コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2025/11/27〕SGシステム、独自開発のAI音声認識・要約ツールでDXを実現
SGホールディングスグループでIT統括事業を担うSGシステム(本社:京都市南区、丸山信二社長)は、佐川急便をはじめとするグループ内外のコールセンター業務を長年受託・運営してきた実績を背景に、さらなる業務効率化と品質向上を図るため、独自開発の「AI音声認識・要約ツール」を導入した。2025年11月より、SGシステム関東支店のコールセンター業務で本格運用を開始し、オペレーターの作業時間を約30%削減する見込み。
また同ツールは、シンプルな操作性と柔軟なカスタマイズ性を兼ね備え、短期間かつ低コストで導入できる点が特長であり、将来的にはグループ内外へのツール提供を計画している。
SGシステムは、佐川急便の出荷やシステムに関わるコールセンター業務を長年担い、関東支店(東京都品川区)と沖縄コンタクトセンター(宜野湾市)に専用コールセンターを常設している。このノウハウを生かし、保険・通信・地方自治体など幅広い業種のコールセンター業務も受託・運営している。
しかし、日々多様な電話対応を行う中で、オペレーターが作成する通話記録の品質のばらつきや作業負担が課題であった。既存の要約ツールは大規模センター向けの高額・多機能型が中心で、導入コストや運用の複雑さが障壁となっていた。
こうした課題を解決するため、SGシステムはAIを活用した音声認識・要約ツールを独自開発した。通話内容のテキスト化と要約作成を自動化し、オペレーター負担の軽減と業務品質の平準化を実現する。
音声認識・要約ツールの開発にあたり、SGシステムのAIエンジニアがプロンプトエンジニアリングを行い、生成AIが作成する要約文の品質を向上させた。
1. 業務効率化
通話記録の作成を自動化し、オペレーターの作業時間を大幅削減する。2025年3~4月に実施した実証実験では、保険会社と複合機メーカーのコールセンター業務において、月約180時間の削減効果を確認した。実運用開始後は、作業時間を約30%削減する見込み。
2. 品質向上
AIによる要約で文章の品質のばらつきを抑え、一定水準の記録が可能になる。現場のノウハウや対応品質の標準化が進む。
3. 多様な人材の活躍促進
PC操作や文章作成が不得意な人材でも、電話対応スキルを生かして業務に従事できるようになる。労働力不足への対応にも貢献する。
現場の声を反映しながらAI音声認識・要約ツールの機能強化と適用範囲の拡大を進め、沖縄コンタクトセンターやグループ会社のコールセンター業務への展開に加え、外部企業へのツール提供も視野に入れている。
〔2025/11/26〕KDDIとKDDI総合研究所、世界初、人間の応対を学習し高精度に再現するAIエージェントを開発
KDDIとKDDI総合研究所は、チャット上のやり取りにおいて、人間の応対を学習し高精度に再現するAIエージェントを開発した。同AIエージェントには、KDDI総合研究所が世界で初めて開発・特許取得した、ハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をついてしまう現象)抑制技術を用いている。本技術では、AIエージェントが過去の適切な応対を参考にして応対の流れを構造化した上で、不足している情報を自律的に収集・ファクトチェックし、応対文を生成することにより、ハルシネーションを抑制し回答精度の向上を実現している。
両社は、同AIエージェントを、auチャットサポート窓口において顧客応対するスタッフのチャット回答業務支援を目的として、一部の応対拠点に導入した。同AIエージェントの回答精度は約90%で、顧客1人あたりの応対時間を従来よりも約70%削減する見込み。また、スタッフの応対品質のさらなる均一化にも寄与する。
KDDI総合研究所では、AIの活用においてハルシネーション抑制が肝要であると捉え、早期から研究開発に着手していた。海外大学との共同研究を経て、2023年12月に本技術の基礎となる技術を開発し、2024年7月には国立研究開発法人情報通信研究機構との共同研究にも本技術を活用するなど、ハルシネーション抑制技術の開発に注力してきた。
