コンタクトセンター関連ベンダー動向

〔2024/3/26〕デジタルシティオキナワ、コールセンターの課題を生成AIで解決する「CallAIプロ」をリリース

 デジタルシティオキナワ(本社:沖縄県那覇市、大島予章社長)は、生成AIを活用してコールセンターの課題を解決する「CallAIプロ」をリリースした。CallAIプロとは、コールセンターの課題をすべて解決する多言語対応生成AIサービス。
 FAQやナレッジから研修マニュアルや小テストをAIが自動作成し、オペレーターの研修をサポートする。また、FAQやナレッジから生成AIが情報を汲み取り、適切な回答案や素早い情報検索を実現する。オペレーターの大変な業務もフルサポートする。さらに、通話内容を要約し、重要なポイントを抽出することで、後の分析や報告書作成が容易になる。音声データを自動でまとめて評価することも可能。さらに、130カ国語以上を学習させた音声認識AIが24時間即時に対応する。
 コールセンターの業務は、顧客からの声がダイレクトに届くため、顧客満足度の向上に関わる重要な部署である。しかし、その市場規模が拡大する一方で、さまざまな課題が挙げられている。
 
課題1:多様化する問い合わせ対応と品質の均一化
 コールセンターにおける問い合わせは、単純な回答・説明から複雑な問題解決に至るまで、幅広いものがある。オペレーターは顧客がストレスを感じないように、迅速かつ正確な対応をすることが求められる。

課題2:人材不足と退職率の高さ
 コールセンター業界は高い離職率に直面している。この問題は、ストレスの多い業務環境、顧客からのクレーム対応、研修の不十分さなどが原因で、慢性的な人材不足に大きく影響を及ぼしている。これらの課題を解決するため、コールセンター内の対応品質を均一化させながらも、顧客満足度の向上とオペレーターの負担軽減を両立させる必要がある。

 CallAIプロでは、AIと自動応答システムを活用したルーティンワークの自動化、オペレーターの継続的な研修、問い合わせ管理の効率化を提供している。これにより、コールセンター業務の課題に対処し、価値あるサービスを提供する。

〔2024/3/26〕ベルシステム24、業務プロセス変革支援サービス「BPRコンサルティング」を本格提供開始

 ベルシステム24は、同社が1,300社以上の顧客のコンタクトセンターや営業代行、事務処理などのBPOサービスを手掛ける中で蓄積したノウハウやフレームワークを応用した、業務プロセスの変革を企画・実行するサービス「BPRコンサルティング」の本格提供を開始した。
 本サービスは、コア業務にリソースを集中するためのノンコア業務の業務効率化やコスト削減を目指し、現状の業務分析による課題抽出、最適化のためのプラン策定から、デジタル化による大幅な効率化を含む業務設計の刷新、導入・実行まで、ワンストップで提供する。企業が掲げる事業計画や戦略から導き出されたあるべき姿に向けて、100名以上のBPRスキルを持つ専門コンサルタントによる複合的なアプローチにより、実現性が高い業務改革を行う。
 既に、オンライン動画学習サービスを提供するNTTドコモグループのドコモgaccoなど、複数の企業にて本サービスをテスト導入し、業務工数の削減によるコア業務時間の増加、業務のデジタル化といった成果を上げている。
 本サービスは、事業やサービスのあるべき姿を基に、ノンコア業務の効率化、コスト削減、サービスの利便性向上などの課題解決に向け、同社に在籍する専門コンサルタントが、課題の抽出から業務の再設計、実運用まで一気通貫で業務改革を行う。
 具体的には、「現状分析」「課題抽出」を踏まえた「プラン策定」フェーズと、そのプランを用いた「設計・導入」からの「実行」フェーズの2段階で業務プロセス改革を実現する。企業のニーズに合わせて、必要なプロセス一部のみのスポット支援も可能。

