コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2026/3/24〕VideoTouch、PKSHA TechnologyとのOEM販売契約を締結
VideoTouch(本社:東京都渋谷区、上坂優太社長)は、PKSHA Technology(以下、PKSHA)とOEM販売契約を締結し、2026年3月24日より、コンタクトセンター向けAI教育プラットフォーム「VideoTouch」をPKSHAブランドにて提供開始することを発表した。
本提携により、コンタクトセンターのオペレーター育成・スキル向上を支援する同社のEXソリューションと、AI SaaSプロダクトを通じてコンタクトセンターの顧客体験向上に取り組むPKSHAのCXソリューションが融合し、PKSHAの顧客基盤を通じて新たな価値を提供する。
コンタクトセンター業界では、AIによる自動応対の普及が進む一方、人が対応すべき問い合わせの難易度は増しており、オペレーターの育成・スキル定着への投資需要が高まっている。
また、問い合わせ量の増加や採用難による人手不足を背景に、AIソリューションの導入が加速しており、「新人教育の効率化」はその期待効果の1つとして注目されている。
こうした課題に対し、PKSHA Technologyはコンタクトセンターにおける顧客接点の最適化(CX領域)において高い技術力を有しており、当社は従業員体験(EX)領域における育成・定着の仕組み化を中核事業として展開してきた。CX改善と現場育成を一体的に支援するという両社の方針が一致したことから、今回のOEM提供が実現した。
■OEMサービス概要
・提供サービス:AI教育プラットフォーム「VideoTouch」「AIロープレ」
・提供範囲:両サービスの全機能
・対象顧客: PKSHAが提供するAI SaaSを導入するコンタクトセンター事業者
・提供形態:OEM販売形態によりPKSHAブランドで販売
・提供開始時期:2026年3月24日
本提携により、PKSHAの既存プロダクトで可視化された現場の応対品質上の課題や改善点に対して同社のトレーニングソリューションを組み合わせることで、課題の発見からトレーニング実施・効果検証までの改善ループを効率的に回せる体制を実現する。
VideoTouchは、人とAIの融合により「コミュニケーションを戦力化」するAI教育プラットフォーム。「学ぶ →鍛える → 測る」のサイクルを一気通貫で実現し、現場のコミュニケーション品質向上と事業成果の創出を支援している。コンタクトセンターを中心に、大企業から中小企業まで幅広い導入実績を有している。
今回のOEM提供対象である「VideoTouch」「AIロープレ」に加え、オペレーターの対応を自動解析・評価する「AIモニタリング」ソリューションも提供している。
〔2026/3/23〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI マルチAIエージェント for Voice」を北海道ガスがコールセンターのガス開閉栓受付業務に採用
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、北海道ガスが、コールセンターにおけるガス開閉栓受付の対応力強化と、デジタル技術を活用した業務プロセスの最適化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI マルチAIエージェント for Voice」を2026年2月に導入したことを発表した。これにより、ボットによる手続き完了率の向上を図り、利用者がストレスなく利用できる受付体制を実現する。
北海道ガスでは、引越シーズンである2月から4月にかけてガスの開閉栓に関する入電が急増する。繁忙期と閑散期の業務量に大きな差があることから、繁忙期の人材確保や安定したサービス品質の維持が課題となっていた。同社はこれまでもボイスボットの活用を進めてきたが、音声のみの対応では住所の聴取において誤認識が発生しやすく、受付完了後にオペレーターが確認のための架電やデータ修正を行う「後処理(平均5分/件)」が多数発生していた。
また、架電から手続き完了までに時間を要していたことで、利用者の負担が大きく途中離脱が発生しやすい状況にあったほか、発話とプッシュボタンの操作が混在し使いづらいという課題もあった。
こうした状況を受け、オペレーターの業務負担削減、および顧客体験の向上のため、ボイスボットの刷新を決定しました。
CAT.AI マルチAIエージェント for Voiceの以下の点が評価され、今回の導入に至った。