auチャットサポート窓口への問い合わせのうち、約80%の簡単な質問に対してはAIチャットボットから自動で回答し、残り約20%のAIチャットボットでは対応しきれない難易度の高い質問については、スタッフにエスカレーションする仕組みになっている。近年、顧客からの問い合わせは多様化・高度化しており、スタッフが応対するケースは月間で約16万件に上っている。一方で、スタッフの経験やスキルにより、応対品質・効率にばらつきが生じることが課題であった。
AIで応対文を生成する際の一般的な手法として、RAG(Retrieval-Augmented Generation)が知られている。RAGはマニュアルを参照することで回答可能な簡単な質問に対して、定型的に回答する場合などでは高い精度を示す。しかし、同AIエージェントの対象である、AIチャットボットで対応しきれない難易度の高い質問に対して、単純にRAGを適用した場合の回答精度は約20%に留まる。これは、難易度の高い質問に回答するためには、スタッフの暗黙知を考慮した上で自律的に情報収集する必要がある一方で、複数のマニュアルを参照する中で情報が混合し、ハルシネーションが発生するためだ。
auチャットサポート窓口における過去の応対履歴には、顧客に有効な回答ができた場合など、参考にすべき事例が多く含まれている。これらの応対事例は、顧客1人ひとりのご相談内容や、その時々の状況に合わせて対応したものであり、背景や文脈が非常に多様かつ複雑な一方で、スタッフの暗黙知を抽出できる可能性がある。
過去の参考にすべき事例を複数組み合わせ、かつハルシネーションを抑制しながら利用することを目指し、同AIエージェントでは、まず顧客の問い合わせの要点を整理した。さらに、過去の参考にすべき事例を基に、「適用条件を確認する」「確認方法を提示する」のような応対パターンを分析し、構造化した。この応対パターンに基づき仮組みした応対文に対し、社内マニュアルから追加情報を収集、ファクトチェックすることでハルシネーションを抑制し、自律的に最適な応対文案を生成する。
これにより、回答精度約90%を実現した。スタッフは、顧客からの質問に対する回答を調査、回答文を作文する作業をAIエージェントで代替し、提示された回答文案を確認・編集するだけで、迅速に対応可能となった。その結果、顧客1人あたりの応対時間を従来よりも約70%削減できる見込みとなり、スタッフの応対品質のさらなる均一化にも寄与する。
なお、同AIエージェントは他部署や他業種への展開が容易な汎用パッケージとして開発が完了している。今後、類似の問い合わせ応対への活用を進め、社内でのユースケース拡大とグループ会社への横展開を推進するとともに、商用提供を目指していく。
〔2025/11/26〕メディアリンク、AIボイスボット「AIto Voice」、後払い決済サービスSCOREに導入・実装
メディアリンク(本社:東京都港区、松本淳志社長)は、SCORE(本社:京都府京都市、北原光社長)において、AI型ボイスボット「AItoVoice」が導入されたことを発表した。
2018年に設立されたSCOREは、インターネットや通信販売での買い物時に利用できる後払い決済サービス「スコア後払い」を提供している。導入実績3,000社以上を誇り、決済データを活用した各種金融事業も展開。ECやサブスクリプションなど、日々進化するビジネスモデルに適応しながら、顧客と企業の双方にとってスムーズで便利な支払い体験を提供している。
同社では数十名のオペレーターが在籍するコンタクトセンターを運営しているが、非常に多い呼量を抱えており、オペレーター業務が圧迫されている状況であった。さらにオペレーターの採用難もあり、時間帯によっては人手不足で業務がさらに圧迫される悪循環に陥っていた。また、営業時間外の電話には時間外アナウンスでしか対応できず、顧客満足度の低下が懸念されていた。