〔2024/3/26〕ベリントシステムズジャパン、「Verint TimeFlex Bot」を発表

 ベリントシステムズジャパン(本社:東京都千代田区、古賀剛社長、以下、ベリント)は、コンタクトセンターにおけるエージェントのスケジューリングの柔軟性を再定義し、従業員のエクスペリエンス(EX)を劇的に向上させ、スーパーバイザーによるスケジュール変更の労力を削減する「Verint TimeFlex Bot」の発売を発表した。
 Verint TimeFlex Botは、Verint Open Platform上で利用できる、洗練された人工知能(AI)モデルを搭載した多種のベリントボットの1つ。TimeFlex Botは、AIをワークフォース管理(WFM)予測に活用する。結果として、エージェントのワークライフバランスを改善し、管理者のレビューと承認時間を短縮し、コンタクトセンターに多大なROIを生み出す、スムーズなスケジューリングプロセスが実現する。
 Verint TimeFlex Botを使用すると、エージェントは「FlexCoin」を獲得・消費して、個人にとっても会社にとっても最適なスケジュール変更を行うことができる。FlexCoinは、エージェントが会社にとって有益なスケジュール変更を行った場合に獲得できる。エージェントはそのFlexCoinを使って、自身のスケジュールを変更し、ワークライフバランスを改善することができる。TimeFlex Botの巧妙な仕組みにより、すべてのエージェントが変更したスケジュールのバランスが、ビジネスのニーズと釣り合うことが保証される。手作業で労働集約的な作業をすることなく、従業員のエクスペリエンスが劇的に向上し、同時に顧客のエクスペリエンスも向上する。
 他のVerintボットと同様、Verint TimeFlex Botは既存のエコシステムに迅速に導入でき、運用コストを削減しながら迅速かつ測定可能なROIを実現し、従業員と顧客のエクスペリエンスを向上させる。

〔2024/3/25〕LIXILで利用中のコールセンターCRM「インスピーリ」で顧客との通話内容の要約が閲覧可能に

 バーチャレクス・コンサルティング(本社:東京都港区、丸山勇人社長、以下、バーチャレクス)は、2021年10月よりLIXIL(本社:東京都江東区、瀬戸欣哉社長)にコールセンターCRM「inspirX(以下、インスピーリ)」を提供している。この度、LIXILが利用するジェネシスクラウドサービスのクラウド型コンタクトセンターソリューション「Genesys Cloud」から自動音声を取得、エーアイスクエアの「AI2 ASR」で音声認識し、さらに「QuickSummary2.0」で要約した内容をコールセンターのCRMであるインスピーリに連携、顧客との通話内容の要約が閲覧できるようになった。
 ここに至る経緯として、LIXILとエーアイスクエアは要約精度の確認や業務への適用効果の試算、ChatGPTを利用する際のリスクや業務適用における課題を洗い出す実証実験を2023年6月から実施、要約精度や処理速度、費用対効果など、業務適用における条件をクリアした上で本番運用を行っている。
 この3社製品の連携によって電話応対後の後処理業務は不要となり、LIXILのコールセンターにおいて約30%の生産性向上を実現している。
 また、QuickSummary2.0とインスピーリがともにアマゾン ウェブ サービス(AWS)をサーバとして利用しているため、AWSの提供するツールを活用することでよりスムーズな連携が行えた。さらに、要約された通話内容はインスピーリに取り込む際、パラメータによって取り込む情報が決められており、個人が特定される内容は削除されているためセキュリティ上の安全性も担保されている。
 バーチャレクス、エーアイスクエア、ジェネシスクラウドサービスはそれぞれ、これまでも多くのコールセンター現場運営に携わってきた。各社の知見や経験をもとに、今後も協力の上テクノロジーの活用による顧客満足度の向上と業務効率化を支援していく。

〔2024/3/25〕NTT Com、NTT版LLM「tsuzumi」を活用したソリューションを提供開始

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、日本電信電話(以下、NTT)提供の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の商用提供開始に合わせ、tsuzumiを活用したソリューションの提供を開始した。顧客から特にニーズの高いCXソリューション(顧客応対、コンタクトセンター)、EXソリューション(業務・業界別)、CRXソリューション(IT運用自動化)の分野に特化したソリューションを提供する。
 また、tsuzumiを利用したアプリケーション開発や業界・業務特化型「tsuzumi」の構築を促進するパートナーシッププログラムの募集を2024年5月より開始する。
 NTTによる2023年11月のtsuzumi発表以降、NTT Comへも多くのtsuzumi導入に関する問い合わせがあったと言う。NTT Comは、顧客のニーズに応じて、tsuzumiなどのLLMをはじめとした最適なAI技術を活用した個社別のソリューションを、導入から運用までトータルで提供する。
 提供する基盤はパブリッククラウドとプライベートクラウドに対応し、顧客の用途・状況に応じて選択が可能。
(1)CXソリューション
カスタマフロントソリューション
 デジタルヒューマン技術や生成AIを活用した新たな顧客応対ソリューションを提供する。チャットボットに加え、アバターを利用することで店頭・店舗コミュニケーションにおいて新たな顧客体験を提供する。

