセス市場全体の概況と現在地を確認していく。まず、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?」と尋ねたところ、「聞いたことがある」人は全体の21.9%、「聞いたことがない」と回答した人は78.1%という結果となった。
 また「聞いた事がある」人の中で、カスタマーサクセスとは何かを理解している人の割合は全体の2.8%(昨年から+0.3ポイント増)にとどまるという結果となった。
 2019年からの推移を見ると、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがある」という人の割合は徐々に増加しているものの、まだまだその言葉自体が知られていないことが浮き彫りとなる結果となった。また「カスタマーサクセスの意味を理解している」人の割合についてもかなり少ないというのが実態のようだ。
 役職別でカスタマーサクセスに対する認知および理解を見てみると、企業のトップを務める人たちの78.6%が「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがない」という結果となった。
 トップ層においてカスタマーサクセスを理解していると答えた人はわずか4.6%、理解度が一番高かったのは執行役員・本部長・事業部長層で12.3%であった。カスタマーサクセスの導入・運用は現場と経営の両面からの理解と推進が必要だが、まだトップ層の認知や現場スタッフへの浸透が十分とはいえない状況のようだ。事業戦略に組み込みたい中間管理職層が中心となり、経営層へのプレゼンやスタッフへの浸透を図るケースが増えていくかもしれない。
 次に実際の取り組み状況では、カスタマーサクセスという言葉を認知している12,111人に対して、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいるか」と尋ねたところ、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と答えた人は49.5%と昨年より0.3ポイント減、取り組みの予定がある人については7.7%と昨年より1.2ポイント増となる結果となった。15.2%の人は「取り組む予定もない、かつ必要性を感じていない」と回答している。
 さらにサブスクリプション型商材取り扱い有無別で見てみると、カスタマーサクセスに取り組んでいるサブスク商材取り扱い企業は76.4%、さらには「今後取り組む予定」である人が9.6%、「必要性を感じている」と回答した人は7.0%と、サブスクビジネスにおけるカスタマーサクセスの重要性が強調される結果となった。
 一方サブスク商材を扱っていない企業においては、カスタマーサクセスの取り組みを行っていると答えたのは34.8%で、「必要性を感じない」「わからない」層が相対的に多いことがわかる。顧客との継続契約が前提でないビジネスでは、解約率や継続率といった指標が経営課題として顕在化しにくく、カスタマーサクセスを導入する動機がやや薄くなりがちと推察される。しかし、今後取り組む予定、必要性を感じている層を含めると、カスタマーサクセスの重要性を認識している人が半数以上いるということは、製品販売やサービス提供形態が“非サブスク”であっても、リピート購入や顧客満足度向上、アップセル/クロスセルなどを重視する企業にとってカスタマーサクセス的な取り組みが重要、と考えられていることを示唆するのではないだろうか。
 カスタマーサクセスを社内で取り組んでいると答えた人に対して、直近3年間でその取り組みが進んだかどうかを聞き、結果を2023年から2025年までの経年で示した。2025年は非常に進んだと答えた人が13.9%、まあ進んだと答えた人が32.0%、どちらかと言えば進んだという人が39.0%と、全体で84.9%の人がこの3年でカスタマーサクセスの取り組みが進んだとしているが昨年よりは微減。2023年から2024年にかけて大きく進捗が見られていたのは、DX推進やサブスクビジネス拡大など、カスタマーサクセスを導入する外部環境の後押しがあったのかもしれない。それと比べると2024年から2025年にかけては緩やかな動きであるものの、2024年の急伸が一時的なブームではなく、ある程度定着していることがうかがえる。2025年のデータでは約4割が「どちらかといえば進んだ」と回答しており、企業の多くが「大きな成功体験」までは得られていないものの、着実に前進していると言えるのではないだろうか。今後は、この層がどのように“まあ進んだ”や“非常に進んだ”レベルに上がっていけるかが、カスタマーサクセス全体の成熟度を左右することになるだろう。
 近年AI技術が急速に進化し、企業のあらゆる業務領域に大きな影響を与えている。特に、顧客対応やデータ分析を担うカスタマーサクセスの現場では、AIの導入によって業務効率の向上や顧客満足度の強化が期待され、競争力向上の鍵となっている。こうした背景を受け、「AIとカスタマーサクセスの関係性」を探るため、カスタマーサクセス/カスタマーサポートなどの「顧客対応領域」におけるAIの活用状況についての調査を行った。
 カスタマーサクセスを導入している企業、未導入企業それぞれに「顧客対応領域」においてAIをどの程度活用しているのかを聞いたところ、カスタマーサクセス導入企業では約8割がAIを何らかの形で導入・活用しており、そのうち約3割は「大部分でAIを活用」と、未導入企業の7.7%を大きく上回る。これは、顧客との長期的な関係構築を重視するカスタマーサクセス導入企業ほど、高度なデータ分析や自動化ツールへの投資を積極的に行っていると推察される。また、カスタマーサクセス導入企業のうち「AI活用・導入予定なし」と答えた人はわずか4.7%にすぎない一方で、カスタマーサクセス未導入企業では19.2%と約4倍に上り、温度差が目立つ結果となった。カスタマーサクセスを重視する企業ほどAIの必要性を感じやすく、早期導入を検討・実行していると言えそうだ。
 カスタマーサクセスでは顧客の継続利用や解約防止が収益に直結するため、AIを活用したデータ分析や自動化による効率化が導入の大きな動機となると考えられる。その結果、“大部分の業務をAI化”といった高度活用に踏み込む企業が増加しやすいのだろう。一方で、カスタマーサクセスをまだ導入していない企業でも、AI導入に前向きな層が一定数いる。これらの企業が部分的・試験的にAIを導入して効果を実感すれば、カスタマーサクセスの考え方にも興味を持つ可能性がある。逆に、カスタマーサクセス未導入かつAIにも消極的な層は、今後の市場競争で後れを取るリスクがあるかもしれない。AI導入は単なる業務効率化にとどまらず、顧客データに基づく個別最適化のサポートやプロアクティブな提案を可能にするため、カスタマーサクセス戦略と強い相乗効果を生み出す。今後は、カスタマーサクセスとAI導入の両輪が企業競争力を左右する重要な要因となると考えられる。
 今回の分析の結果、世の中全体におけるカスタマーサクセスの認知や理解は、調査を開始した2019年からほぼ横ばいであり、依然として十分に浸透していないことが明らかとなった。その一方で、カスタマーサクセスを導入している企業では、顧客対応の自動化やデータ分析といった先進的なAI活用が積極的に進められており、特にサブスクリプション型商材を取り扱う企業では、顧客との継続的な関係構築が重視されるため、AI導入の取り組みが一層加速している様子がうかがえる。さらに、経営層においても、カスタマーサクセスに対する認知や理解が不十分であることが確認され、これが企業全体の戦略的な取り組みの浸透に影響を与えている可能性がある。こうした状況は、カスタマーサクセスとAIの融合が企業の成長戦略や顧客維持において極めて重要な要素であることを示唆しており、今後は社会全体の認識向上とともに、経営層の理解促進が求められると考えられる。
 なお、今回の調査で得られたデータは膨大であるため、本調査の分析結果は複数回にわたって公開していく。各回では、カスタマーサクセスの導入状況や成果、成功要因、今後の展望などをテーマごとに掘り下げ、日本企業におけるカスタマーサクセスの実態と動向を詳しく分析する。

