インハウスセンター動向

〔2025/8/6〕トゥモロー・ネットの「CAT.AI CX-Bot」を広島ガスがコールセンターのガス開閉栓受付業務に採用

 トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、広島ガスが、コールセンター受付における顧客サービス向上とDXによる業務の効率化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI CX-Bot」を2025年5月に導入したことを発表した。
 広島ガスでは、ガスの開閉栓に関する入電が引っ越しシーズンである3月から4月にかけて急増し、通常月の約2倍に相当する8,000件から9,000件にのぼる。繁忙期と閑散期の差が大きいことから、繁忙期の業務量増加への対応や人材確保が大きな課題となっていた。こうした背景を踏まえ、広島ガスはコールセンター受付業務のサービス品質の向上および業務の効率化、受付人員の最適化を目指し、AIによる自動化の検討を開始した。
 ガスの開閉栓手続きでは、氏名の漢字表記や住所の正確な情報取得が不可欠。CX-Botは、ボイスボット(音声)とチャットボット(テキスト)を1つのプラットフォーム上で同時に利用できることが特長で、音声のやり取りだけでは難しい対応の場合は、テキスト入力を活用し、ナビゲーションしていくことが可能。訪問希望日の聴取にはチャットボット画面に表示されるカレンダーで確認することもできるなど、ユーザーにとってストレスのない操作性と精度の高い情報取得を両立できることが評価され、今回の導入に至った。
 CX-Botは柔軟なシナリオ設計が可能で、複雑なフローや判断にも対応する。ガスの開閉栓受付業務では、引っ越し先が供給区域の中か外かの判断が必要だ。CX-Botは入力した住所情報が供給区域内かを自動的に判定し、供給区域外と判断した場合はオペレーターに転送するなど、適切な対応を実行する。複雑なフローを含むシナリオも標準機能として構築できるため、人による確認・対応の必要性を大幅に減らすことができ、AIによる自動化の実行性を高める。

〔2025/8/5〕モノタロウ、カスタマーサポート電話対応にAIボイスボット「commubo」を採用

 ソフトフロントジャパン(本社:東京都千代田区、髙須英司社長)は、MonotaRO(本社:大阪府大阪市、田村咲耶社長)に、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」が採用されたことを発表した。
 モノタロウカスタマーサポートチームは、200席規模のコールセンターを運営するも、業績拡大により深刻化する人手不足への対応として、定型業務の自動化・効率化を目指しボイスボット導入を検討した。導入にかかる費用を抑えられる点に魅力を感じ、commuboを選定・導入している。
 ボイスボットによる自動化の有効性を検証するにあたり、“必須ではないが必要な業務“として、「入荷予定日を過ぎている取引先への、納期確認リマインドコール」を自動化第一歩の業務として選定し、PoCを実施した。
 PoC実施中は、commuboのもう1つの選定理由である、自社でシナリオを手軽に変更できる柔軟性を活かし、トークスクリプトの改善を重ねながら運用した。
 PoCの結果、納期回答リードタイムを約5割短縮、当日の回答率も10%改善と、数値面での成果を確認し、架電業務を自動化することで 人的リソース有無の影響をなくし、適切な納期改善アプローチを確認することができた。  今後は、​自動化による​24時間365日対応のコールセンターを目指し、下記の通り電話自動応対の業務範囲を拡大していく予定。
・取引先との他の応答業務への活用拡大
・活用拡大の実績を分析したのち、お客様対応への活用も検討
・架電業務(アウトバウンド)から受電業務(インバウンド)への活用
・ボイスボット完結率の向上(有人対応や後工程を挟まず、ボイスボットのみで対応を完結)
・commuboを中心とした、生成AI等のツールを組み合わせた活用も検討