・PBXとのSIP接続で電話番号情報を連携: 同社の導入するPBXとSIP接続を行うことで、内線通話が可能になり、通話料のコスト削減に繋がる。また、PBXからCAT.AI、さらにオペレーターへの転送時に電話番号情報が引き継がれるため、再度ユーザーに電話番号を聞き取る必要がなく、スムーズな応対を実現する。
・マルチモード対応による確実な情報取得: ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)が同時に使える「マルチモードAI」で、住所や氏名の漢字入力情報をチャットで視覚的に補完する。これにより、正確に取得・照合できるとともに、利用途中での離脱を防ぎ、手続きのボット完了率を高める。
これらの機能により、従来は有人対応が必要とされていた工程をボットで自動化し、オペレーターの対応時間を削減するとともに、コールセンターの運用コスト最適化を実現する。また、安定した受付対応を可能にすることで、利用者がスムーズに手続きできる環境を構築する。
今後は、今回のガス開閉栓受付でのCAT.AI マルチAIエージェント for Voice導入の実績をもとに、さらなる業務効率化とサービス品質の向上を目指して、電気契約の受付など対象業務の拡大を検討する予定。
〔2026/3/19〕S&I、コンタクトセンター向け応対支援サービス「AI Dig v3」を提供開始
エス・アンド・アイ(本社:東京都港区、藤田和夫社長、以下、S&I)は、コンタクトセンターで応対業務を担うオペレーター向け応対支援サービス「AI Dig」のメジャーバージョンアップ(v3)をリリースした。AI Dig v3では、「誰もが迷わず、安心して応対業務を進められる環境の実現」をコンセプトに、日常の応対業務フローの中でナレッジが自動的に整理・蓄積され、組織全体で活用できる仕組みへと業務導線から再設計した。特別な運用を意識することなく、ナレッジ運用が持続的に回る環境を提供する。
近年、コンタクトセンターの高度化に伴い、オペレーター1人ひとりに求められる対応力は高まっている。一方で、応対業務は担当者の経験やスキルに依存しやすく、対応品質のばらつきや情報探索の負荷が課題として顕在化している。マニュアルやFAQが整備されていても更新が追いつかず、必要な情報にたどり着きにくいという声も少なくない。こうした状況は、特に経験の浅いオペレーターの負荷が大きく、新人育成や引き継ぎにも影響を及ぼしている。
そのため、「誰もが迷わず対応できる環境」を整えることが現場にとって重要な課題となっている。その実現には継続的な「ナレッジ」の作成・更新が欠かせないが、人手だけで維持するのは難しく、どうしても形骸化しがち。そこで、負担をかけずに自然とナレッジが蓄積され、現場全体で活用できる仕組みが求められている。
こうした背景を踏まえ、今回のアップデートでは、生成AIを応対プロセスに組み込むことで、利用するだけでナレッジが蓄積・共有されるよう、ワークフロー全体の導線を強化した。オペレーターが日々の応対の中で生成した情報が自動的に整理され、最新のナレッジとして共有・活用されるため、ナレッジ管理の負荷を軽減しながら、対応品質の均一化と業務効率の向上を支援する。
AI Dig v3では、ナレッジを「使う・貯める・学ぶ」のサイクルが業務フローの中で完結するよう、関連機能を強化した。併せて、オペレーターが応対中に意識せずこのサイクルを回せるよう、画面構成や操作導線も最適化している。
従来のエピソード検索に加えて、顧客との対話内容をもとに生成AIが用件を整理し、「顧客が何を知りたいのか」を捉えた検索用の質問文を自動生成できるようになった。これにより、適切な検索クエリを考える負担を軽減し、新人オペレーターでも本質的な用件を踏まえて、的確な情報にたどり着くことができる。
オペレーターが日々の応対で得た知見やノウハウを、アフターコールワークの中で、新たなFAQとして登録・更新できるフローへ見直した。
併せて、生成AIによるFAQ下書き生成機能を新たに搭載し、オペレーターの経験やスキルに左右されないナレッジ作成を実現する。
新たに作成されたナレッジは、既存ナレッジとの類似性をチェックした上で登録され、自動学習を通じて次回以降の問い合わせ対応に活用できる仕組みを追加している。オペレーターが作成したFAQの下書きは、管理者が類似ナレッジの有無を確認し、内容を精査した上で登録できる。ナレッジの利用状況に応じてAIが自動学習し、検索精度を継続的に向上。同じ意味でも言い回しが異なる質問については、顧客の質問文とFAQの関連性をAIが学習し、適切な回答がヒットするよう補完する。