〔2025/2/27〕J.D. パワー、2025年固定インターネット回線サービス顧客満足度調査/ホームルーターサービス顧客満足度調査結果を発表

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、山本浩二社長、略称、J.D. パワー)は、2025年固定インターネット回線サービス顧客満足度調査および2025年ホームルーターサービス顧客満足度調査の結果を発表した。
 本年の調査全体の総合満足度スコアは、固定インターネット回線サービスが584ポイント(1,000ポイント満点)、ホームルーターサービスが545ポイントだった。前年に続き固定インターネット回線の評価が上回り、その差は前年の28ポイントから39ポイントに拡大した。固定インターネット回線が前年比+4ポイントに対し、ホームルーターは前年比-7ポイントであった。
 ファクター別に満足度を比較すると、固定インターネット回線、ホームルーター共に総合満足度に対する影響度が最も大きい「通信品質」ファクターでの評価差が前年同様、最も大きかった。調査全体の通信品質に関する満足度スコアを見ると、固定インターネット回線は622ポイント、ホームルーターは564ポイントで、その差は58ポイントだった。固定インターネット回線の通信品質の満足度スコアは前年より+10ポイントと向上したが、ホームルーターは-2ポイントと横ばいの動きにとどまり、両サービスにおける通信品質の評価差は前年より拡大した。
 固定インターネット回線調査では、21ブランド中10ブランドで通信品質スコアが10ポイント以上向上しており、半数近くのサービスで通信評価が前年より改善していた。多くのブランドで、「突然インターネットに接続できなくなる」、「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」といった不具合やトラブルの経験頻度の減少が見受けられた。これは、通信事業者による設備強化や通信品質向上への取り組み、また10Gbpsといった高速度帯プランの利用増加が影響していると推察される。一方で、ホームルーターの評価は横ばいで、固定インターネット回線と比較して、「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」といった通信不具合が依然として多かった。
 ホームルーター調査全体では、「コールセンターサポート」の評価が前年から26ポイント低下していた。コールセンターサポートの詳細評価をみると、「オペレーターへの電話のつながりやすさ」、「対応のはやさ」の項目でスコア低下が顕著となった。コールセンターへの問い合わせ用件をみると、「急にインターネットに接続できなくなるトラブルについて(17%)」が最も多く挙がっており、前年より4ポイント増加していた。また、「ルーター本体や提供機器の故障・不具合(10%)」も前年より6ポイント増えている。これら技術的な問い合わせは、オペレーターの対応時間を長引かせる傾向があり、コールセンターが逼迫する原因の1つとなっている。通信不具合に関する問題がサポート対応品質の低下の一因となっていることが推察される。
 ホームルーターのうち、最新機種利用者の通信品質スコアは、600ポイント近くと高評価を得ている。今後、最新機種の普及次第で通信品質評価の向上が期待される。購入支援割引や旧機種からの買い替えを促進する特典付与といった施策を通じて最新機種への移行推進を図ることで、ホームルーターの通信品質やサポート対応の評価は大きく向上する余地があると考えられる。
 総合満足度ランキングは下記の通り。
【固定インターネット回線サービス顧客満足度調査】(対象全国8エリア)

