インハウスセンター動向
〔2025/8/9〕Salesforce、東京海上ホールディングスおよび東京海上日動との戦略的提携を発表
セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce )は、東京海上ホールディングスおよび東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)との戦略的提携を発表した。本提携は、東京海上グループのお客様体験の更なる向上を目的としている。
近年、AI技術等の急速な進展に伴い 、保険業界でもこれまでにないレベルでお客様体験の向上が求められている。東京海上グループでは、AIとデータを活用したお客様体験の向上と、お客様起点の業務プロセスへの変革を推進しており、保険にとどまらない新たな価値創造に取り組んでいる。こうした中、東京海上グループでは、東京海上日動の「代理店システム」や「コンタクトセンターシステム」などにFinancial Services CloudやData CloudなどのSalesforce製品を業務基盤として活用しており、Salesforceは今後の業務プロセス再設計においても中核的な役割を担う。
Salesforceは、顧客関係管理で世界的な実績を持ち、AIとデータを融合させた高度な顧客体験の創出や業務プロセスの標準化において豊富な知見と技術力を有している。特に、昨年提供を開始したデジタル労働力を生み出すプラットフォーム「Agentforce」により、企業・組織は高い信頼性を備えた自律型AIエージェントを業務の流れに組み込むことで、チームの生産性を飛躍的に向上させることが可能。AIエージェントが既存のデータシステム、ビジネスロジック、ユーザーインターフェースにシームレスに統合され、業務ニーズを先回りして把握し、適切なアクションを実行する。これにより、人は煩雑な業務から解放され、より付加価値の高いお客様対応に注力できるようになる。また、Agentforceはノーコード・ローコード開発基盤を採用しており、すぐに活用を開始できる導入の容易さに加え、LLM(大規模言語モデル)の選択が可能な高い拡張性と柔軟性を備えている。これにより、企業は急速に変化する市場環境の中でも、AI導入のハードルを下げつつ、俊敏かつ戦略的にAI活用を推進することが可能となる。 こうした背景を踏まえ、東京海上ホールディングスと東京海上日動は、お客様体験の更なる向上とAgentforceを含むAI活用を前提とした業務プロセスの再設計を加速できると判断し、Salesforceとの戦略的提携に至った。
本提携においてSalesforceは専門人材による支援を通じ、以下の主要領域で協力することを想定している。お客様体験の更なる向上や、AIネイティブな業務プロセスの変革といった最新テクノロジーの導入にとどまらず、より本質的な価値創出を目指す。また、提携の中でホールディングスと東京海上日動におけるAIとデータを活用したプロセス変革・システム開発の中核人材の育成にも取り組む予定。
お客様体験の向上:Agentforceを含むAIを活用したコンタクトセンターの構築による、保険の契約からアフターサービスまでシームレスな体験を提供する。これにより、顧客は、よりスムーズでストレスの少ない手続きと、迅速かつ的確な対応を受けられるようになる。 SalesforceのData Cloudを活用し、蓄積されたデータと Agentforceを含むAIの活用により、パーソナライズ提案や予測型サービスを提供し、顧客1人ひとりに最適な保険商品やサポートを必要なタイミングで案内する。
AIを前提とした業務プロセスの再設計:営業課支社、代理店、コンタクトセンターなどの主要業務において、Agentforceを含むAIの活用と、データ活用を前提としたプロセス設計を共同で推進する。業務の標準化・効率化を図るとともに、お客様接点の質を飛躍的に向上させる。
こうした提携により、東京海上グループの顧客は以下のような価値を享受できるようになる。
・よりパーソナライズされた保険提案:顧客のライフスタイルやニーズに基づき、Agentforceを含む AI が、最適な保険商品を提案
・迅速かつ的確な対応:コンタクトセンターや代理店での対応のスピードと精度が向上し、待ち時間の短縮と満足度向上を実現
・シームレスな保険体験:契約からアフターサービスまで、途切れのないスムーズな体験を提供
・安心と信頼の強化:データとAgentforceを含むAIによる予測型サービスにより、万が一の際にも迅速かつ的確なサポートを提供
〔2025/8/8〕三菱UFJファクターと東計電算、業務提携範囲を拡大