〔2025/8/4〕SBIいきいき少短、AIでナレッジ基盤を整備しコールセンターの業務効率と提案力を強化

 ナレッジを届ける自己解決AIシステムを提供するHelpfeel(本社:京都府京都市、洛西一周社長)は、SBIいきいき少額短期保険(以下、SBIいきいき少短)が、Helpfeelの検索型AI-FAQを導入し、コールセンターのナレッジ基盤を整備したことを発表した。
 情報を即時に検索できる環境を整えたことで、オペレーターの対応時間は平均8分から6分へ2分短縮した。また、新人オペレーターの自発的な学習が促進され、育成負荷が軽減されたことで、経験豊富なオペレーターは提案業務により多くの時間を充てられるようになった。その結果、アウトバウンド件数が従来の1.8倍に増加するなど、事業の拡大にも貢献している。
 SBIいきいき少短は、死亡・医療・介護などの少額短期保険を提供し、2025年4月時点で約10万件の契約を保有している。同社のコールセンターでは、これまで約款やマニュアルなどの情報をチームごとに管理していたため、チーム間でナレッジにばらつきが生じたり、情報が最新の状態に保たれていなかったりといった課題があった。
 その結果、オペレーターが必要な情報をすぐに見つけられず、顧客を電話口でお待たせしてしまったり、折り返し対応をせざるを得なかったりする状況が発生していた。これはオペレーターの負担になるだけでなく、顧客満足度にも影響を与える可能性があった。
 この課題を解決するため、SBIいきいき少短はコールセンターの情報を一元化するプロジェクトを立ち上げ、2024年5月にHelpfeelのAI-FAQ運用を開始した。
 従来8,000件あったナレッジの重複や古い情報を整理・精査した。その上で、優先度の高い約300件の記事からAI-FAQの構築を開始し、Helpfeelによるナレッジの一元管理を実現した。これにより、オペレーターは通話中でも、従来のように複数のファイルを開いて確認することなく、即時に正しい情報を検索できる環境が整った。
 特に、保険業界特有の複雑な約款やマニュアルについては、HelpfeelのPDF検索機能を活用することで、複数の資料を横断的に一括検索できるようになり、情報を探す手間が大幅に削減された。これらの取り組みの結果、1件あたりの対応時間を1〜2分短縮することに成功した。
 Helpfeelによって必要な情報へ誰もが簡単にアクセスできるようになったことで、新人オペレーターが自ら学ぶ文化が醸成され、SVへの質問やエスカレーションが減少した。これにより、SVはより複雑な問い合わせへの対応に集中できるようになった。
 また、新人の育成に関わる負荷が軽減されたことで、経験豊富なベテランのオペレーターはアウトバウンド業務に専念できる体制が整った。その結果、アウトバウンドの件数は従来比で1.8倍に増加し、顧客1人ひとりへ、よりきめ細かな提案活動ができるようになった。
 SBIいきいき少短は今後、Helpfeelで対応するナレッジの範囲をさらに拡充し、SVへのエスカレーションを一層削減していくことを目指していく。快適な情報アクセス環境を強化することで、新人やベテランといった経験年数にかかわらず、すべてのオペレーターが均一かつ高品質な対応を提供できる体制を構築し、顧客体験の最大化を図る。

〔2025/8/1〕三菱UFJ銀行、日本で初めてSalesforceの金融業界向けAIエージェント「Agentforce for Financial Services」を選定

 セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長、以下、Salesforce)は、三菱UFJ銀行が、金融業界向けに特化した自律型AIエージェント「Agentforce for Financial Services」を選定したことを発表した。本事例は、日本で初めてのAgentforce for Financial Servicesの事例となる。
 今回三菱UFJ銀行が選定したAgentforce for Financial Servicesは、Salesforceが今年6月に発表した「Agentforce 3」の最新機能のひとつである、より高度に拡張された業種別の事前作成済みアクション(英語)を備えている。200種類以上の業界特化型のAgentforceのアクションにより、導入企業はAIエージェントを即時に活用することができ、あらゆる業務の効率化を実現する。Agentforce for Financial Servicesは、金融業界におけるフロントオフィス業務の主要なタスクを自動化し、利用する金融機関はより付加価値の高い顧客エンゲージメントに時間を充てることが可能になる。
 三菱UFJ銀行は、顧客データの一元化を図り、営業力の強化と顧客体験の向上を目的として、2025年4月より新しいCRMシステムとしてSalesforceのFinancial Services Cloud(FSC)を導入した。こうした取り組みをAIエージェントの活用によりさらに加速すべく、今回Agentforce for Financial Servicesの選定に至った。AgentforceはFSCにネイティブに統合されているため、過去の営業履歴や顧客データを活用し、即時に金融業界のニーズに特化したAIエージェントの活用が可能であり、その即応性と親和性の高さが評価された。
 Agentforce for Financial Servicesの導入により、三菱UFJ銀行はデータの有効活用による提案品質の向上や業務効率の飛躍的な改善を実現し、これまで以上に迅速かつ付加価値の高い顧客体験の提供が可能になると考えている。業務上の適用例として、面談前の顧客インサイト提示、面談中のフォロー、面談後の営業担当者向けフォローアップなど、営業担当者とAIエージェントの協働による業務の高度化を検討している。
 さらに同行は、FSC導入当初よりProfessional Serviceを活用し、アジャイル運営の促進や、AgentforceをはじめとするAI活用のユースケースの拡大を推進してきた。これにより、膨大なデータに基づく付加価値の創出や業務生産性の向上、行員の新たな働き方の定着を支援している。加えて、Signature Support Planにより、同行のデジタルトランスフォーメーションを力強く後押ししている。
 三菱UFJ銀行では、Agentforceの適用範囲を段階的に拡大し、FSC上で実行する業務領域の拡充を進めていく方針。これにより、顧客理解を深め、より良い顧客体験の提供を目指す。

〔2025/7/31〕北洋銀行、非対面顧客サポートをHelpfeelのAI-FAQで強化

 Helpfeel(本社:京都府京都市、洛西一周社長)は、北洋銀行がHelpfeelの検索型AI-FAQを導入し、電話応答率が80%未満から90%以上に改善したことを発表した。顧客の自己解決が進み、問い合わせ数が減少したことで、コールセンターの人手不足解消にもつながった。
 北洋銀行では長年、個人顧客からの問い合わせ対応は主に電話で行ってきた。そのため、月2,000件を超える電話問い合わせに対応する体制を整備する必要があったが、対応人員の入れ替えや人員確保が追いつかず、応答率が80%を下回る場合があった。
 この課題を解決するため、北洋銀行は2023年11月、顧客が電話で問い合わせすることなくWeb上で回答を見つけることができるHelpfeelの検索型AI-FAQを導入し、非対面での顧客サポート体制を強化した。
 Helpfeel導入後、Web上にあるFAQの内容や導線を改善したことで、FAQのアクセス数が大幅に増加した。北洋銀行は、FAQを検索しても回答が見つからない「ノーヒット率」の削減をKPIとし、同社カスタマーサクセスとともに継続して改善活動を行った。その結果、自己解決率が向上し電話問い合わせ数が減少した。
 これにより、コールセンターの応答率は90%以上に改善し、追加人員を増やすことなく、サービス品質の向上を実現している。
 また、FAQの検索ログから顧客のニーズが可視化され、「住所変更」「通知先電話番号の変更」など要望の多い手続きが明らかになった。北洋銀行はこれらデータを活用し、アプリ・システムの改修に着手。顧客利便性の向上にもつながっている。
 北洋銀行は今後、個人向けに加えて、法人向けFAQの拡充も視野に入れている。また、現在はデジタル・マーケティング部が所管しているFAQ体制を、他部門にも展開し、全社的に問い合わせ数削減と顧客満足度向上を目指す。
 将来的には「Web上のFAQだけで自己解決できる」環境を構築し、銀行のWebサイトに電話番号を掲載する必要がないレベルまでサポートの利便性を高めていく方針。