AI Dig v3を活用して応対業務を運用することで、ナレッジが日々の業務フローの中で自然と蓄積・再利用される循環が生まれる。こうした循環の定着により、以下のような効果が期待できる。
応対品質の向上:オペレーターのスキルや経験に左右されることなく、必要な情報へ迷わず辿り着けるようになり、回答内容や対応レベルのばらつきを抑制する。その結果、誰が対応しても一定の品質で応対できる体制づくりを支援する。
オペレーター業務の効率化:応対後の振り返りや記録、ナレッジ整理といった作業を業務フローの中で完結できるようにし、生成AIが応対内容からFAQ下書きや要約、検索用の質問文まで自動生成する。作成はAIが担い、オペレーターは確認・承認に集中できるため、“探す・考える・書く”に要する時間を最小限に抑え、応対業務へ専念できる環境を実現する。
顧客満足度の向上:「使う・貯める・学ぶ」の循環が回ることで、ナレッジは常に最新の情報に保たれる。その最新のナレッジを活用することで、必要な情報を迅速かつ的確に提供でき、問い合わせ対応のスピードと正確性が向上する。その結果、顧客の待ち時間や不安を軽減し、ストレスの少ない応対体験の提供につながる。
〔2026/3/19〕NiCE、コンタクトセンターの顧客対応データからAIエージェントを自動生成
NiCEは、企業のインタラクションデータを分析し、即座に導入可能なパフォーマンス駆動型AIエージェントへと大規模に生成・展開できるエージェント型AIイノベーションを発表した。
AIを中心とした顧客体験(CX)戦略を採用する組織が増える中、多くの企業が共通の課題に直面している。パイロットプロジェクトは成功しても、本番導入が停滞するという問題。インサイトはダッシュボードに留まり、意思決定は依然として手作業のままだ。価値創出までの期間は数カ月から四半期単位に及ぶこともある。NiCEはデータ駆動型のアプローチにより、この実行ギャップを解消し、インテリジェントなAIエージェントのスケール展開を可能にする。
この新機能は、音声、チャット、デジタルチャネル、ワークフロー、人によるインタラクションなどにわたる構造化データおよび非構造化データを分析し、コスト削減、収益向上、顧客・従業員体験の改善、コンプライアンス強化などの領域でAIが測定可能な成果を生み出せるポイントを特定する。その後、エンタープライズグレードのガバナンスとガードレールのもとで、それらの機会に対応するAIエージェントを自動生成し、導入する。
従来は専門的な分析、反復的なテスト、長期間の検証サイクルを必要としていたプロセスが、今では機会の特定から本番導入まで数時間で実現可能にる。ダッシュボードで止まる分析ツールや、企業データとの深い連携なしに導入されるAIエージェントとは異なり、NiCEは市場でこれまでにない仕組みを提供する。すなわち、最も影響力の高い自動化機会を特定し、導入前にROIを定量化したうえで、それらに対応する本番環境対応のNiCE AIエージェントを自動生成するクローズドループ型アプローチ。
CXoneプラットフォーム上で年間処理される数十億件の顧客インタラクションに支えられたNiCEの新しいイノベーションは、優れた成果を出している人間の対応を継続的に学習し、実際の成果を予測値と照合して測定する。これにより、導入されたすべてのAIエージェントがビジネス成果に対して最適化され、説明責任を持って運用されることが保証される。
その結果、企業全体でオーケストレーションされたスケーラブルで信頼性の高いAIエージェントにより、問い合わせ自己解決率の向上、サービスコストの削減、価値創出までの時間短縮を実現する。
〔2026/3/18〕グッドリレーションズ、クラウドPBX「GoodLine」とクラウドCTI「GoodCall」、管理画面からSMS送信が可能な新機能を提供開始
グッドリレーションズ(本社:大阪府大阪市、山村諭社長)は、同社が提供するクラウドPBXサービス「GoodLine」およびクラウドCTI・コールセンターシステム「GoodCall」において、SMS(ショートメッセージ)送信機能を新たにリリースしたことを発表した。
同機能は、楽天モバイルが提供する「Rakuten CPaaS」のSMS送信APIと連携することで、クラウドPBXの管理画面から顧客に対してSMSを送信できる機能。通話履歴や顧客情報と連携してSMSを送信できるため、通話後のフォロー連絡や顧客案内を効率的に行うことが可能になる。
〔2026/3/17〕AIデータ、AIファクトリー、「AI ContactPro on IDX」ナレッジ標準化機能で属人化を解消