三菱UFJファクター(本社:東京都千代田区、小川浩一社長)と東計電算は、従来業務提携をしていた「K-front」に加えて、2025年7月より新たに「Findシリーズ」および「Call-One」においても業務提携を開始することを発表した。
三菱UFJファクターは、口座振替サービス「ワイドネット」など多様な決済サービスを提供し、代金回収効率化を推進している。特に、安全で迅速な資金回収システムにより、多くの顧客との信頼を築いてきた。
東計電算は、業種別・業務別に最適化されたITソリューションを提供しており、長年にわたる豊富な経験と実績を持つ、信頼の企業。特に、「決済管理に関する課題やお悩み」を解決するK-frontを提供しており、企業のニーズに応じて柔軟にシステム設計を行える点が高く評価されている。これまで両社は、K-frontを通じて、顧客の請求・決済業務の効率化を支援してきた。
今回の業務提携範囲の拡大により、Findファイラー、Findワークフローによる文書管理の効率化、社内の申請・承認作業のデジタル化推進、およびCall-Oneでのコールセンター導入による顧客対応業務の効率化まで、より広範な業務領域でお客さまのサポート体制強化を実現する。
今後も両社は、顧客の経理・財務部門をはじめとする業務のDX化とビジネス成長を支援すべく、サービス向上と技術開発を推進していく。
〔2025/8/7〕ライフネット生命保険、「カスタマーハラスメントへの対応方針」を公表
ライフネット生命保険は、「カスタマーハラスメントへの対応方針」を策定したことを発表した。
カスタマーハラスメントへの対応方針:https://www.lifenet-seimei.co.jp/policy/customer-harassment/
同社は、「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスの提供を追求することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」という経営理念に基づき、常に顧客の声に耳を傾け、顧客本位の業務運営に努めている。
一方で、一部の顧客の要求や言動の中には、従業員の尊厳を傷つけ、就業環境を悪化させるものもあり、安全・安心なサービスの提供に悪影響を及ぼしかねない重大な問題だと考えている。
従業員の安全な就業環境を確保することで、従業員が安心して業務に取り組むことが可能となり、ひいては、顧客との関係をより良いものとすることにつながると考え、同社における「カスタマーハラスメントへの対応方針」を定めた。
〔2025/8/7〕東京海上日動、Webサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」を導入
RightTouch(本社:東京都港区、野村修平社長、長崎大都社長)は、同社が提供するWebサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」(以下、RightSupport)が、東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)のCX・dX推進部に導入されたことを発表した。
多くの企業では、Webサイトやサポートページの運用体制が整っておらず、カスタマーサポート部門が顧客の疑問や不安にタイムリーに応えることが難しい状況にある。その結果、自己解決できない顧客からの問い合わせが増加し、サポート現場の負荷が高まっている。
東京海上日動では、顧客の利便性の向上を目的に公式Webサイトや東京海上日動マイページを通じた顧客の自己解決支援の強化に取り組んでいる。その中で、公式Webサイトとカスタマーセンターの連携を強化し、顧客のWeb上の課題を早期に捉えて対応する体制を目指していた。
しかし、より迅速に顧客の課題を解決するためには、Web上の行動データから“つまずき”をリアルタイムに把握し、FAQの開示内容の見直しや配置の変更などの適切なサポートを即時に提供できる体制の強化が求められていた。
こうした課題を解決するため、カスタマーセンターと連携を強化し、カスタマーサポート部門主導でWebサポート施策を展開し、PDCAサイクルを回せる環境を目指して「RightSupport」を導入するに至った。
課題:毎年11月頃になると、保険料控除証明書の再発行についての問い合わせが急増し、カスタマーセンターがつながりにくくなる状態が発生していた。
施策:最もアクセス数の多い公式Webサイトのトップページに、保険料控除証明書に関するFAQをポップアップ表示するようにした。