〔2025/7/31〕岐阜新聞社、メディアリンクの自動音声応答システム「DXでんわ」を導入

 メディアリンク(本社:東京都港区、松本淳志社長)は、岐阜新聞社(本社:岐阜県岐阜市、矢島薫社長)において、「DXでんわ」が導入されたことを発表した。
 1881年創刊の岐阜新聞社は、地域に根ざした報道を展開する総合メディア企業。新聞発行のほか、「プレイガイドぎふ」でのチケット販売、「岐阜新聞旅行センター」での旅行商品販売など、多様な事業を展開している。
 岐阜新聞社では「プレイガイドぎふ」「岐阜新聞旅行センター」「マーケティング部」の3つの窓口機能を1つの電話番号で運用していた。一方、受電時の名乗りは「岐阜新聞社」で統一されていたことから、顧客に混乱が生じ、スタッフも電話に出るまでどの窓口宛ての電話かわからない状況であった。また、留守番電話機能がなく、営業時間外や休日は電話が鳴りっぱなしで、顧客の不満を招く原因となっていた。 
 DXでんわの導入により、自動音声ガイダンスで窓口を明示しつつ、プッシュボタン操作による適切な振り分けが可能になった。受電時には「プレイガイドぎふへのお電話です」のようなガイダンスにより、スタッフが窓口を把握した状態で対応できるようになった。また、用件の吹き込み機能と自動テキスト化により、電話がつながらなかった際も迅速な折り返し対応でチケットや旅行商品の購入につなげることが可能になり、機会損失を防止している。さらに、営業時間設定機能で窓口ごとに転送時間を調整し、周辺業務の時間確保と業務生産性の向上も実現している。

〔2025/7/30〕インフィニトラベルインフォメーション、「Genesys Cloud」を採用

 ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長)は、日本におけるGDS(国際航空券予約・発券システム)サービスのリーディングカンパニーであるインフィニトラベルインフォメーション(本社:東京都港区、高橋誠一社長、以下、インフィニ)が、次世代型カスタマーエンゲージメント体制の実現を目指し「Genesys Cloud」を採用したことを発表した。システムの本格運用は2025年3月に開始され、インフィニでは、クラウド基盤を通じて応答性と業務効率の向上を実現している。
 旅行業界では、従来の対面や電話による接客に加えて、チャットやAIなどの顧客接点を含む多様な手段で、より迅速かつ柔軟な対応を求める声が高まっており、その整備が急務とされている。インフィニでは、これまで分断されていた電話・チャット両チャネルの統合運用と業務の効率化を通じて、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上を図るべく、Genesys Cloud の採用を決定した。
 インフィニが運営するコンタクトセンター「INFINI desk」では、同社が運営するシステムの利用者に向けたサポート業務を担っている。従来は電話とチャットに対応するシステムが連携しておらず、それぞれにオペレーターを配置しなければならない体制が続いていた。
 また、顧客の自己解決を促進するチャットボットもシナリオ数の上限に達しており、十分な対応が困難な状態であった。こうした課題から、「オペレーター配置の柔軟性がない」「チャットボットの拡張性に限界がある」といった運用・サービス両面での制約を抱えており、より複雑な対話にも対応可能なバーチャルエージェント機能を備えたGenesys Cloud の導入に至った。
 Genesys Cloud の採用にあたっては、以下の点が評価された。
・電話・チャットチャネルを単一画面で一元管理可能
・問い合わせ内容の録音・文字起こしなどの機能が標準搭載
・複数製品を組み合わせることなく、Genesys Cloud 単体で利用可能
・日本法人による支援体制が充実し、導入から運用まで安心
 ANAグループであるインフィニは、今年で35周年という企業の節目において、Genesys Cloudを新たな顧客対応基盤とすることで、業務設計そのものの刷新に踏み出した。
 現在は電話とチャットの統合運用を進めるとともに、将来的にはAIによる応答予測やナレッジ管理の高度化にも取り組む予定。顧客対応の質を維持しながら、省力化・効率化を両立し、より快適でスムーズな顧客体験の提供を目指す。


PAGE TOP