AIデータ(本社:東京都港区、佐々木隆仁社長)は、「AI ContactPro on IDX」のナレッジ標準化機能により、属人化していた顧客対応ノウハウを組織資産として蓄積・活用。ベテランオペレーターの対応事例をAIが学習し、誰でも再利用可能な形で標準化する。
多くの企業のカスタマーサポート部門では、長年の経験を持つベテランオペレーターに業務が集中する属人化が深刻な問題となっている。複雑な問い合わせや特殊なケースへの対応ノウハウが個人に蓄積され、組織として共有されないため、人材の退職や異動により貴重な知識が失われるリスクが常に存在していた。また、新人教育においても体系化されたマニュアルが不足し、OJTに依存した非効率な教育体制により、戦力化まで長期間を要する構造的課題があった。
AI ContactPro on IDXのナレッジ標準化機能により、属人化していた顧客対応ノウハウを組織資産として蓄積・活用。ベテランオペレーターの対応事例をAIが学習し、誰でも再利用可能な形で標準化する。
実現する価値と具体的効果
・対応品質のバラつき解消 → 全オペレーターが一定水準以上の対応を提供、顧客満足度の安定化
・新人教育期間の大幅短縮 → 体系化されたナレッジにより、従来の1/3の期間で戦力化を実現
・組織全体でのノウハウ共有 → 個人に蓄積された暗黙知を形式知化し、組織の競争力向上
・退職によるナレッジ流出防止 → 人材の流動性に左右されない持続可能な組織運営を実現
〔2026/3/16〕ソフトフロントジャパン、生成AI型ボイスボットをハイブリッド活用し、一次受付業務を運用高度化
ソフトフロントホールディングスの子会社であるソフトフロントジャパン(本社:東京都千代田区、髙須英司社長)のAIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、生成AI型ボイスボットが対話内容を理解し、適切な対応先へ自動転送する電話転送機能を新たにリリースした。
本機能により、生成AI・シナリオ型ボイスボット・人のオペレータが役割分担する“ハイブリッド型応対モデル”の実装が可能となり、生成AIのハルシネーションリスクを抑えた運用設計を実現する。またそれに伴い、代表電話を想定したデモ動画を公開した。
生成AI型ボイスボットの進化により、コンタクトセンターの電話応対業務における自動化は大きく進展している。一方で、直接顧客と対話するフロント業務への活用には、依然として慎重な声も存在する。
・ハルシネーション(誤回答)リスクへの不安
・重要問い合わせに対する安全性・説明責任の確保
・想定外質問への対応コントロール
・完全自動化による顧客体験低下への懸念
AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、2025年11月のメジャーバージョンアップにより生成AI型ボイスボットが利用可能となった。業務活用の可能性が広がった一方で、生成AIの特性上挙動を100%制御することは難しく、顧客との大事な接点であるコンタクトセンターは、生成AI型を「どこに使うか」という運用設計の観点が求められている。
ソフトフロントは、従来の人の対応、シナリオ型ボイスボット、そして新たに加わった生成AI型ボイスボットのそれぞれの特性を生かした、ハイブリッド型応対モデルを前提としたコンタクトセンターの自動化を推進している。その一環として、今回生成AI型ボイスボットの電話転送機能をリリースした。
ハイブリッド型応対モデル(例)
1. 生成AI型ボイスボットが顧客と自然対話
2. 文脈理解の特性を生かし、曖昧な内容でもヒアリングを重ね、コールリーズンを特定
3. 内容に応じて最適な対応先へ自動転送
・生成AI型がそのまま回答
・シナリオ型ボイスボットへ転送
・人のオペレータへ転送
ハイブリッド型を運用に組み込むと、適切な振り分けのうえ、それぞれが適材適所で得意な業務をこなすことで、高度な効率化が実現される。その結果、限られた人員での運営最適化と、顧客体験の両立に貢献する。
さらにcommuboは、このハイブリッド型の運用設計をノーコードで設定することができるため、ユーザー自身が、自社に適したフローを短納期で、またコストを抑えた形で実現できる。
今回リリースした転送機能も、分岐ルールや転送先をユーザー自身がノーコードで設定できる。転送制御のガードレール機能も実装しており、安心して利用できる。
自社業務に合わせた運用設計を、内製でコントロールできるため、ブラックボックス化せず、段階的な改善も可能。電話応対のAI化だけでなく、自社業務に適したPDCA運用を加速させる、「本当に使えるボイスボット」として顧客に評価してもらい、ハイブリッド型応対モデルのPoCも複数進行している。