この施策により、顧客が必要な情報にすぐにアクセスできるようになり、電話による問い合わせの一部をWeb上で解決できるようになった結果、前年同月比で問い合わせ件数を15%削減することができた(2022年11月と導入後となる2023年11月の比較)。
今回、RightSupportの導入により、顧客のWeb行動データを元にした課題分析とそれに適したWebサポート施策をつなげて実施することができるようになり、迅速なPDCAを回せるようになった。その結果、東京海上日動では、公式Webサイトとカスタマーセンター間のスムーズな連携が実現し、顧客の利便性向上につながっている。
2025年夏には、顧客が手続きしたいことをAIに対して伝えるだけで適切な手続き方法を案内するなど、新しいサポートを提供し、さらに今後は、顧客の属性に応じたパーソナライズされた情報発信などを実現していく予定。
〔2025/8/7〕りそな銀行、営業業務にコンタクトセンター業務高度化AI「PKSHA Speech Insight」を導入
PKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)は、りそな銀行と連携し、オペレーター業務高度化AIアシスタント「PKSHA Speech Insight」をりそな銀行の営業業務に本格導入したことを発表した。
りそな銀行の営業部門では、新規アポイント取得のためのインサイドセールス業務において、さらなる効率化と質の向上、そして事業貢献の最大化を目指していた。具体的には、次の2点が挙げられる。
ひとつは、通話後の後処理(アフターコールワーク/ACW)に時間を要し、架電件数をさらに伸ばす余地があるという点。そして、より本質的な改善点として捉えられていたのが、オペレーターのスキルが属人化し、アポイント獲得率に差が生じているという点。
この「オペレーターのスキルが属人化」に対応し、ハイパフォーマーの優れたノウハウを組織全体に展開することこそが、インサイドセールス部門全体の生産性を高める鍵だと捉えていた。
そこで、これらの状況を同時に改善するソリューションとして、PKSHA Speech Insightの導入が決定された。同サービスは、通話の自動書き起こしによって、ACW負担を軽減し、架電件数をさらに伸ばすという「量の改善」に貢献する。それだけでなく、LLM(大規模言語モデル)を用いた応対品質評価機能によって、「質の向上」にもアプローチする。アポイント獲得率の高い会話傾向を分析・可視化し、優れたノウハウの共有を促進することで、チーム全体の生産性向上に貢献する。
りそな銀行は2025年4月より、インサイドセールス部門の架電業務にPKSHA Speech Insightを本格導入した。本導入の最大の特徴は、一般的にコンタクトセンターのインバウンド業務で活用されてきた本サービスを、インサイドセールスのアウトバウンド業務へ応用し、特に「対話の質」の向上に重点を置いた点。
同サービスの導入により、2つの効果を見込んでいる。
1つは、ACWの効率化による、架電件数の増加。アウトバウンド業務におけるヒアリング内容を自動で要約し、簡単な操作で顧客管理システムへの転記や、後続部署へのメモとして活用することで、ACWを効率化する。
2つ目は、チーム全体の応対品質とアポイント獲得率の向上。アポイント獲得に至った会話とそうでない会話を比較・分析することにより、トップオペレーターの話し方やトーク展開など、暗黙知であったノウハウ(成功要因)を高精度に可視化することで、共有を促進する。これにより、オペレーター1人ひとりが自身の対話内容を客観的に振り返り、改善点を自律的に学習できる環境を構築する。
これらの効果により、通話の質と対応件数を高め、りそな銀行の顧客の困りごと解決に直結する体制を実現する。
りそな銀行は今後、PKSHA Speech Insightの活用を通じて後処理時間の一層の短縮と応対品質の底上げを推進し、営業部門全体の生産性向上と、さらなる顧客への貢献を目指す。
PKSHA Technologyは、対話情報の書き起こし・データ化を可能にするPKSHA Speech Insightの精度と提供価値を高めることで、クライアント企業の事業成長に貢献する。 また、PKSHA Speech Insightを含む複数のプロダクトを展開し、従来のコンタクトセンター支援に加えて、アウトバウンド業務の総合的な支援を加速していく。
〔2025/8/6〕アルティウスリンク、首都高速道路のお客さまセンター体制強化