コンタクトセンターソリューション
 応対記録から必要な情報を自動抽出・要約を行うことでオペレーター業務の効率化を支援する。また、通話内容をもとにナレッジの抽出と会話サンプルの生成を行い、研修やFAQの高度化に活用することでバックヤード業務の時間削減やナレッジの高度化を支援する。

(2)EXソリューション
 金融・医療・行政・小売・運輸などの業界を中心に、顧客の業界、業務に合わせ従業員の生産性向上に繋がるソリューションを提供する。
 プライベート環境に生成AIの動作環境を構築することで、社内に閉じた業務マニュアルや製品仕様書、設計書など秘匿性の高いデータを学習させ、顧客の業務プロセスに沿った業務改善に貢献する。

(3)CRX(事業継続性強化)ソリューション
 ITシステム運用の自動化ソリューションに加え、顧客のシステム情報とセキュリティ情報を学習したAIが対応アドバイスを生成することで顧客の環境にもとづいたサポートを提供する。
 セキュリティ運用の負担を低減することで、マルウエア対策など年々増え続けるサイバー攻撃へのセキュリティ対応稼働の増大に対応する。

〔2024/3/22〕エーアイスクエア、GRANDITがヘルプデスクで、AIアシスタント「HEROZ ASK」の実証実験を開始

 エーアイスクエア(本社:東京都千代田区、石田正樹社長)は、GRANDIT(本社:東京都港区、石倉努社長)のクラウドERPサービス「GRANDIT miraimil」に関するヘルプデスク業務において、AIアシスタント「HEROZ ASK」の実証実験を開始したことを発表した。
 GRANDITは、クラウドERPサービス「GRANDIT miraimil」の導入数が堅調に推移する中、ヘルプデスクへの当該サービスの利用方法やERP全般に関わる問い合わせ数も増加傾向にあった。同時に、「問合せに対するナレッジ検索時間」と、「多岐にわたるナレッジの修正・整備にかける工数捻出」が課題になっており、生成AIの活用による改善を検討していた。
 エーアイスクエアは、HEROZが提供する、生成AIを活用したAIアシスタント「HEROZ ASK」を試行導入し、生成される回答内容の精度検証とヘルプデスク対応に必要な各種機能の検証を行う。
 精度検証は、GRANDITが保有する操作マニュアルや設計書などの各種ドキュメントを編集せずに「HEROZ ASK」にインポートし、プロンプト(ChatGPTへの指示文)や文書へのタグ付け、利用するGPTバージョンの変更、文書の分割などの機能を調整することで、GRANDITのヘルプデスク業務に最適な設定を検証する。
 生成AIが登場し、コンタクトセンター業務においても大幅にDXが推進され始めている。エーアイスクエアは今後も最新の技術を取り入れ、顧客の問い合わせ窓口業務の業務改革を支援していく。

〔2024/3/21〕JAPAN AI、プロディライトとパートナーシップを締結

 JAPAN AI(本社:東京都新宿区、工藤智昭社長)は、クラウド音声システムの企画・開発・販売事業を手がけるプロディライト(本社:大阪府大阪市、小南秀光社長)とパートナーシップを締結し、AIによる、電話を用いたさまざまな業務の効率化を推進する。
 飲食店の電話予約やコールセンターでの問い合わせ対応など、ビジネスにおいて電話を用いるシーンは多々存在するが、電話対応は工数がかかったり、専任を雇うのに人件費がかかるなどの課題がある。
 これらの課題の解消に向けて、これまで自動音声応答システムやチャットボットなどのさまざまなITツールが展開されてきたが、これらのツールは用途が限定されており、人間のように、自由度の高い質問や要求に対応することは困難であった。
 今回の提携は、AIを活用することにより、これまで対応できなかった電話に関わるさまざまな業務を自動化することで、事業者が業績に直結する仕事に集中できる環境を構築することを目的としている。
 プロディライトとJAPAN AI、そしてさまざまなサービス事業者との提携および共同開発を推進し、具体的なサービス化を進めていく。


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