コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2024/7/8〕ロジカル・アーツ、生成AIを活用した次世代クラウド型コールセンターシステム「HARMONY」をリリース
ロジカル・アーツ(本社:大阪府大阪市、城垣光宏社長)は、AIを駆使した次世代コールセンターシステム「HARMONY」をリリースした。
HARMONYは、Amazon Connectをベースに、生成AIを活用したコールセンターシステム。通話内容のAI要約機能やAIリアルタイム文字起こし機能などにより、オペレーターが本来の業務に集中できる環境を提供し、コールセンター業務の効率化、高品質化を実現する。
Amazon Connectをすでに導入されていても、標準ソフトフォンを拡張する形で設計しているため、スムーズに連携できる。また、クラウドベースなため、インターネットに接続できるPCがあれば、簡単に導入できる。オンプレミスのように機器の購入や、メンテナンス費用は必要はない。スピーディーにコールセンターを開設可能。
生成AIを活用した通話要約や文字起こし、顧客管理機能、プレディクティブコール機能、シートマップ機能など、コールセンター運営に必要な機能を豊富に備えている。
〔2024/7/8〕ObotAI、アストンとの連携で、企業や自治体向けの多言語対応コールセンターサービスを提供開始
ObotAI(本社:東京都港区、北見好拡社長)は、DX+BPOで企業の生産性を加速させるアストン(本社:埼玉県さいたま市、上西龍社長)と連携をし、多言語対応を必要としている企業や自治体向けのコールセンターサービスの提供を開始した。
近年、少子高齢化による働き手不足により、日本の労働市場における外国人雇用はますます重要性を増しており、今後、在留外国人は増えていくと予想されているが、在留外国人にとって、言語の壁は大きな課題である。そこで、日本人のみならず、外国人にとっても生活がしやすい環境整備の1つとして、ObotAIの多言語AIソリューションとアストンのBPOに関する長年の知見を活かして、さまざまな言語で外国人のサポートを行えるコールセンターサービスを開発した。
新サービスは、ObotAIが開発した、リアルタイムで適切な翻訳を提供する「翻訳チャット」を利用して、アストンのコールセンタースタッフが外国人からの問い合わせに対応する。また、外国人から寄せられた質問や相談の対応は、Webチャット、LINE、メッセンジャー、WhatsAPPを通じて行うことができ、自身の母国語でやりとりができるので、安心して利用できる。
コールセンターサービスで使われる「翻訳チャット」は、GPT-4、GPT-4o、DeepL、Google翻訳のAPIを言語ごとに最適化して割り当て、精度の高いAI翻訳を実現している。特に、ベトナム語、ミャンマー語、タイ語、ネパール語、モンゴル語といった東南アジアの言語において、GPT-4oの利用により大幅な精度向上が見られる。また、多言語AIチャットボットを前捌きすることで、オペレーターへの問い合わせ負荷を軽減し、顧客に対して質の高いカスタマーサポートを提供することが可能となる。
〔2024/7/4〕ジェネシスクラウドサービス、カーニバル・ジャパンでGenesys Cloud導入を開始
ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長)は、米国ドラマにちなみ、「ラブ・ボート」の名で知られる世界で最も象徴的なクルーズ・ブランドであるプリンセス・クルーズのジャパンオフィスとして運営するカーニバル・ジャパンにてオール・イン・ワンのCCaaSSソリューション「Genesys Cloud CX」の導入・稼働が開始したことを発表した。
カーニバル・ジャパンは、年間数百万人ものお客様を最も人気のデスティネーションへお連れし、夢のバケーションをお届けしているプリンセス・クルーズのジャパンオフィスとして2012年に設立した。就航12年目となる日本発着クルーズの運航を通じて、日本生まれの客船であるダイヤモンド・プリンセスで巡る一番身近な海外旅行の提案とともに、メダリオン・クラスによる顧客の要望に合わせたきめ細かいサービスで、質の高いクルーズ体験を提供している。同社のコンタクトセンターでは、プリンセス・クルーズ予約デスク、プリンセス・クルーズ・アプリのサポートデスクを運営している。顧客のニーズを汲み取った適切な提案を通じた予約やアプリ利用の際の顧客体験を向上していく上で、精度の高い入電数やオペレーターの応対品質のレポート機能や、プロダクティビティを可視化するための分析ツールを導入が必要だったことからコンタクトセンター基盤システムの選定を開始。コンタクトセンターシステムの機能とともに、日本におけるサポート体制とインターフェイスの使いやすさを重視しながら選定を進め、複数のシステムを比較した結果、Genesys Cloud CXを導入する運びとなった。