AItoVoiceの導入とその他の業務改善により、前年対比で約20%の呼量削減に成功した。特に大きな成果として、時間外でもリアルタイムに問い合わせ対応ができる体制を実現。また、AIに関する知見がゼロの状態からボイスボットの運用に成功したことで、先進的な取り組みに対するスタッフの自信が芽生え、チーム全体のモチベーション向上にもつながっている。
同社では現在、入金期限経過後の顧客からの折り返し電話対応にもAItoVoiceの活用を検討・開始しており、オペレーターの人数調整の手間削減と電話件数の削減効果が出始めている。今後は別部署での活用方法も模索していく予定。メディアリンクも引き続き、同社コンタクトセンターにおける電話対応業務の効率化と、AI活用の推進を支援していく。
〔2025/11/26〕JR西日本、モビルスのチャットボット・有人チャットを導入
モビルスは、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が、インバウンド向けに提供する忘れ物およびQRコード予約のWEST QRの2つのサービスの問い合わせ対応に、モビルスの有人チャット「MOBI AGENT」、チャットボット「MOBI BOT」を導入したことを発表した。
これにより、JR西日本は大阪万博などのインバウンド需要の増加に対応し、多言語対応のチャットシステムを実現した。利用者は、忘れ物やWEST QRに関する問い合わせを英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語の3言語で行うことができる。
同システムは2025年2月から本格運用を開始し、導入から2カ月で、チャットボットおよび有人チャットを活用することで、忘れ物問い合わせで従来の電話対応と比較して、1件あたりの問い合わせへの対応時間を約24%削減した。また、利用者からは、母国語でスムーズに問題を解決できたとの高い評価を得ている。
〔2025/11/25〕SparkPlus、シンガポール・Dyna.Ai社と日本語対応音声対話AI「VoiceGPT」を共同開発
SparkPlus(本社:東京都文京区、本田純平社長、以下、Spark+)は、シンガポール・Dyna.Ai Technology Pte社(以下、Dyna.Ai社)と共同で、日本語対応の音声対話AI「VoiceGPT」を開発した。あわせて、日本市場における戦略的パートナーシップ契約を締結し、プライムパートナーとして、導入・運用を一貫して担う体制を構築していく。
本技術は、Dyna.Ai社のコア技術をもとにSpark+が日本語環境に最適化したもので、すでに保険・金融などの大手企業で導入が始まっている。両社は今後、24時間対応かつ高品質な応対を可能にする「AIコールセンター」の本格展開を進めていく。
少子高齢化や非対面チャネルの拡大により、コールセンターの現場では人材不足や対応品質のばらつき、育成コストの増大などが課題となっている。手続きやFAQの複雑化も進み、オペレーターの負担は一層高まっている。
こうした現場では、定型FAQの読み上げにとどまる音声ボットでは限界があり、意図の理解や要約、柔軟な応答、エスカレーション判断といった実務レベルの自動化が求められている。
そこで両社は、Dyna.Ai社の音声対話技術とSpark+の日本語音声データとAIエージェント構築力を組み合わせ、日本市場に適したAIコールセンターの実装を進めている。
既にライフネット生命保険をはじめ、保険・金融・製造・不動産など複数の大手企業との協業の中で検証・導入を順次開始している。
〔2025/11/20〕DolphinAI、クラコールPBXとDolphinVoiceが連携
DolphinAI(本社:東京都豊島区、朝倉匡廣社長)は、同社のコールセンター電話システム向け録音ファイル&リアルタイム音声認識サービスで、三通テレコムサービス(本社:東京都豊島区、庄逸杰社長)のクラウドPBXサービスクラコールを連携させ、ビジネス向け新機能 「AI通話メモ」 をリリースした。
三通テレコムサービスが展開するクラウドPBXサービス「クラコールPBX」は、スマートフォン・PC・SIP電話機を固定電話番号で発着信できる高機能なビジネス電話サービス。導入企業数は6,000社以上、稼働回線数は50,000回線超と、国内トップクラスの利用規模を誇り、スモールスタートから大規模拠点展開まで柔軟に対応できる点が多くの法人に評価されている。