<北海道エリア>(対象5ブランド)
第1位:auひかり(599ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種オプションサービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:フレッツ光(NTT東日本)(580ポイント)

<東北エリア>(対象4ブランド)
第1位:auひかり(569ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。
第2位:フレッツ光(NTT東日本)(568ポイント)
第3位:ドコモ光(566ポイント)

<関東エリア>(対象10ブランド)
第1位:NURO光(617ポイント)
9年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」の2ファクターで最高評価。
第2位:auひかり、iTSCOM(同スコア、586ポイント)

<東海エリア>(対象9ブランド)
第1位:コミュファ光(599ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「サポート」ファクターで最高評価。
第2位:フレッツ光(NTT西日本)(595ポイント)
第3位:ドコモ光(589ポイント)

<関西エリア>(北陸含む)(対象10ブランド)
第1位:eo光ネット(643ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種オプションサービス」、「サポート」の3ファクターで最高評価。
第2位:KCN(638ポイント)
第3位:NURO光(603ポイント)

<中国エリア>(対象5ブランド)
第1位:フレッツ光(NTT西日本)(609ポイント)
「通信品質」、「各種オプションサービス」、「サポート」の3ファクターで最高評価。
第2位:メガ・エッグ 光ネット(597ポイント)

<四国エリア>(対象5ブランド)
第1位:ピカラ光ねっと(625ポイント)
9年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」、「各種オプションサービス」、「サポート」の全4ファクターで最高評価。
<九州エリア>(対象6ブランド)
第1位:BBIQ光インターネット(640ポイント)
9年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」、「各種オプションサービス」、「サポート」の全4ファクターで最高評価。
第2位:フレッツ光(NTT西日本)(595ポイント)

※<沖縄エリア>は回答者数等の諸条件が弊社規定条件を満たさなかったため、本年は公表対象外。

【ホームルーターサービス顧客満足度調査】(対象3ブランド)

第1位:ドコモ home 5G(557ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種オプションサービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:WiMAX +5G(548ポイント)

〔2025/2/6〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2024年【介護ホーム業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2024年【介護ホーム業界】の調査結果を発表した。

介護ホーム業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記10社)
・三つ星:学研ココファン、SOMPOケア、ツクイ
・二つ星:ALSOK介護、セントケア・ホールディング、ソラスト、大和リビングケア、ニチイ学館、ベネッセスタイルケア、ライフケアデザイン
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

介護ホーム業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記10社)
・三つ星:ALSOK介護、学研ココファン、SOMPOケア、ベネッセスタイルケア、ライフケアデザイン
・二つ星;セントケア・ホールディング、大和リビングケア、ツクイ、ニチイ学館
・一つ星:ソラスト
・星なし:該当なし

 Webサポートは、三つ星3社、二つ星7社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。介護ホーム業界は2023年全業界平均と比べてすべての項目が低い評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、見つけやすく使いやすく、必要な情報を簡潔に得られる。また介護サービスのイメージが湧きやすく、費用や動画など顧客視点の情報が豊富。一方低評価のところは、セルフヘルプ選択肢が少なく、料金など必要情報が乏しく、FAQが内容不足のところも見られた。Webで充分にサービスがイメージできないと評価が下がる。
 問合せ対応は、三つ星5社、二つ星4社、一つ星1社という結果で、星なしは該当がなかった。介護ホーム業界は2023年全業界平均と比べて、問合せ対応もすべての項目が低い評価となっている。
 クオリティで高評価のところは、顧客の話をよく聞いて、言い換え含めて顧客ニーズを確認し、顧客に合わせて的確な回答を提供できている。また顧客に寄り添った信頼できる対応となっているところが多い。一方低評価のところは、問合せ窓口は受付機能しかなく、転送や折り返しが必要で一か所ですべての疑問は解消できていない。また顧客ニーズに十分対応できないケースや、担当者ごとのばらつきが大きい傾向が見られた。
 パフォーマンスで高評価のところは、担当者が好印象で素早く必要な情報を得ることができ、短時間で解決するので満足度が高い。一方低評価のところは、窓口では各施設の案内はできなかったり、転送が多く時間がかかり初回コンタクトでは解決できなかったりしている。またメールのレスポンスが遅く、顧客が期待するタイミングで返信がないケースも見られた。さらに各施設間や各担当間の連携が乏しいところがあった。


PAGE TOP