Genesys Cloudを導入後、特に入電ボリュームやプロダクティビティを可視化できるようになったほか、オペレーターのクロススキルの管理が容易になった。この結果、レポートによってキューの混み状況を適切に把握し、エージェントのリソースを混雑状況に応じてより効率的に配分することなどが可能になり、業務効率化やCXの質向上における効果を実感している。さらに今後はマルチチャネルへの対応や、応対品質管理、アンケート調査の機能などの活用によって、さらに顧客体験の向上を目指していく。
〔2024/7/3〕カラクリ、生成AIチャットボットを提供開始
カラクリ(本社:東京都中央区、小田志門社長)は、2024年7月に顧客の困りごとを特定するまで対話する生成AI機能を、高精度AIチャットボット「KARAKURI chatbot」に搭載した。一般的に生成AIを顧客対応に活用する際、生成AIに「回答」させることに注力されてきたが、ハルシネ―ションの課題をクリアできず実用化に踏み切れないケースが多く発生している。そこでカラクリでは生成AI活用領域を「質問を紐解くこと」にフォーカスすることで、運用負荷をかけずに生成AIが自動でチャットボットをメンテナンスする仕組みを実現した。特許を取得している本機能の提供により、従来のチャットボットであれば必要だった「導入時の構築作業」が不要となるケースも見込んでいる。
またカラクリが2024年6月20日に発表した国産モデル初のAIエージェントとして使える「KARAKURI LM 8x7B Instruct v0.1」も今後連携でき、顧客の選択肢の幅を拡げていく。
KARAKURI chatbotは、大規模コールセンターに特化した高精度チャットボット。FAQツールとの一元管理や複数のチャットボットを1つの管理画面で運用できるなど、大手企業が抱える課題解決に適した機能を搭載している。今回特許を取得した新機能では、生成AIの活用領域を「カスタマーの問題特定」に限定。顧客の問い合わせ内容(質問内容/依頼内容/相談内容)を特定するまで生成AIが対話、質問の特定ができれば的確な回答ができるオペレーターやFAQページ、チャットボットなど適切なチャネルへ誘導する。また質問された内容も自動生成し、チャットボットのFAQデータに学習させることができ、メンテナンスフリーのチャットボット運用を可能にする。
〔2024/7/3〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI」を東京ガスがコールセンター対応で採用ボイスとチャットの同時利用でAI対応完了率最大96%を達成
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、東京ガスが、コールセンター対応において顧客サービス向上と、特に引っ越しの繁忙期を中心に急務であった業務効率化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI(キャット エーアイ)」を2024年2月に本格導入したことを発表した。
東京ガスのコールセンターでは、繁忙期と閑散期の入電数の差が大きく、人材確保に苦慮する場面がある。引っ越しシーズンの3~4月には、多くの問い合わせが集中するため、コールセンターにかかる負担も大きく、顧客への対応品質向上のためにも、電話対応業務の効率化が課題となっていた。特に、問い合わせの約半数を占めるガス開閉栓手続きの自動化については数年にわたり検討を重ねていが、聴取内容やシステム連携の難易度が高く、これまで実現に至っていなかった。
ガスの開閉栓対応には契約者名(漢字)やマンションなどの建物名の正確な聴取が求められる。そのため、チャットボット(テキスト)とボイスボット(音声)が1つのプラットフォームで同時に利用できる「CXマルチモードAI」を搭載した「CAT.AI」が採用された。CAT.AIは、音声とテキストを使ったナビゲーションのわかりやすさや、顧客の好みに応じた対応方法の選択が可能な柔軟性が評価された。