この度、DolphinAIと共同開発の「AI通話メモ」新サービスは、コールセンター8K音声認識が通話内容を自動で文字起こしし生成AIが要点をわかりやすく要約する機能。これにより、電話での問い合わせ対応や商談内容の振り返りが、これまで以上にスムーズかつ効率的に行える。
クラコールPBXと連携して使えるAI通話メモサービスで、通話内容を自動で「録音 → 文字起こし → 要約 → TODO整理」まで行うため、“聞き漏らしゼロ・メモ取り不要” の新しい通話体験を実現する。
〔2025/11/20〕アドバンスト・メディア、営業活動の効率化と成果向上を支援するソリューション「AmiVoice SalesAgent」をリリース
アドバンスト・メディアは、のAI音声認識AmiVoiceと生成AIを活用し、商談の支援・記録・分析、営業活動の効率化と成果向上を支援するソリューション「AmiVoice SalesAgent」のβ版を2026年1月下旬にリリースすることを発表した。
AmiVoice SalesAgentは、営業組織の強化・改善に向けた取り組みであるセールスイネーブルメントの促進を目的とした「AmiVoice SalesBoost」シリーズの新ラインアップとして提供する。
米国Grand View Research社の発表によると、日本国内におけるセールスイネーブルメントの市場規模は、2024年の約252億円から、2030年には約679億円に拡大すると予測され、2025年から2030年にかけて17.9%の年平均成長率が見込まれている。
市場が急速に拡大する一方で、営業活動は企業の成長に直結する重要な業務でありながら、営業担当者のスキルや経験に大きく依存し、属人化しやすいという課題を抱えている。特に近年では、人材不足や採用難が深刻化しており、営業人材の確保や育成にかかる教育コストや時間的負担が企業の成長を阻む要因の1つとなっている。
そのような中、アドバンスト・メディアは、テクノロジーの力で営業の課題を解決し、営業活動の効率化と成果向上を支援するソリューション「AmiVoice SalesAgent」を開発した。AI音声認識AmiVoiceと生成AIを活用し、商談の支援・記録・分析を一元管理することで、商談の質を向上させ、営業の属人化を解消しながら、成果を出せる営業組織の確立を促進する。
AmiVoice SalesAgentは商談内容をリアルタイムでテキスト化し、発話者と発言内容を紐づけて表示する。議事録作成の手間を省きながら、誰が何を話したかを明確に記録することができる。
また、生成AIを感情解析でも利用し、顧客の感情の動きを可視化し、適切な対応に活かすことができる。商談の雰囲気や反応を定量的に把握でき、より的確な対応に活かすことが可能。
テキスト化した内容を元にGPTを活用し、リアルタイムで商談の進行をサポートする。重要事項の確認漏れ防止やタイムキーパー、関連資料の自動表示など、顧客対応の平準化・高度化・効率化に役立つさまざまな支援が可能。
商談終了後は「商談分析」「スキル分析」「商談議事録」「商談アシスタント」「概要」「タスク」の6項目について分析し、営業担当者のスキルの可視化や議事録・要約の出力、ToDo情報の抽出などを自動化し、次回商談へのスムーズな連携を支援する。過去の商談はプロジェクト単位で紐づけて蓄積できるため、案件の進捗把握・管理も容易。
同サービスのAI音声認識AmiVoiceはローカル環境で動作するため、機密情報を含む商談でも安心して利用できる。アプリケーションサーバーはオンプレミス環境で提供し、生成AIのクラウドサービスは契約のAzure環境でも利用可能なため、セキュアな運用が可能。
また、モノラル方式・ステレオ方式・マルチ方式など多様なマイク構成に対応しており、対面/オンラインを問わず、あらゆる商談シーンで利用できる。
アドバンスト・メディアは、今後もAI音声認識AmiVoiceを軸に、営業活動のDXを推進し、すべての営業職がテクノロジーの力で最大限のパフォーマンスを発揮できる社会の実現を目指す。