アルティウスリンク(本社:東京都渋谷区、若槻肇社長)は、首都高速道路におけるカスタマーサポート業務を支援し、24時間365日運用体制の構築と、カスタマーハラスメント対策の強化を実現した。カスハラ対策の運用を支える音声認識システム「AmiVoice」の導入により、オペレーターの心理的安全性を確保。BCP対策の一環となる非常時の柔軟な人員体制や、99%の顧客対応を完結するセンター運営を通じて、社員がコア業務に集中できる環境づくりを支援している。
当初、首都高速道路が自社運営していた「お客さまセンター」は、24時間365日受付体制の構築に伴う人員の確保やそれに伴う労務管理が課題となっており、顧客対応を専門とする会社への委託を検討されていた。
大型イベント、台風や大雪といったある程度予測できる対応にとどまらない、地震のような予測不能な非常事態発生時にも問合せ対応可能な人員体制の整備が課題となっていた。
長時間の苦情や不当な要求、暴言など、円滑な業務遂行に支障をきたすカスハラが深刻化しており、オペレーターを守るための明確な対応方針と体制整備が急務となっていた。
電気・通信といった生活インフラ領域の業務支援実績が豊富なアルティウスリンクには、非常時でも事業を継続しつつ、オペレーターが安全に出勤できるための仕組みを構築・実践してきた知見がある。このノウハウを生かし、公共交通機関が止まった際も、代替手段で出勤可能な人員をあらかじめリストアップして備えることで、非常事態発生時にも安定した運営を保てる体制を構築した。
首都高速道路様では、カスハラ対策として、「切電マニュアル(カスハラ対策マニュアル)」を策定し、一定条件下での切電をルール化している。このマニュアルの運用をサポートする音声認識システム「AmiVoice」を同社提案により導入し、会話の可視化やリアルタイムアラート表示、応対履歴確認が可能になった。さらに、対応内容が客観的に記録されることで、マニュアル遵守を正しく検証できるようになった。オペレーターからは「電話応対に前向きになれた」「守ってもらえる安心感は大きい」という声があり、心理的安全性の高い業務環境を実現した。
アルティウスリンクは、これからも首都高速道路と共に「お客さま第一」の実現に向け、迅速かつ的確な情報提供を通じて、顧客の期待を超える高品質なサービスの提供に努めていく。また、今後は電話応対にとどまらず、テキスト化した問合せデータを蓄積し、交通状況や気象などの事象と入電の相関を分析することで、問合せ前の情報提供、情報提供手段の追加や改善など、事業や施策に活かす取り組みにも注力していく。
〔2025/8/6〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI CX-Bot」を広島ガスがコールセンターのガス開閉栓受付業務に採用
トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、広島ガスが、コールセンター受付における顧客サービス向上とDXによる業務の効率化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI CX-Bot」を2025年5月に導入したことを発表した。
広島ガスでは、ガスの開閉栓に関する入電が引っ越しシーズンである3月から4月にかけて急増し、通常月の約2倍に相当する8,000件から9,000件にのぼる。繁忙期と閑散期の差が大きいことから、繁忙期の業務量増加への対応や人材確保が大きな課題となっていた。こうした背景を踏まえ、広島ガスはコールセンター受付業務のサービス品質の向上および業務の効率化、受付人員の最適化を目指し、AIによる自動化の検討を開始した。
ガスの開閉栓手続きでは、氏名の漢字表記や住所の正確な情報取得が不可欠。CX-Botは、ボイスボット(音声)とチャットボット(テキスト)を1つのプラットフォーム上で同時に利用できることが特長で、音声のやり取りだけでは難しい対応の場合は、テキスト入力を活用し、ナビゲーションしていくことが可能。訪問希望日の聴取にはチャットボット画面に表示されるカレンダーで確認することもできるなど、ユーザーにとってストレスのない操作性と精度の高い情報取得を両立できることが評価され、今回の導入に至った。
CX-Botは柔軟なシナリオ設計が可能で、複雑なフローや判断にも対応する。ガスの開閉栓受付業務では、引っ越し先が供給区域の中か外かの判断が必要だ。CX-Botは入力した住所情報が供給区域内かを自動的に判定し、供給区域外と判断した場合はオペレーターに転送するなど、適切な対応を実行する。複雑なフローを含むシナリオも標準機能として構築できるため、人による確認・対応の必要性を大幅に減らすことができ、AIによる自動化の実行性を高める。