CAT.AIのCXデザイナーチームが拘ったシナリオデザインでは、電話をしながらショートメッセージを開くという動作をスムーズに進める案内を追加し、住所の入力ではユーザーの方ができるだけ入力や選択に迷わないよう、入力や選択を分けて提示するようなステップを追加し、スムーズかつ違和感のないAIでの対応を実現した。また、音声案内の終了タイミングの選択を可能にする仕様に工夫することで、通話時間の短縮や通話料の負担軽減も実現した。その結果、2024年3月の繁忙期にはAI対応完了率が最大96%を達成した。
〔2024/7/3〕オウケイウェイヴ、サポートコミュニティ「OWKAVE Plus」でベルシステム24と販売パートナー契約を締結
オウケイウェイヴは、ユーザー参加型のサポートコミュニティを簡単に構築できるサービスである「OKWAVE Plus」において、ベルシステム24と販売協力に関する契約を締結したことを発表した。
本契約によって、顧客同士で問題解決を促進するサポートコミュニティをソリューションとして提案する機会が増え、より多くの企業で顧客満足度向上と呼量削減につながることを目指す。
ベルシステム24では、コンタクトセンターのアウトソーシングサービスとともに、顧客自ら問題解決できるFAQやチャットボットなどのソリューションを提供することで、顧客満足度向上や呼量削減につながるサポートチャネル全体の最適化を提案している。
企業のコンタクトセンターには、サポートチャネルだけでは対応しきれない問い合わせや、サポート時間外の問い合わせも存在する。
サポートコミュニティ「OKWAVE Plus」は、顧客同士で問題解決が行われるため、顧客のリテラシーや特定の個別環境に依存する問題、他社製品との関連が影響する問題、サポートチャネルでは回答しづらい問い合わせなどについても、24時間365日の解決が可能となる。
〔2024/7/2〕三井住友カード、コンタクトセンターでELYZAの生成AIの本番利用を開始
三井住友カードと大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進めるELYZA(本社:東京都文京区、曽根岡侑也社長)は、三井住友カードが運営するコンタクトセンターにおいて、ELYZAの提供する、検索拡張生成(RAG)技術を用いた生成AIの本番利用を開始したことを発表した。本生成AIの導入により、オペレーターの応対スピードの向上、ならびに問い合わせチャネルの強化を実現し、三井住友カードへの問い合わせをより便利に利用できるになる。
2023年の消費全体に占めるキャッシュレス決済比率が39.3%と過去最高を更新した。キャッシュレス決済の普及拡大が続く中、三井住友カードでは2023年度の新規申込みが500万件(うち300万件がプロパーカードの申込み)を超えるなど、大変多くの顧客が利用している。こうしたなか、三井住友カードのコンタクトセンターには、利用に関する内容などをはじめ、月間約50万件を超える問い合わせがあり、対応品質と対応可能件数の向上が急務となっている。
近年急速に進展する生成AIは、コンタクトセンターの業務高度化・効率化に寄与し、生成AIの活用によって、顧客対応品質の向上にも貢献する。ELYZAが提供する生成AIは、RAG技術などの高度活用が可能でありながら、独自のLLM活用基盤に支えられた堅牢な生成AIのため、セキュリティ基準の高いコンタクトセンターでもリスクを抑えながら活用できる点を評価し、導入に至った。
本生成AIは、三井住友カードのコンタクトセンターに寄せられる問い合わせに対し、検索拡張生成(RAG)技術を活用して社内データを検索(探索AI)し、回答の草案を自動で生成(回答生成AI)するもの。2024年6月末よりコンタクトセンターのメール回答業務で利用を開始している。年内には同様の生成AIをチャットでの問い合わせにも展開予定で、その際には業務用アプリケーションにAPIで組み込みを行う想定。最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、顧客からの問い合わせ対応にかかる時間が最大で60%程度短縮される見込み。なお、本生成AIはELYZAが開発するLLM実用化プラットフォーム「ELYZA App Platform」経由で提供される。